手前味噌で申し訳ないが、自分では随分前から細々とブログをやっている。その中で動画なども載せているのだが、結構ビックリの人気なのが植物油のコンロ。しかも日本というより海外での反応が強い。
そんなネタなのだが、懐疑的なコメントも若干ありで困惑する。実験検証しているんだけどなぁ、まあ信じられないよなぁきっと。というわけでそこに到るまでの紆余曲折を紹介すると、当コラムを見てくれて楽しむ人に今後の参考になるかな? と思ってきた。
なぜそんなことを思ったかといえば、当コラムで以前に簡単な灯りを作ってキャンプで楽しむというようなことを書かせてもらった。見ての通り、キャンプサイトのテーブルランプとしてかなり使えるのではないだろうか。
もちろん、簡単に作れるそれら話は当コラム第131・132回の2回にわたって書かせていただいているのでそちらを見てもらうとして、その後の出来事などを綴ってみよう。実際にはほぼ同時進行だったのだけれどね。
灯りとしては、細めの空き缶の底を使い、空気取り入れ口を作ってティッシュペーパーの芯を作り火を点けることで、大きな炎を得ようというものだった。その原理的な部分は、TLUDウッドガスストーブの進化版というつもりだった。2次燃焼を即すというもの。
そしてこの原理でもっと簡単に燃焼部分が作れないかと試作したのが、アルミ缶の残りクズで作った単純なもの。ティッシュペーパー芯に空気取り入れ口を設けたホルダーをハメたもの。芯とホルダーの間にわずかに隙間があるのがキモ。
これら実験でのそこそこの成果を得つつ、その芯をたくさん並べた状況と同じようなものを作って見たらどうなるかと試作した。ホルダーを2重構造にし燃焼部分を増やしたものだが、かなり豪快に燃えるのだが、本体等が異常に熱くなりすぎ、燃料が植物油、いわゆるサラダオイルであったとしても相当危険であることが分かった。天ぷら油での事故って、こうして起こるのだなぁと…。
そして、この段階では燃料となる植物油は外部から供給というか吸い上げるタイプだったことも、なんとなく実用面でいろいろ面倒だなと感じていた。安全面でもかもしれない。そもそも熱量が極端に増えてくるのが問題なのかも。
(画像をクリックすると動画が再生されます)
そこで燃料を内包式にし、ベルヌーイの定理で吸い出しが起きる形状に変更し積極的に2次燃焼ガスが燃えるような形状にしてみると、なんとガス燃焼の青い炎が出るようになった。明るいと見えないけれど、オレンジの炎の根元部分は青い。
ここまでやって頭の動画に戻るわけだが、安定して燃焼するようなので、どうせならサイズを大きくし簡易コンロとして使えないかと工夫したのだ。もちろんこのコンロを使うと、鍋底などにはススが付きまくる。何しろ不完全燃焼を2次燃焼させているのにそれでもまだガス化が足りなかったりなのだ。
とはいえかなり実用的になるので、面白スキルとして身につけておいて損はないかな? キャンプサイトで結構周りの人を驚かすことができます。ただ燃焼臭が相当激しいので、室内ではやらないほうがいい。さらに、10ccほどだろうか、その燃料で30分ほど燃えることも確認している。
薪割り無しの薪にいきなり火をつける焚き火の元火としていかがでしょう? 扇ぐ必要もなく便利、疲れないし簡単、アルミ缶で作った缶が燃えてしまっても悔しくないしね。