【第132回】冬キャンプの必需品「FFヒーター」


車のエンジンを切ったままでも使えて、車内の空気を汚さない暖房器具「FFヒーター」は冬でも車中泊する人の必需品です。

 燃料は基本的に車両の燃料タンクからパイプを分岐して使用するので、FFヒーターのためだけに燃料を用意する必要がありません。

 燃焼のための吸排気は車外で行われ、車内の空気はクリーンなままです。燃料消費量も少なく、およそ1リットルの燃料でおよそ8時間燃焼します(最高出力で約4時間)。

 FFヒーターは後付けよりも新車購入時に付けることをお薦めします。後付けでは本体の取り付け場所やダクトの取り回しなどが面倒で、手間もコストも余計にかかってしまいます。その点、バンテックのキャブコンは全車種で標準装備として付けられているので安心です。

 またFFヒーターにはオプションで選べるコントローラーがあり、温度設定のほか、タイマー機能などが使えるようになります。 

 夜、つけっぱなしで寝ると暑くなりすぎたり、乾燥の原因となるのでタイマー機能を使って停止。朝は起きる時間に合わせてタイマーでスタートなど便利に使えます。

 バンテックのジル520クルーズの場合は、ベバスト製のFFヒーターが標準装備されていますが、オプションでマルチコントローラーをプラスすると、タイマー機能などが使えるようになります。

 またFFヒーターを使う機会のない夏場でもときどき運転することが大切です。真夏でも月に1回は最大燃焼で30分程度使うことで冬になっていざ使おうというときに点火しないなどのトラブルを防いでくれます。

 FFヒーターとあわせて、ルーフベンチレーターなどの空調装備、換気扇などがあるとさらに車内の温度を快適に保つことができます。冬キャンプ、車中泊、スキーキャンプなどで活躍してくれます。

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第131回】身近なもので明かりをつくるスキルを手に入れるPart1


このところ、このコラムを利用させてもらい灯だなんだと書いてきたのだが、その最中に国内のあちこちでとんでもない事がたて続けに起こった。それは災害でありどうにもならないことなのかもしれないが、これまで各地で起こった避難しなければならない経験が、なかなか現場では生かされていな
いことも如実にあらわになったような気がする。

それは灯に関してのこと。被災地では、備蓄の水と食料はあるものの、電気的にブラックアウトになった時真っ暗になりそれに対応できる設備が想像以上に存在しないことである。大問題だよね…目先が見え無い恐怖は計り知れないことだし。

というわけで、相当強引だけど今回は、東日本大震災以降個人的にもかなぁ~り真剣に実験して得られた「灯」に関しての話を2回に分けてぶってみようと思う。ありがた迷惑な話ではあるが、ほんのちょっとお付き合い頂ければ幸いだし、普段のキャンプの中でも活かせてもらえればと期待します。

ところで、北海道の停電のなか何処ぞのテレビ局さんが、避難所に自分達が持ち込んだツナ缶に芯を付け灯にしてもらってますみたいな報道があった。

余りに自画自賛とは思われるもののそれはそれでいい。ただ、そのツナ缶はそのあと食べられる状況ではないだろうし、どうするの? その生ゴミ?というのが私的見解。処理できない状況下でゴミ出すなよ…という気分。避難所ではゴミだって大問題なんだから。

ツナ缶で作るランタンは以前から有名で、ゴミのことも含め考えたのは、中身はフォークなどでしっかり美味しく頂き可能な限りオイルを残したままにする方法。そこへ自前の芯を立てる。でもこれは目の前にあるものですぐにできるというわけでもなく、たとえばアルミ片で作った芯の筒型のホルダーとか微妙に工夫が必要だった。そもそも避難所などでの配給にツナ缶はないだろう。

ではどうするか? 食用油使いましょう。ちなみにツナ缶は油漬けのものはサラダオイルかオリーブオイルは大丈夫だが、ノンオイルタイプでは当然火はつきません。というわけで、もっと手軽に手に入る材料、お台所にあるサラダオイルとかオリーブオイルで十分ご機嫌な灯を確保しよう。しかもメチャメチャ簡単に。


お皿にティッシュペーパーを撚って芯を何かで立て、火を点ければいいだけ。昔ながらの行灯です。これが一番簡単だが、倒れたりするロウソクと同等の危険度があるということは頭に入れておこう。

理屈が分かると、もうちょっと明るさを増したいと思うのは人の常。そこでもう少しお台所を見渡してみると、きっと誰の家にもジャム缶や何かの空き瓶が転がっているに違いない。それを利用すると、お皿などに比べ安定性も高くなるし持ち運びもでき、ツルを付ければぶら下げることもできるうえ、フタで消灯もできるようになる。

芯はティッシュペーパーを撚ったものをいくらか用意し、それをアルミホイルでまとめビンの中で倒れないように細工してみたもの。

やってみると理解できるが、そのうち灯り兼コンロにならないかと画策してみたくなる。火力は弱いものの、それはできます。空き缶の底などを使い縦方向を薄くすることで、家庭用コンロの口においてゴトクを利用してお湯を沸かすくらいのことはできるようになる。写真はその様子だが、ガラスポッ
トの底はかなりススで汚れるのは否めない。

灯りが意外と簡単な仕組みで確保できることを理解してもらったところで、次回はもっと楽しくいつものキャンプでも利用できる方法を紹介してみようと思う。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第130回】災害時にも活躍するポータブル電源


車内で電源が必要な場合、エンジンがかかっている状態であれば、車のメインバッテリーがつながっているアクセサリーソケットから取ることができます。

 充電することが多いと思われるスマホの場合は、アクセサリーソケットに挿す充電器が使えます。USBカーチャージャーや、シガーソケットUSBチャージャーなどの名前で販売されている充電器です。

 家庭で使っている電気製品(AC100V用)を使う場合はどうしたらいいでしょうか? こちらもエンジン始動中ならば、アクセサリーソケットに挿すタイプのインバーターが使えます。

 ただし使える電気の容量が限られているのと、さらにどちらの場合にもいえることですがエンジンを切っているときにメインバッテリーから電気を取ると、バッテリー上がりの原因になりかねません。

 キャンピングカーユーザーには馴染みのあるサブバッテリーとインバーターの組み合わせであれば、エンジン停止中でも電源を使うことができますが、これは一部車両をのぞいてミニバンなどの乗用車には装備されていないものです。

 そこで車中泊などで気軽に電源を使いたいときに便利なのがポータブルタイプの電源です。「ポータブルパワー電源390Wh」は、DC12Vアクセサリーソケット、DC12Vコンセント、USBポートが備わっていて、スマホやデジタル機器などの充電ができます。

キャンピングカーパーツ #201055 ポータブルパワー電源390Wh

AC100Vコンセントは300Wまで使用できてテレビをつないだり、パソコン、デジカメなどへの充電が可能です。

 電気を使ったら、再チャージします。家庭用電源で6~8時間、車のアクセサリーソケットからは10~20時間で充電ができます。さらに別売のソーラーパネルを接続することで4~6時間で充電可能です。

 万が一のメインバッテリー上がりでは、付属のジャンプスターターを使ってポータブル電源をつなぐことで、エンジンの再始動ができます。

 車中泊はもちろん、万が一の災害時に電気が使えなくなったとき心強い味方となるはずです。

キャンピングカーパーツ #201055 ポータブルパワー電源390Wh

#201055
ポータブルパワー電源390Wh
価格:96,120円
サイズ:235×230×140mm
重量:5kg

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第129回】秋のグループキャンプにリッチな焚き火で演出


このブログが皆様に届く頃は、まだ暑かったり台風だったりでそれどころじゃないよということもあるだろうけど、そろそろ焚き火が恋しい季節がやってきた。もちろんキャンプが好きな人にとってそれは一大イベントとも言え、よりカッコ良く楽しめたらと日々努力を惜しまないに違いない。

 そんな皆様にお伝えするのは、古くて新しい技術の集大成で出来上がった新しい焚き火道具。その名は「ログストーブ」と言い、数年前にメチャクチャ流行ったロケットストーブの自己燃焼版。火を点けると強力に燃え始め、自らを燃料として燃え尽きるというもの。

 名前の通りログ=丸太なのでそこそこのサイズになるが、バンテック・シーダのリヤトランクスペースには問題なく入るサイズ。素材は間伐材を利用しているのでまちまちだが、直径は20センチ以上で高さが40センチ前後。ロケットストーブの構造はすでに構築されていて、断熱材が本体そのものでしかも燃料でもあるで、ロケットストーブのように忙しく薪を追加しなくてもいいというところがミソ。

 その一部始終はムービーを見てもらうと一目瞭然。木っ端などを穴に詰め込んで着火は簡単、ガスコンロのように調理が行なえ、そのあとはスウェディッシュトーチと同じように灯りとして機能し、最終的には遠赤外線たっぷりの暖房として機能する。

 製造しているのは、実はバンテックのキャンピングカー製造にもちょっと関連している、宮城県にある丸勝モルダー特殊加工木材製形加工(☎0225-62-2620)という所で、製造工場出荷価格1980円(送料別)だ。

 1時間以上調理を続けたあと、灯りとしてかなり利用できる。周辺ではランタンを必要としないほどであった。

 全体に火が回ると、本体そのものが遠赤外線を発する発熱体となり、煙の発生もなく暖房としても優秀と思われる。

 最終的には全体が炭となるので、この段階で焚き火台などに移動するなどすればいいだろう。この状態になるまで6時間以上燃え続けていた。火力そのものの調節は可能かもしれないが、途中で消すことはかなり難しいだろう。

 いかがだろうか、写真を見ているだけでもなんだか楽しそうな道具に見えはしないだろうか。実際に使ってみるとその使い勝手は思っていたよりもよく、いつもというわけにはいかないけれど、ここぞという時のキャンプに持って行くと誰もが楽しくなること間違いなしに思えるのだが、いかがでしょう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第128回】カーテンを装備して車外からの視線を遮る


キャンピングカー、ミニバンに限らず、車中泊するときには、周囲からの視線を遮ることができれば安心して寝ることができます。この視線を遮るための装備がカーテンです。

 カー用品量販店でも車用のカーテンを販売していますが、汎用品のため自分の車にぴったりのものを選ぶことは意外と難しいです。

 そこでDIYすることをお薦めします。生地は好きなものを選んでもらうとして、カーテンを車内に取り付けるための方法を2つ紹介しましょう。

 まずひとつはカーテンレールを取り付ける方法です。車内用のカーテンレールは、家庭用のものよりも細く軽くできていて、車内の微妙な曲面にも曲げながら、はわすことができます。

「スリムカーテンレールライナー付きセット1550ミリ」は、カーテンレールを車内に取り付けるためのブラケット、ビス、エンドキャップ、ランナー、適当な長さにカットできるノコギリが付属しています。

キャンピングカーパーツ #071027 スリムカーテンレールライナー付きセット1550ミリ

#071027
スリムカーテンレールライナー付きセット1550ミリ
価格:2,160円

 もうひとつは、ホックを使う方法です。カーテン側と車体側にそれぞれホックを取り付けることで、カーテンを固定します。

 この固定方法だとカーテンレールタイプと違って必要のないときはすべて外せるので、フロントウインドウなどぶら下がっているカーテンが走行中に邪魔になる部分に使うことができるのでお薦めです。

 カーテン生地の表側に「ストロングホックアタマ」、裏側に「ストロングホックバネ」をセットして生地を挟み込み、カシメます。車体側には「ストロングホックゲンコ」をネジ止め。これでカーテンを車内に固定することができます。

キャンピングカーパーツ #115010 ストロングホックアタマ カーテン表(10個入)

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ストロングホックアタマ カーテン表(10個入)
価格:151円

キャンピングカーパーツ #115011 ストロングホックバネ カーテン裏(10個入)

#115011
ストロングホックバネ カーテン裏(10個入)
価格:129円

キャンピングカーパーツ #115012 ストロングホックゲンコ 車体側(10個入)

#115012
ストロングホックゲンコ 車体側(10個入)
価格:108円

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp