【第112回】タイヤの空気圧をチェックする


車のタイヤはそれぞれ1本ごとの負荷能力(許容荷重)があって、その数値は空気圧ごとに定められています。

 たとえばキャブコンのベース車として使われるカムロードに標準で装着されているタイヤは「195/70R15 106/104L LT」で、1本あたりの最大許容荷重は950㎏です。

 この最大の950㎏を発揮するためには、600kPaという空気圧が必要です。一般的な普通乗用車の場合、だいたい200kPaですから、その約3倍にあたる空気圧が必要だということです。

 空気圧が下がると耐荷重が下がり、タイヤの性能を十分に発揮できないことになります。同じカムロードのタイヤでも、たとえば空気圧が100kpa下がることで耐荷重は950㎏から890㎏になってしまいます。

 空気圧が少ない状態で走行することで車のふらつき、燃費の悪化、そして最悪の場合はバーストして大きな事故につながることもあります。高速走行時にタイヤが波打ち、発熱してバーストを引き起こす「スタンディングウェーブ」の原因にも……。

 空気圧が足りているかどうかは見た目だけでは分かりづらいので日常点検で確認が必要です。走行前のタイヤが冷えているときに空気圧の確認をします。

 ほかにも空気圧をチェックする方法はあって、タイヤの空気圧をリアルタイムでチェックできるワイヤレスモニタリングシステムを利用するのもお薦めです。

 タイヤセンサーエアモニ3.1は、4本のタイヤそれぞれの空気圧と温度をチェックできます。バルブキャップ型のセンサーをタイヤに着けるだけなので簡単にセットができます。センサーから空気圧と温度情報がワイヤレスで車内のレシーバーに送られ、異常値が検出されると知らせてくれます。空気圧は最大で900Kpaまで測定できるので、大型のキャンピングカーでも対応します。

キャンピングカーパーツ タイヤ空気圧モニター ♯272028 タイヤセンサー エアモニ3.1

タイヤ空気圧モニター
♯272028 タイヤセンサー エアモニ3.1
価格:32,184円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第111回】2台目格安スマホのススメ


今時の世の中、まだガラケーで頑張る! という猛者もいるのは分かっているが、ほとんどの人はスマホを持っているに違いない。その便利さから、ついついネットを楽しんで月末は速度制限がかけられ苦しむ人も少なからずいるに違いない。そんな時代のキャンピングカーユーザーに適した通信環境は何かを、最近自分で実践している方法を披露してみようと思う。もしかすると、ガラケー猛者には美味しい話かも。

最初の写真は、スマホのウェブブラウザでNHKニュースのページにアクセスし動画配信ニュースをかなり辺ぴな旅先で見ているところ。当たり前の画像に見えるだろうが、このスマホに挿してあるSIMはいわゆる格安のもので600kbps縛りの低速タイプであり、月額使用量制限がかかっていないものであ
る。もちろん音声通話ができないデータ通信タイプであり、ショートメール機能は付加しているものの月額で800円くらいだろうか。

最近では、1Mbps程度の低速回線で使用量制限のかかっていないタイプもちらほら出始め、場合によっては音声通話機能を追加オプションで足せるようになっているようなので、そういったものを利用するといいのではないかと思う。

そしてそのスマホをベースにしUSBでテザリングをかけ、手持ちのiPadMiniをマウントしネット放送のradikoでラジオを聴いているのがこの状況。

なぜこのような面倒なことをしているかといえば、テザリング親機は電波の送受信に専念してもらい再生をiPadに任せることにより、充電無しの長時間連続使用をしたいから。

テザリングをWi-Fi経由ではなく電力消費量のより少ないUSBで行なっているところがミソで、確かに通信速度は遅くなってしまうが、それでもUSBの通信速度はSIMに付帯された通信速度よりはよっぽど早いのである。そしてスマホ1つで何でもやらせてしまうと、電池の消耗が激しいのはスマホユーザーならよく知っているところだろう。

もちろん、この手の格安低速SIMでは、youtubeをバリバリ鑑賞するなどということは出来ないが、テレビ局やラジオ局から配信されるデータの圧縮技術が優れているのかサーバーが優れているのかは分からないものの、問題を感じることなく利用することができるのである。キャンプで大事な天気予報だってすごく普通に見ることができるはずだ。

そもそも旅の深夜をどうするか、これは自分の中で問題だった。なぜなら非日常を楽しみたいこともあり、自分のキャンピングカーにテレビを載せていないから。もちろん電気の消費量を抑えたいという大義名分は元々あり、装備が増え続けるのも避けたかったという理由はある。

そこで、劇的に進化したスマホ環境のあり方を考えてみたわけである。最近では、1~2万円台で充電用バッテリーかとも思える4000mAhを超える充電池を内蔵したSIMフリー機も発売され、メモリーも大きく音楽ソースのためにCD持ち歩く必要など皆無である。緊急時を考えたらガラケー・スマホに関わらず電話はまず絶対的に旅の時に必要であろうから、それ以外の遊びの部分に格安機種と格安SIMで済まそうという訳。

ただ問題も起こった。計画的に購入した機種が自分の思う通りなら問題ないのだが、充電するための端子形状がまちまち。そのため、様々な機種を充電できるよう装備を追加することになった。ただこちらもそれほど高額ではないので、キャンピングカーに専用として置きっ放し用として用意しておけばいいだろう。

もっとマニアックな話をすると、日本の通信環境ということに触れなければならなくなる。それはガラケーの時代のFOMA回線がまだ生きている地域がかなりあるということ。というより人が少ないところは大体こちら。この回線ではデータ通信の速度がそもそも上がらない3Gや2Gであるため、いくらリッチな通信速度が掴めるSIMだとしても物理的に無理なのである。

そう2台目スマホで大事なのは、以前主流だったFOMAやFOMAプラスを送受信でカバーしているという条件かもしれない。それと格安SIMの相性はかなりキャンプで役に立つと思われる。ちなみに筆者が選択したのは、ASUS Zenfone 4 Maxで、その辺りをクリアしているモデルだ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第110回】車の中で寝るときに大切な条件


車中泊するときに大切なのは外からの「視線を遮る」こと、そして「平らなベッド」を用意することです。キャンピングカーでは当たり前のようにカーテンやシェードが付いていて、フラットなベッドで寝ることができますが、ミニバンなどで車中泊するためにはグッズや工夫が必要になります。 

 まず「視線を遮る」ためにはカー量販店で汎用のカーテンを手に入れるのがいいでしょう。吸盤タイプのものもあって簡単に取り付けができます。視線を遮るだけで車内がより独立した空間になることを実感できると思います。

 さらに「平らなベッド」については車中泊用マットを使うといいでしょう。ミニバンなどではフラットにしても気になる凸凹を車中泊用のマットが吸収してくれて快適に寝ることができます。

 しかしこの「平らなベッド」ですが、いくら車内をフラットにしても車が平らなところに止まっていなければ意味がありません。

 舗装されている駐車場でも雨が降ったときの水はけを考えて、傾斜がついていることがありますし、キャンプ場などオートキャンプサイトでも意外と傾斜している場合があります。ちょっと傾斜しているだけだからと思ってじっさいに車内で横になってみると、意外に気になることが分かるはずです。

 車の向きを変えたりしてできるだけ平らにするなど工夫が必要ですが、それだけでは平らにならないこともあります。

 そこでタイヤの下に入れるレベラーが活躍します。タイヤを乗り上げて高さを調節するための道具です。木の板などで自作する人もいるようですが、キャンピングカー、車中泊車用に専用品があります。

 たとえば、イタリア・フィアマ社の「レベルアップグレー」は幅20㎝、長さ57㎝のサイズで、高さを4、7、10㎝の3段階に調節可能。2個1組なのでうまく組み合わせればたいていの段差は気にならないようにできます。こんなアイテムをひとつ車載しておくだけで車中泊快適度がアップします。

キャンピングカーパーツ ♯024047 フィアマ レベルアップグレー

アクセサリー
♯024047 フィアマ レベルアップグレー
価格:4,212円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第109回】ロープワーク2+1で快適サイト作り


ロープワークは本当に多種有り、それでいて普段手を動かしておかないとなぜか忘れちゃう…シロモノのような気がする。

そこで今回は、これまで数回にわたって書いてきたサイトでのタープ利用・拡張の話の締めくくり、縄の結び方・ロープワークをやってみよう。もちろんサイトでオーニングを使うときにも、風が強く張り綱で補強をかけるようなときにも使えるもの。

厳選するからにはたった2つ、それとちょっと難し目の1つ。これだけ知っていれば、実際かなり役に立つはずだ。

まずは基本のボーライン・ノット、もやい結びと呼ばれるもので、作った輪は綱を引っ張っても変化しないタイプ。タープのグロメットなどに綱を結ぶのに有効である。輪が縮まらないため、救命時に人をつりさげたりするのにも使え、その時は自分の体に回して素早く結ぶやり方もあるのだが、まずは手元で確実に結べるようになることが先決。

なぜグロメットがある所に有効かと言えば、タープなどでそういったところは張り具合を直したり風によって揺れたりする場所であり、接点となる部分の動きはスムーズな方が都合がいいから。

次はエバンス・ノット、こちらは作られた輪の部分が綱を引っ張るとグイグイ締まるタイプ。ポールの先のピンにタープのグロメットを通し、その上に作られた輪を通すように使うと効果的。地面に引っ張る形で設置すれば、タープが風で煽られてもグロメットがピンから抜けるのをかなりの確率で抑えることができるのである。

ピンから輪の抜き取り片方を引っ張れば、スルスルっと解け煩わしくないのもこの結びの利点。日常生活でもかなり生かせるので、ぜひとも覚えておきたい。

基本的に上記2つの結び方を覚えておけば、タープやサイドオーニングを現地の状況に合わせ上手にさばくことが出来る。後は誰でも知ってそうな本結び、それを引き解けにした蝶々結び程度を使えれば大抵の状況に対処できるはず。ただ、状況に合わせ張りを調節するという作業もキャンプ中に必要になるはず。

そんな時は、少しだけ難しいが覚えておいて損のない、トラック結びとか南京縛りと呼ばれているものを最後に紹介。長さ調節と締め込みが一緒に出来極めて堅牢なので、タープの張りの調節だけでなく荷物の積載時の固定など、タイダウンの代わりとしても使え超便利。

グイグイ締め込んでも、解くときはアッサリで硬い結び目などができないという、極めて実用性の高い結び方でもある。これを知ると、自在金具付きの張り綱がなんとなく物足りなくなってしまう。

よく自在結びでサイドオーニングのタイダウンをやっているのを見かけるが、間違いではないと思われるが面積が大きく風にあおられた時に信じられない力がかかるサイドオーニングには、あまりに非力で簡易的な方法だと思った方がいい。そんな時は、トラック結びが有効だ。

以上3つ。これらの結びの処理で、留め方や引き解けにするなど応用をさらに覚えておくと、ますます快適にロープさばきが出来ること間違いなしだ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第108回】車中泊の必需品。ポータブル冷蔵庫。


キャンピングカーはもちろんのこと、ミニバンで車中泊しながら旅をしている人も、車載用のポータブル冷蔵庫があると便利です。  

 車内で調理をするならば、食材を保管しておくための必需品といえます。これからの季節、冷たい飲み物を保存しておくこともできます。

 日帰りの旅であれば、クーラーボックスでも代用できますが1泊以上になると氷が溶けてしまい、そのたびに買い足すのも面倒です。

 ポータブル冷蔵庫とひと口に言っても、容量、性能、価格もさまざま。飲み物を冷やすだけならば、庫内容量10L前後のもので十分ですが、車内で調理をするために生鮮品などの食材を入れるならば、それ以上の大きさがあるといいでしょう。

 また冷蔵庫は冷却のための動力が必要です。ミニバンなどに乗っているならば、電源はアクセサリーソケットから取れるので、DC12V(もしくはDC24V)を電源にしている冷蔵庫を選ぶことができます。家庭用冷蔵庫でも使われているコンプレッサーを使用する気化圧縮型と呼ばれるタイプの冷蔵庫が主流です。

 コンプレッサー式は冷却能力が高く、マイナス18℃まで冷やすことができる車載用ポータブルタイプの冷蔵庫もあります。

 冷凍庫としても使えるものは、道の駅などで冷凍の魚介類などのお土産を買うことができるのでお薦めです。

 そのほかにカセットガスを使って、冷やすタイプもあり、電源が取れない車外に持ち出して使えるのと動作音が静かだというメリットがあります。

 簡易式のポータブル冷蔵庫で、ペルチェ式の温冷蔵庫もあります。こちらはペルチェ素子に電気を流すことで温度を制御します。コンプレッサー式のように起動音や振動音がなくファンの動作音のみで静かですが、保冷能力はコンプレッサー式に比べると低いです。

キャンピングカーパーツ ♯162082 ポータブル冷蔵庫CDF-11

ポータブル冷蔵庫
♯162082 ポータブル冷蔵庫CDF-11
価格:46,440円(税込)
サイズ:540×358×235㎜
庫内容量:11L
冷却能力:+10℃~-18

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp