【第81回】サブバッテリーの重要性を突っ込んで考える。その2


通常モデルだと、サブバッテリーへの充電はメインバッテリーとリレー等を介してエンジンのオンオフで接続・解除をして充電ができるようになっている。その場合使われるのがたいてい5.5sq(スケア)とう、JIS規格に則ったサイズによる導通部断面積が1.5㎟のものだ。

なぜ5.5sqなのか? それは一般的に使えるヒューズが電流量で30A止まりというか、それ以上だとちょっと特殊になるからである。もちろん30Aを最大電流量とするのであれば、計算上は3.5sqで事足りるが、通常安全率で倍を用意したいので50A対応の5.5sqになるというワケである。

ところがバンテックのキャブコンでは、前回も記したように300Ahほどの強大なサブバッテリーを用意している。これが多少電気容量が減っている状態で走行充電すると、30A以上の、とてつもない量が流れるのが常。となると許容量が50Aのケーブルでは到底足りない。そこで用意したのは22sqのケーブルで、115Aほどの電流に耐えられるものである。

カムロードの発電をしているオルタネーターは最大で130Aなので、充電に回ってくる電流量がケーブル許容電流量を超えることはないのだ。もちろん、オルタネーターは最大電流量で発電することはまずないのである。

さらに前回紹介しているバンテックのキャブコンでは、セパレートタイプのルームエアコンを搭載しているモデルが増えてきたが、これが最大で600W定格で消費した場合、強引にDC12V換算すると50Aとなる。走行時はその電気をオルタネーターから引いてくるワケで、22sqなら、充電しながらエアコンが使えるということになるのである。

通常の利用において、サブバッテリーの管理はバンテックの車両の場合あまり考える必要がない。キャンピングシェル部の電気を使いたい時は、そのシステムを動かすためのスイッチをオンにするだけ。通常は運転席とエントランス脇に用意されている。

特に運転席横のスイッチにはチャージエラーランプ(左写真の左側LED)が用意されているので、サブバッテリー充電回路がなんらかのおかしな状態に至った時、素早く気づくことができるようになっているので安心。

身に付けなければいけないのは、キャンプに出かけるときにサブバッテリースイッチオン、帰ってきたらオフして長時間停車での無駄な電気消費を回避する、それをクセにすることだけ。たったそれだけで快適な環境を確保できるなんて、幸せである。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第80回】タンク内の水位を確認するセンサーとメーターの組み合わせ


水タンク内にどれだけ水が残っているのか? いちいちタンク内を覗いて水の量を確認するのは面倒だ。タンクも透明ではないので、外側から見ても水の量はよく分からない。今回紹介するのはそんなタンク内の水の量を把握するためのウォーターゲージセンサーとウォーターゲージメーターだ。

 まずウォーターゲージセンサーだが、こちらは水タンクの中に設置するもの。タンクの上部に50㎜φの穴を開けてセンサーを入れ、5本のビスで固定する。ビスとパッキンは付属している。

 本体は250㎜で長さの調整はできないので注意。タンクの深さが250㎜以上ないと取り付けできないし、あまり深いタンクでは正確な計測ができないということになる。

 本体には水位によって上下するセンサーが付いていて水の量を感知。ウォーターゲージメーターへ、その水位情報を伝える。

キャンピングカーパーツセンター ♯131027 ウォーターゲージセンサーJFW-03

水タンク周辺部品
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キャンピングカーパーツセンター ♯131026 ウォーターゲージメーターJMP-03

ウォーターゲージメーターはタンクから離れた場所に固定して、水の量を確認することができる電気式のメーターだ。ウォーターゲージセンサーJFW-03とセットで使う。

 本体からは4本のコードが伸びていて、2本はセンサーに接続。もう2本は電源ラインにつなぐ。また、電源がDC24Vの場合は、付属の調整用セメント抵抗を使用すれば対応できる。

 センサーをタンクに組み付ける前にあらかじめセンサーとメーターとを接続して、正しく表示されるように確認しておくといいだろう。表示は0、1/2、4/4とあり、その数字の間をセンサーからの情報に合わせて目盛りが上下する。

キャンピングカーパーツセンター ♯131026 ウォーターゲージメーターJMP-03

水タンク周辺部品
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浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第79回】サブバッテリーの重要性を突っ込んで考える。その1


キャンピングカーの装備は様々なものがあるが、その中で特に重要な位置を占めていて乗用車にはまずない筆頭のものといえば、サブバッテリーがそれにあたると言えそうだ。日本におけるキャンピングカーのキャンプ場や旅での利用方法、環境の状況から、その存在価値は近年ますます高まってきている。

そんなこともあり、バンテックがリリースするキャブコンの多くは、大容量の100Ahサブバッテリーを3個並列接続するなど、かなりの充実度が見て取れる。もちろん、充放電がきちんとできるよう十分テストされたシステムで、ほぼメンテナンスフリーでその大容量の電力を利用できるようになっている。

単純に考えて、これだけの容量があると週末に家族でキャンプに出かけ、電気が足りなくなることは通常起こらないだろうと思われるサイズ。もちろんそれは、使用開始が満充電になっているという条件においてである。

そんな大容量を必要としたのは、何しろやたらに暑くなって湿気の多い夏が日本で当たり前に観測されるようになったから。避暑地に行っても暑いくらいなので、エアコンを装備しないと快適な環境を作れなくなってしまったから。

そのためエンジンを止めている時、家庭用のセパレートタイプのルームエアコンを装備しそれに対処しようとすると、外部電力や発電機があるならいざ知らず、バッテリーの電力をインバーターで変換し使うしかなく、どうしてもサブバッテリーが大きくなってしまうのだ。

日本の環境では、ほとんどの場合発電機を回して駐車するなどはできないし、キャンプ場でも外部からの電源が取れないところも多い。結果としてサブバッテリーの電力に頼ることになることが多いので、3本積みというスタイルになってきた経緯がある。

重量的にはサブバッテリーだけで大人1人分に相当してしまうが、そこから発生する電力でルームエアコンはおおよそ4時間程度動かせる。これなら、就寝時の寝苦しさを十分回避できる能力だし、うまく利用するともっと少ない消費電力で運用できるはずだ。

さて快適なキャンプ生活に大事なそんなサブバッテリーの話を、この後バンテック製キャブコンを素材に何回かに分けて説明していこうと思う。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第78回】クロームメッキで高級感のあるシングルタイプのフォーセット


フォーセットは大きく分けて、シングルと混合栓の2タイプに分かれる。水だけならシングル、水とお湯の両方を使うならば混合栓といった具合。今回紹介するのはシングルタイプ。ちなみにフォーセット(faucet)は英語で蛇口のこと。

 シングルのなかでも水の出方がシャワーやストレートなどあり、両方を切り替えることのできるタイプもある。高さや形状、レバー操作の違いがあり、取り付け場所やシンクの大きさなどに合わせて選びたい。

 「シングルフォーセットstyle2005」は、高さ230㎜、クロームメッキされていて高級感のあるフォーセットだ。マイクロスイッチを内蔵していて、右側にあるツマミを動かすことで水ポンプのオンオフができる。フォーセット部分は上下に可動するので使わないときは下側に向けて折りたためるので邪魔にならない。

 フォーセット本体の下部から出ている白いコネクター部分にポンプのホースを接続。高圧の圧力式ポンプには向いていないので、水中ポンプ(インナーポンプ)を使う。

 フォーセットからの電源コードは2本出ていて、1本は水中ポンプ、もう1本はバッテリー側と接続する。

 水中ピンプからも2本の電源コードが出ていて、1本はフォーセット、そしてもう1本はバッテリー側とつなぐ。

 取り付け場所に20㎜の穴をあけて上からフォーセット本体を差し込み、下から付属の白いプラスチックナットを締め込んで固定。取り付け場所の厚みは20㎜程度まで対応する。

 お薦めの水中ポンプは、「♯62020 水中ポンプホワイト径45㎜ 2,160円」など、シンクは「♯70135 ステンレスシンクカバー付き排水栓付(420×370×145㎜)28,080円」が薦めだ。このシンクのフォーセット取り付け用穴は自分で開けることが必要となる。

キャンピングカーパーツ フォーセット・シャワー ♯630457 シングルフォーセットstyle2005

フォーセット・シャワー 
♯630457 シングルフォーセットstyle2005
価格:5,184円(税込)
開口穴:20㎜

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第77回】キャンピングカーの使い勝手を向上させるセキュリティ集中ドアロック


キャンピングカーをそれまで乗ったことがない人にとっては、鍵についてのキャンピングカーを取り巻く状況はさすがに知れ渡っていない。世の中に出回る多くのキャンピングカーは、乗用車では当たり前の集中ドアロックが付いていなかったり、外部バゲッジドアの鍵がそれぞれ違っていて、たくさんの鍵が必要になるなど様々なことがあり得るのだ。

それでは不便さがつのるので、バンテックのキャブコンではエントランスドアをセキュリティ集中ドアロックとし、最も開け閉めする可能性の多い部分で激的に使い勝手を高めている。

さて、そもそも乗用車には今や当たり前の集中ドアロックとは何かと言えば、乗降用のドア全部とトランクやリヤゲートのキーロックがリモコンで施錠開錠が行なえるというもの。さらに開錠していずれのドアも開けなかった場合、大抵30秒ほどで再度ドアロックが全てに施錠されるという仕組みになっている。便利であることは間違いない。

キャブコンにおいては、この場合トヨタ・カムロードを指すのだが、ベース車両のリモコンドアロックは乗用車同様のシステムが組み込まれる。いわゆるフロントシートの両側ドアがそれにあたる。

多くのユーザーはさらに便利に乗降したいと考え、エントランスドアにもリモコン開閉の、アクチュエーターと呼ばれるシステムなどをベース車両のロックに連動して動くよう組み込むことが多いのだが、これは単純に施錠開錠だけができるもので、ベース車両のドア開閉とは連動しないことがほとんど。

この時何が起こるかといえば、まずロックされているキャンピングカーがあったとしてそれをリモコンで開錠。エントランスドアから乗り込んでサッと用を済ませエントランスドアを閉めて降車する。ところがこの状態ではエントランスドアの開閉はベース車両のシステムでは開閉を認知していないので、大体30秒ほどでエントランスドアも含めロックされてしまう。この状態に陥ったとき車内にリモコンを忘れていると、インロックされ大変なことになってしまうというわけ。

そこでバンテックのキャブコンでは、エントランスドアの開閉もベース車両のフロントドア2枚同様開閉をシステムに認識させることにより、上記のようにロック解除した場合にエントランスドアからの乗降があったら自動でロックがかかることがないようになっているのだ。乗用車からみれば当たり前のシステムなのだが、ちょっと特殊なキャンピングカーのエントランスのロックシステムにとってはかなり導入には難しい部分があったりもするのである。

余談だが、2重ロックなどを持つエントランスドアが多く、その鍵の材質上の問題から鍵そのものの磨耗や破損が意外と起きやすいウィークポイントがあるのだが、これは何十年にもわたって改善されることがない。その理由は未だ不明ではあるが、現物の鍵ではなく安心してリモコンで施錠解錠できるということは、脆弱な鍵を曲げたり折ってしまったりというリスクを極力避けられるという点でも、バンテックが採用するセキュリティ集中ドアロックは有効な手段なのだ。

関連リンク:後悔しないキャンピングカー選び

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com