【第289回】事前の準備が大事を心底実感


3月16日、東京でも久しぶりに大きな地震が感じられた。それと同時に、我が家では残念なことに停電が発生しあたふた。ブレーカー確認の後停電だと理解し、あらかじめ窓際に用意しておいたためランタンを点灯するのも慌てる事はなかった。

 ガソリン、灯油、カセットガスと用意された中から、着火が簡単なカセットガス式を選択、部屋で使うとめちゃくちゃ明るい。コレを着火するまでは、スマホやパッドのライトを頼りにした。

 そもそも普段テレビは点けないが、情報収集がスマホのみとなってしまいどうしたものか…、停電しているから充電できないし。という時に、めちゃくちゃ役に立ったのが手回し充電できる防災ラジオ。聞いているとテレビやネット配信よりよほど情報が正確な気がするし、使ってビックリ今時の手回しだと相当な発電量があることを実感。

 1時間もすると、部屋の中でガスランタンの灯りは強烈すぎることがわかり、灯油ランタンに切り替え。もちろんパラフィンでもいいだろう。そうこうしているうち、3時間に近づいた段階で通電しホッとした。キャンプ道具で余っているものをすぐ手に取れる所に置いておくのは重要だと再確認した次第。

そして数日後、予期していたわけではなく随分と前にネット注文した1000円もしない海外発送の石油ランタンが 自宅に届く。停電対策に用意するだけなら、特にお気に入りのブランドでなくても構わないのでこれで十分。 匂いの少ないパラフィンオイルは長期保存も意外と大丈夫なので、停電対策に平時のうちに1つ手に入れておくのはいかがだろうか? イザッて時には市場から一切消えてしまうのだから。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第288回】今シーズンも100均グッズ大活躍の予感


昨シーズンから、100均ショップで取り扱われるキャンプグッズがかなりエグい。本格的に使うにはどうだろうかと個人的には疑問の残るものも多いが、ちょっと購入してみてキャンプサイトのテーブル上で遊んでみようと言う話なら、懐がそれほど痛む金額ではないので試してみる価値はある。実際 100円ではないものも多いが。 そもそも最近のキャンピングカーで旅をする人って、いわゆるコンパクトなキャンプグッズを持っていない人というか興味が無かった人も多い傾向があるし、今更高級なブランド品を買い揃えようということもなかろうから、 楽しみの1つだと思えば相当遊べる。

昨シーズン、キャンプやキャンピングカーとは無縁の世界で爆発的に広がったメスティンブーム。中には、お弁当箱にしてしまう女子も続出した、 アニメの影響だろうか…。商品としての火付け役は、Daisoの500円メスティンだった。今は同様品があちこちから売られている。そのメスティンサイズ にピッタリの蒸し用の網が発売されたと思えば、今度は内蔵できるまな板が登場、100円。

 切りっぱなしの集成材だが、そのままだと簡単に傷が付くだろうし、極めて濡れにもろそう。そこで使用前にオイルを染み込ませ保護してしまおう。木製品の場合植物性パラフィンなどを刷り込むと良いらしいが、そういったものが一般家庭においそれとあるとは思えない。しかしミンクオイルなら、革製品を持っている人ならお手入れ道具として所持している可能性は高い。色々調べてみても、ミンクオイルでも木製品の保護にはそこそこ使えるらしいのでこれで代用し、吸い込めるだけ吸い込ませてみる。

見ての通りさすが専用品だけありピッタリ。実はこのDaisoメスティンは 1合炊きとして売られている小型のもで、1.5合炊き800円の大きさのもの、 同サイズで表面がフッ素加工されている1000円の物があり、どちらも小さい方を入れスタッキングするのが簡単。 ここで問題になるのが、フッ素加工した製品。そのまま中にアルミメス ティンを入れガシャガシャと移動すると中は傷だらけ。そこでこのまな板を 緩衝材として挟むと、ピッタリガタつき少なく収納できフッ素加工も保護でき快適である。

数回前のこのコラムで、メスティンで蒸しパンなどをやるときはクッキン グシートを織り込んで使うと便利、といった記事を書いた。が、なんと Daisoの1合と1.5合サイズ用にその名もメスティン折りなるシートが発売された。1.5合用の方は、Daisoではなく本家トランギア・メスティンにもピッタリ、それが右写真。 ご飯を炊く時に使っても、張り付かないので洗浄が極めて楽になって便利 この上なし。どちらも10枚入りで100円。

                                                              トドメは、そこまでやるか? と思いがするアルコール燃料を使ったス トーブ、大きさは燃料が40mlと80mlの2種類、200円と300円。100円の3個入り固形燃料が安全性や使い勝手の良さで考えても十分に思えてしまうのは 私だけだろうか。 メスティンの友、エスビットの固形燃料用コンロに載せてみると、サイズ 感がいいのは40mlタイプの方。入る燃料の量からしてメスティンでの自動炊飯に良さそう。だが、アルコールストーブ好きとしてはちょっと疑問が残 る。 実はストーブの炎が噴き出す穴の大きさなのだが、どう見ても大き過ぎる のだ。もっと絞って勢いよく噴き出した方が、燃焼効率もいいだろうなとは 思う。また、燃焼を消火しようとして蓋を閉めると、間違いなく蓋のパッキ ンは熱でダメになるだろうな、とも。 アルコールストーブは、燃料を必要な量だけ投入し使い切るのが基本。蓋は冷めてから閉める。まあ、パッキンが付いて燃料保存したまま持ち歩けるのは、便利と言えば便利ではある。 さてこんな小物達があふれる100均ショップの春、今シーズンのネタとして手に入れてみてはいかがだろうか。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第287回】新型カムロードに見る今後のキャブコン事情


‘21年秋新型カムロードがデリバリーを開始し、’22年2月、国内最大のジャパンキャンピング カーショーにおいて、キャブコンメーカーのそれら新型がそろって展示された。バンテックにお いても全車種新型になるが、大型のモデルチェンジではなく新シャシーへの既存モデルのキャンピ ングシェル適合が主な変化。この辺りはほとんどのキャブコンメーカーが同様の状況である。 そのため、一般的に目につくのは多くの価格上昇ではないだろうか。ではそのカラクリをまず は紐解いてみよう。 この数年前まで、カムロードベースキャブコンでスタンダードだったのは、ガソリン車のシングルタイヤだった。当時からディーゼル車は存在していたが、価格差50万円はなかなか受け入れられなかった。しかし明らかにガソリン車よりパワフル、そしてセパレートエアコン装備の常識化の波の中徐々にディーゼル車はシェアを高め、新規登録はほぼディーゼル車に変化した。しかしパワフルになった分装備も重量化し、それに対応するためリヤダブルタイヤを装備したカムロードが、約20万円高で投入される。残念ながらFRの2駆モデルのみ、4駆が有ればさらに 20万円程高額だったろう。 そして今回のモデルチェンジで、リヤワイドモデルのガソリン車とシングルタイヤモデルは無くなり、排ガス規制に適合したディーゼルエンジンに6AT、さらに数々の安全装備を装着し2駆で80万円程価格上昇した。こう見てみると、わずか数年で最廉価設定でも150万円程ベース車両価格が上がった計算。そのため、どのキャブコンメーカーも、普及版、スタンダードモデル、そういったものが軒並みほぼ900万円前後に設定されている。

価格上昇とともに新型カムロードで目につくのは、重量増へ向けた対処の仕方。バンテックの コルドやリーブスで見ると、清水タンク51l、排水タンク70lが飲料水ポリタンクと別に固定で 標準設定されているのだ。このうち清水タンクはそのまま車両総重量の中に含まれる重量増である。 これまでカムロードベースは常に重量との戦いで、軽量化することに心血を注いできた歴史に反する所業だが、それは新型カムロードシャシーが排ガス規制に適合するために車両総重量で3.5トン以上が必要だからである。 もちろん重量増に対応する耐荷重性能も向上しているのだが、現行免許の普通車で新規取得した人では運転できない車重領域になってしまった。

普及版ともいえるコルドとリーブスのサードシート下には51l固定の清水タンクが設置され、そのボディ側面には吸水口が新たに設置された。元々フル装備状態で重量のあったジルシリーズに は、こういった大きく重量増になる追加装備はされていない。

ボディリヤオーバーハング下、コルドは左リーブスは右に排水用グレータンクが設置される。排水量は71l。

車両右側にタンク給油口のほか、新たにアドブルータンクが設置されたので、80lの燃料タンク容量が60lに縮少。タンク脇に小物を入れられる棚が用意されているのは、燃料補給時に使う手袋やウエスなどの収納にかなり便利。という具合が新型カムロード投入による現象であるが、ショーでは価格の高さに驚く声が来場 者から多く聞かれたように思えるも、正常進化であったことが分かるかと思う。 またカムロードでは少数派にはなるが、リヤワイドではないいわゆるナローサイズでリヤダブルの2000ccガソリン車は暫定的に残されている。バンテックで言えばジル・スキップ480がそのシャシー適合モデルであるが、現在モデルの新規製造はなく今後のニューモデルのアナウンスもされてはいない。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第285回】アルミメスティンでパンを焼く


通常、アルミ地肌のメスティンを使いパンを焼いたりすると、内側に油を塗っていてもとんでもなく張り付く。そのため以前、表面がテフロン加工されているメスティンが発売されたとき、このコラムでもそれを使って張り付かせずにパンを焼こうという話をした。

どうしても通常のアルミメスティンを使いたく、張り付き対策にはクッキングシートを使ってみた。たいした量は必要ないので、キャンプの時にあらかじめ必要分を折り畳んだものを用意しておくといいかも。今回は発酵なしの蒸しパン素材を、焚き火の熾火で焼くようなシチュエーションを想定。

見ての通り、焼き上がってもアッサリとメスティンから取り出せるので、パンと比較すると簡単に作れキャンプ中のオヤツ代わりにもなるかも。ちなみに今回、牛乳で柔らかくしたドライフルーツも投入している。

以前、発酵させたパン生地をクッキングシート無しのメスティンで焼いた状態。とにかく取り出すのにひと苦労するし、メスティンの掃除が大変。また、火力調節が難しく、商品のようなパンを作るのは至難の業だった。

出来上がったパンはトーストしてサンドイッチとして食べた。これはこれで美味しいのだが、完成までの手間が正直面倒であることは否めない。というわけで、蒸しパン生地やホットケーキミックスなどを利用した方が時間も手間も少なくて済むのだが、大事なのはクッキングシートなのだというお話である。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第284回】増殖拡大するモバイルデバイスを再構築


高輝度LEDが一般化し久しく、キャンプだけでなく日常でもその利用頻度は高まり、低消費電力化に伴い何日もという長時間使用できる懐中電灯など はカバンの中の常駐品となった。さらに時代は大容量モバイルバッテリーの必要性と小型化が顕著になり、それをも持ち歩いている人だって多いはず。 そのため、コレら常備材のせめて灯りの機能だけでももっと活用しよう。それだけでかなりキャンプ用のライトの数を軽減することが出来る、という事を最近相当実感している。

かくいう自分も、大容量充電式の普通の蛍光灯くらいと思うような大光量作業用ライト、単4型電池利用2~30mは届くズーム機能付き懐中電灯、本体 は防水でソーラーパネルに無接点充電機能に懐中電灯付き電池などがカバンの中に常駐している。実際モバイルバッテリーは40800Ahとなって重量もかなりだが、昨今の社会的生活スタイル激変により必需品と化した。

ランタンのような灯りとして使うのに用意するのは、仕事関連でよく手にするクリアファイルケース。クリアと言っても乳白色半透明なところがミソで、このちょうど良さそうな透過率がライトシェードとして適当で、目に直接入るとちょっと厳しいLEDの指向性をかなり和らげ拡散もしてくれるのである。 適当な大きさに切り出し輪ゴムなどで簡単に固定するだけで十分だし、筒状に丸めて光源部上に載せるだけでも効果はしっかり出る。この方法、写真を撮るときに強過ぎるストロボライトの光をデュフューザーで緩めたいとき、代わりにトレーシングペーパーやティッシュペーパーを利用したことに思考の原点があるが、お手軽なのでお試しあれ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com