【幾寅駅(幌舞駅)】ノスタルジックな駅舎で 映画の中にタイムスリップ


北海道南富良野町にあるJR北海道・根室本線の「幾寅(いくとら)駅」は、静かな町にぽつんと佇む無人駅です。実はこの駅は、1999年に上映された故・高倉健さんの主演映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地として使われた“知る人ぞ知る”スポット。テレビドラマ「北の国から」のロケ地「麓郷(ろくごう)」と並ぶ「富良野の2大ロケ地」として、映画公開から20年以上経った今でも多くのファンが訪れています。

ノスタルジックな雰囲気が漂う木造駅舎は、映画の撮影に伴ってレトロ調に改装されたもの。駅舎正面には、劇中で使用された「幌舞(ほろまい)駅」の看板が大きく掲げられ、「鉄道員(ぽっぽや)」の世界観を演出しています。

駅舎内にある見学無料の「展示コーナー」には、主演の高倉健さんが身に着けていた本物の衣装や映画撮影時のスチール写真、出演者の色紙など、当時の貴重な資料を多数展示。改札を抜けて単線の小さなホームに立ち、南富良野の自然の中を一直線に走る線路を眺めていると、まるで映画のワンシーンにタイムスリップしたような不思議な感覚を味わうことができます。

駅舎の周辺には、映画のロケで使用された「だるま食堂」や「ひらた理容店」などのセットも、そのまま残されています。その横には、映画に登場した「キハ40形気動車」(2005年廃車)の姿も……。木造駅舎や周辺の建物が織りなすノスタルジックな佇まいが、訪れる人々を温かい気分にさせてくれます。

「幾寅駅(幌舞駅)」へのアプローチは、富良野市街からクルマで40分ほど。「道の駅南ふらの」や「かなやま湖」のすぐそばにあるので、観光や移動で周辺を訪れた際は、ぜひ「幾寅駅(幌舞駅)」に立ち寄って、映画「鉄道員(ぽっぽや)」の世界観を感じてみてください。

 

(データ)

住所 北海道空知郡南富良野町幾寅

http://www.minamifurano.jp/

 

岩田 一成
著者:岩田 一成
キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーライター。累積1000泊以上のキャンプ・クルマ旅の経験を活かし、雑誌やWEBでコラムや記事を多数執筆。キャンピングカー専門誌やイベントのアドバイザー、講演会、テレビ・ラジオ番組出演など、幅広い分野でキャンピングカーの魅力を伝えるべく奮闘中。著書『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』 http://www.iwata-kazunari.com/