【第64回】開口寸法はヨーロッパ規格の400×400㎜。ルーフベントの交換、新規取り付けに


キャンピングカー車内の明かり採り、そして天井付近に溜まった空気を抜くことがルーフベントの役割だ。車内で人が立てるくらい室内高のあるキャブコンは、とくに夏などルーフ付近に熱気が溜まるので、ルーフベントは必需品ともいえるパーツである。

ファン付きとファンレスのタイプがあるが、今回紹介するのはファンレスタイプのSEITZ MINI HEKI(ザイツ ミニ ヘキ)だ。

ちなみにルーフベントのサイズはアメリカ規格が360×360㎜の開口サイズ、ヨーロッパ規格は400×400㎜となっていて、SEITZ MINI HEKIはヨーロッパ規格。

アクリル製ドーム型のウインドウで、バーハンドルによって開閉角度を3段階に調整できる。取り付け高さは105㎜なので、ルーフへの出っ張りが少なくドーム式ということもあって破損しづらい。

本体室内側にシェードと防虫ネットを内蔵しているので、就寝時などはシェードにして明かりを遮り、フルオープンして外気を取り入れたいときには虫除けの防虫ネットを使用できる。

古くなったり、破損してルーフベントを交換する場合、もともと付いているのがヨーロッパ規格のものならばルーフの開口部分はそのまま流用できる。

新たにルーフに穴を開けて取り付ける場合は、ファンレスのために電気配線の必要がないので、そのぶん手間が少ない。

またSEITZのHEKIシリーズは、MINIのほかにも商品ラインナップがいろいろとあり、開口部が700×500㎜のルーフライトウィンドウMIDI-HEKI(#034071 69,120円)など大型のタイプも用意される。

※MIDI-HEKIは、受注発注商品のため、納期は4~6か月必要

キャンピングカーパーツ ルーフベント ♯034076 SEITZ MINI HEKI

ルーフベント
♯034076 SEITZ MINI HEKI
価格:21,600円(税込)
開口サイズ:400×400㎜
カラー:ホワイト

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第63回】使いやすさとコストパフォーマンスを追求したコルド


クオリティとともにサイズアップが続くジル・シリーズ。それに対して以前から定番の2x5mサイズにこだわり新たなコンセプトを打ち立てているのが、コルドではないだろうか。

一番の特徴はエントランスを入った瞬間に理解できる。ステップから続くキッチン前のFRPパンはマルチルームにもつながっていて、ドレンホールが設けられているので、汚れても水洗いができる。

ペットを持つ人が注目しそうだが、土足のまま室内に入れるとかマルチルームにトイレを設置したとしてそれが利用できる、こういった実用性の高さに即反応できるユーザーも最近では多くなったのではないだろうか。

さらにエントランスを入って左、通常なら下駄箱など収納庫として処理するスペースの下部がくり抜かれているのは俊逸。この分だけ足先スペースが広がると、広いとは言い切れないエントランススペースでの昇降が格段に楽になるのである。

室内レイアウトは、コストパフォーマンスの追求からかデザイン・機構的にもシンプル極まりないが、そのおかげもあって操作方法は単純明快。ダイネットが掘りごたつ的に使えるなどは、まさに日本のファミリー利用条件でのリラックスを得るスタイルとしてピッタリ。

もし自分が1人でコルドを利用した場合、掘りごたつ状態で過ごし切れるので、バンクベッドもいらないかもとさえ思う。そうすれば、車両全高が抑えられ走行抵抗も減少し、安定性や燃費の向上にもつながると思うのだが、思考がニッチすぎるだろうか。

標準で用意されるバンクベッドも特徴的で、折りたたみのマットを広げるとツインタイプであり、マットのベースを極力薄く仕上げることでヘッドクリアランスをたっぷり確保している。また中央部が運転席横まで切れていることで、ベッドへの昇降がしやすくフロントシートからキャンピングシェル部への移動が、バンク部全体が就寝スペースになるモデルより格段に簡単である。

もう今やセパレートタイプのエアコンを装備することが、日本のモーターホームの必須条件になりつつあるが、コルドにおいてもそれは可能。最初から設計に組み込まれているので、配管が室内で見えてしまうこともなく、室外機の処理も十分配慮されている。

冷蔵庫やエアコンが必要な人用で選択項目であるのに対し、走行用燃料タンク周辺にまとわりつくような複雑な形状で作られた排水タンクは、使い勝手を十分に考えての装備と言える。

容量はほぼ50Lほどで、普通のキャンプ旅行で必要な容量を確保していると言える。キャンプ中大変なのはゴミ処理と汚水処理であり、帰宅時にそれがまとめてできるのであれば心配事から1つ解放されるのであるから。

世界を見渡しても、コルドのようなコンセプトを持つレイアウトデザインのキャブコンは見たことがなく、まさに日本のために作られた国産モーターホームといった趣きである。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第62回】キャンピングカー用に開発された地デジアンテナ。キャブコンのルーフにぴったり。


旅行先でも車内でテレビを見たいなら、アンテナは重要だ。せっかくテレビを装備していてもアンテナの感度が悪ければ映らない。以前のアナログテレビであれば、電波が弱くても、なんとか映像が見えたりしたものだが、地上デジタルになってからは、映るか映らないかがはっきりしている。だから余計にアンテナの性能が重要になるのだ。

DIAMOND無指向性地デジアンテナDACP-225」はバンテックと第一電波工業が共同開発したキャンピングカー用のアンテナ。高性能受信アンプとブースターを内蔵しているので、電波を安定して受信。しかも無指向性なので、走行中でも電波を受信することができる。

屋外用のアンテナなので車のルーフにつけることになるが、本体の高さは約13㎝で全高を抑えた作りになっているので邪魔にならない。取り付けにはルーフへの穴開け作業、防水のためのコーキングが必要になる。

取り付けビスはサビに強いステンレスを使用したものが同梱され、さらに同軸ケーブル1m、パワーインサーター、パワーインサーター用電源コードが付属している。

アンテナからテレビまでの配線が1m以上になるのであれば、付属の同軸ケーブルでは長さが足りないので、車内配線に必要な長さのF型コネクター付き同軸ケーブルが別途必要になる。その際には同軸ケーブル同士を接続するためのジョイントコネクターも用意しよう。

パワーインサーターには電源が必要になるので、コードをサブバッテリーに接続するなどしてDC12V電源を取る。もしもアクセサリーソケットから電源を取りたいならば、別途ユニバーサルプラグ シガーソケット用(価格:1、080円 ♯172103)を購入。

工具は電動ドリル(穴開け)、プラスドライバー、コーキングセットを用意すれば取り付け可能だ。

キャンピングカーパーツ ♯231058 DIAMOND無指向性地デジアンテナDACP-225

テレビアンテナ
♯231058 DIAMOND無指向性地デジアンテナDACP-225
価格:21,600円(税込)
サイズ:アンテナ部直径223㎜、取り付け部直径145㎜、高さ132㎜
重量:560g
周波数:UHF13~62ch
利得:17dB(±3dB)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第61回】新しい日本のキャブコンレイアウト提案をしたジル・ノーブル


それまでキャブコンといえば2×5mのボディ寸法が定番だった。その理由として月極駐車場に入るサイズ、フェリーなどの乗船料金などがあげられていたが、本来のキャンピングカーとしての使い勝手に注目しコンセプトを再構築した。それは2年ほど前にさかのぼる。

新たなコンセプトは、さらなる快適で広い就寝スペースの確保とダイネットの構築による搭乗人数の確保である。そのままではこれらを満たすのは無理で、ベースになるカムロードを利用し最大となる5.2m全長を採用することに決定。その後登場するモデルは、基本的にこのサイズが基準になっている。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル) バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)

何はともあれ、コンセプトを完遂するにはスペースを創出しなければならない。そこで目をつけたのが、キャブとシェルの段差部。通常ここは15cmほどあまり利用されない状態で放置されていることがほとんど。実際には、カムロードではリクライニング可能なスペースとなっている。

このスペースを有効活用し、スライドする新しい台座を設計しそこへシートを設置することで、ダイネットを形成することを可能にしたのだ。それらスライド操作などを行なうときフロントシート背もたれも操作する必要があるが、シェル側からそれができるようにするためのケーブルが増設され、簡単に作業できるよう工夫されている。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル) バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)

ダイネットが全体で20cmほど前方へ移動、それとともに後方が20cm拡大したことにより、最後部にダブルベッドを設置することができた。狭さを感じずにすむ2段ベッドではなく、3段階にスプリングの反発力を調節できるマットを入れ、寝る方向で2つに分割されているおかげで、隣で寝ている人の寝返りが直接伝わらないようにも工夫した。

さらに、上段がない分少しマットの高さを上げ下部外部収納庫スペースを大幅拡大。セパレートエアコンの室外機も問題なく収納できるようにし、昇降性を確保するため、格納式スライドステップを用意し、移動時の安全性も確保した。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)

その就寝スペースには、今やバンテック車には当たり前になりつつあるセパレートエアコンの室内機が装備され、サブバッテリーで4時間程度は駆動できるように。もちろん出力的に、フロントのバンクベッドの空間まで調節できる能力があるが、例えばこのリヤ空間だけをカーテンで仕切って空間容積を減少させれば、その運用エネルギーは減少しサブバッテリーへの負担も激的に軽減させることができるだろう。

装備類はジル・シリーズ同様のフル装備状態で、それら使い勝手は変わらないし最新型パーツの恩恵を感受できる。ただ実際には2人で利用することがほとんどというユーザー層には、ファミリーにも余裕で対応できるこの新しいコンセプトによるレイアウトは、まだ一般的にはあまり浸透していないもののかなり魅力的に映るのではないだろうか。

ショーなどで普通の2段ベッド仕様などと比較することができる場合、可能ならばこのリヤベッドに少し横になってみることを勧める。たったそれだけで、レイアウトの持つコンセプトが理解できるはずだから。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)詳細ページ

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第60回】カムロードベース車のちょうどいい場所にドリンクホルダーを追加


国産キャブコンのベース車として使われるカムロード。純正ドリンクホルダーは、ダッシュボードの中央にあって引き出すタイプ。そこに背の高い500mlのペットボトルなどを挿すとナビやオーディオの操作をする際にじゃまになってしまう。

 運転席と助手席のシート間にあるセンターコンソールにもドリンクホルダーがあるがこちらは体をひねらないと手が届かず、取り出しにくい。

 そこで新たにドリンクホルダーを追加することを考えた結果、最近は喫煙率も下がって車内でタバコを吸う人が少なくなったことに注目。灰皿部分をドリンクホルダーにできないか? というのが開発の発端となった「カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー 右(運転席用)」である。

 運転席ドアの上側に付いている灰皿のキャップを開けて、そこにベース部分を差し込むだけでドリンクホルダーになり、500mlのペットボトルも置くことができる。

 助手席側にも♯061011「カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー 左(助手席用)」がある。注文の際には型番を間違えないように注意しよう。

 ちなみに2016年にマイナーチェンジしたカムロードでは運転席、助手席、それぞれのドア側のエアコン吹き出し口の下に純正カップホルダーが付いた。

 新しいカムロードではナビやオーディオの操作の邪魔にならなくなったので、どちらかというと今回紹介するアイテムは、マイナーチェンジ前の車に使うための追加のドリンクホルダーになる。もちろんマイナーチェンジ後の灰皿にも適合。携帯電話置きなどに使ってみてはいかがだろう。

♯061010 カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー

アクセサリー内装
♯061010 カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー 右(運転席用)
価格:2,754円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp