キャンピングカーショーや、キャンプングカーのお店で、初めてキャブコンを目の当たりにすると、「こんな大きな車を運転できるだろうか?」と思います。
確かに幅は2m、長さは5mを超え、高さはほぼ3mともなれば、そう思っても仕方がありません。
正直にいえば、確かに大きさそのものの問題は存在します。
しかしそれを一般的な運転において、デメリットとならないような工夫がバンテックのキャブコンには組み込まれています。
キャブコンの場合、基本的な車高が高く装備品も車両位置の高い部分に取り付けられるものが多く、基本的に乗用車などと比較すると重心の縦横位置割合が高くなります。端的にいえば、前後左 右揺れを起こしやすい状態です。
これを解消するため、できるだけ前後左右中心部に重心が集まるようレイアウトや装備の配置が、設計する段階から考えられています。特に、一度設置すると動かすことがないバッテリーやエアコン、室外機は重量物であり慎重にその位置関係が設定されていきます。
さらに実際の走行で体感するのが、水の重さです。しかもその使用状況によっては、運転感覚にまで影響してしまいます。質量的に大きな要素であるので、その設置場所による重心位置の変化は、かなり重要な要素になっています。
バンテックの場合、使用前の水はポリタンクやFRPタンクを利用し、室内のフロア上に設置されています。水そのものを飲むか、外でシャワーを使用しない限り、使われた水はすべて排水タンクに貯まるので、結果的に重量の変化もほとんどありません。
そこでコルドリーブスなどでは、燃料タンクとアンダースカートの間のすき間に50リットル程の排水タンクを設け、排水した水の重量を車両中央下部へ移動させることで、重心位置をより低い位置へ移動する対策が取られています。
こういった徹底した低重心化がもたらすものは、ピッチやロールといった揺れが減少し、安定した挙動で走行できることであり、結果的に運転のしやすさや乗り心地そのものが向上します。
※コルドリーブスの燃料タンク&排水タンク
次に「死角が広くて見えないのでは?」というキャブコンの大きさからくる運転への不安です。端的にいえば、直接目視しようにもガラスエリアが少ない壁だらけなのでそれは当然の理由。しかし実際に運転してみると、その不安はかなり払拭されると思います。
まず運転席からの前方視界は、フロント下部を目視できる補助ミラーを併用すると、死角はあまり気になりません。
後方確認においては、 バンテックのキャブコン全車にリヤビューカメラが標準装備になっており、更には全方向を見れるアラウンドビューシステムも一部オプションで設定できるので、不安もなく駐車やサイトへの乗り入れすることが出来ます。
ただ乗用車でも同じですが、合流車線などでの確認に必要な斜め後方の視界に関しては、車そのもの運転する位置も含め車そのものの問題で万全ではありません。
しかし、このような不安を感じた場合、ミラーの増設やその他いろいろ方法があるので、対処はそれほど難しく無いと思います。
最後に、「家のそばの道を走れるだろうか?」という大きさの不安。
これについて言えるのは、ワンボックスキャンピングカー(バンコン)のベースに使われることの多いハイエーススーパーロングよりはるかに小回りが効くということ。さらに、キャブコンより全長が短い一般的なミニバンよりも、最小回転半径が小さいのです。
全幅2mでも、往復2車線の4m道路ならなんら問題は無いですし、狭い路地に2tの配送トラックが入ってくるのも当たり前の光景です。
それ同等の小回り性はもとより、バンテックの工夫が施されているキャンピングカーでは、日常で困ることはほとんどないと思います。