【キャンピングカーコラム バックナンバー第8回】乗り心地を左右するショックを純正品からワンランクアップ!(2016年5月20日)


旅で長距離を移動することの多いキャンピングカーの場合、車の乗り心地が旅の満足度に直結する。そして乗り心地にはサスペンションが深く関わってくる部分である。

車が路面から衝撃を受けると、スプリング(バネ)が吸収するが、それだけではいつまでも揺れが収まらない。そこでショックアブソーバーがスプリングの揺れを抑える働きをする。

ショックアブソーバーが伸びたり縮んだりすることで揺れを抑えるのだが、その力を減衰力という。一般的にこの減衰力が強いと乗り心地が固くなり、弱いと乗り心地が良くなる。かといって弱すぎるとフワフワして揺れがいつまでも収まらない。このあたりのバランスが難しい。

スプリングと違って、ショックアブソーバーは消耗品だ。乗用車では走行距離7万kmが交換の目安といわれている。キャンピングカーのように架装重量のある車の場合だと、その交換目安は5万km。

ショックアブソーバー本体には、ガスやオイルが封入されていて減衰力を決めているのだが、経年変化によってガス抜けやオイル劣化などがおきて本来の働きをしなくなる。するとスプリングがいつまでも上下に揺れて、収まらない。こうなる前に交換が必要だ。

このとき純正ショックアブソーバーではなく、ワンランク上のキャンピングカー用ショックに交換するのも選択肢としてある。

ランチョRS9000XLはカムロード用のショックアブソーバーで、一番の特長は本体に9段階の減衰力調整ダイヤルを搭載していること。好みの硬さに調整ができるのだ。

たとえばアウトドアグッズを多く積む人は硬めにセッティングするなんていう使い方が可能だ。ランチョはもともとオフロード用のショックアブソーバーで縮み側の減衰力をやわらかめにセッティングしてあるので、乗り心地もマイルドになる。

キャンピングカー用ショックアブソーバー ランチョ RS9000XL

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ランチョ RS9000XL
価格:16,000円~(1本)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第7回】コーチビルドが始まったJB-500(2016年5月13日)


私個人の話になるが、JB-500との関わりは深い。図面ができ始めた頃から取材を開始、話を聞きながら3面透視のイラストをその場で描き、完成予想図を当時の社長と膝詰めで検討。イラストはそのままオートキャンパー誌に掲載した。

取材は'91年に始まり、現車が登場したのが'92年。残念なことに当時のポジ写真等がバンテックで見つからず、自宅サーバーに残しておいた当時のデータが白黒の低解像度で出てきた。このあたりに時代を感じる。写真はターボ車がベースに採用されたとき、出向いた時に自分で撮ったと思われる'94年のもののはずだ。その辺の記憶が曖昧。

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その当時はヨコハマモーターセールスのロデオ4WD RV全盛の頃で、対抗馬がグローバルのギャラクシー。どちらもピックアップをベースにしたマイクロミニスタイルだ。そこへキャブオーバー型で全長が短く、居住空間の広い新スタイルとしてJB-500が登場した。

今見ても、このサイズで次に続く、そして今へと受け継がれているジルシリーズの礎になったことは間違いないと確信できる。それほど当時としては先進的なデザインだった。

バンテックとしては初のコーチビルド、キャブコンの製作であったにもかかわらず、完成度が高かったのは欧州車を研究しつくした結果でもあった。当時のバンテック社では、欧州最高峰のハイマーのモーターホームを細かい部分まで調べ上げ研究していたのである。

ちなみに、当時の諸元によると

●デリカ JB−500主要諸元

ベース車両:デリカトラック4WD
シフト形式:フロア5MT
全長×全幅×全高:4980×2000×2980㎜
ホイールベース:2400㎜
乗車/就寝定員:6/4〜5名
エンジン:直4OHCディーゼルターボ
最大出力:85㎰/4200rpm
最大トルク:20.0㎏m/2000rpm
燃料タンク容量:軽油・65ℓ
価格:438万円

●標準装備品:フロントエアコン/85ℓ清水タンク/18ℓ飲料水タンク/100ℓ排水タンク/2口コンロ/49ℓ3ウェイ冷蔵庫/温水器/カセットトイレ/100Aサブバッテリー/外部AC電源入力/TVアンテナ/リヤラダー/ルーフキャリヤ

●オプション:LPガスFF暖房/バックモニターカメラ/サイドオーニング/リヤエアコン/シャワー室バゲッジドア/防震ジャッキ/自転車キャリヤ/強化ショックである。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第6回】カムロードベース車専用 死角をなくす後付けミラー(2016年5月6日)


バンクベッドや大きなウインドウなどいわゆるキャンピングカーらしい外観を持つキャブコンは、バンコンなどに比べて居住空間が広いが、その反面で車を大きいと感じる人もいる。

ベース車の幅よりも架装部分の方が大きくなるのでボディに段差ができて、余計に車を大きく感じ、なかには運転に不安を覚える人も…。

右ハンドル車の場合、普通車でも左後方は確認しづらいが、ボディ段差のあるキャブコンの場合はさらに見えづらくなる。

たとえば高速道路の合流時や左折時に、もうちょっと見えたらいいのになと思うことがある。慣れの問題でもあるが、死角がないにこしたことはない。

セーフティサイドミラーはそんな死角をなくすための後付けミラーだ。

取り付けは標準ミラーのステーにボルトで固定するだけなので簡単。同梱されているブラケットを使って固定すればOKだ。

固定した後に見え方を微調整することもできる。ちなみにカムロードベース車専用のアイテムで、年式によっては付属のゴム製アタッチメントをステーに巻いた上にブラケットを固定する。

実は今年の2月に発売して以来、キャンピングカーパーツセンターで人気商品となっていて、これまで困っていた人が多かったということの証だろう。価格も手ごろ。

セーフティサイドミラーを取り付けると、純正ミラーの下側に多少かぶるようになるが、純正ミラーだけではカバー仕切れない部分がかなりワイドに見え、左折時も、高速合流時もバッチリ確認ができる。
これまで後方視界に不安を感じていた人におすすめ。広くなった視界を体感できる。

セーフティサイドミラー(カムロード専用)

セーフティサイドミラー
価格:4,800円

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第5回】始まりはワンボックスキャンパー(2016年4月30日)


バンテックは歴史のあるメーカーなので、これまでにどのようなモデルが存在したかを、筆者の記憶を頼りにしばらく書きつづってみようと思う。

 今でこそ、日本のコーチビルダー筆頭にも挙げられるが、’86年創業当時は1年を経てキット販売を始め、その後、矢継ぎ早にモデルを増やしていった。いわゆるコンバージョンメーカーだった。

 最初のLT-2型キットの次はフルハウス、サザンスポーツ、フォーシーズン、ステラ、アリス、マヨルカと続いていく。ちょうどこの頃、筆者はこの業界に関わり始め、なんとか記憶に残っている。

 

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 衝撃的だったのはサザンスポーツ。そのデザインと先進的な装備群には目を見張るものがあった。’88年当時のバンテックはドイツの大手パーツ商社であるライモ社と提携したこともあり、欧州での最先端パーツをこぞって投入してきたのだ。

 それは、当時の国産モデルには見られない異次元の完成度というか仕上がり、デザインであり、見た目だけでなく洗練された使いやすさも兼ね備えていた。

 

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 当時試乗したイメージもまだ残っている。使い勝手は現代のモデルと変わらないと思う。走りに関しても、今と比べると貧弱なエンジンであったにもかかわらず、意外にキビキビ走っていた。現代のように排ガス、衝突、その他諸々の事情が付加されていなかった車は、かなり軽かったのだろう。

 自説であるが、小型キャンピングカーは軽いほうがいいと思っている。現行モデルでは、豪華さや多機能がそこまで必要なのかと考えさせられる。そう思えば当時のモデルで十分だったかもしれない。現代のモデルのほうが安全であることは間違いないが…。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第4回】2000アイテムを網羅 欲しいと思っていたパーツが見つかる!(2016年4月22日)


春になり本格的なキャンピングカーのシーズンがやってきた。間近にせまったゴールデンウィークや、夏休みに向けて旅の予定を立てている人も多いだろう。

ところで、旅の計画もいいが、キャンピングカーのメンテナンスはしているだろうか? サブバッテリーが弱くなっていたり、電球が切れていたり、ドアの締まりが悪かったり、前から直そうと思っていたけど面倒で手に付けていないこともあるに違いない。

キャンピングカーにはシンクやコンロ、冷蔵庫などのキッチン、ドアやテーブルなど家庭と同じような装備がついているが、どれもキャンピングカー専用パーツなので、街のDIYショップで扱っているものは少ない。補修パーツも含めほぼ専用パーツが必要になる。

そこでパーツを買うならば、業界屈指の品揃えのキャンピングカーパーツセンターがお薦め。そしてまず手に入れたいのが、2016年2月に発売となったオリジナルのパーツカタログだ。

取り扱いパーツのなかから厳選した約2000アイテムがカテゴリー別に分類されて掲載されているカタログで、メンテナンス、補修に必要なものはほとんど網羅されている。ソーラーパネルやインバーターなどの電装系、冷蔵庫、ポータブルトイレなどを10カテゴリーに分けて紹介。ドアのロックやヒンジなどの補修部品、スイッチ類なども充実している。サイドオーニングの交換パーツも図解入りで分かりやすい。

全244ページのなかで、とくに気になったのは照明のページ。点灯時の写真が載っているので、明かりの雰囲気が分かる。暖色系なのか、ホワイト系なのか、これまでは買ってみないと分からなかった照明選びに役立つこと間違いなし。電球の交換、車内の雰囲気を変えたいと思っている人は是非カタログを手にとって見て欲しい。

車内をDIYで改造したいと思っている人にとっても、まさにアイデアの素となる商品が盛りだくさんだ。

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キャンピングカーパーツカタログ2016-2017
価格:1,620円

・関連リンク

キャンピングカーパーツセンター
http://www.campingcar-partscenter.jp

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第3回】GW前に絶対やっておきたいタイヤチェック!(2016年4月15日)


キャンピングカーシーズン到来。いつも春になるとできるだけ啓蒙したいなと思っているのが、タイヤの話だ。そんな折りに日本自動車タイヤ協会、通称JATMAから連絡をもらった。議題は「キャンピングカーのタイヤチェック」をいかに啓蒙するか。結構詳しいデータを持っているようで、乗用車以上に気を付けてもらうにはどうしたらいいかの作戦会議。

日本自動車タイヤ協会 タイヤ空気圧チェックの様子2

実は、平成12年から4月8日がタイヤの日になった。そこで、JATMAが全国6カ所でタイヤについての啓蒙活動として、運転手に対してお声がけによるチェックを行った。そのひとつ羽生サービスエリアでの結果は最後にデータを貼るとして、その内容に愕然!

何がって言えば、乗用車の25%が指定エア圧に満たないこと。指定エア圧というのは冷間時での指定圧であり、高速道路走行後にタイヤが熱くなってエア圧が随分と上がっているはずでも指定圧以下…。いかに無頓着に乗用車に乗っているかということがわかる。

日本自動車タイヤ協会 タイヤ空気圧チェックの様子3

バンテックユーザーなら、新車中古車に関わらず、タイヤが2~3年経過した車両には春のタイヤ点検のDMが送られてくるはずだ。以前には「メタボチェック」と称し、グッズが載った状態での車両重量測定もしたことがあると聞いた。

脅すわけじゃないですが、これ絶対受けた方がイイですよ。私もダテに25年もモーターホーム転がしているわけではありません、実体験付きです。車両にはいつもコンプレッサー載せているくらいですから。

ただカムロードなどの場合600kPaという高圧のため、ガソリンスタンドのポータブル充てん機では指定圧にするのがなかなか大変。そんなことも含め、アドバイスは受けておいた方がいい、気分的にも楽になるし。

というわけで、気分良く安全で楽しく旅に出かけるには、まずは足元から気をつけなきゃね、というお話でした。

日本自動車タイヤ協会 羽生サービスエリア・タイヤ点検結果

【平成28年4月8日 羽生サービスエリア タイヤ点検結果】
対象になった絶対数は微々たるものだとはいえ、この実態は頭に入れておいた方がいいかも。これが世間一般なのだ。キャンピングカーオーナーだからこそ、空気圧はマメにチェックしたいものだ。
(画像をクリックするとPDFが開きます)

 

TAMA@MAC

 

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第2回】リヤラダーに取り付けできるコンパクトな地デジアンテナ(2016年4月8日)


キャンピングカーで旅に出かけても家庭と同じようにテレビを見たいという人は多いはずだ。毎日欠かさずに見ている朝ドラや、バラエティー番組、ニュースもチェックしたいだろう。

テレビは家庭用のものを車に持ち込めばいいが、問題になるのが「アンテナ」だ。家庭用の地デジアンテナは魚の骨のような形をしていて、サイズも大きいものがほとんど。仮にこれを車に付けても、そもそも車載用に考えられていないので、衝撃や振動に弱い。

また家の屋根を見ると分かるが、テレビの電波が発信されている方角を指して、みんな同じ方向を向いている。いわゆる指向性のアンテナなのだ。

たとえば大きさと強度には目をつぶり、この指向性アンテナをキャンピングカーに取り付けるとどうなるか?

キャンプ場や車中泊場所に到着したら、まずはテレビ電波の方角を確認。そしてアンテナの向きを調整する。そうしないとテレビが視聴できない。これは面倒。そこで車載用としてはどの方向から電波がきてもキャッチできる無指向性のアンテナが便利だ。

さらにキャンピングカーの場合だとルーフ上に取り付ける場合が一般的だが、アンテナ固定のためにルーフに穴を開けることになり、雨水対策のコーキング作業も必要になる。

そこで気軽に取り付けたいのならば、2016年2月に発売になった無指向性の地デジアンテナDACP-115をお薦めしたい。

取り付けはルーフキャリヤやリヤラダーなどパイプ部分にU字ボルトで固定するだけ。パイプが縦でも横向きでも本体が上を向くように角度が調整ができる。小型軽量タイプで取り付け場所を選ばないというのがいい。

これまでフィルムアンテナなどを使っていて電波の入りが悪かった人の買い換えとしてもお薦めだ。

無指向性 地デジアンテナ DACP-115

・関連リンク

無指向性 地デジアンテナ DACP-115
価格:18,500円(税別)
※6mのケーブルを付属

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浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp

 

 

【キャンピングカーコラム バックナンバー第1回】最新ZiL520で300km走った(2016年4月1日)


一般的にキャンピングカーの試乗はなかなか機会に恵まれることがなく、気に入ったモデルがあってもいろんな意味での決断ができない人も多いに違いない。もちろん金額もそれなりなので、尻込みしてしまう気持ちは痛いほどわかる。

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突然の連絡を受け、夜に車両受け取り。そのまま乗り出してさて印象は…、うわぁ、パノラマビューモニターってすごい便利だな。オプションで俯瞰で見れるのだが、その正確さを確認できるまで面白くてまるでほかの事が頭に入らなかった。

このホームページを見て購入検討などをしているということは、すでにバンテックセールスの車両には相当見たり調べたりという状況の人が多いと思う、というかそう想像している。そこで、カタログや展示車で確認できる装備はひとまず置いておいて、端的に車としての走り具合に焦点を当てて話を進めてみよう。

そもそも自分は、これまでにジルがカムロードをベースとする前からのおそらく全モデル、シリーズを試乗してきている。一番長く乗ったのは、1年以上貸与されていたZiL480だろうか。この480は、ベース車両サイズと全体の大きさ、パワーがうまくバランスしていると感じていたのだが、正直それより一回り以上大きい520サイズではどうなのだろう、そこが判断において一番の注目点になる。

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すでにZiLシリーズではお馴染みになったバッテリー駆動もできるルームエアコンは、取り付けと見た目がますますスマートになり、コンロのガスはカセットガス、FF暖房の燃料は走行燃料タンクからと、通常使用時の利便性が極めて高い。

スタートはバンテックセールス埼玉展示場、そこから関越、圏央道、中央道と乗り継ぎ富士周辺までの往復。走った事がある人には分かりやすいが、国道139号線の西湖と本栖湖周辺はそれなりのコーナーが続く道。スタート直後感じたのは、ディーゼルエンジンの変更があったっけ? ということ。イヤそんなことは誰にも聞いていない。さらに、こんなに登坂車線がある所でスムーズだっけ? ロードノイズもどういうわけだか静かに思える。国道に入るともっと違いを感じたのが足周り。もしかしてコレはバンテックお得意のショックアブソーバーとか特製リヤスタビライザーの追加とか?

結果から言えば、エンジンも足回りもどノーマル。ではその現象はどこから生まれてきたのか、それはひとえにバランスである。前後左右重量配分、重心位置その他諸々。そもそも520フルサイズボディは480より当然重くなるのだが、それによる動力性能の落ち込みは思ったほど感じられない。それよりも、落ち着いた挙動と伝わってくる振動などは、明らかに乗りやすく疲れが少ないであろう事が理解できる。手荷物すらほぼ何もない1名乗車のため、実際のキャンプでの運行と違うところもありそうだが、現時点でのバランスの良さが崩れることはそうそうないだろう。リヤオーバーハングもそれなりにあるのに、挙動がロングホイールベースのモーターホームに近く、シリーズ中おそらく一番乗り心地が良い。コーナーでの減速加速もスムーズにこなせ、バランスの良さからその速度差も少なくかなり乗用車的。それが、300kmほど乗って理解できた最新ZiL520の姿である。

 

TAMA@MAC

 

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

・関連リンク

ZiL520  http://www.vantech.jp/lineup/zil520/index.html

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