【キャンピングカーコラム バックナンバー第67回】現代的なキャンピングカーを知ろう(2017年7月7日)


現在バンテックでは、2月に発行したキャンピングカーについて説明した冊子を使い、初めて購入する人などへのアドバイスを事細かにしている。もちろんそれを手に入れて読むだけでも十分な情報量なのだが、このコラムではしばらくの間その内容をさらに現在乗っている人にも詳しく理解できる解説をやってみようと思う。

まずは土台となるシャシーの話。例えばベース車両に多いカムロードのシャシーは、ラダーフレームという前後に伸びた太めの二本のメインフレームがありそれを左右メンバーで連結し、名前の通り“ハシゴ”状の形状をしている。

一般的にトラックの系統はこの形がほとんどで、このフレーム前後方向には強力だが左右方向には意外と柔軟性が高く、走行中段差を乗り上げるとそのままフレームや上に架装した荷室などがねじれて曲がるのが目で見てもよくわかる。

この柔軟性の高さは、第2のサスペンションとしての機能も併せ持ち走行安定性を保つのにも役立っている。しかしそれは基本的に重量物を載せるのと空荷の状態が混在する場合に大いに役立つ機能と言えるだろう。

バンテック ソリッドスクエアフレーム

さてキャンピングカーの場合、前述のメインシャシーとは別にシャシーといえば載せる箱、居住部分のシャシーの話になる。最近のバンテックでは色々なキャンピングカーの話を模型などを使いわかりやすく説明するブースをショー会場で行なっているが、その中にもシャシーの話は重要項目として取り上げられている。

それは、メインシャシーの上に同様の機能のシャシーを架装した場合とバンテックオリジナルのソリッドスクエアフレームを架装した場合の違いが、操作すると理解できるというもの。通常の状態だとねじれてグニャグニャと曲がるさまが分かるのだが、ソリッドスクエアフレームの場合はそれがほとんど改善される。

とはいえ、完全に固まってねじれがなくなるというわけではなく、最終的な完成車重量や走行条件を加味したねじれ剛性を持たせているのは言うまでもない。剛性を上げつつ必要な分を残す、それはトラックと違い通常ほぼ同じ重量で運行されることが予想されるキャンピングカーだからできることである。

この設計設定が何に役に立つかといえば、ダイレクトには乗り心地。そして余分な動きを制御できたことによる、運転感覚を含む走行安定性の向上だ。確かに乗用車のようなスポーティさまでには到達しないが、トラックとはまるで違う乗用車に近い違和感のないフィールングになるということなのだ。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

キャンピングカーコラム最新版は無料のバンテックアプリから。