【キャンピングカーコラム バックナンバー第93回】温水器、温かいお湯で手を洗える幸せ(2018年1月5日)


寒い冬の季節でのキャンプで、ことさら有難いのはお湯が使える環境が整っていること。かじかんだ手も、温水で洗えば1発で気持ちよくなれるからね。バンテック製のキャブコンでは、走行時のラジエター液からの熱交換か電熱器による加熱で温水を作り、22Lの熱いお湯を用意することが可能だ。

その温水は、混合栓で冷水と好みの温度に調節して使える。この温水器は貯湯式というタイプで、字の通りお湯をためて温めるタイプ。瞬間湯沸かし器とはまったく違った構造をしている。そのため、走行時にラジエター液との熱交換で温まるのに約1時間ほどが必要で、電熱の場合も同じだ。温められたお湯は、タンクに断熱材がしっかり巻き付けられていて、魔法瓶ほどでは無いもののかなりの時間温かい状態をキープする。

構造も簡単でガスなどの燃焼施設も無いので扱いはしやすいが、家族4人でシャワーをゆったり浴びるといような用途には容量が足りなく不向き。1人ならそれは問題無いだろうが、そもそも冷水の量をどの程度搭載しているかの方が問題になる。

国産キャンピングカーの場合、生活インフラ的にバンバン水を使ってどんどんお湯を沸かすという使い方は、出かけるキャンプ場などでそういった状況を可能にする設備が整っているところがほとんど無いので、優先順位的にあまり考慮されていない。

そのため、使用済みの食器についた油汚れを温水で落としきるのにも向いていない。ある程度拭き取ってから洗浄して落とすくらいがちょうどいいだろう。確かに便利な装備ではあるが、万能では無いので使う側の創意工夫は必要になる。

さて、便利である貯湯式温水器ではあるが使用上の注意点もある。それは特に冬なのだが、タンクの凍結はさせてはならないといこと。タンク本体はアルミで出来ていて、満タンに近いような状況で凍結が起こると、氷になって体積が増える水の特性からタンクを割ってしまうことがあるのだ。

寒い凍結するような時期にキャンプに出かける時は、温度管理に注意しつつ帰宅したらタンクに残っている水、お湯をドレンから抜き出してしまうことが重要である。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

キャンピングカーコラム最新版は無料のバンテックアプリから。