【キャンピングカーコラム バックナンバー第188回】ついに正式発表された次期ハイエース(2019年11月8日)


令和最初の東京モーターショー2019が、10月24日から11月4日まで開かれた。日本最大商業ショーであるのに、入り口の写真がなぜこんな妙なアングルなのかといえば、東京オリンピック2020の準備のため、東京ビックサイトの多くの施設が改装で使えなくなっているため、臨時の青海展示場やメガウェブなども使うという、これまでにない変則的な展示スタイルだったから。その距離2キロは離れていて、歩く歩く、正直1日中ウロウロしていてかなり足が棒になってしまった。

それはさておき、早速プレスデーの23日に意気揚々と乗り込んでみると、キャンピングカー好きには興味津々のモデルはトヨタ車体が製造するグランエース一択だったかもしれない。それは仮設の青海展示場に鎮座していた。いやぁ、歩いた歩いた。それは、個人的に興味があるものがあっちやこっちにパラパラと置かれていたからだった。

スペック的には、全長×全幅×全高が5300×1970×1990mm、ホイールベースは3210mmと長大。大きさやロングホイールベースを鑑みると、相当乗り心地が安定していて長距離移動が楽なのだろうなぁと想像できる。

エンジンは2.8リットルのディーゼルターボエンジン、最小回転半径は5.6mと現行200系ハイエースよりかなり小回りが効くことになり、キャンピングカーとしての期待も高まるのは間違いない所。ただちょっとそこには、個人的には疑問が浮かんだ。

そもそもブリーフィングによれば、トヨタからワンボックス系の製造を設計からすべて任されることになったトヨタ車体の意欲作であり、アルファードやベルファイヤといった高級路線のさらに上をいくアッパークラスのワゴンを目指したということである。

そんなこともあってか、ボディ全体のモノコック構造がかなりガッチリとしていて、天井周りのサイド部分にも目で見てわかるほどの太い骨格がフルトリムの上からも見て取れる。もちろんこれは、乗用車としての転倒やら事故でのクラッシュなどでの安全性を最大限に求めた結果だと思う。

ただこのフレーム形状だと、キャンピングカーへの転用は相当厳しいかなぁ、と。特にルーフ架装をしてスペースを稼ぐのは、大きなメリットにはつながらないような気も、した。

さらに室内寸法は室内長×室内幅×室内高が3290×1735×1290mmで、乗車定員は3列乗車で6名。セカンドシートは超乗り心地重視のキャプテンシートで、2列目以後のシートが無い、いわゆる“ドンガラ”状態の車両は用意されない、らしい…。キャンピングカー登録のキャンピング車を作るとなると、このセカンドシートが大変にもったいない。

そもそも200系スーパーロングより全長が短くノーズ付きのフロントエンジン、結果として室内寸法が長さという点でスポイルされる、こうなるとレイアウトを作るのも相当に難儀するはず。

12月を目標に年内発売する予定で、価格は「皆さんが思っているよりは抑えられるかと…」ということだったが、今後年を開けたところでニューキャンパーとして制作してくるメーカーがあるのか? 相当に見モノである。うまく作れれば、静かな上に相当乗り心地の良いキャンピングカーになるのは間違いないと思うけどね。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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