【キャンピングカーコラム バックナンバー第250回】色を変えると、雰囲気と色調がグレードアップ(2021年2月5日)


今回は、パッと見どこぞの商品でありそうな雰囲気だが、やっぱり自分で手をかけたものは愛着が出る。こういった小さな明かりでは反射光がいかに大事かが理解できるカラーリング変更となった。

どことなくろうそくやオイルランタンの雰囲気に近づいたのが判るだろうか? そう、雰囲気を最大の目的としたのである。

ベースにしたのは、いつも車の中に積載しキャンプで活用している乾電池式のLEDランタン。メーカー名は、現行商品でもあるので控える。発売自体それほど古いものではないが、やはり光の種類が昼光色とはいえ青い色味を帯びている。さらに塗装がたまたま水色だったこともあり、夏は涼しげでいいのだが、今の時期は体がブルっとしてしまう寒々しさ。

ただ光量の少なさがちょうどよかったり調光できたりと結構なお気に入りで、通常はコレとソーラー充電式インフレータブルランタンでたいていは事足りている。

小ささも気に入っているので、細工してオイルランタンに戻すことも考えた。だってどう見てもコレ、もともとオイルランタンだったでしょうという商品。ただこれ以上車の中にオイルランタンを増やしても手間が増えるだけなので、再塗装で雰囲気バージョンアップする事に。まずは、可能な限りバラバラにし、電気配線の半田も溶かして外した。

塗装の基本は下地作り。車の塗装でプロがよくやる隠れ技に、数種の番手がある3Mサンドブラスターやスチールウールのボンスターを使う方法がある。

何がいいって、中性洗剤で洗いながら足付けという作業が終わってしまうので、取り立てて塗装直前の脱脂作業が必要にならない。とは言えそこはそれ、身近な100均でもいろいろ似たようなものがありそれを活用。塗料は今時は刺激臭のない高性能な水性スプレーも作業が快適だし密着性も良くなっているので使ってみたい所だが、今回はあえて密着力に若干の疑問があるいわゆるラッカーでお安いものを使用。その理由は後述。

塗装もベースにプライマーなど打たず、コレも理由は後述。直接スチールウールで丹念に洗浄足付けした上に、数回に分け薄めにゴールド塗料を塗布。がっちり塗装するならもう少し厚めに吹いてもいいのだが、今回は狙いが違うので、なんとなく真鍮みたいに見えるように工夫。

絵を描く時、金色の真鍮や金などは青の色味が結構重要になる。そういう意味も有って、プライマーやサフェーサではなく元のカラーが水色であることを最大限に利用しようと思ったのである。どうでもいいが、水色って日本人にしかない色の概念らしい、関係ないですね、ハイ。

ゴールドを吹いただけだと、何だこれは…下品。と思う感じだが、乾いてから茶色をフワッと、さらにブラックをフワッと吹きかけると、なんともヤニ付いたか錆なのか経年変化っぽい、そうエイジングの完成。

通常缶スプレーは塗装するのに20〜30㎝離して吹くが、フワッと顔料を載せる時はさらに倍ほど離してなんとなく吹きかける感じで十分。塗装が終わっら、組んで電気配線を再半田付けするなどすれば完成。コレだけで驚くほど光の質が変わるのは、多少は期待していたがそれ以上の効果があった。

さて薄めに塗装を吹いたり、強固な下地皮膜を作らなかった理由は、傷やハゲが今後の使用で雰囲気作りになってほしいから。実際組み上げる時、塗膜の密着力は予想通り弱くそこここにハゲが生じ、その部分からは水色が顔を出す。これが緑青っぽくも見え、なんとも雰囲気が良くなってくるのである。

というわけで、特に高級ブランドだというわけでもなく、なんとなくのお気に入りのグッズをさらに愛着が湧くよう、誰にでも簡単なカラーチェンジっていうのもキャンプ道具にはありだと思う。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

キャンピングカーコラム最新版は無料のバンテックアプリから。