【キャンピングカーコラム バックナンバー第107回】子供の秘密基地とかワンちゃんにも最適なモノポールテント(2018年4月13日)


前回の僕のコラムで、防炎シートを使ったサイドオーニングの拡張を話したが、もうちょっと遊びの領を広げてみようと思う。それは、世界的にアウトドア系の人で流行っているモノポールテントの建て方、これがその防炎シートでもできてしまうということ。

用意したのは、3.6×5.4mのサイズのものと、モノポールとして使うステンレス製の伸縮する物干し竿。あとはペグを基本9本、これなら大抵のホームセンターで簡単に手に入れられると思うし、このモノポールテントとして以外でも色々と使えるのでキャンピングカーに常備しておいても損はないと思う。

建て方にはコツがあり、ポールが一本でかなりの張力が掛かるので、先端部はタオルなどを巻き力を分散させることなどが重要な要素となる。

また最初に位置決めをしたペグ以外は、最終的に張り具合を調整するため打ち直すことが多くなると思われるので、仮の状態で打つことが成功の秘訣。

そんな建て方をしたモノポールテントの下では、コットを持ち込んで普通にテント生活ができる広さとかなりしっかりした高さを持っている。人間が使うのにも十分だし、ワンちゃんなどがいると、リードでポールを倒されないようにする工夫は必要だろうけれど、かなりご機嫌なお外スペースとなるに違いない。

さらに、2.7×2.7mの正方形シートを組み合わせると、クローズに近い状態、フラップ状にし前室のような使い方ができるので、キャンプサイトにキャンピングカーで出かけた時のスペースが有効に使えるのも魅力。何しろ、専用でタープテントなどを持って行くとかなりかさばるものだが、これなら収納スペースも大して取らないし、何より周辺キャンパーの人たちの羨望の眼差しを受けるに違いない。

遊びとしてはかなり面白いと思うので、一度お試しして見てはいかがだろうか。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第106回】キャンピングカーにトイレは必要か?(2018年4月6日)


カセットトイレ
♯144083 ドメティック電動カセットトイレCTW-4110
価格:108,000円(税込)

キャンピングカー購入時に「トイレ」について必要かどうか悩む人は多いようです。日本全国にコンビニがありますから買い物ついでにトイレを利用できますし、道の駅にも24時間利用できるトイレがあるので、車内にトイレがなくてもいいと考える人がいる一方、キャンピングカー歴が長い人のなかにはトイレ装備は必需品だという人もいます。そんなトイレですが、まずは初心者のためにどんな種類があるのか説明していきましょう。

トイレは大きく分けて2タイプあります。「車内据え付け型」と「ポータブルタイプ」です。車内据え付け型は文字通り車内にトイレ本体が固定されています。ですからある程度車内スペースが広い車でないと装備ができません。

国産車、ヨーロッパからの輸入車ではカセットトイレと呼ばれるものが主で、排泄物が溜まる汚物タンクのみを取り外して車外へ持ち運ぶことができます。そして汚物タンクに溜まった中身は家庭のトイレなどに流して処理をします。

また北米から輸入したキャンピングカーも据え付け型ですが、トイレ本体だけでなく、汚物タンクも車に固定されています。汚物を処理するためにはタンクにホースをつないで、ダンプステーションなど専用の施設での処理が必要です。

ポータブルタイプは、ミニバンなどにも積むことができるお手軽なタイプで本体ごと持ち運びができます。日本で主流のポータブルタイプは、本体が上下に分かれる構造で、上側には洗浄水を入れて、下側は排泄物が溜まるタンクになっています。汚物タンクがいっぱいになったら取り外して、家庭のトイレなどに流して処理するのは、カセットトイレと同様です。汚物タンクの容量は10Lから20L近いものまであるので、人数や使い頻度によって大きさを選びます。

トイレのために車外に出るのが寒い冬場、雨が降っている、夜中にトイレに行きたいなど、車中泊をしていると、そんなシチュエーションにあたることがあります。こんなとき車内にトイレがあることをありがたく感じるはずです。

キャンピングカーパーツ ポータブルトイレ ♯144064 ポータブルトイレサニポッティー972 9.8L

ポータブルトイレ
♯144064 ポータブルトイレサニポッティー972 9.8L
価格:16,200円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第105回】工夫で広がるタープ下快適空間(2018年3月30日)


キャンピングカー、特にキャブコンを購入するとサイドオーニングが付いていることがほとんどだ。それは便利な装備で、本来の日よけとしてだけでなく、簡易的な雨よけの屋根としても働く。これが、クランク・ハンドル操作だけで出し入れ出来るのだから、キャンプの必需品と言っても過言ではないだろう。何しろ、現地到着した時最初に作業にかかる装備であり、自分的には外部電源より先にとりかかる。

確かに便利なのではあるが、国産キャブコンクラスだとそのサイズは3.5mほど。パラッと雨が来たという程度なら大丈夫だが、少し強めになる、または横に流れるという場合には、しのげるスペースが激減。また、サイドオーニングはその構造上、風にあおられることにことのほか弱い。

こうしたウィークポイントがあるにはあり、それを解消するためのグッズ類も豊富に発売されている。もちろんそういったモノを利用するのがマッチングが良く、実用性も向上する。

そういったものがない場合は、出先に見つけるホームセンターなどに行くと、いろいろ代用できるものが見つかる。特におすすめなのは、防炎シートとメッシュのシート。これらをサイドオーニングにくくりつけペグダウンすることにより、雨の浸入を防ぎ、風の影響を激減させることができるのだ。ペグダウンすることで、サイドオーニングを専用のパーツでタイダウンさせるのに似た効果があるのも見逃せない。

雨や、寒い時期の風を止めるのに、透明シートもいい。サイズとしては、高さで使う辺が1.8m、幅で2.7mや3.6mが使いやすいと思う。いずれにしても、簡易として固定するのに最低でも強力な撚ったビニール・ロープは必要なはずだ。

サイドオーニング下の空間を、天候に左右されずにキッチリ使えるようになると、やはりさらにその空間を広げたくなるのがヒトの性。こんな時にも防炎シートは役に立つが、さらにポールも必要になってくる。ホームセンターには、雨にも錆びず強度があるステンレスの延長物干し竿というものが必ずある。これを利用すれば、かなりの状況に対応できるだろう。

この辺りからは経験がモノを言うタープワークになるが、無段階で長さ調節できるのは都合がよく、綺麗にしかもカッコよく張れるとキャンプ場でチョット注目されることは間違いなし。

こんな事も、キャンピングカーで遊びに出た時の遊びの1つになってしまうのが、もしかしたらキャンピングカーならではなのかも知れない。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第104回】新発売タッチタイプのスイッチで車内をスッキリ見せる(2018年3月23日)


キャンピングカー車内には照明や水道ポンプ、冷蔵庫などが装備され、その機器ごとに電源スイッチが必要だ。とくにキャブコンなどで照明の数が多いとスイッチの数もそれだけ増えていく。

 これまでスイッチというと、従来のロッカースイッチがほとんどだった。ロッカースイッチとはボタンの両端を交互に押すことで、電気のオンオフをするスイッチのこと。

 それとは違った新しいタイプのスイッチが発売になったので紹介したい。

 写真をみても分かるように「LEDタッチスクリーンパネル6連 12-24V」は、フラットなタッチスクリーンパネル型のスイッチだ。

 パネルに触れることで、機器のオンオフができるというもの。パネルに触れるとオンになり、LED部分がブルーに点灯する。もう一度触れると白く点灯して、機器がオフになるという仕組みである。

 しかも1つのスイッチで機器6個まで接続でき、12V、24Vに対応。12Vの場合は最大60A、24Vならば最大40Aまで使える。

 タッチスクリーンパネルとコントロールボックスを付属のケーブルで接続。照明などの電気機器からは、プラス側の電気コードをコントロールボックスに接続する。

 さらにコントロールボックス内にはサーキットブレーカーが内蔵されていて、万が一、ショートした場合は機器を保護。自動で復帰する。

 コントロールボックスは壁の裏側などに設置して、タッチスクリーンパネルだけを出しておけば、見た目スッキリ。

 タッチスクリーンパネルを取り付け場所に貼るための両面テープを付属。さらにスイッチがどの機器に対応しているかが分かるようにシールが付属している。

キャンピングカーパーツ スイッチ ♯182008 LEDタッチスクリーンパネル6連 12-24V

スイッチ
♯182008 LEDタッチスクリーンパネル6連 12-24V
価格:8,640円(税込)

パネルサイズ:100×80×10㎜(背面突起部分のぞく)
取り付け穴サイズ:48×18㎜
コントロールボックスサイズ:135×85×30㎜

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第103回】キャンプに行ったら…やっぱり焚き火だよね(2018年3月16日)


キャンプに出かけて何が楽しいって言えば、やっぱり焚き火だと超個人的には思う。と言うわけで、今回から何度か、筆者のネタが続く程度に、あまりヘビーではないキャンプや出かけた先での楽しみなどをやってみようということになった。

焚き火といえば皆さん好きなようで、焚き火台を用意し薪をくべ、ガスバーナーで炙って着火、そのあとは容赦なく団扇であおぐという姿をよく見かける。道具もよくなったし、それはそれでいいのではあるが、灰が飛び散るよねそれでは。小っちゃい子がいると、やたらあおぎ立てるのはしょうがないことなのだろうけど…。

最近の自分のスタイルは、着火と道具にこだわってきている。道具は農協やホームセンターで売っている小鉈、これがすごい便利で愛用している。あとは肉厚のナイフ、焚き火遊び専用にMoraという銘柄のものをネット通販で手に入れた。団扇は持っていかない。

着火剤は、火打ち石と麻紐。麻紐はキャンプ中いろんなことに使え、必要な長さに切り出し使用済みになったら燃やせて処理できるので便利で、比較的車に常備しているもの。これを徹底的にほぐしたものを利用している。その手間が面倒なら、薬局で売っている脱脂綿がものすごく着火しやすくお手軽。

準備が整ったら着火、大きな薪に火が移るまでその間約2分。キャンプ場などで手に入る、乾いた薪を使えば、手順さえ間違わなければ誰でもあおぐことすらなく、簡単に火を起こせ煙の発生も少ないのがわかるだろう。無駄に煙が出ない、ここはすごく大事、目が痛くならないので。

とはいえ、かっこよく短時間に焚き火を起こすには準備は大事。まずは買ってきた薪の小さめのものを選びコッパ作りを小鉈などでやる。普通サイズのものより、小さい方が楽だし安全。また、薪の表面の皮を剥いで細かくしておくと着火材代わりにもなって非常に便利だ。そして重要なのは、少し細めにした薪を下に並べて敷いておくこと。

よくある焚き火台は金属製で、冷たく熱を奪って温度が上がりにくい、そのままだと薪の温度が結果として上がりにくく燃え広がりが遅くなるのを防ぐため。地面の上に直火で火を起こすときも同様で、下に薪を1段敷き詰めておくと、地面に熱を奪われることも少なくなるし、ちょうど良い空気の流れも誘導でき失敗が少なくなる。

本当のことを言えば、その時の風の状況などで薪をくべる向きとか組み方などが変わってくる。そのあたりを“焚き火道”として楽しんでいる人は多いのだ。毎回、状況に合わせいろいろ考え探りつつ、無駄な労力を入れずに綺麗に自然に燃やしきる、その時の爽快感は筆舌しがたいのだ。

さて季節も良くなってきたので、キャンピングカーのバゲッジに小鉈と焚き火台を1つ載せ、炎を操る楽しみを満喫しに行ってみてはいかがだろう。もちろん、安全第一でね。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第102回】伸縮式のラダーがあれば車の高い位置のメンテナンスが容易になる(2020年7月10日)


背の高いキャンピングカー、とくにキャブコンなどでは全高が3mを超えるモデルも数多く存在する。バンコンのハイエースでも標準ルーフで2mを超えるし、キャンピングトレーラーも2.5m前後の全高がある。

 ルーフの洗車、ベンチレーターの掃除、テレビアンテナをルーフに付けていることもあるだろうから、そのメンテナンスなどでルーフ上を確認しなければならないことは意外と多い。

 車のリヤに昇降用ラダーを装備しているのならば、ルーフ上に乗って作業ができるが、たとえば、バンクベッド部分に装備しているウインドウの修理、サイドオーニングの掃除などボディ側面の高い位置のメンテナンスではハシゴが必要になる。

 3m以上の長さのある一般的なハシゴは、折りたたみ機構がなくかさばる。脚立も同様に場所を取る。

 家庭で置き場所に困るし、旅先での万が一のトラブルなどに備えて車に積んでおくことはできない。

 REIMOの伸縮式ラダーはそんな悩みを解決してくれるハシゴだ。全11段の伸び縮みするラダーで、引き出すと1段ごとにロックがかかり長さを調節できる仕組み。

 最長で3.2mまで伸ばすことができるから、たいていのキャンピングカーのルーフにまで届く長さがある。

 たたむと94.5㎝でコンパクトにまとめることができ、キャンピングカーの外部収納庫などに収納できる大きさになる。支柱は太く乗り降りの際も安定している。

 耐荷重は100㎏まで。折りたたんだ状態のときにはベルクロテープ付きのバンドで固定しておく。

キャンピングカーパーツ キャリア・ラダー ♯44013 REIMO 伸縮式ラダー

キャリア・ラダー
♯44013 REIMO 伸縮式ラダー
価格:17,280円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第101回】全長6.7m、ついに始動した国産大型モーターホームの概要(2020年7月9日)


日本には優れたキャンピングカー専用シャシーがあり、それはカムロードと呼ばれキャンピングカー、特に国産のキャブコンというスタイルで人気を得ているのは承知の通り。ただこのシャシーは架装重量が1.5トン積みであり、ホイールベースの短さからくる最大寸法とボリュームが現在のキャブコンの形状でイッパイだ。

そのサイズ的・重量的問題を克服するため、過去にはトヨタ・グランドハイエースやベンツ・スプリンターなどが次世代モーターホームのキャンピングカー用シャシーとして登場したものの、排ガス規制やそのほかの問題で現在は姿を消してしまっている。

そんな状況の中かなり前からバンテックが目をつけていたのが、フィアット・デュカトである。この車は、今やヨーロッパにおけるキャンピングカーシャシーとして独り勝ちの様子を見せているくらい普及しているもので、日本で国産モーターホームを作る場合にもサイズ的に適したものになることは明らかだった。

‘18年のジャパンキャンピングカーショーにおいて特設壇上に設置されたのはV670と銘打たれた、マイクロバスベースセミフルコンのベガの後継車にあたるモデルであり、明らかに今後のバンテックラインナップのフラッグシップになるモデルである。

その開発コンセプトは存在感&調和だといい、例えば乗用車で言えば「いつかはクラウン」のようなワンランク上の製品、ステータスが上がって乗る人のモチベーションも上がる、そんな存在感を感じるモノを追求したようだ。そのこだわりは、後ろ回りの灯火類やバゲッジドアの作製などを見ると良く分かる。

またデザイナー的には、ヨーロッパやアジアでも勝負できるものであることを目指しているところがあり、インテリアには和(日本)テイストを盛り込み、国内で作り上げることに主眼を置いている。意匠、仕上げ、品質、それらすべてが融合し、美しさや存在感があり、なお日本独自のテイストが周囲と一致し、調和する。現代の日本における工業製品の共通する価値観なのではないか、それが世界で残っていく製品作りなのではないかとも語っていた。

シャシーを含めデザインを優先した結果こともあり、室内容積は車体の割にけして大きくはないが、室内レイアウトや家具でそれを感じさせない。外装に関しても、他のモデルで標準装備されていることもあるソーラーパネルやサイドオーニングの装備は、ユーザーに選択肢を提供するという考えで、オプション装備に回された。

また発表されたモデルのサンプルレイアウトではプルダンベッドの装備がないが、フロントシート回転対座機能を生かした「日本ならではのファミリー仕様」ということで6名でくつろげるリビングスペースの開発に重点を置くという。

外観的ボディーワークは、すでに完成しているFRPシェルは変更されないものの、内装は完成車とは大きく違って発売されるであろうことは分かった。そこで問題になるのはシャシーである。

フィアットは1年前デュカトの日本へのバンタイプの発売を表明したが、結果的には現時点で実現できていない。そんなこともありフィアット系列のシャシーと思われている部分がそこここで聞こえているが、実はそうではない。

下に潜って見るとすぐ理解できるのだが、キャブ直後で断ち切られたシャシーには上下様々な高さで延長シャシーを設定できる俗に言う「引きずりシャシー」形状であること、そもそも電着ペイントではなくドブ漬け亜鉛メッキ製であること、このことから導き出される答えは欧州・北米でも有名なアルコ社のものであることである。実際、このシャシーは今後車検証の車体番号がアルコのものになると予想される。

GVWR(最大車体総重量)の設定はなんと4500kgと大きめのものが現時点ではチョイスされ、ホイールベースは4000mm。足周りは3段階の中からこの設定が選ばれ、重量配分を事前に計算し、考慮したうえでホイールベースも決定された。フロア高が最上部に設定されているのも、ドロップダウンした状態での利点が、デザイン的にも、機能的にもV670において見出せなかったからである。

これらの寸法やキャパシティを見るだけでも、カムロードベースでは実現し得ない別次元の国産モーターホームを作り上げられることが理解できるはずだ。

最後部はドロップダウンされ、バゲッジの収納力をタップリ確保している。トレッドは極端に拡大することなく車幅では2.2~2.3mにおさえ、日本のワダチでも走行しやすいものとしている。

そもそもデュカトは世界保証されている車両であるが、それは基本的に正規輸入されている場合。そのためバンテックではこの車両を導入するにあたり、まずメンテナンスで一番最初に必要になる高額のダイアグテスターを多数導入し、取扱いディーラーへの貸し出し・勉強会を念頭において現在作業中。パーツにおいてはストックしバンテックから配布する体制を準備中。

この手法は、過去にバンテックがヒュンダイ・SRXを独自に輸入しベース車両として導入したものと同様でありそのノウハウもある。車両保証という点では2年を予定していて、足周りやエンジンなどの重要部品は5年か総走行距離での設定にしようと模索中だ。

最終的にはバンテック自ら排ガスやブレーキのテストを行い、3.5トン未満の車両総重量で完成車を作る予定だということなので、車体そのものも含め相当に余裕のあるモーターホームに仕上がることは明白だ。

いまだ最終形は発表されてはいないものの、新機軸として車両を集中コントロールできるコンピューターシステムや、新しい冷房の方法なども採用される見込み。これからも開発状況から目が離せないのはいうまでもない。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第100回】車内の靴の整理に困っていたら、吊り下げ式のオーガナイザーが便利(2018年2月23日)


日本では、キャンピングカーの車内に靴を脱いで入るのが一般的だ。そのため脱いだ靴を置く場所が必要になる。

 人数の多い家族だったりすると6、7人分の靴となりエントランスドアの下が靴だらけで足の踏み場がなくなることはよくある。

 キャブコンなどでシューズボックスを装備する車もあるが、大人数になると靴の出し入れが面倒になる。

 さらにバンコンや軽キャンパーなどではスペースが限られているために靴を置く場所、収納する場所がほとんどない。

 そこで役に立つのが壁掛け式の「Camp-4シューズオガナイザー」だ。靴を収納するポケットが10か所あり計10足の靴を収納できる。それぞれ分かれたポケットごとに靴を入れるから出し入れしやすい上に、自分の靴かどうかの見分けもすぐにつく。しかも壁掛けなので、場所を取らずスマートに収納できる。

 正面にはファスナーで開閉できるカバーが付いていて、カバーを下ろせば中の靴は見えないから見た目もスッキリ。

 カバーをした状態でも通気が保たれ、内部が蒸れないように、換気穴が付いているなど細かいところも行き届いている。

キャンピングカーパーツ ♯919239 Camp-4 シューズオーガナイザー

吊り下げ式なので、フックを取り付ける場所があれば車内のどこにでも設置ができるのがいい。使わないときは丸めて収納しておけるので邪魔にならない。

 また、靴入れとしてつかうだけでなく、小物入れとしてなどアイデア次第で靴以外の収納に使うこともできる。

 車内で置き場所に困るテレビやエアコンなどのリモコンや、鍵の置き場所などにしてもいいだろう。

キャンピングカーパーツ ♯919239 Camp-4 シューズオーガナイザー

アクセサリー
♯919239 Camp-4 シューズオーガナイザー
価格:7,560円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第99回】キャンピングカーを手にしてどこに行こう(2018年2月16日)


バンテックが発行する、キャンピングカーのための教則本をベースに進めてきたこのコラムにおけるシリーズも今回で最終回。その集大成はキャンピングカーの車としての話ではない。

キャンピングカーを手に入れたその先、「何をするか?」がイメージできない人も多いようだ。どうやらそれは、それまでにキャンプという生活スタイルが身に付いていなかったり、通常の旅行の移動手段を置き換えたりだけだったりすることによるものかもしれない。

ただキャンピングカーの可能性は色々で、単にキャンプに使うだけでなく旅グルマとして利用してもかなり有効。というよりそれを利用しない手はないのではとすら思えてならない。乗用車として利用するだけでも快適だけど、もっと積極的にそれを使いこなしてみてはいかがだろうか。

キャンピングカーで旅をする時、まず第一にいつでも家族がみんなで寝られるということが大きな利点だが、高速移動中のサービスエリアや街道沿いの道の駅、そういった公共的施設を利用するのがごく一般的だし誰しもの頭にも浮かぶことだろう。

とにかくキャンピングカーの楽しさを知るためには、積極的に表に乗り出すことが大事。もちろんそこには家族の安全だったりプライバシーの確保だったり、もちろんリーズナブルでコンフォータブルでフレキシブルであることも重要。

そんな都合のいい施設が世の中にあるのか…、あるのだ。それはここ最近急激に施設数を増やしている「RVパーク」である。これは日本RV協会が運営するくるま旅の中で発展し続けているシステムで、バンテックにも京都店横に1つ施設を設けている。写真はその風景。

利用に際しては色々制約がある。その大きなものは宿泊用のテントは張れない、屋外での火を使った調理はできないなどであるが、予約はほとんどのところがインターネットを通しウェブ予約できたり、当日電話受付である。ということはスマホ1つで事足りるわけだ。

もちろん入退場時間などの制約も、普通のキャンプ場利用などに比べたらかなり自由度が高く、利用料金も1000~2000円。これで管理された場所での安全な就寝スペースが確保でき、通行者からの目にさらされることもほとんどなくなりプライバシー的にも安心。

キャンピングカーだけでなく、乗用車、ミニバンのようなものでの車中泊で利用することも十分快適であり、サイドオーニングやサイドテントの利用は可能である。もちろんそのスペースは施設側に必ず用意されているのである。

そもそも施設を設置する要件として、24時間使えるトイレやゴミ処理施設、水が使える流し等の設置が含まれているので、利用料金内でそれらを活用することができる。特にゴミの処理が可能なのは、車で旅しているときに大きなメリットだろう。

場合によっては入浴施設が併設されていたりコインシャワーなどを設置していることも多く、もちろん周辺に温泉施設があるなどの条件を満たしているところが多く、さっぱりして生活を続けることができるのだ。

ほとんどのRVパークには、時間制の電気を供給できるスタンドが確保され、サブバッテリーの充電やタップリの電力での調理などができるのも利点。写真のようなスタンドがない場合でも、施設の基準に電源供給が含まれているので、料金体系は別にはなるが必ず利用できるはずだ。

いかがだろうか、このような施設が全国にすでに100箇所以上用意され、中にはかなり街中の繁華街に隣接するような施設もある。前述のバンテック京都店などは、それこそ京都見物をするのに絶好の位置だし、歩いてすぐのところにコンビニがあり街道にはファミレスや居酒屋、スーパーなどもあるのだ。泊まってみると快適すぎると思うくらいである。

もちろん野趣タップリのような施設もあるので、いきなりエキスパート的なキャンプを始める前に体を慣らすような気分で、全国に点在するそのような施設めぐりから始めてみてはいかがだろうか。何度かやっているうちに、キャンピングカーの快適性や使う楽しさがドンドン増してくるのを理解できるはずだよ。

くるま旅RVパーク
http://www.kurumatabi.com/rvpark/

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第98回】ロングセラーを続けたS-4から新たなウインドウD-Luxへ(2018年2月9日)


キャンピングカーのウインドウには採光、換気、断熱など高い性能が要求される。これまでキャブコンなどでは、ドメティックのS-4ウインドウが主流だったが、あらたにD-Lux(ディーラックス)が登場し、新しい車に次々と採用されている。

 D-Luxの特徴のひとつはフラットパネルデザインにより凹凸がなく、ボディとの一体感が高いところ。じっさい、車両に装備されたウインドウをみると、フレームとボディ面が同じ位置にあってフラットに見え、車のデザインを損なうことがない。アクリル二重窓部分も外側に出っ張っていない。

 S-4でも評価の高かった断熱特性はさらに向上し、車外からの暑さ、寒さを防ぎ、車内の結露も防止してくれる。

 操作の部分でも進化をしており、ウインドウの開閉部分にはステンレス製の無段階ステーを採用。ウインドウを開けるとステーによって固定位置が無段階で調節できる。

 また車内側にはシェードと網戸がついているが、そのどちらもが無段階で操作可能。これまでのように決まった位置でしか固定できない、ということはなくなった。

 さらに軽量化と耐久性を向上していて、これからますます採用されていくことが見込まれるウインドウである。

 ウインドウのサイズ表記はボディカット寸法となっているので、注文する際には取り付け場所のサイズをよく確認すること。

 サイズは、全11種類。サイズ、価格について詳しくはキャンピングカーパーツセンターのウェブサイトをチェック。

 適合壁厚は35~43㎜前後。アウターフレーム色は、ライトグレー。インナーフレーム色は、クリームとなっている。

キャンピングカーパーツ ♯032072 SEITZ 押出ウィンド D-Lux 500×300キャンピングカーパーツ ♯032072 SEITZ 押出ウィンド D-Lux 500×300

ウインドウ
♯032072 SEITZ 押出ウィンド D-Lux 500×300
価格:43,200円

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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