【キャンピングカーコラム バックナンバー第49回】ナローボディの使いやすさにこだわるマヨルカ(2017年3月3日)


バンコンビルダーとしてスタートしたバンテック。当時はハイルーフ、超ハイルーフ、ポップアップとスタイルが豊富で、さらにボディサイズも各種1ボックスベースで取り揃えていた。それらは本格的にキャブコン製作をしていくなかで姿を消していったが、そんななか、最後まで人気のあったマヨルカは現代まで継続する車種となり、完成度の高さとともにその存在理由を明確にしている。それは日常における使いやすさの追求である。

バンテック キャンピングカー バンコン Mallorca(マヨルカ)

とにかく、標準ロングというサイズにこだわり、ルーフ加工しても車高にこだわり、外観サイズと裏腹に室内空間は容積を増やそうとしている。そのためポップアップルーフの大きさは車体サイズに対してかなり大きく、持ち上げた時の高さもしっかりとってルーフベッドのヘッドクリアランスもたっぷりだ。

レイアウト的には平均的なサイドカウンターなのだが、シートレイアウトとリヤのベッドになる部分を徹底的に吟味し、フロア一面がベッド展開でき、使い勝手は間違いなくファミリーユースを考慮している。

乗ってみるとわかるのだが、3列シートの余裕のある座り心地と手荷物の収納力の高さは、ナローボディとは思えないほどの余裕を感じられる。

 

マヨルカで感心するのは、各部の変形やセッティングをする時の扱いやすさが際立っていること。特にリヤトランクスペースを形成するマットと台座は、このモデル専用に製作される金属パーツの骨を使っているため、無駄がなく実に動きがスムーズだ。多種多様なモデル展開をせず、1モデルに絞ったからこそ実現できた特別な組み立てなのかもしれない。

見た目はシンプルなれど、1ボックスだからこの程度というような妥協がないモデルであり、作り手が徹底的にこだわったところが随所に見受けられる。ただそれを強くは主張していない、さらっと流してユーザーに寄り添う感じがマヨルカの本領なのだろう。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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