【キャンピングカーコラム バックナンバー第175回】通常の石油ランタンを植物オイル添加で使う Part2(2019年8月2日)


前回に引き続き2回目。前回は植物油で石油ランタンがそのまま使えるかどうかの実験をし、結局は燃焼させ続けることができなかった。写真は、左側が通常の使用にのっとった白灯油を入れたもの。右側は後の検証を始めた最初の燃焼結果。

そもそも当コラムでも、以前植物油でランタンというかキャンドルを燃焼させたことがあるが、あのときの現象から実はすでに結果には気付いていた。それは、植物油は良く燃えるのだが、吸上げの高さが液面からせいぜい3~4センチでないと燃焼に必要な吸い上げ速度がまともに得られないということ。そのため、芯自体が燃えてしまうのだ。

見ての通り、植物油だけでもランタンの芯の高さが液面から相当あっても一応吸い上げてはいる。この段階ですごく惜しい感じ。多分、植物油の粘性がジャマをし吸い上げ速度が間に合わないのだろうと考えた。

そこでやってみたのは、白灯油とのハイブリッドで粘性を落とすこと。まずは3割ほど混ぜて燃焼テストをし
て見る。この段階で芯を調節しなくても連続燃焼が可能になった。それが最初の写真であるが、心なしか炎が小さい。

嬉しいことに、キャンピングカーの中で燃焼させてもあの鼻につく白灯油の燃える臭いが気にならない。コレは実用的かも? と思った瞬間新たな問題に直面した。

それは、芯にカーボンなのだろうか燃えかすがどんどん堆積していくのだ。この状態にいたるまでランタンの大きさにも因るだろうが30分から1時間程度。カーボンは芯を少しひっこめたり出したりすれば落とせるのでどうにかなると言えばそれまでだが、付着している状態ではいかんせん炎が小さい。

その次に試したのが配合率5割ほどのハイブリッド。こうなると相当植物オイルの不完全燃焼なのかなんなのかのカーボン付着はかなり少なくなる。最終的には白灯油7割以上も試してみた。当然結果はどんどん良好になる。

なぁ~んだ、それなら普通に白灯油だけ入れればいいじゃん! と誰しも思うだろう。でもそれがそうではないのです。燃焼だけならそうかもしれないが、7割以上白灯油を混ぜた場合燃焼そのものはほぼ白灯油だけと同じ。そしてここが肝心なのだが、燃焼時に白灯油の鼻につくあのキツイ匂いが発生していない、眼がシバシバする感じもないのだ、キャンピングカーの中で…。

というわけでなぜこんなことを試したかと言えば、最近のキャンピングカーの照明はLEDばやり。電気消費量は少なくなったし調光調色も可能になって嬉しい限りだが、贅沢かもしれないが雰囲気が足りないと思ってしまったのだ。白状します、夜中に優しい灯りの元で美味しいお酒が飲みたいのです。

というわけで、こんなわがままに賛同いただける方、一度試してみてはいかがでしょう。小さいキャンドルなら植物油だけで十分だし、極めて小さめのオモチャのような石油ランタンなら植物油のままでも大丈夫かもしれないですよ。あ、それから、キャンピングカーや車中泊など車内で使うときは、換気に十分注意しましょうね。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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