【キャンピングカーコラム バックナンバー第37回】新型カムロードも早々にデリバリー開始した山形工場(2016年12月9日)


連載第35回で落成した工場をざっと紹介したが、今回はその中身について。とにかく中に入ると広く、日本のビルダーで国内最大をうたうだけのことはある。しかも落成時には、すでに生産計画によるライン生産が開始され、製造担当者はてんてこ舞い状態だった。何しろ、一気に生産量を増やす計画だからである。この写真は、工場を入って南側というか右ウイング側に立ったもので、通路一番奥に見える北側壁にベース車両等搬入口がある。

バンテック山形工場バンテック山形工場

まず搬入口を入ると、ラインの右側にタイ工場で製造されたキャンピングシェル部分がズラッと並んでいる。かなりのところまで仕上げられていて、あとはシェルを積載し外装パーツと内部装備艤装を待つだけと行った状態。積載前には入念なチェックがされて、必要な部分には調整も行われる。

バンテック山形工場

キャンピングシェルはタイ工場からコンテナ積みで日本に届くが、それをコンテナから抜き出し、さらにベース車両に載せる作業をするのに必要な移動式専用ジグ。これはバンテックで製作した特工で、細かい作業に適した手動式。実は今回落成した新工場のそばにあった前工場で使用していたものだが、バラすことなく職員で道路をなんとか移動させてきたというエピソードがある。

バンテック山形工場

完成シェル置き場・積載作業場の向かいには、バンテックが製造する車両が丸々入る塗装ブースが完成直前であった。すでに機器類は設置が済んでいて、あとは換気ダクト関連を設置するだけ。

この横に電源、金属加工場が並び、さらに奥に木工作業場と樹脂成型場が続くが、こちらはまだ発注した3D・NC旋盤がまだ来ていなかったりで未完成。

これらの関連作業場の完備具合と、キャンピングシェルはほとんどできあがっている状態で国内に入ってきていることを考え合わせると、今後は一般的なキャブコンだけでなく、違った用途の車両なども手がけるのではないだろうか。その機能は十分に存在していると確信する。

バンテック山形工場バンテック山形工場

ベース車両にキャンピングシェルが載せられると、次に向かうのは艤装を行うエリア。ここは出口に向かって作業がおこなわれるいわゆるライン状態で作業が進んでいく。下回り、室内装備品装着、窓などの外装パーツ装着といった具合。

「ユーザーが一番見たいのはもしかしたらここかも」と思われる場所で、壁内配線の取り回しやシェル構造、装備類の効率的な取り付け方法など、ちょっと知っている人なら1日見ていても興味は尽きないはずだ。

バンテック山形工場

外装やメーカーオプション類が装着されれば完成検査。どの位置もしっかり目視できるよう専用の可動式足場で囲み、徹底的にチェックされる。もちろん小さな傷でも見つけたらきちんとタッチアップし、国産車ならではの高いクオリティを維持する。その作業はルーフ上の普段目につかないところにまで徹底していた。

バンテック山形工場

最初の写真と反対側、車両搬入口方面から艤装エリアを望む。この最も奥の方、建物南東方向に大型シャッターがあり、ここから完成車両は巣立っていく。実はこのライン、工場内だけでなく車両搬入口の前に車両の入れ替えもスムーズにできる巨大なベース車両ストックヤードがあり、完成車搬出口すぐの場所にも、一時保管エリアが広大に用意されている。

誰が見ても製造ラインであるというエリアのほか、裏になるスペースもかなり用意されているのが新工場の面白いところかも。

倉庫だったり検査ができそうな部屋だったり、職員休憩所も用意されているし、パーツなどの移動で使うであろう裏の通路も広く段差がない。本格的な生産が始まったときに、こういったものが活きてくるに違いない。

入庫から出庫まで可能な限り車両を動かさずに完成できる生産ラインになっていて、バンテックの山形工場としては3代目だが、その生産効率と広さ、清潔な環境はこれまでとは比較にならないレベルで圧倒的。メーカーの勢いというか、意気込みを感じずにはいられない。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第36回】人感センサー付きで防犯にも役立つLEDライト(2016年12月2日)


キャンピングカーには車内、車外に多くの照明が使われている。車中泊やキャンプで夜を迎えて、なにげなく明かりを付けている人もいるだろうが、照明はキャンピングカー生活に欠かせないものであり、照明ひとつで快適さや雰囲気が随分と違うことがある。

 白熱灯の雰囲気のある色や、蛍光灯、LEDの光までさまざまな種類があるが、今回紹介するのは車外で使うLEDの明かりだ。

 ポーチライトともいわれるエントランス上に取り付ける明かりで、ドアから乗り降りするときに足もとを照らしてくれる。 

 LEDが横1列に10灯並び、明るさは十分。黄色がかった白色で、指向性のある明かりなのでステップなどの段差をくっきりと照らし出してくれる。

 また、この明かりは人感センサーが付いているのが特徴。たとえばキャンプ地の夜に車に戻ってきたとき、明かりがなければエントランスドアの鍵を開けるのにも一苦労だ。

 セキュリティLEDオーニングライトが取り付けてあれば、車に戻ってきたら、エントランスに近づくだけで明かりが自動的に点灯してくれる。

 明かりが付いているのは30~40秒で、人が離れれば自動的に消灯する。もちろん近くに人がいれば点灯したままになるし、自動的に消えるということは消し忘れ防止にもなる。人が近づくと明かりが点くので防犯にも役立つ照明だ。

 配線が3本用意されていて、+(赤)と-(黒)ならば常時点灯仕様、+(白)と-(黒)ならば人感センサー仕様と状況に合わせて使うことができる。オン・オフスイッチは別途必要になる。

♯211079 セキュリティLEDオーニングライト

照明
♯211079 セキュリティLEDオーニングライト
サイズ:幅365×高さ50×奥行40㎜
価格:8,640円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第35回】ついに稼働を始めた、日本最大ファクトリー(2016年11月25日)


バンテックセールスの国内生産拠点は山形にある。その山形で国産キャンピングカーメーカーとしては最大となる施設が稼働を新たに始め、落成式が平成28年10月29日、関係者を集め行われた。

バンテック山形工場 正面

もともとは巨大ショッピングセンターだったが、その広い駐車場の上には高速道路とインターチェンジを作成中で、それが完成すれば車両配送などで有利になる地の利を得ている。建屋は流用ながら、エントランス部などをうまく事務所利用し、すべてが1つにまとまった施設は日本ではなかなか見ることができない。

バンテック山形工場 落成式の様子バンテック山形工場 落成式の様子

2000坪に及ぶ工場空間とそれによる生産倍増計画が発表され、来賓には全国の販売店だけでなく、世界的巨大パーツメーカーのバイスプレジデントなども招かれ、マスコミも多数駆けつけた。

まだ工場内が完成した状態ではなかったが、整理整頓と清掃は徹底され床も綺麗な状態。これが何を意味するかは、自動車工場を見たことがあれば理解できる。なんとなく、ホンダイズムに近い印象がある。

バンテック山形工場内 全景

もともとの広大な敷地にあった駐車場は、一部高速道路関連施設になってしまったが、それでもまだヤードとしては十分以上の駐車スペースがあり、すでにベース車両が次々と搬入されている最中であった。

バンテック山形工場内 全景バンテック山形工場 駐車場

まだ工場内には半分も車両が入っていなかったが、キャブコン、1ボックスが別ラインで並列に製作されていくのがよく分かった。天井高にも余裕があるので、製造ラインという点でさらなる発展を見込める。

注文が殺到している人気シリーズがこの工場から製造スピードを急加速させ巣立っていくはずである。製造ラインの部分はまた次回にお見せしようと思う。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第34回】空気圧をモニターしてタイヤのトラブルを防ぐ!(2016年11月18日)


タイヤの空気圧が少ない状態で走行すると、車のふらつき、燃費の悪化、そして最悪の場合にはバーストして大きな事故につながることも…。とくにアウトドアグッズなど荷物を載せることの多いキャンピングカーの場合、タイヤの空気圧管理は重要だ。

タイヤの負荷能力(許容荷重)は空気圧ごとに定められている。そして車両重量によって最低空気圧が決まり、その適正な空気圧で初めてタイヤの性能が発揮される。

もちろん空気圧が少なくなると、負荷能力も下がってしまう。空気圧が足りているかどうかは、見た目には分かりづらいので、日常点検において確認が必要だ。

タイヤセンサーエアモニ3は4本のタイヤそれぞれの空気圧をチェックできるワイヤレスモニタリングシステム。しかも空気圧だけでなく温度もチェックできるすぐれもの。

4つのセンサーはバルブキャップ型で、タイヤのバルブキャップを外して、交換するだけ。わずか3分で簡単にセットできる。

センサーから空気圧と温度がワイヤレス信号で送られ、車内のレシーバーに送られる仕組み。レシーバーには4輪すべての情報がリアルタイムで同時に表示されてひと目で確認できる。

異常値が検出されるとモニターのバックライトが赤色に変わり、異常か所のタイヤの数値が点滅表示されるので、一目瞭然。未然にトラブルを防ぐことができる。

また空気圧は最大で9.0kg/cm2(900kpa)まで測定できるので大型のキャンピングカーでも対応可能になった。

電池寿命はレシーバー部が最長2週間、センサー部が約6か月。レシーバー部は付属のコードを使ってアクセサリーソケットから電源を取ることもできる。

タイヤ空気圧モニター タイヤセンサーエアモニ3タイヤ空気圧モニター タイヤセンサーエアモニ3

タイヤ空気圧モニター
♯272028
タイヤセンサーエアモニ3
価格:35,640円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第33回】CyDAは、アトムのようなムーブメントになる!?(2016年11月11日)


前回は号外でシーダの概要を伝えた。今回はちょっと気になった部分をピックアップしてみた。バンテック コンパクトキャブコン・Cyda(シーダ)

アトムからシーダへの進化で、最も顕著な部分がエントランスドアだ。 バンテックセールス初採用のヨーロッパ製ドアを開け閉めしてみると分かるのだが、これまでのガシャンという音ではなくパムッという静かさがなんともいい感じ。このドアを取り付けるには、ベースの部分にかなり強度を持たせる必要があるので、柔構造のキャンピングシェルではかなり苦労しているはずだ。あわせて注目したいのが高級モデルに採用されることの多いS7シリーズのフラットタイプウインドウが使われていること。この2つのパーツがグッと現代的な外観をもたらしていて、ベース車両のルックスとのバランスがいい。

バンテック コンパクトキャブコン・Cyda(シーダ)

エントランスを開けると、そこにはかなり幅の薄いステップ。このあたりも、ボディ外寸に対し、可能な限り室内有効面積を高めようとした苦労の跡が垣間見れる。確かにシャシーの関係でこれ以上ステップスペースが確保できないのかもしれないが、乗り降りを楽にするための苦肉の策といったところ。

バンテック コンパクトキャブコン・Cyda(シーダ)

マルチルームにはすでにシャワーパンが埋め込まれ、その上にポータブルトイレが置かれ板で区分けられている。どうやって使うのかちょっと悩むところだが、やっぱりあって嬉しいトイレだけに歓迎すべき装備だろう。このエリア背面には、小さいながらもクローゼットが用意されているので、モーターホーム的な使用方法も可能。

バンテック コンパクトキャブコン・Cyda(シーダ)

ちょっと面白かったのが、マルチルームとサードシートの間の壁面にミラーが埋め込まれていたこと。リヤベッドに寝っ転がってみると、これのおかげで開放感が高まり、窮屈な感じがしないのがよく分かる。また、立つ位置によって姿見として使えるのも、身だしなみを気にする人には嬉しいに違いない。

バンテック コンパクトキャブコン・Cyda(シーダ)

パッと見には純正かと思われる右ミラー、これはアーム部分がオリジナルである。設計者に言わせると、かなり苦労したらしい。それはそうだろう、大事なパーツであることは間違いないのだから。

まだとにかく登場したという状態なので細かい改善点はおいおい出てきそうだが、総じて作りが良く上級グレードの雰囲気を持っている車両であることは十分理解できる。子供が大きくなって、夫婦だけでキャンピングカーを利用する世代層が増えてきていることもあり、コンパクトで運転しやすいシーダのようなモデルが、人気を爆発させる要因はおおいに秘めているはずだ。

バンテック コンパクトキャブコン「Cyda(シーダ)」詳細ページ

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー 号外編】ついに登場!ボンゴベースのシーダお台場ショーで初お披露目(2016年11月5日)


平成28年11月5日(土)・6日(日)、東京お台場青海の特設会場にてキャンピングカーショーが開かれる。その中で目玉とも言えるCydaが金曜日の朝の搬入に姿を現した。詳細については次回に回すとして、まずは第一報から。

外観は、基本的に以前のアトム・シリーズを継承している。シェルデザインに関しても、一部流用部があるようなので大きくイメージが変化したわけではないのだが、バンクベッドの立ち上がりや、レインレールの埋め込み処理、サイドスカートの形状などにより大分スタイリッシュになった印象がある。

バンテック コンパクトキャブコン・Cyda(シーダ)

室内は新規採用のエントランスドアをくぐり小さめのステップを上がると、ダイネット。リヤには2段ベッドを装備。このエントランスドアは、なんと集中ドアロック動作している。

サードシート後ろにはマルチルームがあり、ポータブルトイレが設置されていて、ちょっとしたギミックでワードローブとしての使い分けができる。フロアにはすでにシャワーパンが張り込まれ、防水の外部収納庫としても使える。

バンテック コンパクトキャブコン・Cyda(シーダ)

セカンドシートは固定タイプで、エントランス脇にテレビホルダーアームが取り付けられ、限られた空間を可能な限り広く利用できるようにしている。バンクベッド部のシェルが新デザインになったので、そのベッドスペースはアトムよりも広いと思われる。

それ以外にも、肘掛けとかキッチン周り、外部からも「おやっ?」と思う数々の装備が仕込まれているのだが、それは是非ショーに足を運んでいただき自分の目で確かめてみることをオススメする。

これまでの小型トラックベースキャブコンの概念をガラッと払拭する内容になっている。ちょっとしたムーブメントを起こす可能性を秘めているのを第一印象で確認できた。

バンテック コンパクトキャブコン「Cyda(シーダ)」詳細ページ

 

TAMA@MAC

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キャンピングカーコラム バックナンバー第32回】4チューナー+4アンテナで受信感度をアップ!(2016年11月4日)


DACPアンテナシリーズは第一電波工業とバンテックが共同開発した商品群で、自動追尾型BS/CSアンテナや地デジアンテナなどテレビ、アンテナ関連商品をラインナップしている。

そんななか地上波テレビチューナーとして評判がいいのが、MiniB-CASカードを付属したダイバーシティタイプのDACP-AT2×2だ。

家庭で地デジを受信するならば1チューナー1アンテナでも十分だが、移動体のキャンピングカーでの利用では電波が途切れないようチューナーもアンテナも4つずつ用意しておくと万全の体制。

さらにエリア自動切り替え機能搭載なので走行中でも安定した状態で地デジ放送を受信できる。

付属する4本のロッドアンテナは底面がマグネットになっているので、ハイエースなどのバンコンならそのままルーフに取り付け可能。FRPボディの場合は別売りのアース処理用アルミテープを貼ってから、付属の両面テープで固定することで受信感度をキープする。さらにHDMI端子付きなのでフルHDのデジタル高画質が楽しめる。ちなみにHDMI接続をすることで32インチ以上の大画面にも対応可能だ。

本体は薄型のコンパクト設計なのでテレビの裏側など目立たない場所に設置できるのがポイント。別売りのUSBメモリを装着することで簡易録画ができ、自動チャンネルサーチ機能も搭載する。フルセグとワンセグを自動で切り替える機能も付いている。

さらに受信感度を上げたいのならば無指向性アンテナDACP-225(21,600円)をチューナーに接続することができる。接続の際には専用のDACP225&AT2×2用接続ケーブル(2,592円)が必要だ。

DIAMOND 車載用地上波デジタルテレビ用チューナーDACP-AT2×2

地上波デジタルテレビ用チューナー
♯231063 DIAMOND 車載用地上波デジタルテレビ用チューナーDACP-AT2×2
価格:36,720円(税込)

【付属品】本体、リモコンセンサーケーブル、電源ケーブル、ロッドアンテナ&アンテナケーブル(5m)×4、リモコン、miniB-CASカード、HDMIケーブル(1.5m)、リモコン用電池×2、アンテナ固定用両面テープ ×4、本体固定用両面テープ ×2

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第31回】コンパクトでロングセラーとなったアトムシリーズの次世代モデルが登場!?(2016年10月31日)


車内レイアウトのバリエーションが豊富で人気の高かったアトムがどうして現在シリーズから消えているのか? それはひとえに車両重量の問題である。いわゆる耐荷重の問題だ。2駆はまだしも4駆となるとかなり厳しい数字になり、オプション装備装着もままならない状況になっていた。そもそもこの手のモデルは4駆を選択するユーザーが多かったということもある。

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タウンエースベースの初代アトムが’00年に登場し、翌年にはヒュンダイSRXをベースにした耐荷重に余裕のあるパワフルモデルが登場。’03年にはバンク形状を大幅に変更した通称405というモデルが登場した。’07年にFRP一体成型の406、矢継ぎ早に407へと変更がされ、同年中に一番最初の写真であるバネットをベースにした新型の307が登場する。

このなかではヒュンダイSRXというリヤダブルタイヤのトラックが異彩を放っているが、それは当時バンテックが車両そのものの国内代理店として取り扱いを始めたからだ。余裕のあるベース車両、フロントエンジン、ウォークスルーモデルへの憧れもあったと思われるが、このモデルはある意味で三菱自動車のパジェロをトラックモデルに仕立て直したような感じだ。

パワーのあるディーゼルターボエンジンであり、さらにシャシーも余裕いっぱいだったので、アトムのキャンピングシェルを架装していても軽快に走行でき、ロングドライブでも疲れ知らずだったことを覚えている。

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最終型の307が登場したとき、それまでの定番的レイアウトを採用したモデルとは全くコンセプトが異なったモデルが登場。それが307Rである。これまでマルチルームを用意するのが常だったキャンピングカーの室内レイアウトを一変させた。
室内は兄貴分のジル同様のレイアウトを持たせる。すると車両容積の関係からマルチルームを省かなければ実現できない。しかしその装備はキャンピングカーとして捨てがたいというジレンマを抱える。

しかしちょうどこの時期から“トイレやシャワーはいらない”という新しいニーズを持ったユーザー層が登場してきた。
実際、現在でもトイレやシャワーのないとにかく室内が広々としているモデルは一定の人気がある。広いスペースでしっかり寝られる便利なミニバンとでも言えばいいのだろうか。

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ただしフルサイズのミニバンでも満たされない広々とした室内空間が307Rにはあった。立って歩ける室内高も重要だ。そう言ったニーズを満たすにはピッタリの全長全幅であるうえに、トイレ&シャワールームはなくしたものの伸縮するワードローブを設置した。

このワードローブのおかげで、必要とあらばポータブルトイレ設置によりトイレルームとして利用できるようになり、いわゆるキャンピングカー、旅車として使いたいユーザー層にもアピールでき、前出のジレンマも解消したのである。

伸ばした状態をトイレルームとしても、ダイネットとソファ周りをフルフラットベッド展開で利用できる点もよく考えられたレイアウトであった。

そんな307Rは’12年まで発売されたが、ベース車両がマイナーチェンジした折にラインナップから外れてしまった。しかしメーカー的にはラインナップの中でポッカリ空いてしまっているサイズであり、ユーザー的にもリーズナブルで利便性の高いクラスである。

現在、同サイズのベースシャシーであるマツダ・ボンゴトラックを使ったモデルが計画進行中のようだ。アトムの血を受け継ぐニューモデルの登場は、多くのユーザー層が待ち望んでいることでもあり、そう遠くになることはないはずだ。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第30回】日本市場のために開発したハイエース専用ショックアブソーバー(2016年10月25日)


テネコ社といえば世界有数のショックアブソーバーメーカーである。そのテネコ社がハイエース用に開発を行い、日本国内限定のショックアブソーバーとして「モンローサムライ」をリリース。“スポーツラグジュリー”を提唱していて、スポーティでありながら、乗り味も重視したショックアブソーバーに仕上げた。

車が路面から受けた衝撃はスプリング(バネ)が吸収。スプリングだけだといつまでも収まらない揺れをさらにショックアブソーバーが伸びたり縮んだりすることで吸収する。

その揺れを抑える力を減衰力といって、一般的には強いと乗り心地が固くなりスポーツ走行向きで、弱いと乗り心地がよくなる傾向にあるが、あまり弱すぎるといつまでも揺れが収まらずフワフワとした乗り心地になってしまう。

モンローサムライは、フロントの伸び側の中速域の減衰力を高め、縮み側は抑えることでごつごつとした乗り味を緩和。

さらにリヤは伸び側も縮み側も全域で減衰力を上げることで、サスペンションの路面追従性を高めている。
走行中はもちろんだが、たとえば駐車場から車を出して、小さな段差を乗り越えたときにも揺れの収まりのよさに気づくはずだ。

ショックアブソーバーの交換目安は乗用車では7万㎞、架装重量のあるキャンピングカーの場合だと5万㎞といわれている。交換時期が近づいてきたら純正品ではなく、ワンラックアップしたモンローサムライに交換することで乗り心地の違いを実感できるはずだ。

適応車種はトヨタ200系ハイエースで、2WD、4WDともに共通。基本パッケージは4本セットになるが、フロントのみ、リヤのみのオーダーも可能だ。(1万7640円/1本)

ただし、単品注文の場合は納期がかかるのでご注意。

♯241162 200系ハイエース専用プレミアムショックアブソーバー モンローサムライ

ショックアブソーバー
♯241162 200系ハイエース専用プレミアムショックアブソーバーモンローサムライ
価格:72,576円(税込・4本セット)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第29回】より身近なキャブコンとして登場したアトム(2016年10月14日)


ライトトラックをベースにしたキャブコンは日本ならではのサイズ感である。1ボックスより広々とした空間や天井高がある、それでいてリーズナブルで維持費も安いこともあり、高い人気を維持してきた。

そんななか'00年に登場したアトムは、サイズ的には三菱デリカトラックをベースにしたJB-470やトヨタライトエースベースの480に続くコンパクトなボディサイズでありながらパネル工法を採用し、量産化のメリットとコストダウンを図ったモデルとなった。

ベースはライトエース、タウンエースどちらも選べた。もちろんそのリーズナブルさを前面に出したコンセプトは広く受け入れられ、爆発的ヒットに。

あまり知られてはいない話だが、このベース車両はトヨタのキャンピングカー専用設定車種であり、確かそれが最初に導入されたモデルだったはずだ。

驚くのは量産化メリットを最大限に生かし、当初から1車種でレイアウトを8タイプ用意していたことだ。リヤエントランス、フロントエントランス、リヤ常設2段ベッドと、あらゆるユーザー層を取り込めるラインナップだったのだ。

バンテック キャンピングカー ATOM

現在の各種サイズキャブコンが、レイアウトタイプを絞っているのと比べ、いかに大量に市場に展開していったのかが分かるところでもある。しかもその後、パワフルなリヤダブルタイヤトラックのヒュンダイSRXベースまで登場し、ラインアップ拡充はとどまるところを知らなかった。

ただリーズナブルさを前面に押し出していたため、現代のキャブコンのようにフル装備、いってみればジルほどの充実した装備群は望めなかった。もちろんそこには、耐荷重重量の問題も大きかったに違いない。何しろ、ベース車両サイズに対してキャンピングシェルがちょっと大きく、バランスを考慮すると完全な納得が得られるわけではない印象があった。

バンテック キャンピングカー ATOM

アトムはその後、ベース車両を日産バネットに変更しそれまでの問題点を洗い直した。現在バンテックにはこのライトトラックベースのキャブコンが存在しないものの、どうやら準備は着々と進んでいるようなので、近々、目にすることになるはずだ。後継モデルの出来映えがかなり気になるところである。

 

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