【キャンピングカーコラム バックナンバー第197回】車中泊のほか、災害時にも活躍するポータブル蓄電池(2020年1月10日)


車内で電気を使う方法はいろいろあります。発電機は、大容量を長時間にわたって出力できますが、車内では使えませんし、音や振動が気になります。ガソリンなどの燃料管理の手間もあります。

 インバーターは比較的手軽に電気が利用できますが、大容量になるとサブバッテリーが必要ですし、走行充電システムを組んだり、車内で配線が必要になります。

 ポータブル蓄電池は、車内にポンと置くだけですぐに電気が使えるようになり、もっとも手軽に車内で電気を使うことができるといえます。持ち運びが簡単ですから、電気容量がなくなれば家に持って帰って、AC100Vで充電すればOKです。

ポータブル蓄電池PB450」は容量500Wの蓄電池で、AC100V、USB、アクセサリーソケット(DC12V)が使えます。

キャンピングカーパーツセンター #201060 ポータブル蓄電池PB450

 液晶ディスプレイ搭載で、入力・出力表示の他に使える電気の残り時間が表示されてひと目で分かるので便利です。

 バッテリー容量がなくなると充電が必要ですが、本体の充電はACアダプター、アクセサリーソケット、ソーラー充電に対応しています。ソーラー充電については専用のソーラーパネルがオプション設定になっています。

 ほかにも専用バッグがオプションで用意されていて、本体はもちろんのこと、コード類、ソーラーパネルをまとめることができるので、車内でもコンパクトに収納できます。

 本体の角にはゴムカバーが付いていて、落下などから守る耐衝撃設計。各種ポート部分にはカバーが付き雨やホコリに強いデザインです。

キャンピングカーパーツセンター #201060 ポータブル蓄電池PB450

#201060
ポータブル蓄電池PB450
価格:45,630円
サイズ:304×186×167㎜
重量:5.4㎏

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第196回】禁断の再充てんを試みる(2020年1月3日)


ライターである。いわゆる通称チャッカマン。非常に便利で、ガスが無くなってしまってもそのしっかりとした造りは健在で、半永久的とも思えるほどの圧電着火、ピエゾ機構を持ち、キャンピングカーのコンロに火を点けるとき重宝この上なし。

ただガスが無くなってしまうと、ガスコンロはいいけどランタンとか焚き火の着火に使えないんですよね。普通のライターでもいいけれど、やっぱり柄が長い方が圧倒的に便利。

というわけでガスを再充てんして使えないだろうか、という考察。コレ、間違いなくメーカーさんに怒鳴られます。さらに安全性がひどく疑われます。そういうものなのかという参考程度に留めておいて頂きたい。知っていると、もしかの時に役に立つかもしれないので。


それはさておき早速分解。見ての通りである。それほど構造は難しくは無いが、製造年などで構造もだいぶ違うようなので、不安な人は写真などを撮っておくといいだろう。この商品の場合ネジ留めは1箇所のみで、あとははめ込み式だった。

それと、モノによっては再充てんできない構造だったりそもそも極端に貧弱で耐久性の無いコスト削減品も見られるので、もしお試しする場合はちょっと値の張るブランド品が良いかと思う。

問題となるのはガスタンク部分とバルブの塊。使い切っているので、当然液化ガスは空っぽの状態である。残念ながらタンクの底面などに充てん用バルブが付いていないので、別の方法で注入するしかない。

そこでバルブ周りのパーツを外し、バルブが外れない、ガスがダダ漏れしない程度に緩め、中のパイプを可能な限り引き出し市販のライター用ブタンガスを注入。正直言って、相当コツが必要です。初めてやる場合、なかなか上手くいかないかも。

海外に行くと、使い捨てライターの再充てん屋さんが露店でやっていたりするアレで、石を使うタイプもやる事は同じ。


必要なだけ充てんしたら、すかさずバルブを締め込む。そうしないと、せっかく充てんしたガスが外に逃げていってしまうので。充てん量は見た目6割程度だろうか、そこまで入れてケースに戻してみるとのぞき窓上一杯であった。

最後に、必要な火力が出るようバルブの締め込み量を調節し、本組みする。写真の状態だと、ちょっと出過ぎているだろうか。

何もここまでして再利用しなくてもいいと自分でも思うのだが、あくまで検証という事、どうやってガスに火が点くのかを理解するには一番の材料。以前カセットガスコンロの修理を本コラムで紹介したことがあるが、その時は点火装置の交換はしていなかった。

こうやって構造がわかれば、ライターのピエゾ部分を利用しそういったものの修理に活かせるという事なのだ。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第195回】これまで、あるようでなかった、キャブコン用ボディカバー!(2019年12月27日)


キャブコンを屋根付きの車庫に駐車している人はどれくらいいるでしょうか。全長、全幅は国産のセダンと同じくらいのサイズですが、全高が3m近くあるため屋根付きの駐車場に停めている人は少ないのではないでしょうか。

 となると、悩みの一つが洗車です。ガソリンスタンドなどにある洗車機では高さ制限に引っかかりますから、キャブコンは基本的に自分で洗車するしかありません。

 しかもキャブコンのボディには、雨だれの跡がついて、こまめに洗車をするならばいいのですが、少しでもほっておくと、たちまち落としづらい汚れになってしまいます。ちなみに日本国内の年間の降水日数は平均で120日前後ですから、3日に1回は雨が降っている計算です。

キャンピングカーパーツセンター ♯266020 キャブコン用ボディカバー ベージュ

 そんな洗車の手間を軽減するのが、「キャブコン用ボディカバー」です。海外のパーツメーカーではもちろん存在していましたが、国産のキャンピングカー用としては、初めての商品となります。キャブコン用ボディカバーは、いわゆる2×5mキャブコンをすっぽりと覆うことができます。

 かぶせたあとは、風などでめくれないようにストラップで締めることができます。さらにカバー内部に湿気がこもらないように、ベンチレーターがつきます。

 さらに便利なのが、エントランスドア部分がファスナーで解放できるところです。カバーを一部解放してベルクロテープで固定することができるので、ボディカバーをしたままでも、車内への出入りができます。

 写真は、バンテック・ジル520で、サイドにエントランスが付くモデルですが、リヤにもファスナーが付いているので、リヤエントランスモデルにも対応します。

 とくに長期間乗らないことがあるならば、ボディカバーをかけることで、雨だれ防止とともに紫外線からもボディを守ることができます。

キャンピングカーパーツセンター ♯266020 キャブコン用ボディカバー ベージュ

♯266020
キャブコン用ボディカバー ベージュ 
価格:45,000円

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第194回】台風一過、灯りと暖房を考える、完結!?その3(2019年12月20日)


前回までの2回で、灯油燃料にこだわって灯りと暖房を取り上げてみた。それはそれだけでかなりマニアックだと思うが、実はここからが本題だったりする。それは灯りを暖房にしてしまえっ! という強引な方法。

そこで用意したのが100均で見つけた、小さなブリキの植木鉢カバー。見て頂きたい、前回紹介したなんだか怪しいが快調に動いた石油ストーブの燃焼部発熱体と似ている…ではないか。コレをランタンへ取り付け遠赤外線を発生する発熱体に変えてしまおうという算段である。

とりあえずそのまま載せてみる。なんとかマントルと干渉しないで載せることは可能なようで、風防としてもちょうど良さそうな位置関係。どうせなら、ジェネレーターと干渉する位置を切り欠き、ちょうどマントルが中心に来るように細工をした方が良さそうなのと、しっかりと固定できるように脚を取り付ける必要はありそう。

実は作業をするために金切バサミとドリル、缶切り、リベットを用意し、鉄製のコーヒー缶か何かで細工しようと考えていたが、それは今後の楽しみにしてしまった。

なぜ今後の楽しみとしたと言えば、着火してみると上手い具合にヒーターになってしまったのだ。植木鉢カバーが赤くなっているのをみてもそれが理解できるだろう。ただここで問題も発生した。燃料注入口に簡易の圧力計が付いているのだが、みるみるタンク内圧力が上がってしまうのだ。正直言って、「コレは危ないっ!」と野生の勘が働くレベルである。

頭に浮かんだ対応策としては、マントルに被せる量を減らしつつ、強烈な温度になっている植木鉢カバーの熱が本体に伝わらないよう眺めの脚を作ってかさ上げする必要がありそうということ。この辺りの具合に関しては、少しずつテスト&トライで解決していかねばならないし、個体差も相当あると思われるので、このコラムの記事ではなく今後の楽しみにしようというわけだ。

というわけで3回にわたって長々と綴ってきた灯りと暖房についてだが、それ自体をキャンプに組み込んで遊びにしてしまえば、いざという時に相当助かるよ、ということを理解してもらえると嬉しい。ちょっとだけ危ない、危険な香りも漂っているけどね。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第193回】アウトドアでもいつも決まった場所にゴミ箱があると便利(2019年12月13日)


キャンプ中の「ゴミ」どうしていますか? キャンプサイトでよく見かけるのは、テーブルの脚などにスーパーのレジ袋を結び付けて、そこにゴミを入れている様子です。

 たいていキャンプ場の前にスーパーへ行って買い出しをするので、食材の入っていたレジ袋があり、それを使うのでしょう。段ボールにレジ袋を入れてゴミ箱にしていることもあります。

 ですが、どの場合でもキャンプサイトがあまりスマートに見えません。最近はインスタ映えなどを狙って、道具にこだわって作り込んでいるキャンプサイトをよく見かけますが、レジ袋が写っているだけで、マイナスポイントですよね。家からわざわざゴミ箱を持っていくのもかさばって面倒です。

キャンピングカーパーツセンター ♯023133 フィアマ パックウェイスト

サイドオーニングで有名なフィアマからは、アウトドア専用のゴミ箱が発売されています。

フィアマ パックウェイスト

一番の特徴は使わない時に小さく折りたたむことができること。これなら移動時にはコンパクトになってかさばりません。

キャンピングカーパーツセンター ♯023133 フィアマ パックウェイスト

 使うときには上ぶた側を持ち上げると簡単にゴミ箱になります。しかも約30㎝四方の開口部があるので、大きさも十分。高さは42㎝なので大きなゴミも問題なく収まります。

 ゴミ箱といっても自立するタイプではなく、ひっかけてつるして使うので、その点はご注意。付属しているフィックスオーガナイザーをたとえば車のボディに取り付けると、そこにゴミ箱を引っ掛けるだけでセッティングできます。

キャンピングカーパーツセンター ♯023133 フィアマ パックウェイスト

 フィックスオーガナイザーは4個同梱されているので、異なる2ヵ所にゴミ箱を取り付けることが可能です。キャブコンなど室内空間が広い車であれば、車内にも取り付け場所を設けることでさらに便利に使えそうです。

キャンピングカーパーツセンター ♯023133 フィアマ パックウェイスト

♯023133
フィアマ パックウェイスト
価格:8,800円
サイズ:295×295×420㎜(折りたたみ時 295×295×42㎜)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第192回】台風一過、灯りと暖房を考える、続いたっ!その2(2019年12月6日)


前回は超有名ブランド品の格安コピー品、コレを使ってランタンを暖房としても使えるかも?というところまで話をした。そして今回は、同時にネット通販でポチッとしてしまった暖房器具、石油ストーブがほぼ2週間遅れで到着。イヤァ、香港発送だったようだが、きっとイロイロあったのではないかと推測。

購入商品は、いわゆるウィックと呼ばれる芯が一般的な石油ストーブの筒状のものではなく、まさに紐というか編みが甘い出来上がりの緩いロープ。開封直後ツッコミ所満載だったのだが、今回は商品説明では無いのでその辺りは割愛。いやぁ、笑う笑う。前回のランタン 同様、中華製品を買う醍醐味満載。

個人的に必要だったのは、そもそも本体ではなく燃焼部分の筒。まがいなりにも石油ストーブとして売っているのだから、それなりにパーツは使えるのではと想像したのだ。と言うより、パーツを自分で加工するのが結構面倒かもと考えたからでもある。

なぜ手間を惜しんでしまったかは、その驚きの購入価格。海外からやって来るのに、送料込み1500円ほど。この価格では、有名ランタン・バーナーメーカーのホワイトガソリンストーブに乗せるアタッチメントも購入できない、だろう、たぶん…。

コレを前出のランタンにアタッチメントとして取り付け、暖か赤外線を発するアタッチメントとして使おうという算段なのである。どこに取り付けるかと言えば、燃焼部分のマントルを下から多少覆うように高さを合わせて載せる感じになるはずだ。

そこはともかく、早速灯油を入れ燃焼テストをしてみると、意外にきれいに燃焼する。炎を覗いてみると、結構ガス化もうまくいっているようで、青い炎が立ち上がっているのが見える。

ウゥーミュ、悩み所だ。なぜなら、このストーブものすごい小型で持ち歩きも苦にならないサイズ、比較的熱量がありそうに思えるので、テントサイトでのパーソナルストーブに良さそうだと感じたから。

こうなると、次回が続くのかどうかが問題だ。ちなみに前回購入したアンカー製石油ランタンは、案の定まだ綺麗に燃焼させる事ができていない。正直結構慣らし運転をしないと安定しない模様が手に取るようにわかる。その理由は多々ありそうだが、そこは割愛。

ちなみり、そのランタン に灯油を投入し一回燃焼テストをした直後、タンク内の燃料を抜き取ってみると、ご覧の通り汚れと錆が面白いようにガンガン出てくる。有色ではあるが透き通った灯油が、なんだか白濁している。

こういう事が無くなるまで慣らし運転をしないと、安定した燃焼は望めないのだろうな、とは思った。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第191回】TVアームを付ければ、車内どこでもテレビのベストポジション(2019年11月29日)


車のなかでテレビを見る人は多いでしょう。とくにキャンピングカーの場合、旅先で気になる天気を確認したり、毎週欠かさないドラマを旅先でも見たいなんていう人もいて、装備率はかなり高いはず。

 液晶テレビが主流なので、薄型にはなりましたが、やはり大きなものなので設置する場所は限られてきます。

 そうなるとテレビの位置によって、ダイネットの座る場所が決まってしまいます。しかしテレビが見やすい位置が、必ずしも座りやすいとは限りません。

 本当はゆったりと座れるシートがあるのに、テレビが見やすいからという理由で、隅っこに座らなければならないことにもなりかねません。

 そこで便利なのがTVアームです。これなら自分が座りたい場所に腰掛けたら、テレビをアームごと動かして、好きな位置に固定できます。

キャンピングカーパーツセンター ♯054058 TVアーム DACP-TVS

「TVアームDACP-TVS #054058」の場合、アームは最大で39㎝伸びます。回転可動部分は3ヵ所あってそれぞれが動くので、車内のほとんどの方向にテレビ画面を向けることができます。液晶サイズ32インチ以下、重量22㎏まで対応していますから、かなり大きなテレビまでOKです。

 収納時にはアームを折りたためるので邪魔にならず、しかもロックすることができるので、走行中にアームが勝手に伸びるようなこともありません。

 またテレビを壁掛け金具やアームなどに取り付ける際の国際標準規格があります。VESA規格と呼ばれるものですが「TVアームDACP-TVS」は、その規格の75×75㎜、100㎜×100㎜に対応しているので、ほとんどのモニターを取り付けることが可能です。

キャンピングカーパーツセンター ♯054058 TVアーム DACP-TVS

♯054058
TVアーム DACP-TVS
価格:12,100円
本体重量:約1.4㎏

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第190回】台風一過、灯りと暖房を考える、たぶんその1(2019年11月22日)


ほぼ毎月、千葉スタートで国道6号をひた走り仙台を越えることがある。そして今年目にしたものは、15号と19号の惨状の数々。そしてこれを書いている今、実は前日に長野県の赤沼国道18号を走っていて、11月になってもあまりの状況に絶句、本当に新幹線が…。被災に見舞われた皆様には、1日も早い日常生活に戻れるよう願っております。

災害多発国家になってしまったのではないかとさえ思えるここ10年以上、いつも頭をよぎるのは、仕事でやっているキャンプの要素が災害時に非常に役立つのではないかということ。もちろん色々なメディアでそういうことを多少なりでも誰かの役に立てばと発信は続けている。その時思うのは、灯りと暖房だ。

そこで今回もちょっとよぎったことがあり、今まで手に入れたことがなかった石油ランタンを急遽手に入れてみた。なぜ石油なのかと言えば、カセットガスやホワイトガソリンと比較し、災害時に灯油が圧倒的に手に入れやすく、普段の貯蔵も簡単で安全だから。

購入先は言わずと知れたネット通販で、モデルの元になっている正規輸入品ではなく、どういうわけでほぼ全く同じものが生産されているのかわからない商品。お値段の方は驚異の6000円と激安、どうやって作っているのだろう…。ただ、その歴史は半世紀以上生活している私の年齢より長いとは思われるので、今更ライセンスとかそういった問題はないのだろう…とは思う。

開封して一番驚いたのは、気化するために必要なジェネレーター部分の取り付け鉛パッキンがグニョーッと潰れてはみ出している上、なんとまともに閉まっていなくてグラグラ。加圧式でこの状態は非常にマズいと思われ、購入したら絶対に確かめておきたいところ。

昨年も石油ストーブを中国から発送してもらったものがあったが、こちらも作りっぱなしのかなりいい加減な仕上がりだった。ある意味、中国から来る物の醍醐味かとも思っているので、笑いをこらえながら整備を進めることに。

と言うより、外使用限定のものではあるが自分で整備し育てるタイプの道具だと言うことを念頭に、構造も理解できるので整備をすることをお勧めする。

この手の旧いタイプのポンプには、パッキンが革を使っていることが多い。当然この革は乾ききっているので、身の回りにあったサラダオイルやらオリーブオイルに何時間も浸ししっとりしたところで組み付けポンピング。ダメである、圧力計が動く気配がない。

当然バラす。そして掃除しどうやら動くようになった。この手のランタンは、バルブを閉めても完全に締め切ることができない構造のようなので、消火するときは内圧を抜く必要があるので、内部圧力が見れる圧力計は重要なパーツなのだ。

とまあどうやら不具合はなさそうに思ったのだが、外観をじっくり観察してみるとなんだか形状がおかしい、斜めになっているよう。完全には治せないとは思うが、外せるところは全部外して組み直すことを決意。そこで重大なことに直面! タンク内のサビである。

新品のため内部は防錆用になんらかのオイルが流された形跡、ニオイはあるが、どうしてこんな事になってしまっているのだろうという疑問は拭えない。表面にサビは出ていないのに。

サビの還元剤でもブチ込もうか、それともビスやらワッシャーを入れシェイクし洗い落そうかとも思ったが、そこまでは酷くないのであって欲しいという希望とともに、しばらくはそのまま使ってみようと思う。サビが落ちてきて吸い込めば、それが詰まって悪さをする可能性は非常に高いのだが、それを整備時期と見なせばいいわけだ。育てる楽しみとしておくことにする。

そして使ってみる。とりあえず燃焼は問題なかったが、収納方法をどうしようかと悩む。意外と大きいので収まりが悪いし、ガタつくと簡単にホヤが割れそうだし、ということでもともと入っていた段ボール箱にカッティングシートを貼り付け少し強化しケースに仕立てた。

元モデルには正規品の立派なケースがあるのだが、そのケース代がすでに本体よりはるかに高い。また今回は初期動作確認だけだったのだが、今後は小型屋外ストーブとして使えるようにしたいという野望もあったので、この程度にとどめておいた。

ちなみに、この手の石油ランタンは明るく白い光を放たせるのに多少のコツがあるように思われ、それが出来るようになると、周囲の人から羨望の眼差しを受けられます、たぶん…。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第189回】エントランスの出入りを改善(2019年11月15日)


キャンピングカーの出入り口となるエントランス。ドアをあけて、ステップの1段目が高いと、乗り降りするのが大変です。車に出入りするたびのことなので、意外と面倒。

 国産キャブコンはカムロードをベース車に使っている場合がほとんど。トラックベースなので、架装してキャンピングシェルを載せると必然的にエントランスも高くなりがちです。そんな乗り降りをサポートするのがステップです。収納式のステップをつけることで乗り降りが格段に楽になります。

♯024062 オムニステップ電動 12V/460ALU

♯024062
オムニステップ電動 12V/460ALU
価格:70,400円

 使うときだけ車外に引き出すステップには手動式と電動式の2タイプがあります。電動式にはエンジンをかけると自動的に格納されるものもあって便利です。

 そのほかにはトレーラーで使われることの多い、持ち運びできるステップがあります。価格も手ごろなので、車内に収納できるスペースがあればおすすめです。もちろんバンコンやキャブコンでも使えます。

 収納がコンパクトになるワンタッチで折り畳みができるタイプもあり、これならシートの透き間や、シート下の収納庫に収まり、省スペースですみます。

 乗り降りに使うのはもちろんのこと、ルーフ上のメンテナンスや、高い位置の洗車などにも役立つので車のなかにひとつあるとなにかと便利です。

 最近はロースタイルのキャンプサイト作りが定番化してきていますが、ステップをイス代わりにして、腰掛けることもできますね。

♯91194 プラスチックフォールディングステップ

♯91194 プラスチックフォールディングステップ

♯91194
プラスチックフォールディングステップ
価格:4,000円

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第188回】ついに正式発表された次期ハイエース(2019年11月8日)


令和最初の東京モーターショー2019が、10月24日から11月4日まで開かれた。日本最大商業ショーであるのに、入り口の写真がなぜこんな妙なアングルなのかといえば、東京オリンピック2020の準備のため、東京ビックサイトの多くの施設が改装で使えなくなっているため、臨時の青海展示場やメガウェブなども使うという、これまでにない変則的な展示スタイルだったから。その距離2キロは離れていて、歩く歩く、正直1日中ウロウロしていてかなり足が棒になってしまった。

それはさておき、早速プレスデーの23日に意気揚々と乗り込んでみると、キャンピングカー好きには興味津々のモデルはトヨタ車体が製造するグランエース一択だったかもしれない。それは仮設の青海展示場に鎮座していた。いやぁ、歩いた歩いた。それは、個人的に興味があるものがあっちやこっちにパラパラと置かれていたからだった。

スペック的には、全長×全幅×全高が5300×1970×1990mm、ホイールベースは3210mmと長大。大きさやロングホイールベースを鑑みると、相当乗り心地が安定していて長距離移動が楽なのだろうなぁと想像できる。

エンジンは2.8リットルのディーゼルターボエンジン、最小回転半径は5.6mと現行200系ハイエースよりかなり小回りが効くことになり、キャンピングカーとしての期待も高まるのは間違いない所。ただちょっとそこには、個人的には疑問が浮かんだ。

そもそもブリーフィングによれば、トヨタからワンボックス系の製造を設計からすべて任されることになったトヨタ車体の意欲作であり、アルファードやベルファイヤといった高級路線のさらに上をいくアッパークラスのワゴンを目指したということである。

そんなこともあってか、ボディ全体のモノコック構造がかなりガッチリとしていて、天井周りのサイド部分にも目で見てわかるほどの太い骨格がフルトリムの上からも見て取れる。もちろんこれは、乗用車としての転倒やら事故でのクラッシュなどでの安全性を最大限に求めた結果だと思う。

ただこのフレーム形状だと、キャンピングカーへの転用は相当厳しいかなぁ、と。特にルーフ架装をしてスペースを稼ぐのは、大きなメリットにはつながらないような気も、した。

さらに室内寸法は室内長×室内幅×室内高が3290×1735×1290mmで、乗車定員は3列乗車で6名。セカンドシートは超乗り心地重視のキャプテンシートで、2列目以後のシートが無い、いわゆる“ドンガラ”状態の車両は用意されない、らしい…。キャンピングカー登録のキャンピング車を作るとなると、このセカンドシートが大変にもったいない。

そもそも200系スーパーロングより全長が短くノーズ付きのフロントエンジン、結果として室内寸法が長さという点でスポイルされる、こうなるとレイアウトを作るのも相当に難儀するはず。

12月を目標に年内発売する予定で、価格は「皆さんが思っているよりは抑えられるかと…」ということだったが、今後年を開けたところでニューキャンパーとして制作してくるメーカーがあるのか? 相当に見モノである。うまく作れれば、静かな上に相当乗り心地の良いキャンピングカーになるのは間違いないと思うけどね。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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