【キャンピングカーコラム バックナンバー第179回】要注意! 個人責任確定!? 超危険なガスコンロ修理に挑む(2019年8月30日)


楽しくキャンプで調理、ふとした気の緩みでカセットガスが完全にはまっていないと言うかズレていて、わずかにガス漏れしていてそこに着火してしまい取り付け部が火事! 見ての通りカセットガスのホルダー部のプラスチックが見るも無残な形状にただれてしまった。

こういう失敗をすると相当に落ち込む…、通常なら新しいものに買い替え確定である。なんとも切ない感じだが、製造メーカーに問い合わせてみても重要な保安部分のパーツだけに修理もなければパーツ販売もなしとのこと。シクシクである。というわけで、どこ製のコンロかということは絶対に口外する気は無い。そもそも自分の不注意だし…。

ここからは超超超自己責任の世界。諦めきれずにカセットガスをホルダーにはめロックしてみると、普通に動作させることができたしガス漏れも起きていない。どうやらロック機構そのものとパッキン類は生き残っているようだ。こうなると廃棄してしまうのが勿体無いと思うのが人の性。まあ往々にしてこういう思考がさらなる大事故を招き込んでしまうのではあるが…。

もちろん“火事”のとき、一緒に圧電着火の装置部分も溶け溶け、こちらは諦め着火マンでも使えば使えるかなぁととてつもなく危険な思考が、安全第一で楽しもうという基本概念をねじ伏せてしまった。そして始まるなんとも怪しい補修。

使った材料は、ホームセンターなどで手に入りやすいホットグルーという接着剤。プラスチック系の材料を熱で溶かし溶着させるというもの。そもそも熱くなるパーツ部分にこのような材料を利用していいものか? おとなしくFRPか何かで作ったほうがいいのでは? という迷いもあったのだがとりあえず実験も含めてやってみることに。

というわけで絶対にオススメはしません。コンロなどでやるのはもってのほかです。キャンピングカーのように、カセットガスのホルダーが熱源と離れていて熱くならないような部分を割ってしまった、というようなときの参考にはなるかな? という程度に記憶してください。というより、そう読み替えてほしい。

ホルダーのネジ山を合わせるため、少しずつ回転させ少しずつ接着剤を盛り、基本のネジ山が出来上がって普通に回転させ締め込むことができるようになったら、溶けて流れてしまった部分にブリブリ盛って元の形状に戻す。と言っても大体であり、基本的な強度が出て入れば良しとした。

完全に冷めて強度が出たら、カッターなどを使い使用に支障のある溶け出た部分などをカットし、普通に回してロックがかけやすいようにした。このパーツを元のコンロに組み込む。

燃料バルブのプラスチック部分は、多少溶けてはいたがそのまま再利用できたのが幸い。実際にガスを取り付け燃焼テストしてみても普通とさほど変わらない使い心地でそれほど熱くなることもなかった。

これならなんとか使えそうだとは思うが、コンロに寒冷時用オプション装備のブースターを取り付けると、ボンベそのものが熱くされるので絶対的に使った熱溶着の接着剤には都合が悪いと思う。やるべきでは無いでしょう。

というわけで、割れたり溶けたプラスチックパーツの簡易的再生にホットグルーは利用できるかと思うが、強度もあまり出ないしそもそも熱に弱いのでパーツ再生の折には熱に対して十分考慮していただきたい。今回はたまたまプラスチックパーツの題材がコンロだった…ということです。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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