【キャンピングカーコラム バックナンバー第67回】現代的なキャンピングカーを知ろう(2017年7月7日)


現在バンテックでは、2月に発行したキャンピングカーについて説明した冊子を使い、初めて購入する人などへのアドバイスを事細かにしている。もちろんそれを手に入れて読むだけでも十分な情報量なのだが、このコラムではしばらくの間その内容をさらに現在乗っている人にも詳しく理解できる解説をやってみようと思う。

まずは土台となるシャシーの話。例えばベース車両に多いカムロードのシャシーは、ラダーフレームという前後に伸びた太めの二本のメインフレームがありそれを左右メンバーで連結し、名前の通り“ハシゴ”状の形状をしている。

一般的にトラックの系統はこの形がほとんどで、このフレーム前後方向には強力だが左右方向には意外と柔軟性が高く、走行中段差を乗り上げるとそのままフレームや上に架装した荷室などがねじれて曲がるのが目で見てもよくわかる。

この柔軟性の高さは、第2のサスペンションとしての機能も併せ持ち走行安定性を保つのにも役立っている。しかしそれは基本的に重量物を載せるのと空荷の状態が混在する場合に大いに役立つ機能と言えるだろう。

バンテック ソリッドスクエアフレーム

さてキャンピングカーの場合、前述のメインシャシーとは別にシャシーといえば載せる箱、居住部分のシャシーの話になる。最近のバンテックでは色々なキャンピングカーの話を模型などを使いわかりやすく説明するブースをショー会場で行なっているが、その中にもシャシーの話は重要項目として取り上げられている。

それは、メインシャシーの上に同様の機能のシャシーを架装した場合とバンテックオリジナルのソリッドスクエアフレームを架装した場合の違いが、操作すると理解できるというもの。通常の状態だとねじれてグニャグニャと曲がるさまが分かるのだが、ソリッドスクエアフレームの場合はそれがほとんど改善される。

とはいえ、完全に固まってねじれがなくなるというわけではなく、最終的な完成車重量や走行条件を加味したねじれ剛性を持たせているのは言うまでもない。剛性を上げつつ必要な分を残す、それはトラックと違い通常ほぼ同じ重量で運行されることが予想されるキャンピングカーだからできることである。

この設計設定が何に役に立つかといえば、ダイレクトには乗り心地。そして余分な動きを制御できたことによる、運転感覚を含む走行安定性の向上だ。確かに乗用車のようなスポーティさまでには到達しないが、トラックとはまるで違う乗用車に近い違和感のないフィールングになるということなのだ。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第66回】スリムなLEDライトだから取り付け場所を選ばない(2017年6月30日)


キャンピングカーの車内では、家庭と比べると照明器具と目の距離が近いので、より照明の影響を受けやすい。そして照明ひとつで車内の雰囲気が変わるということが言えるだろう。

 例えばキャブコンの車内だと、ダイネットを照らすメインの照明のほかに、キッチン上、バンクベッド、トイレルーム、リヤベッドなどに照明が装備されている。

 最近はLED照明が多くなってきているが蛍光灯や白熱灯を使っているクルマもまだまだ残っている。形も丸いタイプ、四角いタイプ、スポットライトなど用途に応じてさまざまな形がある。

 そんなふうに車内にたくさん装備されている照明だが、雰囲気を変えたり、さらに照明を追加したい場合があるだろう。

 今回紹介するのはバータイプのライトでありながら、角度調節ができる便利なLED照明だ。LEDバーライト12V(warm white)シルバーは、長さ365㎜、直径が12㎜。スリムなデザインなので場所を取らず、限られたスペースでも取り付けができる。

 付属する3個のクリップを取り付けたい場所にネジで固定したのち、クリップにライト本体をはめ込む。

 はめ込むだけなので、丸い本体がクリップのなかで動く仕組みになっていて、角度調節をして明かりの向きを変えることができる。20灯のLEDが照らしてくれるので間接照明などに使うのもいいだろう。

 本体の先端にスイッチが付いているので、DIYで取り付ける場合には、電源コードを12V線に接続するだけ。別途スイッチを取り付ける場所を考えなくていいので、その分手軽に取り付けができる。明かりは白熱球風で暖色系の色だ。

キャンピングカーパーツ ♯211081 LEDバーライト12V(warm white)シルバーキャンピングカーパーツ ♯211081 LEDバーライト12V(warm white)シルバー

LED照明
♯211081 LEDバーライト12V(warm white)シルバー
価格:4,860円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第65回】すっかり定着してきた新型カムロードのおさらい(2017年6月23日)


キャブコンのベース車両といえば、最有力なのがカムロードであることは周知の事実。実際、バンテックが製作する各モデルのほとんどがそれを採用している。’16年秋にそのベース車両がマイナーチェンジ以上のフルチェンジを行なったのだが、世の中にまだ普及が始まったばかりなのでその詳細を知る人は少ないのではないだろうか。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

誰しもが気づく大きな変更点はフロントマスクが変わったこと。細かく見てみると、プレスラインをうまく変更したりしているのだが、その印象はガラッと変化した。エンジンや足回りには変更が見られないが、これまでダイナトラック特設項目であったリヤダブルタイヤのナローボディ2形式が装備類もカムロードとして新たに加わった。

外観では、4WDマークは廃止され、エンブレムのフロントステッカーは貼られていない状態で出荷される。バンテック車両においては、統一の貼付位置を右上と決めたようである。これまで黒い帯状のものが存在していたものが消えメッキパーツが豊富になったこともあり、キャンピングシェルを搭載したときの雰囲気からトラックっぽさがかなりなくなり、あか抜けたイメージになったといえそうだ。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

バンパーの変更で、ボディラインから左右に張り出ていたエンド部分のチリが合わされた事により、キャブ周りのまとまり感が断然良くなったことが、細かいところであるが意外と重要かも知れない。乗用車的になったのだ。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

運転席周りは一新している。ダッシュボード周りの張り出しが少なくなり、心なしかレッグスペースの拡大も見られるよう。またダッシュボード周りに収納量が増えたので、実用で色々助かるのではないだろうか。なかなか気付き難い所では、どうやらフロントウインドウやサイドウインドウがよりUV効果が強いものに変更になったようで、外から見るとこれまでよりだいぶ緑色に見える。運転中の光線が入り込むのが減少すれば長時間運転での目の疲労も軽減するし、エアコンの効きにも直接影響があるのでより快適になったと言える。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

最も嬉しいのは助手席周りかも知れない。まず、運転席共々カップホルダーがダッシュボードに埋め込まれたことが大きい。また、テーブルとして使えるフラットで大きめな収納スペースが用意されたので、移動中の快適度が高まったのは間違いない。トラックベースだとどうしても助手席側がおざなりになる傾向があるので、こういった快適度が高まった変更は同乗者にとって嬉しいに違いない。

ガソリンエンジン車の最終減速比が変更になり燃費への影響がどう出るかは未知数だが、大容量オルタネーターや燃料タンクはそのまま継続。熟成度をさらに高め、これからのキャブコン市場をけん引していくのに十分の内容に昇華したと思える。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第64回】開口寸法はヨーロッパ規格の400×400㎜。ルーフベントの交換、新規取り付けに(2017年6月16日)


キャンピングカー車内の明かり採り、そして天井付近に溜まった空気を抜くことがルーフベントの役割だ。車内で人が立てるくらい室内高のあるキャブコンは、とくに夏などルーフ付近に熱気が溜まるので、ルーフベントは必需品ともいえるパーツである。

ファン付きとファンレスのタイプがあるが、今回紹介するのはファンレスタイプのSEITZ MINI HEKI(ザイツ ミニ ヘキ)だ。

ちなみにルーフベントのサイズはアメリカ規格が360×360㎜の開口サイズ、ヨーロッパ規格は400×400㎜となっていて、SEITZ MINI HEKIはヨーロッパ規格。

アクリル製ドーム型のウインドウで、バーハンドルによって開閉角度を3段階に調整できる。取り付け高さは105㎜なので、ルーフへの出っ張りが少なくドーム式ということもあって破損しづらい。

本体室内側にシェードと防虫ネットを内蔵しているので、就寝時などはシェードにして明かりを遮り、フルオープンして外気を取り入れたいときには虫除けの防虫ネットを使用できる。

古くなったり、破損してルーフベントを交換する場合、もともと付いているのがヨーロッパ規格のものならばルーフの開口部分はそのまま流用できる。

新たにルーフに穴を開けて取り付ける場合は、ファンレスのために電気配線の必要がないので、そのぶん手間が少ない。

またSEITZのHEKIシリーズは、MINIのほかにも商品ラインナップがいろいろとあり、開口部が700×500㎜のルーフライトウィンドウMIDI-HEKI(#034071 69,120円)など大型のタイプも用意される。

※MIDI-HEKIは、受注発注商品のため、納期は4~6か月必要

キャンピングカーパーツ ルーフベント ♯034076 SEITZ MINI HEKI

ルーフベント
♯034076 SEITZ MINI HEKI
価格:21,600円(税込)
開口サイズ:400×400㎜
カラー:ホワイト

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第63回】使いやすさとコストパフォーマンスを追求したコルド(2017年6月9日)


クオリティとともにサイズアップが続くジル・シリーズ。それに対して以前から定番の2x5mサイズにこだわり新たなコンセプトを打ち立てているのが、コルドではないだろうか。

一番の特徴はエントランスを入った瞬間に理解できる。ステップから続くキッチン前のFRPパンはマルチルームにもつながっていて、ドレンホールが設けられているので、汚れても水洗いができる。

ペットを持つ人が注目しそうだが、土足のまま室内に入れるとかマルチルームにトイレを設置したとしてそれが利用できる、こういった実用性の高さに即反応できるユーザーも最近では多くなったのではないだろうか。

さらにエントランスを入って左、通常なら下駄箱など収納庫として処理するスペースの下部がくり抜かれているのは俊逸。この分だけ足先スペースが広がると、広いとは言い切れないエントランススペースでの昇降が格段に楽になるのである。

室内レイアウトは、コストパフォーマンスの追求からかデザイン・機構的にもシンプル極まりないが、そのおかげもあって操作方法は単純明快。ダイネットが掘りごたつ的に使えるなどは、まさに日本のファミリー利用条件でのリラックスを得るスタイルとしてピッタリ。

もし自分が1人でコルドを利用した場合、掘りごたつ状態で過ごし切れるので、バンクベッドもいらないかもとさえ思う。そうすれば、車両全高が抑えられ走行抵抗も減少し、安定性や燃費の向上にもつながると思うのだが、思考がニッチすぎるだろうか。

標準で用意されるバンクベッドも特徴的で、折りたたみのマットを広げるとツインタイプであり、マットのベースを極力薄く仕上げることでヘッドクリアランスをたっぷり確保している。また中央部が運転席横まで切れていることで、ベッドへの昇降がしやすくフロントシートからキャンピングシェル部への移動が、バンク部全体が就寝スペースになるモデルより格段に簡単である。

もう今やセパレートタイプのエアコンを装備することが、日本のモーターホームの必須条件になりつつあるが、コルドにおいてもそれは可能。最初から設計に組み込まれているので、配管が室内で見えてしまうこともなく、室外機の処理も十分配慮されている。

冷蔵庫やエアコンが必要な人用で選択項目であるのに対し、走行用燃料タンク周辺にまとわりつくような複雑な形状で作られた排水タンクは、使い勝手を十分に考えての装備と言える。

容量はほぼ50Lほどで、普通のキャンプ旅行で必要な容量を確保していると言える。キャンプ中大変なのはゴミ処理と汚水処理であり、帰宅時にそれがまとめてできるのであれば心配事から1つ解放されるのであるから。

世界を見渡しても、コルドのようなコンセプトを持つレイアウトデザインのキャブコンは見たことがなく、まさに日本のために作られた国産モーターホームといった趣きである。

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第62回】キャンピングカー用に開発された地デジアンテナ。キャブコンのルーフにぴったり。(2017年6月2日)


旅行先でも車内でテレビを見たいなら、アンテナは重要だ。せっかくテレビを装備していてもアンテナの感度が悪ければ映らない。以前のアナログテレビであれば、電波が弱くても、なんとか映像が見えたりしたものだが、地上デジタルになってからは、映るか映らないかがはっきりしている。だから余計にアンテナの性能が重要になるのだ。

DIAMOND無指向性地デジアンテナDACP-225」はバンテックと第一電波工業が共同開発したキャンピングカー用のアンテナ。高性能受信アンプとブースターを内蔵しているので、電波を安定して受信。しかも無指向性なので、走行中でも電波を受信することができる。

屋外用のアンテナなので車のルーフにつけることになるが、本体の高さは約13㎝で全高を抑えた作りになっているので邪魔にならない。取り付けにはルーフへの穴開け作業、防水のためのコーキングが必要になる。

取り付けビスはサビに強いステンレスを使用したものが同梱され、さらに同軸ケーブル1m、パワーインサーター、パワーインサーター用電源コードが付属している。

アンテナからテレビまでの配線が1m以上になるのであれば、付属の同軸ケーブルでは長さが足りないので、車内配線に必要な長さのF型コネクター付き同軸ケーブルが別途必要になる。その際には同軸ケーブル同士を接続するためのジョイントコネクターも用意しよう。

パワーインサーターには電源が必要になるので、コードをサブバッテリーに接続するなどしてDC12V電源を取る。もしもアクセサリーソケットから電源を取りたいならば、別途ユニバーサルプラグ シガーソケット用(価格:1、080円 ♯172103)を購入。

工具は電動ドリル(穴開け)、プラスドライバー、コーキングセットを用意すれば取り付け可能だ。

 

テレビアンテナ
♯231058 DIAMOND無指向性地デジアンテナDACP-225
価格:21,600円(税込)
サイズ:アンテナ部直径223㎜、取り付け部直径145㎜、高さ132㎜
重量:560g
周波数:UHF13~62ch
利得:17dB(±3dB)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第61回】新しい日本のキャブコンレイアウト提案をしたジル・ノーブル(2017年5月26日)


それまでキャブコンといえば2×5mのボディ寸法が定番だった。その理由として月極駐車場に入るサイズ、フェリーなどの乗船料金などがあげられていたが、本来のキャンピングカーとしての使い勝手に注目しコンセプトを再構築した。それは2年ほど前にさかのぼる。

新たなコンセプトは、さらなる快適で広い就寝スペースの確保とダイネットの構築による搭乗人数の確保である。そのままではこれらを満たすのは無理で、ベースになるカムロードを利用し最大となる5.2m全長を採用することに決定。その後登場するモデルは、基本的にこのサイズが基準になっている。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)

何はともあれ、コンセプトを完遂するにはスペースを創出しなければならない。そこで目をつけたのが、キャブとシェルの段差部。通常ここは15cmほどあまり利用されない状態で放置されていることがほとんど。実際には、カムロードではリクライニング可能なスペースとなっている。

このスペースを有効活用し、スライドする新しい台座を設計しそこへシートを設置することで、ダイネットを形成することを可能にしたのだ。それらスライド操作などを行なうときフロントシート背もたれも操作する必要があるが、シェル側からそれができるようにするためのケーブルが増設され、簡単に作業できるよう工夫されている。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)

ダイネットが全体で20cmほど前方へ移動、それとともに後方が20cm拡大したことにより、最後部にダブルベッドを設置することができた。狭さを感じずにすむ2段ベッドではなく、3段階にスプリングの反発力を調節できるマットを入れ、寝る方向で2つに分割されているおかげで、隣で寝ている人の寝返りが直接伝わらないようにも工夫した。

さらに、上段がない分少しマットの高さを上げ下部外部収納庫スペースを大幅拡大。セパレートエアコンの室外機も問題なく収納できるようにし、昇降性を確保するため、格納式スライドステップを用意し、移動時の安全性も確保した。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)

その就寝スペースには、今やバンテック車には当たり前になりつつあるセパレートエアコンの室内機が装備され、サブバッテリーで4時間程度は駆動できるように。もちろん出力的に、フロントのバンクベッドの空間まで調節できる能力があるが、例えばこのリヤ空間だけをカーテンで仕切って空間容積を減少させれば、その運用エネルギーは減少しサブバッテリーへの負担も激的に軽減させることができるだろう。

装備類はジル・シリーズ同様のフル装備状態で、それら使い勝手は変わらないし最新型パーツの恩恵を感受できる。ただ実際には2人で利用することがほとんどというユーザー層には、ファミリーにも余裕で対応できるこの新しいコンセプトによるレイアウトは、まだ一般的にはあまり浸透していないもののかなり魅力的に映るのではないだろうか。

ショーなどで普通の2段ベッド仕様などと比較することができる場合、可能ならばこのリヤベッドに少し横になってみることを勧める。たったそれだけで、レイアウトの持つコンセプトが理解できるはずだから。

バンテック製キャンピングカー ZiL Noble(ジルノーブル)詳細ページ

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第60回】カムロードベース車のちょうどいい場所にドリンクホルダーを追加(2017年5月19日)


国産キャブコンのベース車として使われるカムロード。純正ドリンクホルダーは、ダッシュボードの中央にあって引き出すタイプ。そこに背の高い500mlのペットボトルなどを挿すとナビやオーディオの操作をする際にじゃまになってしまう。

 運転席と助手席のシート間にあるセンターコンソールにもドリンクホルダーがあるがこちらは体をひねらないと手が届かず、取り出しにくい。

 そこで新たにドリンクホルダーを追加することを考えた結果、最近は喫煙率も下がって車内でタバコを吸う人が少なくなったことに注目。灰皿部分をドリンクホルダーにできないか? というのが開発の発端となった「カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー 右(運転席用)」である。

 運転席ドアの上側に付いている灰皿のキャップを開けて、そこにベース部分を差し込むだけでドリンクホルダーになり、500mlのペットボトルも置くことができる。

 助手席側にも♯061011「カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー 左(助手席用)」がある。注文の際には型番を間違えないように注意しよう。

 ちなみに2016年にマイナーチェンジしたカムロードでは運転席、助手席、それぞれのドア側のエアコン吹き出し口の下に純正カップホルダーが付いた。

 新しいカムロードではナビやオーディオの操作の邪魔にならなくなったので、どちらかというと今回紹介するアイテムは、マイナーチェンジ前の車に使うための追加のドリンクホルダーになる。もちろんマイナーチェンジ後の灰皿にも適合。携帯電話置きなどに使ってみてはいかがだろう。

♯061010 カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー

アクセサリー内装
♯061010 カムロード用C.P.Cオリジナルドリンクホルダー 右(運転席用)
価格:2,754円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第59回】スーパーロングベースのラグジュアリートランポを目指したフレア(2017年5月12日)


バンテックは、創業当時こそバンコンメーカーだったが、フレアが登場した’08年には押しも押されぬキャブコンのトップメーカーになっていた。そんな状況で、優れたベース車両として登場してきたハイエース・スーパーロングの特装ベース車を、ラインナップに加える試みがd-boxと同様に行われたが、それほど長続きはせず、現在では残念ながらラインナップから消えている。

バンテック製キャンピングカー FLARE(フレア)

レイアウト的には極めてシンプルで、前後に向くセカンドシートの後ろには折り畳みのできる巨大なソファベッドを設置し、キャンプ等で必要になるキャビネット型の収納兼キッチンカウンターを設けた。

バンテック製キャンピングカー FLARE(フレア)

丸みを帯びた座面のソファを跳ね上げると、広々としたトランポスペースが生み出されるものの、アンカー設備などが設置されているわけではなく、床張りも含めあくまでキャンパー的な作りに徹している。ソファベッドをベッド展開して常設ベッドのように利用するのも簡単だった。

ただこのコンセプトが、今一つユーザー層にアピールしきれなかった。便利なのだがトランポともキャンパーともどっち付かずだったのかもしれない。

バンテック製キャンピングカー FLARE(フレア)

実際、余裕ある室内容積に任せて人気のある多人数乗車定員を確保したいなら、ダイネットを形成するために折りたたみのシートをわざわざ作る必要もなかっただろう。こうしたのは、セカンドシートから後ろのカーゴスペースをたっぷり用意したかったからに他ならないのだ。

確かになんでも要求を満たしきる構成は難しいに決まっているのだが、定番の二の字レイアウトをスーパーロングボディで実現したd-box、標準ロングでポップアップを装備するマヨルカなどと比較すると、コンセプトは理解できてもアピール度が低い。できあがりのクオリティが確保されているので、ユーザー層はもっと多機能を欲しがる傾向があったのかもしれない。

正直に言えば、このカーゴスペースを十分使いこなすだけの遊びや方法を知っていて、乗車定員をそれほど普段必要とすることなく、なおかつスーパーロングの大きなボディサイズを日常で取り回せるユーザー層というものが、今一つ日本では成熟していなかっただけなのかもしれない。

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第58回】いつもの洗車で汚れが落ちづらくなったら、FRP専用洗浄剤の出番(2017年5月5日)


ゴールデンウィークまっただ中。これからキャンピングカーで出かける人もいるだろうが、出かける前にまずは洗車!という人も多いのではないだろうか。

 新車で購入した場合、しばらくは水洗いだけでも簡単に落ちていた汚れがだんだんと落ちづらくなり、いわゆるバーコード汚れといわれる縦縞の汚れなどがついてしまうと、とくに洗車が大変だ。

 まめに洗車をしていればいいが、ボディの大きなキャンピングカーの洗車は手間がかかるので、どうしても面倒になってしまう。

 そうして何年も経つと、指でなぞるとガサガサしてツヤのない状態のFRP表面になり、カビ汚れも付いてくる。

 こんな状態になっていたら、普通のカーシャンプーではいくらやっても汚れが落とせない。そこでFRP用リストアー&ワックスの出番だ。まずはFRP表面を水洗いして水分を拭き取ったら、リストアー&ワックスをスポンジに適量取ってワックスがけと同じように作業するだけ。

 カビや水あかなどカーシャンプーだけでは取れなかった汚れがおもしろいように落ちていく。ワックスをかけおわったら、最後にきれいなウエスでワックスを拭き取ればFRP表面にツヤが戻る。

 磨き用コンパウンドと特殊なつや出しワックスを配合していて、しつこい汚れを落としながら表面には色つやを取りもどすことができるすぐれもの。新車登録してから3~5年が経った車が対象となる。

 また、新車登録後で3年未満の車に使うならFRP用クリーナーワックス(#103015 1,404円)がおすすめ。

 FRPや塗装面の軽度の汚れ用で、こちらもリストアー&ワックスと同じようにコンパウンドで磨き、同時にワックス掛けができるように開発された商品だ。

キャンピングカーパーツセンター ♯103014 FRP用リストアー&ワックス

ケミカル用品
♯103014 FRP用リストアー&ワックス
価格:1,404円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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