【キャンピングカーコラム バックナンバー第77回】キャンピングカーの使い勝手を向上させるセキュリティ集中ドアロック(2017年9月15日)


キャンピングカーをそれまで乗ったことがない人にとっては、鍵についてのキャンピングカーを取り巻く状況はさすがに知れ渡っていない。世の中に出回る多くのキャンピングカーは、乗用車では当たり前の集中ドアロックが付いていなかったり、外部バゲッジドアの鍵がそれぞれ違っていて、たくさんの鍵が必要になるなど様々なことがあり得るのだ。

それでは不便さがつのるので、バンテックのキャブコンではエントランスドアをセキュリティ集中ドアロックとし、最も開け閉めする可能性の多い部分で激的に使い勝手を高めている。

さて、そもそも乗用車には今や当たり前の集中ドアロックとは何かと言えば、乗降用のドア全部とトランクやリヤゲートのキーロックがリモコンで施錠開錠が行なえるというもの。さらに開錠していずれのドアも開けなかった場合、大抵30秒ほどで再度ドアロックが全てに施錠されるという仕組みになっている。便利であることは間違いない。

キャブコンにおいては、この場合トヨタ・カムロードを指すのだが、ベース車両のリモコンドアロックは乗用車同様のシステムが組み込まれる。いわゆるフロントシートの両側ドアがそれにあたる。

多くのユーザーはさらに便利に乗降したいと考え、エントランスドアにもリモコン開閉の、アクチュエーターと呼ばれるシステムなどをベース車両のロックに連動して動くよう組み込むことが多いのだが、これは単純に施錠開錠だけができるもので、ベース車両のドア開閉とは連動しないことがほとんど。

この時何が起こるかといえば、まずロックされているキャンピングカーがあったとしてそれをリモコンで開錠。エントランスドアから乗り込んでサッと用を済ませエントランスドアを閉めて降車する。ところがこの状態ではエントランスドアの開閉はベース車両のシステムでは開閉を認知していないので、大体30秒ほどでエントランスドアも含めロックされてしまう。この状態に陥ったとき車内にリモコンを忘れていると、インロックされ大変なことになってしまうというわけ。

そこでバンテックのキャブコンでは、エントランスドアの開閉もベース車両のフロントドア2枚同様開閉をシステムに認識させることにより、上記のようにロック解除した場合にエントランスドアからの乗降があったら自動でロックがかかることがないようになっているのだ。乗用車からみれば当たり前のシステムなのだが、ちょっと特殊なキャンピングカーのエントランスのロックシステムにとってはかなり導入には難しい部分があったりもするのである。

余談だが、2重ロックなどを持つエントランスドアが多く、その鍵の材質上の問題から鍵そのものの磨耗や破損が意外と起きやすいウィークポイントがあるのだが、これは何十年にもわたって改善されることがない。その理由は未だ不明ではあるが、現物の鍵ではなく安心してリモコンで施錠解錠できるということは、脆弱な鍵を曲げたり折ってしまったりというリスクを極力避けられるという点でも、バンテックが採用するセキュリティ集中ドアロックは有効な手段なのだ。

関連リンク:後悔しないキャンピングカー選び

 

TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第76回】ミニバンにも装備できる省スペースなシンクセット(2017年9月8日)


車中泊は寝るだけでOKという人ならば、快適なフラットベッドがあればいい。ミニバンでも車中泊専用マットを使ったり、クッションなどを使ったりして、ベッドスペースの快適化ができる。そしてカーテンなどの目隠しがあれば車内はプライベート空間になる。

 そんな「寝るだけ車中泊」の人にさらにお薦めしたいのがシンクだ。ちょっと手を洗いたかったり、歯を磨いたりするためだけに車外へ出て洗面するのは面倒。キャブコンなどで使われているサイズの大きな本格的なものではなくて、小さなものでいい。

 そんな条件を満たしてくれるのが「ミニシンクセットステン」だ。角型のステンレスシンクに排水ホースと排水栓がセットになっているもので、実際に使うにあたってはこのほかに排水タンクが必要になる。

 さらに給水側の装備として「スイッチ付きフォーセット(#63003 3,120円)」、「インナーポンプ12V(#132004 2,484円)」、給水タンクなどがあるといいだろう。

 給水・排水タンクについては、キャンピングカーパーツセンターでは10Lから20Lまでのポータブルタンクがあるので、車のサイズや使用頻度を考えてサイズを選ぼう。

 実際に車内にシンクを装備するには、箱形に組んだ収納スペースの上板をくりぬいてシンクをセットし、下に給水・排水タンクを収納するのが一般的。

 軽自動車などでさらに省スペースが求められる場合は、「ミニミニシンクセットステン#141032 4536円)」を使うといいだろう。

 ちなみに、このミニシンクセットステンは、キャンピングカーパーツセンターでは車中泊用としてはもちろんのこと、移動販売車用としても注文が多いパーツである。

キャンピングカーパーツ シンク・コンロ ♯141008 ミニシンクセットステン

シンク・コンロ
♯141008 ミニシンクセットステン
価格:8,424円(税込)
サイズ:320×265×100㎜

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第75回】同乗者の安全を確保するリライアンスシート(2017年9月1日)


キャンピングカーといえど、基本は車。走行時は通常前向きに着座し、その全員がシートベルトをしていることが求められている。もちろんこの場合、前向きシートは3点式シートベルトが基本であり、国交省発表でも非着用時の致死率は着用時と比べ14.5倍となっているので重要な項目である。

バンテックが採用するリライアンスシートは、平成28年に施行された新安全基準をクリアしたシートフレームをすべての前向き座席に標準装備。ISOFIXではないがチャイルドシートの装着も可能で、乗る人を守るという取り組みが平成24年からなされている。

キャンピングカーの場合、着座するシートはベッド展開することも多く、この安全基準とどう折り合いをつけるかは設計段階でかなりの苦労が強いられるところ。

新基準ができた後、乗用車では運転席だけではなく助手席、リヤシートにもシートベルトリマインダーという警報装置を付けることが義務化されているが、キャンピングカーのカテゴリーにおいてはトラックやバス同様にフロントシートのみで保安基準を満たす。さらに、後ろ向きシートや横向きの場合はシートベルトの構成も2点式でよかったりする。

このおかげで、なんとかベッド展開を含めキャンピングカーらしいシート構成が可能になっている。何しろ“らしい”シートが使えないと、キャンピングカー最大の利点である快適な寝心地を実現することができないので、どこのメーカーも頭を悩ませていたのである。

また平成28年の警視庁とJAFの調べによると、フロントシートのシートベルト着用状況は一般道路・高速道路を問わず94%を超えているものの、後部座席での一般道路でのシートベルト着用率はわずか38%前後と非常に低い水準。

キャンピングカーは大事な家族を乗せ楽しい時間を一緒に共有するための道具なので、激しい運転をすることはないとしても、やはり後部座席でもきっちり3点式シートベルトをする習慣を家族全員で身に付けたいものである。

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TAMA@MAC

著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第74回】外部AC電源接続すると自動切り替えできるインバーター(2017年8月25日)


車のバッテリーは一部トラックなどをのぞいて電圧はDC12Vになっている。キャンピングカーの車内で使用するサブバッテリーも同様にDC12Vである。

 そのDC12VをAC100Vに変換して、車内でも家庭用電化製品を使えるようにするのがインバーターの役割だ。

 使用する電気製品のワット数によってインバーターの容量を選ぶことになり、消費電力が大きい電気製品を使うのならばインバーターも大容量タイプを選ぶことになる。

 車内で使うのがテレビくらいならば250W程度で十分だし、1500Wの容量があればドライヤーや電子レンジなども動かすことができてたいていの家電製品に対応する。

 1500Wインバーターというと以前「FI-S1503Aインバーター1500W(♯192115)」を紹介したことがあるが、今回紹介するのは転送スイッチ(リレー)付きのインバーターである。

 前述したとおり、DC12VをAC100Vに変換するのがインバーターの役目であるが、キャンプ場などで電源コードから車内に電気を供給する外部AC電源接続をしたときには、サブバッテリーからの電気ではなく、外部からのAC100Vを車内へ供給することになる。

 このときにサブバッテリーと外部AC電源との切り替えのための転送スイッチ(リレー)が必要で、今回紹介する「サイン波インバーターFI-SU1503C 12V1500W」にはその機能が内蔵されている。外部AC電源を接続すると自動で切り替わるので便利だ。

 また1500Wインバーターを装備して大きな電力を使うならば、サブバッテリーは最低でも2本積み以上必要になる。電気系統についてはトータルで考えることが重要だ。

※ちなみに以前紹介したインバーターにはコンタクタリレー110V-15A MUF10-4(♯181015 価格:4320円)などを使って、外部AC電源との切り替えをする。

キャンピングカーパーツ インバーター・コンバーター ♯192130 サイン波インバーターFI-SU1503C 12V1500W

インバーター・コンバーター
♯192130 サイン波インバーターFI-SU1503C 12V1500W
価格:139,212円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第73回】安全性と断熱性を兼ね備えるアクリル2重窓(2017年8月18日)


キャンピングカー、特にキャブコンバージョンのようにほぼ全体的に架装されているモデルでは、ガラスとアクリルの2タイプのウインドウが既製品として存在する。大雑把にみると、北米系モデルはガラスで欧州系がアクリルと分けられる。

それぞれの特徴は、ガラスは透明度の高さと平滑性の高さからくる見た目の歪みがないこと、素材としての長期にわたる不変性だ。アクリルはその素材が持つ強度の高さと割れた場合飛散しないこと、断熱性そのものがガラスよりも高いことである。

近年のモデルでは、ガラスでも一般家庭のような2重ガラスタイプが増え、断熱性が高いものも増えてきているが、フレームはアルミなどのままでありいまだ結露しやすいと言える。バンテックのキャブコンにおいては、ほぼ全てのモデルがアクリル2重窓を採用している。

 

これまで長い間一般的だったタイプは、アクリル板がもなか状に2重で貼り合わされていて、素材そのものの断熱性の高さだけでなく断熱層を設けることにより、さらに熱の伝わり方を防止しほとんど結露しないよう工夫されている。

現在人気があるのはウインドウが裏表逆になった様な構造で、外表面がボディ面とフラットな構成になるタイプ。それだけでだいぶ車がスタイリッシュに見える。

通常の利用において、室内外温度差による結露はほぼしないといっていいが、経年変化により2枚のアクリル成型板の接着が弱くなってしまったような場合、内側が湿気で曇ってしまうことがある。こうなってしまった場合はほとんど対応策がない。

アクリル2重窓の最大手というか、そのほとんどのシェアを持っているのがドメティック傘下のザイツという専業メーカーであり、エントランスドアなども手掛けている。安全性は十分考慮されていて、欧州の自動車用パーツの規格に合致しEマークが付いていて、これは乗車する車のウインドウとして利用できることを意味している。

現地説明を受けてみると、アクリルという素材のためその性能が問題なく発揮されるのは10年ほどで、それ以上の期間では紫外線の影響などにより多少の変形や白濁などが起こるという。

ただしメンテナンス方法もしっかり確立していて、それを行うかどうかでかなり差が出るとも。もちろん、バンテックではウインドウのメンテナンスというか研磨剤や補修パーツなども用意されているので、長い期間使用することは十分に可能だ。

アクリルウインドウは取り付けフレームがプラスチックで作られていることもあり、窓全体が外気による熱の伝わる影響を室内に出しにくい。さらに内側のフレームはケース内にロールシェードと網戸が内装され、ロールシェードは裏側がアルミシートの蒸着により赤外線の遮断を行ないより断熱性が高いものになっている。

さらに最近の傾向では、ロールではなくブラインドに見えるデザインのものが欧州では増えてきて、より断熱性と防音がしっかりとしてきている。構造は折りたたみ式の筒が繋がった状態で、そのシートもアルミを挟んだ多層構造で空気層を作り出すことによりそれを実現している。

このように、アクリル2重窓は今後も安全性と機能性の向上がまだまだ続けられる、キャンピングカーに適したパーツであると言えそうだ。

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TAMA@MAC

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第72回】電圧低下をチェック!サブバッテリーを保護する(2017年8月11日)


サブバッテリーに外部AC電源などから充電するとき“過充電”にならないようにするためのパーツが前回紹介した「すぐれ者充電器」の役割。

 今回紹介するのは同じサブバッテリー関連でも“過放電”を防ぐための電源系パーツ「バッテリープロテクター12V40A用」だ。

 バッテリープロテクターはその名前の通りバッテリーを守るもので、鉛電池からの電力供給を制御する。バッテリーの電圧を検出して10.5Vまで下がると電力供給をオフしてサブバッテリーを守る。

 電圧低下してオフになった後は、再度充電がはじまって電圧が11.5V以上まで回復すると自動的にオンになってサブバッテリーからの電気が使えるようになる。

 ちなみに電圧が下がるときは、照明器具を使用中などには、明かりが数分間点滅した後に完全にオフになる。

 接続端子は①から⑧まであり、①②はバッテリープロテクター本体の作動スイッチに接続するもの。外部スイッチは必ずしも必要ではないが、車内の電気のメインスイッチとして使えるものでもあるので、取り付けておくと便利だ。

 外部スイッチとしては、「♯182023 LEDスイッチ アイスブルー(648円)」とともに「♯182024 スイッチパネル(648円)」がお薦め。

 ③はサブバッテリーのプラス端子に接続して、ここへの電圧が10.5V以下になると電力供給をオフにする仕組み。④はアース端子、サブバッテリーのマイナス端子に接続する。

 ⑤⑥は通常は使用しない予備端子。⑦は車内の電気製品に接続してからバッテリーのマイナス端子へ。⑧はサブバッテリーのプラス端子に接続する。

 バッテリープロテクターは12V対応商品のほかに24V用も用意している。「♯194004 バッテリープロテクター24V30A用(9,849円)

キャンピングカーパーツ ♯194005 バッテリープロテクター12V40A用

バッテリー・充電関連
♯194005 バッテリープロテクター12V40A用
価格:9,849円(税込)

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第71回】Comfort & Safetyというボディの概念(2017年8月4日)


キャブコンのようにキャンピングシェルを架装するスタイルには、現在大きく分けて2つの工法が採用される。バンテック社の場合は、継ぎ目のない一体成型FRP製ボディを採用している。この工法による利点は、衝突時の衝撃を拡散し乗員への影響を最小限に抑えること。また弾力性に富み、素材とコア構造による断熱性の高さも考慮されている。

もう1つはパネル工法と呼ばれ、アルミやFRPの表面材と内装材の間を断熱材と骨格で埋めた、高剛性で歪みが出にくいパネルを天井や床、壁面に使用して組み立てる工法がある。安全性は乗車する車にとって最も大事なことだが、FRP一体成型のデメリットも記しておくと、その形状を作り出すためにはある程度の材料の使用量が必要であり、その分重量がかさむという点があると一般的には言われている。

ではなぜ一体成型を採用するのか? 見た目のデザインの自由度の高さや日本における雨水侵入に対して強いなどのメリットもいろいろあるのだが、ちょっと例え話がズレるかもしれないが説明してみよう。

飛行機の世界で超初期のまだなかなか地上から人の足が浮き上らなかった時代、リリエンタールという人が鳥の構造を真似た羽根によってかなりいいところまでいっていた。ほぼ滑空していたその機体ではあるが、形状は鳥同様1枚羽根。当時の素材のことも原因ではあるものの、強度を確保することがなかなかできず、滑空中に折れて崩壊することも多くケガを負うこともあったようである。

これは機械と同様な高剛性的な考えで作られ、飛ぶためには軽量化が絶対条件でギリギリまで重量=材料=強度が削られ、羽根の骨部に応力が集中してしまいそれに耐えられなくなってしまった結果だが、そういった実験を検証して対応策を打ち出し大空に舞い上がった人がいた。それは言わずと知れたライト兄弟である。

彼らは自転車を作っていた経験から、柔構造を体感的に理解していて羽根を2枚にし間をフレームでつなぐことで、応力を全体が変形することで受け流すという2枚羽根を作り出したのだ。結果として外的要因、この場合大気という流体による入力が機体に生じても安定した機体形状が得られ動力機であるにもかかわらず崩壊することがなくなった。実際、実用レベルに達したと考えた兄弟は、その機体を世界に向かって発売を開始したくらいである。

柔構造によるFRP一体成型は、ボディ全体に応力を拡散して受け止めるという設計思想で作られているものであり、現代身近に目にするものとしてはクルーザー・ヨットがそれにあたる。300mを超える大型鋼板客船もそれに該当すると思われる。

要はキャブコンなどのサイズで柔構造で設計する場合の素材として、Fiber Reinforced Prastics(繊維強化プラスチック)が丁度良いという判断なのだ。

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著者:TAMA@MAC

主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。http://www.tamamac.com

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第70回】外部AC電源を接続してサブバッテリーに充電(2017年7月28日)


車内で電気を使うための動力源になるサブバッテリー。電気を使えば当然充電が必要になり、車のオルタネーターから走行充電したり、車外から電気を引いたり、ソーラーパネルからコントローラーを介して充電したりする。

すぐれ者充電器12V12A」は、キャンピングカーに外部AC電源を接続したときに、AC100VをDC12Vシステムに適した電圧へ変換し、サブバッテリーに充電するためのもの。サブバッテリーに過充電しない機能が特長である。

 たとえば外部電源を接続した状態のままで室内灯などを利用すると、充電器によってはサブバッテリーの容量が減ったと判断。

 満充電にもかかわらず、高い電圧のままで充電を続けることになり、過充電が起こりサブバッテリーの寿命を縮める原因になってしまう。その点、すぐれ者充電器は自動で判断し過充電を防止してくれるのだ。

 高電圧と低電圧タイプの2種類があり、高電圧は14.8Vか15.5V、低電圧は13.9Vか14.4Vのいずれかのブースト電圧で充電ができる。低電圧タイプの場合で、たとえば14.4Vに設定しているとしたら、通常は14.4Vで充電し、満充電に近くなったら13.2~13.3Vのフロート充電に自動的に切り替わり、電圧を下げて充電する。

 ちなみにバンテック車で採用されているサブバッテリー(♯201037 ディープサイクルバッテリー 100Ah 価格:32,076円)は、ベース車のオルタネーターから充電しやすいように低電圧タイプを採用している。その関係から充電器も低電圧タイプを使っている。

 サブバッテリー1個積みに対しては「すぐれ者充電器12V12A」、2個積み以上には大容量の「すぐれ者充電器12V25A用」の使用がお薦めだ。 

キャンピングカーパーツ ♯201035 すぐれ者充電器 12V12A用

バッテリー・充電関連
♯201035 すぐれ者充電器 12V12A用
価格:28,944円(税込)
サイズ:タテ225×ヨコ190×高さ68mm(取付部含む)
重量:約1.5kg

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。http://rvtravel.jp 

 

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第69回】運転のしやすさを取り入れる(2017年7月21日)


誰しも、初めてキャブコンを目の当たりにすると「こんな大きな車を運転できるだろうか?」と思うようだ。確かに幅は2m、長さは5mを超え、高さはほぼ3mともなれば、そう思っても仕方がない。ただ実際には、少し運転するとその心配は不必要であることに気づく。

正直いえば、確かに大きさそのものの問題は存在する。しかしそれを一般的な運転においてデメリットとならないような工夫がキャブコンには組み込まれているのだ。

キャブコンの場合、基本的な車高が高く装備品も車両位置の高い部分に取り付けられるものが多く、基本的に乗用車などと比較すると重心の縦横位置割合が高くなる。端的にいえば、前後左右揺れを起こしやすい状態である。

これを解消するため、できるだけ前後左右中心部に重心が集まるようレイアウトや装備の配置が設計から組み込まれる。特に、一度設置すると動かすことがないバッテリーやエアコン、室外機は重量物であり慎重にその位置関係が設定される。

さらに実際の運行で体感するのが、水の重さ、しかもその使用状況によって運転感覚にまで影響するという事実。質量的に大きな要素であるのでその設置場所による重心位置の変化は、運転においてかなり重要な要素になっている。

バンテック車両の場合、使用前の清水はポリタンクを利用し、キャブコンのフロア上に設置されている。飲まない限り、排水量は使用量とほぼ同じなので重量の変化もほとんどないと考えていい。

そこでコルドリーブスなどでは、燃料タンクとアンダースカートの間のすき間に50リットルほどの特設タンクを設け、排水した重量を車両中央下部へ移動させ重心位置をより低い位置へ移動する対策が取られている。

こういった徹底した低重心化がもたらすものは、ピッチやロールといった揺れが減少し、安定した挙動で走行できることであり、乗り心地が向上し安全性が増すということである。

キャブコンの大きさからくる運転への不安は、「死角が広く見えないのでは?」ということもある。端的にいえば、直接目視しようにもガラスエリアが狭く壁だらけなのでそれは当然の理由である。しかし現代では最新機材が揃っていて、その不安はかなり払拭されていると言える。

まず運転席からの前方視界だが、キャブコンに使われることの多いカムロードでは、フロント下部を目視できる補助ミラーを併用すると、死角はほぼ無いと言っていい。後方確認においては、かなり前からリヤビューカメラが当たり前になっているうえ、全方向を見れるアラウンドビューシステムも普通に組み込めるようになってきたので、駐車やサイトへの乗り入れも安心になってきている。

ただ乗用車でも同じなのだが、合流車線などでの確認に必要な斜め後方の視界に関しては、車そのもの運転する位置も含め車そのものの問題で万全とは言いにくい。このような不具合を感じた場合は、ミラーの増設やその他いろいろ方法があるので対処はそれほど難しくないと思われる。

大きさは、「家のそばの道を走れるだろうか?」という疑問もあるかと思われる。これについて断言できるのは、キャブコンの場合1ボックスキャンピングカーのベースに使われることの多いハイエーススーパーロングよりはるかに小回りが効くということ。さらに、キャブコンより全長の短いおおかたのミニバンよりも小回りが効くことも記しておいたほうがいいだろう。

往復2車線の4m道路ならなんら問題ないし、狭い路地に2tの配送トラックが入ってくるのも当たり前の光景だが、それ同等の小回り性は有していて日常で困ることはほとんどないはずだ。

 

TAMA@MAC

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【キャンピングカーコラム バックナンバー第68回】サブバッテリーを交換して快適電気生活(2017年7月14日)


車内で快適な生活を送るために重要なもののひとつが「電気」である。照明をはじめとして、冷蔵庫、電子レンジ、エアコンなど電気を使う装備品はたくさんある。そしてその元になるのがサブバッテリーだ。

 今回紹介する「ディープサイクルバッテリー100Ah」はバンテック車にサブバッテリーとして装備されているもの。

 ディープサイクルバッテリーとは、安定した電圧を維持し、頻繁な充放電と深放電に強いバッテリーのことをいう。

 密閉式のバッテリーで充電時にガスが発生しないため、車内に置いても安心して使用が可能。補水の必要がないメンテナンスフリータイプでもある。

 通常、バッテリーは3~5年で寿命がくるといわれている。バッテリーの性能が落ちてきていて、ちょうど買い換え時期にあたるならば、思いきって交換してみてはいかがだろうか。とくに家庭用エアコン装備車などは、これから夏に向けてフル活用するからサブバッテリーも元気なほうがいい。

 ちなみにこのディープサイクルバッテリー100Ahは、低電圧で充電できるタイプ。キャブコンのベース車になっているカムロードのオルタネーターからでも十分に充電ができるようにバンテックが選んだバッテリーである。

 多くのディープサイクルバッテリーは、より高電圧でないとバッテリーに十分に充電できないということもあるから、あらたにこの商品に買い換えるのもいいだろう。

 またバッテリーを複数個積んでいる場合は同時に交換をしないと、古いバッテリーのせいで正しく性能を発揮できない場合がある。出費もそれなりにかかってしまうが、交換するならば、同時交換をお薦めする。

※代引きでの発送不可商品。バッテリー1個ずつに対して送料がかかるのでご注意を。

キャンピングカーパーツ ♯201037 ディープサイクルバッテリー 100Ah

バッテリー
♯201037 ディープサイクルバッテリー 100Ah
価格:32,076円(税込)
サイズ:タテ332×ヨコ174×高さ213mm
重量:約28.5kg

 

浅井 佑一

著者:浅井 佑一

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