【第49回】ナローボディの使いやすさにこだわるマヨルカ


バンコンビルダーとしてスタートしたバンテック。当時はハイルーフ、超ハイルーフ、ポップアップとスタイルが豊富で、さらにボディサイズも各種1ボックスベースで取り揃えていた。それらは本格的にキャブコン製作をしていくなかで姿を消していったが、そんななか、最後まで人気のあったマヨルカは現代まで継続する車種となり、完成度の高さとともにその存在理由を明確にしている。それは日常における使いやすさの追求である。

バンテック キャンピングカー バンコン Mallorca(マヨルカ)

とにかく、標準ロングというサイズにこだわり、ルーフ加工しても車高にこだわり、外観サイズと裏腹に室内空間は容積を増やそうとしている。そのためポップアップルーフの大きさは車体サイズに対してかなり大きく、持ち上げた時の高さもしっかりとってルーフベッドのヘッドクリアランスもたっぷりだ。

レイアウト的には平均的なサイドカウンターなのだが、シートレイアウトとリヤのベッドになる部分を徹底的に吟味し、フロア一面がベッド展開でき、使い勝手は間違いなくファミリーユースを考慮している。

乗ってみるとわかるのだが、3列シートの余裕のある座り心地と手荷物の収納力の高さは、ナローボディとは思えないほどの余裕を感じられる。

バンテック キャンピングカー バンコン Mallorca(マヨルカ)

マヨルカで感心するのは、各部の変形やセッティングをする時の扱いやすさが際立っていること。特にリヤトランクスペースを形成するマットと台座は、このモデル専用に製作される金属パーツの骨を使っているため、無駄がなく実に動きがスムーズだ。多種多様なモデル展開をせず、1モデルに絞ったからこそ実現できた特別な組み立てなのかもしれない。

見た目はシンプルなれど、1ボックスだからこの程度というような妥協がないモデルであり、作り手が徹底的にこだわったところが随所に見受けられる。ただそれを強くは主張していない、さらっと流してユーザーに寄り添う感じがマヨルカの本領なのだろう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第13回】現代にも通用する標準ボディ・ハイルーフのマヨルカ


現在も製造されている1ボックスキャンパー「マヨルカ」の登場は‘91年にまでさかのぼる。当時はベース車両が100系ハイエースの標準ロングボディ。いわゆる今ではほとんど聞かれなくなった小型車規格の全長・全幅枠に入るもので、それがそのままコンセプトとも言えるようなモデルだった。

ただ、限られた室内容積を最大限に利用できるようにするため、当時としては驚くべき高さのハイルーフを装着し、大人が室内を立って歩ける快適な空間を作り出した。もちろんそこには、2段ベッドという機能も持たせていた。

バンテック キャンピングカー マヨルカ リビング

‘90年代初頭はどのメーカーもまだサイズや装備が模索中の時期で、徐々にスーパーロングをベースにした1ボックスキャンパーが台頭し始めた頃。その一方で、価格的にもリーズナブルで二足のわらじ的にも使える標準ボディをベースにしたタイプがかなり人気となっていた。

写真を見ての通り、現代モデルとの相違はこのハイルーフにある。当時、ポップアップルーフの認知度が低く、耐候性や装備として不安を持つ人も多かったためハードタイプのハイルーフの方が好まれていた。今だったら、扱いやすいサイズで立体駐車場への進入なども考慮されるようになり、ポップアップルーフが再考されている事を考えると、それだけの時間経過があったんだなと改めて思う。

バンテック キャンピングカー マヨルカ 室内

マヨルカ発売以前にバンテックがOEMで供給していた「ゆとり」というかなりヒットしたモデルがあるが、マヨルカはその発展系である。そのため、小さいボディでありながらフルセットの装備を詰め込んだ感があり、今の時代にこれがあればそこそこ人気が出るのではと思うくらい。

実は最近の傾向として、4ナンバー登録のキャンパー装備を持つモデルが人気だ。全高は足りなくてもそのボディサイズの全長・全幅がいいというユーザー思考が強いようなのだ。また、標準ロングボディを8ナンバーにして、ポップアップやハイルーフという選択肢も復活してきている。

もちろん現行マヨルカはその路線にある。

長くキャンピングカー業界に携わっていると、時代がグルッと一周したのかと思う事が多く、乗用車代わりに手にする人々が復活し始めている感じを受ける。当時、コンパクトな1ボックスキャンパーに乗っていた子供の世代が新たなユーザー層として芽吹いてきたのかもしれない。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com