【第210回】シーズン前に準備万端に整える


ここ2・3年、ある意味空前の焚火ブームと言え、焚火、新しい燃焼器具、薪ストーブなど道具の進化もとどまるところを知らない。

ただいずれにしても、薪を整理するのが快適な燃焼を続ける要であり、ちょっとゴツ目のナイフでバトニングしたり、鉈や斧で薪割りすることも大事な、そして楽しい作業。

ところが、たいていの刃物の場合新品の状態は大体の目安になる程度に刃のような状態が作られているだけである。

写真は新品でそのまま一回使ってみたのだが、薪の割れ方といか、自分の使い方において歯がうまく食い着く感じがなかった。自分的経験からすると、刃がラフに使うと欠けてしまう可能性が上がるものの、もうちょっと鋭利な方が使いやすいのだ。

薪を割るのはもちろんのこと、コッパを作ったりフェザースティックと呼ばれる焚き付け状態のものに細工するのは、ある程度切れ味があった方が作業が楽だからだ。

そこで、グラインダーであらかじめ付いている刃の面を修正してみることに。

グラインダーだとグイグイ削れてしまうので、どの程度の角度にしようかとイメージしながら動いてない状態で当ててみる。その後ソッと、軽くグラインダーを当て削り出してみた。

最初に付いていた形状と比較すると、だいぶ刃の面は平面に近い。

それでもある程度膨らんで湾曲していた方が、力が入って振り下ろしているときに刃先の保ちがいいようなので、見様見真似で粗方削り出しておいた。

仕上げは砥石。左は100均で買える両面砥石、右は農協で買った鉈や鎌などを研ぐ用の砥石。研ぎはオイルでも水でも、砥石の種類もなんでもいいと思う、ハガネの場合は。

ただ以前、刃物専門の職人さんに聞いたところ、ナイフや斧、鉈といったものは、調理包丁のように切れ味優先のビシッと研いだ状態ではあまりよろしく無いらしい。どちらかと言えば、引っ掛かりがあり荒い状態の方が使いやすいという。顕微鏡的に見れば、刃先はノコギリ状態とでも言えばいいのだろう
か。

というわけで研ぎ上がった斧と小型の鉈。砥石は包丁でいうところの荒目と中目を使い、細目や仕上げ砥石は使っていない。この程度で良さそうだ。

さて、研ぎ上がった斧でスパスパと薪を捌くイメージが脳内にイッパイ広がり、ムクムクと焚き火したい気分が盛り上がってきた。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com