バンテック キャンピングカー CORDE BUNKS(コルドバンクス)

【第47回】全長5mの可能性に挑むコルドバンクス


JB-500に始まるバンテックのコーチビルドキャブコンの歴史は、ジルに引き継がれ、さらに大型化を果たし豪華さも併せ持つモデルへと継続していく。

そんな中、装備はしっかりとしていながらリーズナブルで使いやすいスタンダードモデルの模索が始まる。そして生まれたのが’05年登場のコルドバンクスだ。

バンテック キャンピングカー CORDE BUNKS(コルドバンクス)

機能的には十分でスッキリとして使い易い印象。レイアウトはリヤ常設2段ベッドを持ち、標準的なダイネットを用意する極めて一般的なレイアウトを採用している。この使いやすさは言わずもがなだが、全長5mのキャブコンにあってユーザーのニーズを満たす最大公約数的な作りだったのだろう。

装備についても現在へ続く要素が多く、発電機を搭載できるようにしたり、LPガスの使用を限定し少量のカセットガスによる供給に絞ったりしている。’05年当時はソーラーパネルがまだまだ高価で、サブバッテリーと組み合わせたシステムを構築するより発電機単体の方が安かった、照明を代表とする装備品の電気消費量がまだまだウェートとして大きかった時代でもあった。

バンテック キャンピングカー CORDE BUNKS(コルドバンクス)

ダイネットのほかに、サイドシートがありさらにそれがエントランス前に拡張できるという機構がある。これは、室内でより多くの人数でくつろげるようにする工夫だが、コルドバンクスに限らず全長が限られたモデルでは現在でもこぞって組み込まれる仕組みだ。

バンテック キャンピングカー CORDE BUNKS(コルドバンクス)

収納に関しても気を遣った設計がなされていて、大型バゲッジドアを用意しリヤベッド部を収納庫として利用できるほか、アンダースカート部にも大型ストレージを用意するなど、より多様化するキャンプシーンに対応しようとする工夫が随所に盛り込まれている。

現代の5mスタンダードキャブコンとしては当たり前に思われる内容だが、コルドバンクスが登場した時には割り切り方といい、かなり斬新な構成であったことは間違いない。実際、このコンセプトからの派生モデルが、次の時代に続々と登場してくるのだから。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com