【第67回】現代的なキャンピングカーを知ろう


現在バンテックでは、2月に発行したキャンピングカーについて説明した冊子を使い、初めて購入する人などへのアドバイスを事細かにしている。もちろんそれを手に入れて読むだけでも十分な情報量なのだが、このコラムではしばらくの間その内容をさらに現在乗っている人にも詳しく理解できる解説をやってみようと思う。

まずは土台となるシャシーの話。例えばベース車両に多いカムロードのシャシーは、ラダーフレームという前後に伸びた太めの二本のメインフレームがありそれを左右メンバーで連結し、名前の通り“ハシゴ”状の形状をしている。

一般的にトラックの系統はこの形がほとんどで、このフレーム前後方向には強力だが左右方向には意外と柔軟性が高く、走行中段差を乗り上げるとそのままフレームや上に架装した荷室などがねじれて曲がるのが目で見てもよくわかる。

この柔軟性の高さは、第2のサスペンションとしての機能も併せ持ち走行安定性を保つのにも役立っている。しかしそれは基本的に重量物を載せるのと空荷の状態が混在する場合に大いに役立つ機能と言えるだろう。

バンテック ソリッドスクエアフレーム

さてキャンピングカーの場合、前述のメインシャシーとは別にシャシーといえば載せる箱、居住部分のシャシーの話になる。最近のバンテックでは色々なキャンピングカーの話を模型などを使いわかりやすく説明するブースをショー会場で行なっているが、その中にもシャシーの話は重要項目として取り上げられている。

それは、メインシャシーの上に同様の機能のシャシーを架装した場合とバンテックオリジナルのソリッドスクエアフレームを架装した場合の違いが、操作すると理解できるというもの。通常の状態だとねじれてグニャグニャと曲がるさまが分かるのだが、ソリッドスクエアフレームの場合はそれがほとんど改善される。

とはいえ、完全に固まってねじれがなくなるというわけではなく、最終的な完成車重量や走行条件を加味したねじれ剛性を持たせているのは言うまでもない。剛性を上げつつ必要な分を残す、それはトラックと違い通常ほぼ同じ重量で運行されることが予想されるキャンピングカーだからできることである。

この設計設定が何に役に立つかといえば、ダイレクトには乗り心地。そして余分な動きを制御できたことによる、運転感覚を含む走行安定性の向上だ。確かに乗用車のようなスポーティさまでには到達しないが、トラックとはまるで違う乗用車に近い違和感のないフィールングになるということなのだ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第66回】スリムなLEDライトだから取り付け場所を選ばない


キャンピングカーの車内では、家庭と比べると照明器具と目の距離が近いので、より照明の影響を受けやすい。そして照明ひとつで車内の雰囲気が変わるということが言えるだろう。

 例えばキャブコンの車内だと、ダイネットを照らすメインの照明のほかに、キッチン上、バンクベッド、トイレルーム、リヤベッドなどに照明が装備されている。

 最近はLED照明が多くなってきているが蛍光灯や白熱灯を使っているクルマもまだまだ残っている。形も丸いタイプ、四角いタイプ、スポットライトなど用途に応じてさまざまな形がある。

 そんなふうに車内にたくさん装備されている照明だが、雰囲気を変えたり、さらに照明を追加したい場合があるだろう。

 今回紹介するのはバータイプのライトでありながら、角度調節ができる便利なLED照明だ。LEDバーライト12V(warm white)シルバーは、長さ365㎜、直径が12㎜。スリムなデザインなので場所を取らず、限られたスペースでも取り付けができる。

 付属する3個のクリップを取り付けたい場所にネジで固定したのち、クリップにライト本体をはめ込む。

 はめ込むだけなので、丸い本体がクリップのなかで動く仕組みになっていて、角度調節をして明かりの向きを変えることができる。20灯のLEDが照らしてくれるので間接照明などに使うのもいいだろう。

 本体の先端にスイッチが付いているので、DIYで取り付ける場合には、電源コードを12V線に接続するだけ。別途スイッチを取り付ける場所を考えなくていいので、その分手軽に取り付けができる。明かりは白熱球風で暖色系の色だ。

キャンピングカーパーツ ♯211081 LEDバーライト12V(warm white)シルバー キャンピングカーパーツ ♯211081 LEDバーライト12V(warm white)シルバー

LED照明
♯211081 LEDバーライト12V(warm white)シルバー
価格:4,860円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第65回】すっかり定着してきた新型カムロードのおさらい


キャブコンのベース車両といえば、最有力なのがカムロードであることは周知の事実。実際、バンテックが製作する各モデルのほとんどがそれを採用している。’16年秋にそのベース車両がマイナーチェンジ以上のフルチェンジを行なったのだが、世の中にまだ普及が始まったばかりなのでその詳細を知る人は少ないのではないだろうか。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

誰しもが気づく大きな変更点はフロントマスクが変わったこと。細かく見てみると、プレスラインをうまく変更したりしているのだが、その印象はガラッと変化した。エンジンや足回りには変更が見られないが、これまでダイナトラック特設項目であったリヤダブルタイヤのナローボディ2形式が装備類もカムロードとして新たに加わった。

外観では、4WDマークは廃止され、エンブレムのフロントステッカーは貼られていない状態で出荷される。バンテック車両においては、統一の貼付位置を右上と決めたようである。これまで黒い帯状のものが存在していたものが消えメッキパーツが豊富になったこともあり、キャンピングシェルを搭載したときの雰囲気からトラックっぽさがかなりなくなり、あか抜けたイメージになったといえそうだ。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

バンパーの変更で、ボディラインから左右に張り出ていたエンド部分のチリが合わされた事により、キャブ周りのまとまり感が断然良くなったことが、細かいところであるが意外と重要かも知れない。乗用車的になったのだ。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

運転席周りは一新している。ダッシュボード周りの張り出しが少なくなり、心なしかレッグスペースの拡大も見られるよう。またダッシュボード周りに収納量が増えたので、実用で色々助かるのではないだろうか。なかなか気付き難い所では、どうやらフロントウインドウやサイドウインドウがよりUV効果が強いものに変更になったようで、外から見るとこれまでよりだいぶ緑色に見える。運転中の光線が入り込むのが減少すれば長時間運転での目の疲労も軽減するし、エアコンの効きにも直接影響があるのでより快適になったと言える。

バンテック製キャンピングカー ZiL(ジル)

最も嬉しいのは助手席周りかも知れない。まず、運転席共々カップホルダーがダッシュボードに埋め込まれたことが大きい。また、テーブルとして使えるフラットで大きめな収納スペースが用意されたので、移動中の快適度が高まったのは間違いない。トラックベースだとどうしても助手席側がおざなりになる傾向があるので、こういった快適度が高まった変更は同乗者にとって嬉しいに違いない。

ガソリンエンジン車の最終減速比が変更になり燃費への影響がどう出るかは未知数だが、大容量オルタネーターや燃料タンクはそのまま継続。熟成度をさらに高め、これからのキャブコン市場をけん引していくのに十分の内容に昇華したと思える。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第64回】開口寸法はヨーロッパ規格の400×400㎜。ルーフベントの交換、新規取り付けに


キャンピングカー車内の明かり採り、そして天井付近に溜まった空気を抜くことがルーフベントの役割だ。車内で人が立てるくらい室内高のあるキャブコンは、とくに夏などルーフ付近に熱気が溜まるので、ルーフベントは必需品ともいえるパーツである。

ファン付きとファンレスのタイプがあるが、今回紹介するのはファンレスタイプのSEITZ MINI HEKI(ザイツ ミニ ヘキ)だ。

ちなみにルーフベントのサイズはアメリカ規格が360×360㎜の開口サイズ、ヨーロッパ規格は400×400㎜となっていて、SEITZ MINI HEKIはヨーロッパ規格。

アクリル製ドーム型のウインドウで、バーハンドルによって開閉角度を3段階に調整できる。取り付け高さは105㎜なので、ルーフへの出っ張りが少なくドーム式ということもあって破損しづらい。

本体室内側にシェードと防虫ネットを内蔵しているので、就寝時などはシェードにして明かりを遮り、フルオープンして外気を取り入れたいときには虫除けの防虫ネットを使用できる。

古くなったり、破損してルーフベントを交換する場合、もともと付いているのがヨーロッパ規格のものならばルーフの開口部分はそのまま流用できる。

新たにルーフに穴を開けて取り付ける場合は、ファンレスのために電気配線の必要がないので、そのぶん手間が少ない。

またSEITZのHEKIシリーズは、MINIのほかにも商品ラインナップがいろいろとあり、開口部が700×500㎜のルーフライトウィンドウMIDI-HEKI(#034071 69,120円)など大型のタイプも用意される。

※MIDI-HEKIは、受注発注商品のため、納期は4~6か月必要

キャンピングカーパーツ ルーフベント ♯034076 SEITZ MINI HEKI

ルーフベント
♯034076 SEITZ MINI HEKI
価格:21,600円(税込)
開口サイズ:400×400㎜
カラー:ホワイト

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第63回】使いやすさとコストパフォーマンスを追求したコルド


クオリティとともにサイズアップが続くジル・シリーズ。それに対して以前から定番の2x5mサイズにこだわり新たなコンセプトを打ち立てているのが、コルドではないだろうか。

一番の特徴はエントランスを入った瞬間に理解できる。ステップから続くキッチン前のFRPパンはマルチルームにもつながっていて、ドレンホールが設けられているので、汚れても水洗いができる。

ペットを持つ人が注目しそうだが、土足のまま室内に入れるとかマルチルームにトイレを設置したとしてそれが利用できる、こういった実用性の高さに即反応できるユーザーも最近では多くなったのではないだろうか。

さらにエントランスを入って左、通常なら下駄箱など収納庫として処理するスペースの下部がくり抜かれているのは俊逸。この分だけ足先スペースが広がると、広いとは言い切れないエントランススペースでの昇降が格段に楽になるのである。

室内レイアウトは、コストパフォーマンスの追求からかデザイン・機構的にもシンプル極まりないが、そのおかげもあって操作方法は単純明快。ダイネットが掘りごたつ的に使えるなどは、まさに日本のファミリー利用条件でのリラックスを得るスタイルとしてピッタリ。

もし自分が1人でコルドを利用した場合、掘りごたつ状態で過ごし切れるので、バンクベッドもいらないかもとさえ思う。そうすれば、車両全高が抑えられ走行抵抗も減少し、安定性や燃費の向上にもつながると思うのだが、思考がニッチすぎるだろうか。

標準で用意されるバンクベッドも特徴的で、折りたたみのマットを広げるとツインタイプであり、マットのベースを極力薄く仕上げることでヘッドクリアランスをたっぷり確保している。また中央部が運転席横まで切れていることで、ベッドへの昇降がしやすくフロントシートからキャンピングシェル部への移動が、バンク部全体が就寝スペースになるモデルより格段に簡単である。

もう今やセパレートタイプのエアコンを装備することが、日本のモーターホームの必須条件になりつつあるが、コルドにおいてもそれは可能。最初から設計に組み込まれているので、配管が室内で見えてしまうこともなく、室外機の処理も十分配慮されている。

冷蔵庫やエアコンが必要な人用で選択項目であるのに対し、走行用燃料タンク周辺にまとわりつくような複雑な形状で作られた排水タンクは、使い勝手を十分に考えての装備と言える。

容量はほぼ50Lほどで、普通のキャンプ旅行で必要な容量を確保していると言える。キャンプ中大変なのはゴミ処理と汚水処理であり、帰宅時にそれがまとめてできるのであれば心配事から1つ解放されるのであるから。

世界を見渡しても、コルドのようなコンセプトを持つレイアウトデザインのキャブコンは見たことがなく、まさに日本のために作られた国産モーターホームといった趣きである。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com