【第109回】ロープワーク2+1で快適サイト作り


ロープワークは本当に多種有り、それでいて普段手を動かしておかないとなぜか忘れちゃう…シロモノのような気がする。

そこで今回は、これまで数回にわたって書いてきたサイトでのタープ利用・拡張の話の締めくくり、縄の結び方・ロープワークをやってみよう。もちろんサイトでオーニングを使うときにも、風が強く張り綱で補強をかけるようなときにも使えるもの。

厳選するからにはたった2つ、それとちょっと難し目の1つ。これだけ知っていれば、実際かなり役に立つはずだ。

まずは基本のボーライン・ノット、もやい結びと呼ばれるもので、作った輪は綱を引っ張っても変化しないタイプ。タープのグロメットなどに綱を結ぶのに有効である。輪が縮まらないため、救命時に人をつりさげたりするのにも使え、その時は自分の体に回して素早く結ぶやり方もあるのだが、まずは手元で確実に結べるようになることが先決。

なぜグロメットがある所に有効かと言えば、タープなどでそういったところは張り具合を直したり風によって揺れたりする場所であり、接点となる部分の動きはスムーズな方が都合がいいから。

次はエバンス・ノット、こちらは作られた輪の部分が綱を引っ張るとグイグイ締まるタイプ。ポールの先のピンにタープのグロメットを通し、その上に作られた輪を通すように使うと効果的。地面に引っ張る形で設置すれば、タープが風で煽られてもグロメットがピンから抜けるのをかなりの確率で抑えることができるのである。

ピンから輪の抜き取り片方を引っ張れば、スルスルっと解け煩わしくないのもこの結びの利点。日常生活でもかなり生かせるので、ぜひとも覚えておきたい。

基本的に上記2つの結び方を覚えておけば、タープやサイドオーニングを現地の状況に合わせ上手にさばくことが出来る。後は誰でも知ってそうな本結び、それを引き解けにした蝶々結び程度を使えれば大抵の状況に対処できるはず。ただ、状況に合わせ張りを調節するという作業もキャンプ中に必要になるはず。

そんな時は、少しだけ難しいが覚えておいて損のない、トラック結びとか南京縛りと呼ばれているものを最後に紹介。長さ調節と締め込みが一緒に出来極めて堅牢なので、タープの張りの調節だけでなく荷物の積載時の固定など、タイダウンの代わりとしても使え超便利。

グイグイ締め込んでも、解くときはアッサリで硬い結び目などができないという、極めて実用性の高い結び方でもある。これを知ると、自在金具付きの張り綱がなんとなく物足りなくなってしまう。

よく自在結びでサイドオーニングのタイダウンをやっているのを見かけるが、間違いではないと思われるが面積が大きく風にあおられた時に信じられない力がかかるサイドオーニングには、あまりに非力で簡易的な方法だと思った方がいい。そんな時は、トラック結びが有効だ。

以上3つ。これらの結びの処理で、留め方や引き解けにするなど応用をさらに覚えておくと、ますます快適にロープさばきが出来ること間違いなしだ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com