キャンピングカーに乗っていてたまに思うこと、それは鍵がかなり特殊な形状のものが多いこと。さすがに複雑な現代タイプのものはベースが手に入らないこともなくなって来たが、古い物の場合簡単な、しかもシリンダー数が3つとか4つの物なのに手に入らないことも多い。
ベースがないと鍵屋さんも複製をしてくれないので、簡単なものなら自分で作ってしまうというのはいかが? という提案。今回は本当に簡単な構造の鍵、バイクの収納ボックスと自転車のロックチェーンの鍵で実践してみる。
用意したのは、ユニクロメッキがされた普通の鉄の継プレート。加工のことを考えると柔らかい生鉄の素材がいい。さらにあまり硬い素材で作ってしまうと、使用していてシリンダーそのものを壊してしまう可能性も高い。
まず最初は、鍵の凸凹を含めた厚さ合わせ2ミリのものがあったのでそれを切り出し。ベースになる鍵が残っていることが前提の作業だが、その鍵の外形をその継プレートにあてがい形状をマーク。
マーク通りにディスクグラインダーで削り出し、おおよその鍵の形状を作り出す。ディスクグラインダーが無くても鉄ヤスリでいけるので、根気があればできる。と言うより、ディスクグラインダーが強力過ぎて結構失敗する可能性が大きい。さらにディスクグラインダーを使うとメチャクチャ母材が熱くなるので、バイスクリップなどで挟んで作業しないととんでもないことに…なります。
外形が決まったら、ヤスリを使って裏表に溝を加工する。実際の作業はルーターを使って行なったが、コレも根気が続けばヤスリでいけるはず。この状態でシリンダーにすんなり入るよう加工しておかないと、後の作業をやっても意味がないので手を抜かない方がいい。
この時の注意点としては、つっかかるようだったら絶対に無理して差し込まないこと。無理に差し込んでしまうと、シリンダーの中の部品を傷めてしまうことも考えられる。
最後はシリンダーの駒が解錠の位置で止まるよう、ベースの山をお手本にそのままコピーする。この辺りで結構楽しくなって来ます。そうか、シリンダーの間隔って棒ヤスリ一本分なんだ、とかいろいろ気付いたりして。
ゆっくりと削り過ぎないよう、何度もなんども慎重に弱い力で確認しながら丁寧に削り出していくと、あるところで突然スパッと解錠できるようになる。その状態を見るとまだお手本の鍵山より山が大きいが、それはお手本の鍵が使用して角がなくなっているためだと思われる。
解錠ができるようになったら、鍵山の角を軽くヤスって角を落としておくと、その後の解錠がスムーズになる。というわけで完成。
あまりにシリンダー数が多いと難しいが、それでも出来ない事はない。鍵は複雑じゃないんだけれどスペアがもうないんだよなぁ、というような時にいかがでしょうか。