日高山脈の麓に開かれた 自然豊かな町営キャンプ場


日高と富良野を結ぶ国道237号線沿いにある「日高沙流川オートキャンプ場」は、日高山脈の麓を流れる沙流川(さるがわ)のほとりに開かれた町営キャンプ場。自然豊かなロケーションと施設利用費1人100円+オートサイト1300円~という低料金が、このキャンプ場の大きな魅力です。

広大な敷地内には、クルマの乗り入れが可能な4タイプのオートキャンプサイトが合計100区画用意されています。広さ110㎡のAサイト(10区画/1泊2500円)は、普通車2台分の駐車スペースがあり、大型キャンピングカーやキャンピングトレーラーでの利用も可能です。広さ100㎡のBサイト(49区画/1泊1900円)は、クルマ1台+テント・タープ各1張りが目安の一般的なオートサイト。Cサイト(20区画/1泊1300円)は、好きな場所にクルマを止めて設営できるオートフリータイプで、こちらのサイトのみペット同伴可能となっています。そのほかに、広さ100㎡の電源サイト(21区画/1泊3000円)もあり、キャンプスタイルに合わせて好みのサイトを選ぶことができます。

キャンプサイトは、豊かな緑と背の高い木々に囲まれた林間に開かれていて、どこに設営しても落ち着いた雰囲気の中でキャンプを楽しめます。場内には、キャンプ場利用者が無料で使用できるドッグランも完備。ターザンロープなどを設置したアスレチックコーナーで子供を遊ばせられるほか、場内を流れる水路や隣接する沙流川で水遊びも楽しめます。日帰り温泉施設も徒歩圏内で、スーパーやガソリンスタンドのある日高市街までも約1km。ワンコ連れ、ファミリー、夫婦、ソロまで、どんなキャンパーにもマッチする、自然と快適性のバランスが取れたキャンプ場です。

お盆と連休を除く日曜日から金曜日は、駐車場での車中泊(施設維持費1人100円、普通車700円、軽自動車400円)も可能。タープやイス・テーブルの使用、BBQ、焚き火などは禁止ですが、炊事場やトイレの利用、ゴミ処理はできますので、クルマ旅の手軽な宿泊地としても便利に活用できます。

住所 北海道沙流郡日高町字富岡

電話番号 01457-6-2922

開設期間 4月下旬~10月中旬

営業時間 チェックイン13:00~、チェックアウト~翌11:00

料金(1泊) 施設維持費:小学生以上100円+オートサイト1300~3000円

※ペット可(Cサイトのみ)、ゴミ処理可

https://www.town.hidaka.hokkaido.jp/site/camp/

岩田 一成
著者:岩田 一成
キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーライター。累積1000泊以上のキャンプ・クルマ旅の経験を活かし、雑誌やWEBでコラムや記事を多数執筆。キャンピングカー専門誌やイベントのアドバイザー、講演会、テレビ・ラジオ番組出演など、幅広い分野でキャンピングカーの魅力を伝えるべく奮闘中。著書『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』 http://www.iwata-kazunari.com/

【第27回】プロトタイプとして登場するも幻になったデクスター


まず誰も知らないと思われる幻のモデル、それが「デクスター」だ。’00年にプロトタイプとして1台のみ製作され、どうやら海を渡っていて国内にも残っていない、5550×2030×2390mmというボディサイズで5名就寝を可能にし価格が295万円。今ならキャンピングトレーラーをけん引免許で引くのが当たり前の時代になったので受け入れられそうだが、当時としては難易度が非常に高いモデルだった。

欧米では自走式よりトレーラーの方が登録台数は多い。もちろんそれは価格が大きな要因なのだが、日本ではインフラ整備や文化的背景がいまだ揃っていないのが、こういった大きなサイズのキャンピングトレーラーがなかなかユーザー層にアピールしていくのに難しいところでもある。

バンテック キャンピングカー dextor(デクスター)

室内はエントランスを入った正面に常設のダブルサイズベッド、フロント側にかなり大型のダイネットという構成で、いわゆる欧州的な生活のしやすそうなレイアウト。1軸のため、走行時、とくに後進でも取り扱いはよかったのではないかと思われる。機械式慣性ブレーキを採用しているので、けん引車の設定も比較的容易だったはずだ。

想像でしかないが、バンテックはキャンピングカービルダーである条件として、キャンピングトレーラーもしっかり作っている欧州メーカーのスタイルを確立したかったのではないだろうか。

現在バンテックでは災害対策用のトレーラーを製造しているが、そちらはパネル工法で大きさは似ているが関連はない。このデクスターはFRP一体成型のボディであり、そのなかに家具類を建て付けていくと重量がかなり重くなったようだ。

バンテック キャンピングカー dextor(デクスター)

内装は当時の自走式に共通したパーツが多く、ジルの中を見ているようだが、広さという余裕度が違うのがトレーラーならでは。特にキッチンとシャワールーム周りのゆったり感は、長期滞在でストレスを感じることがほとんどないはずだ。

トレーラー引きの筆者としては、この全長とオーバーハングでは日本の環境においてフロント・リアともに最低地上高の問題がいろいろと出そうだと考えてしまうが、プロトタイプからラインナップモデルになっていればきっとそのあたりは解決したに違いない。

乗車定員がないので強度などの制約が緩いのがトレーラーの利点でもあるので、現代の軽量化製造方法を徹底的に採用しつつ、極めてシンプルで低価格、なおかつ十分なサイズのトレーラーとして存在できれば、結構人気が出るのではないかと思われる。何しろ国産であることで、日常のメンテナンスがパーツ入手も含めて相当楽になるはずだから。

現在でも国産でキャンピングトレーラーを製造しているメーカーは数社あるが、本格的に生活できるトレーラーとそのサイズとなると見当たらない。設定を煮詰めて復活したら楽しい選択肢が増えることは間違いないのだが、やはり難しいのだろうか。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第17回】トレーラーブームに乗り超軽量モデル「サンスター」投入


サンスターが登場したのは’97年。それ以前のトレーラーと言えば、普通免許でけん引できるモデルが主流、というよりほぼそれしか存在していなかった。当時はトレーラーの車検登録が非常に曖昧で難しかったことも原因のひとつだ。

筆者はこの頃、トーイング普及会という至極個人的な集団を業界内に立ち上げ、自分のトレーラーを何にしようかじっくり時間をかけ選定中の時期であった。

サンスター登場の少し前あたりから、ウッドランド社がバーストナー、アルク社がエクセルというモデルを正規代理店契約を取り付け、廉価な普及版を大量投入してきた時期であり、そこへバンテックも正規輸入でサンスターを導入。それまでのテントトレーラーやフォールディングタイプ、国産モデルまで多種多様の選択肢でいっぱい。

結局当時ドイツの本社とも付き合いがあり、自分のわがままで日本にサンプルを入れてもらったハイマー社の超小型トレーラーを購入したのだが、正直言えば相当サンスターは購入時に迷ったモデル。その理由は、通常のセダンのような小型乗用車で、当たり前にけん引できるのが正しい楽しみ方だろうと個人的に感じていたから。そうしないと法律遵守が大変だったのだ。

バンテック キャンピングトレーラー サンスター 内装

サンスターは写真を見ての通りでフル装備なのに車両が軽いことが魅力。キッチン、3ウェイ冷蔵庫、カセットトイレ、暖房、それらがフル装備で付いていて余裕の室内空間なのだから。当時自分には子供ができた時期でもあり、そのスペースの優位性が素敵に見えたのだ。

正直言えば、軽さは壁面材などの厚みが薄いタイプであったり超軽量で多少華奢な家具類だったりもしたのだが、欧州的にこの頃からグッと変わり始めた室内レイアウトデザインには新しさを感じたものである。

また、頭の中では小型乗用車でのけん引しか考えていなかったこともあり、ブレーキは電磁タイプではなく機械式慣性タイプが小型モデルにむいているであろうことも、後々のメンテナンスのしやすさやコストパフォーマンスが優れいていることも大体理解していた。

現在ではキャンプといえば誰もついて来てくれない一人旅、そういう意味では乗用車より小さくフル装備のモデルで何処へでも気兼ねなく引っ張っていけるのが有り難いと思っているのだが、やはりトイレが常設で装備されているモデルへの憧れは止まないでいる。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第11回】早い時期からトレーラーも手掛けた


バンテックといえばバンコン、キャブコンメーカーとして知られているが、以前はトレーラーの販売もしていた。それも1992年頃から北米製の折りたたみトレーラーを輸入販売している。世界的に見ると自走式とトレーラーの両方を取り扱っているのが一流メーカーの証でもあり、それに倣ったのかもしれない。

一番最初に輸入したのはA-Liner(エーライナー)というハードシェルの折りたたみタイプ。走行時の後方視界がよく軽量で、面白いトレーラーだから輸入してみようというバンテックの読みは当たり、予想以上に販売台数が伸びた。その後、さらに小さくてコンパクトなA-Lite(エーライト)というモデルも併売している。

バンテック キャンピングトレーラー A-Liner(エーライナー)

フックを外すとふっと立ち上がる屋根、サイドウェールをパタンパタンと立ち上げてセット完了するまで1分足らず。目の前に広がる2ダイネットにキッチンのある室内は、キャンプするのに十分過ぎる空間だ。

輸入された当時、セルフローダーに積載して公園へ出かけ雑誌用の撮影をした。確か一緒に自走式のキャンピングカーも撮影したはずだがA-Linerのギミックの印象が強すぎて何を運転していったか思い出せない。

その後、輸入されたA-Liteを見たとき、当時乗っていたオースチンminiというクルマにヒッチを付けていたので、真剣に購入を考えた。トイレの装備がなかったので踏みとどまったが……。

今でも同様のモデルが他社で輸入されているが、こういったコンセプトのトレーラーならリーズナブルな価格だし、運転やメンテナンス、維持も楽なので、もっと車中泊主体の人などに受けてもいいと思うが、日本の法規と高速道路の通行料金などが邪魔になって流行らないのだと想像する。残念だ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com