キャンピングカーのキッチンには、ビルトインコンロが取り付けられていることが多い。ところがこれ、家庭用のガスコンロなどと比較するとかなり火力が貧弱。よって、φ26cmくらいのフライパンなどで調理するのは熱量的にかなり難しく、個人的にこれまでどのような調理器具が向いているか考えてきた。
その中でもっとも有効だと感じていたのが、鍋ごと保温器具に投入できる保温調理鍋だった。これなら、寒い時期のキャンプサイトでも温かい食事が冷めることもないので。
そんな中、これまでとは別次元の便利さを発揮したのが圧力鍋。最近では小型の2.5リットル程度の容量のものが、ネット通販などの普及により3000円ほどで手に入る驚異の時代。もちろんその便利さは普通の片手鍋としても使えることも含めてである。これまで子供の頃から圧力鍋の機構にビビって家庭でも利用していなかったのだが、清水の舞台から飛び降りる気分で使ってみると本当に都合がいい。
それは何かと言えば、キャンピングカーの弱い火力のコンロでも十分に調理が可能だということである。最初の実験では、家庭用のコンロについている極小のバーナーでやってみたのだが、その程度の火力で十分以上なのである。
もっとも便利だと思われたのは、食材の下準備をこれで済ませてしまうこと。市販の蒸し器を入れてしまえば、一気に完了だ。電子レンジがあればそれを利用する方が簡単だが、キャンピングカーの環境下でそれを潤沢に利用できることは稀だと思われるので、圧力鍋の方が作業的に有効に思われた。
さて、蒸して下ごしらえが終わった食材を切り分け食事時まで取っておく。なぜこんなことをしているかといえば、前回紹介したキャンピングカー卓上での鉄板焼きに利用したいから。2~3人分の根菜類なら、蒸し状態5分で完了してしまうので手間もかからない。あとは食べるときに焼き目をつけて温めればいいだけなのである。
というわけで、キャンピングカーの装備そのものも重要だが、必要な道具を吟味すればそれほど組み付け装備を増やす必要がなさそうだ、ということは分かっていただけただろうか。