【第214回】焚火、ストーブ、ファイヤーピットどれも断熱の灰が大事


数回にわたり焚き火の準備的なことを書いてきたが、オートキャンプ熱再燃の今、焚き火も絶大な楽しみの要素となっている。おそらく焚き火そのものを楽しみにしたキャンプをしている人だって多いはず。

ところで、焚き火台で楽しんで残った灰をどうしてますか? まさか燃え切らさずに水を掛けて消火し、キャンプ場の炭捨て場に一切合切放り投げていたりしてませんか? それはあまりにももったいない。

普通に焚火をして燃やし切ると、焚き火台にはしっかりと燃えカスである灰が溜まる。これ、焚き火のときにいい断熱材になるのはあまり知られていない。薪っておおよそ500度C程度になると安定して燃え続けるようなのだが、焚き火台のような鉄板だとせっかくの熱が伝導して温度が下がり火付きが悪くなってしまう。この逃げていく熱を、灰があることで妨げる事でより安定した燃焼が得られるというわけ。

そしてもう1つ大事なことは、灰を毎回きれいに掃除しそこへ薪を組んで燃焼させそれを続けていると、薪が燃焼して当たる底部分は過剰な加熱により弱る。結果、鈍って簡単に底が抜けてしまう。写真はそんな事態に陥った薪ストーブだ。直接炎がよく当たる所は見事に穴が開いてしまっている。

焚き火台でも同様なことが言え、焚き火台そのものを大事に使うという意味でも灰はあったほうがいい。出来れば、前回燃やし切った灰を取っておき次回の使用時にあらかじめ敷いておくなどがいい。どうしても灰がなければ、直接底板に炎が当たらないようロストルで空間を作ることが大事。手間は増えるが、着火の時から安定することは間違いないしね。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com