【第216回】キャンピングカーの重要装備を考える


ふと、キャンピングカーの重要装備ってなんだろう? と考え、まだ架装間もない新車を見渡してみた。運転席に座ってみると、素っ気無いほどの
ダッシュボード周りであることに気付く。通常なら、空いた箱の様なところにカーナビが入り、オーディオユニットが入り、快適運転のサポート機器が並び、一気ににぎやかさを増すはずである。

しかしながら、今までの経験からそういったものは大金を投入する割にはアッという間に型式遅れになったり機能の充実度に不満を覚えたり、デザインが時代にそぐわなくなったり、長く乗るキャンピングカーとしてはどうかな、と思うこともあった。一度設置すると交換や変更が難しいので。

そんな感覚が強くなってきたのは、今や誰もが日常肌身離さず持ち歩くスマートフォンの性能がビックリするほど向上し、ありとあらゆるとまでは言わないが相当生活に浸透しているから。その使いやすさと普段使いから来る慣れを考えると、別のオペレーションシステムのカーナビなどはある意味使い難い、と思ってしまう程である。

そんな思いを胸に抱きつつ、上手いことダッシュボードにスマートフォンを設置できないかと普段考えていたら、そもそもカーナビなどが無ければあっさりスマートフォンを設置するスペースがあることに気づく。しかもスマートフォンのケースがブックカバータイプなどなら特にマウンターも必要もなく、ほぼ置くだけで対応できてしまうではないか。

海外のバンモデルなどでは、ラジオ1つないあっさりとしたダッシュボードに、スマートフォンやタブレットを設置するマウンターとUSB電源がデフォルトで設置されている物が増えたが、やはり日本ではサードパーティ製オーディオやカーナビメーカーの勢い、ユーザーのニーズが強いのでそういったものが用意されないのは、個人的には少し残念で仕方がない。

ここで感じたこと、最近移動中にラジオを聴いていても受信できないエリアが増えたなぁということ。新しい走りやすい高速道路などは山の中をくり抜いていたりしていて特にそう思う。そういう時に活躍するのが、ネット系配信ラジオアプリによる受信。欲しいのは道路情報だったり天気予報だったり。

テレビも見れないなぁ、コレも同じ理由だが、やはり活躍するのはネット配信の各種アプリ、有料契約モノなどに入っていれば、家庭にいる時同様映画だって見放題だし。確かに、通信量制限などの問題はあるにはあるけど。

もちろん、SNS系コミュニケーションアプリを使って会話もできるし、ご時世柄誰もがハマっているかしょうがなく使っている会議アプリで仕事の打ち合わせだって出来るだろう。コレはさすがにカーナビには出来ない芸当。

実際走り出しても、載せているだけにもかかわらず相当な揺れにも落ちたりズレたりはしない。問題は電源供給コードの形状である。普通のストレートだと結構ハンドルやシフト操作に邪魔になってしまうことが多い。それだけハンドル周りのスペースがタイトである事は間違いない。

そこでL字型のコネクターを探してきて装着してみると、なんと都合の良いことか邪魔にならない差し込みの方向が気になる場合は、自動画面回転機能で反対にしてしまえば問題ない。というわけで解決。

あとは出力音の質の問題になるが、以前にも紹介したことがあるBluetooth接続スピーカーなどを設置すれば、配線も特にいらないし電話にだって出られることがほとんど。そしてそのスピーカーは、キャンプサイトで外に持ち出しサイトそのものを快適音空間に変えてしまうことだって出来てしまう。

今どきは、スマートフォン1つとその周辺機器で日常生活を送っている人も多い様なので、もしかしたら移動の多い、というより移動が基本のキャンピングカーはそういった生活スタイルが向いているのかも、と感じ入るに至った次第。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com