“ルネッタ”の登場は衝撃的だった。なにしろ、キャンピングカーショーに登場した途端、いきなりネットニュースのトップになったのだ。キャンピングカーにおいて、こんなに注目されたことはこれまでにない。
そんな状況を生み出したのは、大人気の軽キャンパーというカテゴリーにおいて、他モデルとはまったく違うクオリティで製作されたモデルであることが大きい。その仕上がりは、いってみればモーターホームのそれなのだ。
室内に目をやるとそこにあるのは、国産キャブコンやフルコンでも滅多にお目にかかることができないプルダウンベッドが付いているのである。もちろんバンテックオリジナルで、ルネッタ専用に設計されているもの。
この装備があれば、決して広いとは言えない軽自動車の容積でも、大人が複数で快適に就寝できるのである。
装備だけでなく、家具の仕上がりにもこだわっている。間に合わせで作ったというものではなく、職人泣かせのかなり凝った造形を持たせているのだ。ギリギリまで寸法を切り詰められたそのなかに、ランク上の1ボックスキャンパー同等の設備を搭載する。
さらに軽だからといって小型タイプを採用するわけではなく、1ボックスキャンパーと同様なバッテリーや給水システムを諦めていない。これによる実用性の向上は言わずもがなである。
現代の車らしく、電気まわりも充実している。サブバッテリーが大きめのものがあるからこそ可能なことだが、いまどきの使いやすさを追求した形になっているのである。
車そのものが売れない現代の日本において、軽自動車がファーストカーとしての地位をしっかり築き始めている。そのような背景を持っているから、ルネッタのような本物のクオリティで勝負をかける軽キャンパーの存在も注目を浴びるのだろう。