【第99回】キャンピングカーを手にしてどこに行こう


バンテックが発行する、キャンピングカーのための教則本をベースに進めてきたこのコラムにおけるシリーズも今回で最終回。その集大成はキャンピングカーの車としての話ではない。

キャンピングカーを手に入れたその先、「何をするか?」がイメージできない人も多いようだ。どうやらそれは、それまでにキャンプという生活スタイルが身に付いていなかったり、通常の旅行の移動手段を置き換えたりだけだったりすることによるものかもしれない。

ただキャンピングカーの可能性は色々で、単にキャンプに使うだけでなく旅グルマとして利用してもかなり有効。というよりそれを利用しない手はないのではとすら思えてならない。乗用車として利用するだけでも快適だけど、もっと積極的にそれを使いこなしてみてはいかがだろうか。

キャンピングカーで旅をする時、まず第一にいつでも家族がみんなで寝られるということが大きな利点だが、高速移動中のサービスエリアや街道沿いの道の駅、そういった公共的施設を利用するのがごく一般的だし誰しもの頭にも浮かぶことだろう。

とにかくキャンピングカーの楽しさを知るためには、積極的に表に乗り出すことが大事。もちろんそこには家族の安全だったりプライバシーの確保だったり、もちろんリーズナブルでコンフォータブルでフレキシブルであることも重要。

そんな都合のいい施設が世の中にあるのか…、あるのだ。それはここ最近急激に施設数を増やしている「RVパーク」である。これは日本RV協会が運営するくるま旅の中で発展し続けているシステムで、バンテックにも京都店横に1つ施設を設けている。写真はその風景。

利用に際しては色々制約がある。その大きなものは宿泊用のテントは張れない、屋外での火を使った調理はできないなどであるが、予約はほとんどのところがインターネットを通しウェブ予約できたり、当日電話受付である。ということはスマホ1つで事足りるわけだ。

もちろん入退場時間などの制約も、普通のキャンプ場利用などに比べたらかなり自由度が高く、利用料金も1000~2000円。これで管理された場所での安全な就寝スペースが確保でき、通行者からの目にさらされることもほとんどなくなりプライバシー的にも安心。

キャンピングカーだけでなく、乗用車、ミニバンのようなものでの車中泊で利用することも十分快適であり、サイドオーニングやサイドテントの利用は可能である。もちろんそのスペースは施設側に必ず用意されているのである。

そもそも施設を設置する要件として、24時間使えるトイレやゴミ処理施設、水が使える流し等の設置が含まれているので、利用料金内でそれらを活用することができる。特にゴミの処理が可能なのは、車で旅しているときに大きなメリットだろう。

場合によっては入浴施設が併設されていたりコインシャワーなどを設置していることも多く、もちろん周辺に温泉施設があるなどの条件を満たしているところが多く、さっぱりして生活を続けることができるのだ。

ほとんどのRVパークには、時間制の電気を供給できるスタンドが確保され、サブバッテリーの充電やタップリの電力での調理などができるのも利点。写真のようなスタンドがない場合でも、施設の基準に電源供給が含まれているので、料金体系は別にはなるが必ず利用できるはずだ。

いかがだろうか、このような施設が全国にすでに100箇所以上用意され、中にはかなり街中の繁華街に隣接するような施設もある。前述のバンテック京都店などは、それこそ京都見物をするのに絶好の位置だし、歩いてすぐのところにコンビニがあり街道にはファミレスや居酒屋、スーパーなどもあるのだ。泊まってみると快適すぎると思うくらいである。

もちろん野趣タップリのような施設もあるので、いきなりエキスパート的なキャンプを始める前に体を慣らすような気分で、全国に点在するそのような施設めぐりから始めてみてはいかがだろうか。何度かやっているうちに、キャンピングカーの快適性や使う楽しさがドンドン増してくるのを理解できるはずだよ。

くるま旅RVパーク
http://www.kurumatabi.com/rvpark/

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com