【第113回】トランジスターラジオを持ち出そう


手前味噌で恐縮だが、写真は自分のキャンピングカーでの枕元。ジェットストリームを聴きながら、ナイトキャップをするのが楽しみなのである。キャンプだからこそ、日常のテレビ生活から離れたいという希望もかなりある。今時はみな、スマホでラジオの配信を聴いている人がほとんどらしいのだが、自分的にはコッチ。ほぼ自分と同年齢の半世紀もの、何石ラジオと呼ばれていた頃の代物…のはずだ。

なぜこれをキャンピングカーに載せているかといえば、まずコーンスピーカーから流れる懐かしい音が大事。クリア過ぎる現代のスマホから流れる音だと、ラジオ感が無いような気がしてしょうがないから。もちろん昼間などは、表のテーブルに置いて利用している。スマホで電波エリアを外れているような場所でも、普通に聴けてしまうのもお気に入りの理由。

ただ問題があって、いくら消費電力が少ないからといっても乾電池で動かしている以上廃棄電池が出てしまう。音量を大きめにしていると、電池の消耗も激しくなってくるのが悩みのタネ。そこで、充電電池を利用しようとなるわけだ。

最近では100円ショップでも充電器が買えてしまう時代になり、当然充電電池も手に入るのだが、過去にカメラ用に大量に使っていた充電電池が余っているので、現在はそれを利用している。トランジスターラジオを鳴らす程度なら、高価で高性能な充電電池はさして必要ないだろう。

充電そのものは、インバーターで発生した電力をコンセントに流せるようにしているので、普通に車両内のコンセントに挿して行なっている。電源ソースとなるサブバッテリーは、ソーラーパネルによる充電を行なっているので、実質電気料金はタダ。このオフグリッド感がたまらない。

インバーターは小さなもので、ファンの無いものを利用している。なぜなら、冷却ファン付きだと作動音が気になってしょうがないから。

そして大問題が発生するのが、この手のお安いインバーターによるノイズの問題。ラジオはこのノイズに影響されやすく、特にAMなどでは受信ができなくなるほど。設置位置を考慮したり、アルミホイルで電波の遮蔽物を用意したりしないといけない。

自分のキャンピングカーは外装がアルミなので、室内にノイズの発生源があるとそれが室内で反射しまくるのか強烈なノイズ状態になる。そんなこともキャンピングカーでは考えなければならない問題になってくるのだ。インバーターを設置したら、色々電気機器が妙な動きをし始めたと思う人は、チェックすることをお勧めする。

もちろん、高価でノイズ発生の対策がされているようなインバーターなら、こういった現象は起こらないだろうとは思う。

さて充電完了した電池を入れる。昔のトランジスターラジオのいいところは、電圧に関して相当アバウトであること。単3乾電池では1.5Vだが、ニッケル水素などの充電電池は大抵1.2V、でも何の問題もなく使える。というより、1.0Vを割ったあたりでもまだまだ動作してくれるくらいなのだ。そして1度充電すると、ビックリするくらい長い時間利用できてしまう、これはスマホではまずできない。

確かにスマホやタブレットは便利だが、昔からのながら族に徹するのもキャンプでは面白い。というより、スマホやテレビで画面を見ているとほかの事が出来なくなってしまうし、せっかくの外生活がもったいない。ニュースや天気予報は十分ラジオだけでも対応できるよ。

というわけで、押入れの片隅で肥やしになっているトランジスターラジオを見つけたら、ぜひキャンピングカーに載せフィールドへ連れ出してあげよう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com