【第18回】暑い夏を乗り切るために取り外しできるベンチレーター


いよいよ梅雨が明けた。今年の夏は例年以上に暑い夏だと予想されている。キャンピングカーは好きな場所に行けるから、暑いところを避けて高原のキャンプ場などへ行けば涼しく過ごせるのがいいところ。

だけど、高原へ行く途中や、道の駅での車中泊など、いつも涼しい場所で宿泊できるとは限らない。そこで重要になってくるのが車内の換気だ。

車内の熱気は上部にたまるので、ファン付きのルーフベントを装備していると素早く換気できるが、ルーフベントは装備していてもファンが付いていない場合や、ベンチレーターが取り付けできない車の換気に便利なのが、取り外し可能のベンチレーターだ。

フィアマ ターボキットは、5枚羽根の大型ファンを内蔵していて、上下に伸び縮みするステーを使って取り付ける。幅36cmから48cmまで調整が可能で、ルーフにぶら下げて設置したり、横置きにして使うこともできる。

ファンのスピードは2段階で調整可能。電源は乾電池(単一×8本・別売)を使うか、車のアクセサリーソケットから取る。接続するケーブルは同梱される。

またベンチレーターの使い方の基本は排気で、車内にたまった熱い空気を外に追い出すときには、排気場所以外にも窓を開けておくことがポイント。空気の入り口を作ることで流れを作り、車内でも快適に過ごすことができる。となると、ウインドウを開けっ放しにするのでとくに夏場は虫が気になる。

というわけで、カムロード用のレーザーシェード(#075022)や、ハイエース用のキャンピングカーサッシ(#074017-A)などを合わせて使うようにして暑い夏を乗り切ろう。

キャンピングカーパーツ ベンチレーション フィアマ ターボキット

ベンチレーション
♯034086 フィアマ ターボキット
サイズ:31×36×10cm
価格:11,232円(税込)

キャンピングカーパーツ カムロード用レーザーシェード

レーザーシェード
#075022 カムロード 1台分(フロント2枚)
15,120円(税込)

キャンピングカーパーツ ハイエース用レーザーシェード

キャンピングカーサッシ
#074017-A ハイエース200系 A1枚
10,800円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第17回】トレーラーブームに乗り超軽量モデル「サンスター」投入


サンスターが登場したのは’97年。それ以前のトレーラーと言えば、普通免許でけん引できるモデルが主流、というよりほぼそれしか存在していなかった。当時はトレーラーの車検登録が非常に曖昧で難しかったことも原因のひとつだ。

筆者はこの頃、トーイング普及会という至極個人的な集団を業界内に立ち上げ、自分のトレーラーを何にしようかじっくり時間をかけ選定中の時期であった。

サンスター登場の少し前あたりから、ウッドランド社がバーストナー、アルク社がエクセルというモデルを正規代理店契約を取り付け、廉価な普及版を大量投入してきた時期であり、そこへバンテックも正規輸入でサンスターを導入。それまでのテントトレーラーやフォールディングタイプ、国産モデルまで多種多様の選択肢でいっぱい。

結局当時ドイツの本社とも付き合いがあり、自分のわがままで日本にサンプルを入れてもらったハイマー社の超小型トレーラーを購入したのだが、正直言えば相当サンスターは購入時に迷ったモデル。その理由は、通常のセダンのような小型乗用車で、当たり前にけん引できるのが正しい楽しみ方だろうと個人的に感じていたから。そうしないと法律遵守が大変だったのだ。

バンテック キャンピングトレーラー サンスター 内装

サンスターは写真を見ての通りでフル装備なのに車両が軽いことが魅力。キッチン、3ウェイ冷蔵庫、カセットトイレ、暖房、それらがフル装備で付いていて余裕の室内空間なのだから。当時自分には子供ができた時期でもあり、そのスペースの優位性が素敵に見えたのだ。

正直言えば、軽さは壁面材などの厚みが薄いタイプであったり超軽量で多少華奢な家具類だったりもしたのだが、欧州的にこの頃からグッと変わり始めた室内レイアウトデザインには新しさを感じたものである。

また、頭の中では小型乗用車でのけん引しか考えていなかったこともあり、ブレーキは電磁タイプではなく機械式慣性タイプが小型モデルにむいているであろうことも、後々のメンテナンスのしやすさやコストパフォーマンスが優れいていることも大体理解していた。

現在ではキャンプといえば誰もついて来てくれない一人旅、そういう意味では乗用車より小さくフル装備のモデルで何処へでも気兼ねなく引っ張っていけるのが有り難いと思っているのだが、やはりトイレが常設で装備されているモデルへの憧れは止まないでいる。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第16回】車内でAC100Vを使うためインバーターを装備しよう


家庭用の電気製品を車の中で使うとき、たとえば、車内で携帯電話の充電をするときにはインバーターが必要だ。車のバッテリーで使われているDC12VからAC100Vへ変換するのがインバーターの役割。

このインバーター、使う電気製品の消費電力に応じてその容量を選ぶ。キャンピングカーパーツセンターでは125Wから3000Wまで幅広く取り扱っていて、携帯電話やパソコン用ならばアクセサリーソケットに接続する125Wのインバーターでもいいが、消費電力の大きな家電製品を使うならば大容量タイプを選ぶ。

キャンピングカーに装備されているのは1500Wが多く、いってみればスタンダードな容量。1500Wあればドライヤーや電子レンジも動かすことができ、たいていの家電製品に対応が可能だ。

またインバーターには、サイン波(正弦波)と疑似サイン波タイプの2種類があって、価格が安いのは疑似サイン波タイプ。

しかし、疑似サイン波の場合だと、パソコンなどのデジタル機器が正常に動かない場合や、蛍光灯のコイルの温度の上がり過ぎたり、電気毛布が使えないことなどがあるので、正弦波のインバーターがお薦め。

また1500W程度のインバーターを使う場合、ただ単純にインバーターを装備すればいいだけではない。サブバッテリーの増設、またサブバッテリーの充電器など周辺機器も必要になってくる。

インバーターの容量が大きくなれば筐体のサイズも合わせて大きくなり、放熱対策も必要なので取り付け場所にも気を使う。インバーターさえあればすぐに電子レンジが使えるようになるわけではないので注意しよう。

FI-S1503Aインバーター1500W

サイン波インバーター
♯192115 FI-S1503Aインバーター1500W
価格:112,800円(税抜)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第15回】余裕のシャシーを求め、エルフを採用したTerra500


’94年になると、それまで絶好調だったJB-500に加え、キャブコンとして2モデル目となるテラ500をリリースした。JB-500は、ベース車両がデリカトラックという小型タイプで、積載量的にも850㎏・1000㎏クラスのモデル。積載可能重量も少なめだった上にスペースも狭かったので、フレームとホイールベースを20センチ以上延長するという大胆な手法が採用されていた。

そこでテラ500では余裕の積載量を持つエルフをベースに、キャンピングシェルを搭載するという新しいチャレンジが行われたのだ。それにより車格はぐっとグレードアップしたし、キャンプグッズを満載にしてもヘコタレないカッチリとしたモーターホームに仕上がった。

バンテック キャンピングカー Terra500

車格がワンランクアップしたのに加え、かなり大胆なFRP積層工程を取り入れパーツが大きく作られるようになり、ルーフなどは1枚もので雨による浸入を極力なくすことにも成功している。

現在発売されているモデルではさらに大きな型による成型を行い、ほぼ一体成型と言うレベルにまで昇華しているが、当時からの技術の積み重ねであることはいうまでもない。

バンテック キャンピングカー Terra500

室内はJB-500のイメージをかなり色濃く残していたが、当時はまだ珍しかった常設リヤ2段ベッドを採用。バンクベッドと合わせると、ダイネットを組み替えないでも家族4人が就寝できるという画期的なスタイルを採用。その便利さで一気に広まった。

好調に販売を伸ばすテラ500だったが、実はこのときベース車両に不具合が見つかり、国内トラック市場において大きな騒ぎになった。もちろんテラ500もそれに飲み込まれてしまうわけだが、バッテックは懸命に対処して、難局を乗り切った。

そんなこともあってか、テラ500そのものの販売年数は少なかったのだが、そこで培われた技術とノウハウは現行モデルを製造する上で活かされている。

テラ500はかなり頑丈なモデルのようで、20年経った今でもわりと見ることができる。丸みを帯びた特徴的なバンクベッドのデザインなども含め、ある意味名車だったのかもしれない。

そしてエルフベースはクルーズという名を与えられジルで復活する。そう考えると大ヒットしたJB-500と、次モデルのテラ500のいいとこ取りをして登場してきたのが、今に続くジルなのだなと理解できる。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第14回】角度の違う2枚のアンテナで全国をカバーするBS/CS用アンテナ


旅先でのテレビ放送は市街地であれば地デジでも衛星放送でも問題なく視聴できるところが多いだろう。ところが市街地から遠く離れたキャンプ場などでは地デジの電波は届きにくい。

だから山間部では地デジよりも南西方向の空に障害物がなければ受信できる衛星放送のほうが入りやすい傾向にある。

家庭で使うお椀型の衛星放送アンテナをキャンピングカーに使っている人もいるが、アンテナの方向を固定しないと受信できないので、走行中は視聴できない。

受信するためには旅先で車を止め、ラダーなどに取り付けてあるアンテナを衛星の方向へ向けて合わせる調整が必要だ。

雨の日や夜遅くに車外へ出て調整するのは面倒だし、もともと車用に作られたものではないので、振動を伴う防水などの対策はされていない。

BS/CSアンテナのDACP-452は、ダイヤモンドアンテナとバンテックセールスで共同開発した車載用のアンテナだ。車のルーフに取り付けるための専用品である。

自動追尾式で常にアンテナは衛星からの電波を受信するので、走行中でもBS/CS110°放送を視聴できる。

GPSを使って自車位置を測定。高性能ジャイロセンサーによって自動的に衛星を追尾する。回転モーターは1つなので従来品に比べて音が静かなのも特長だ。

本体裏面はマグネットになっているので、ハイエースなどのワンボックス車のルーフにはそのままのせるだけでしっかりと固定される。キャブコンのルーフの場合は穴を開けて固定が必要だ。ブースター、5mの同軸ケーブルを付属する。
※全国対応版(沖縄、一部離島を除く)

DIAMOND 自動追尾型BS/CS110° フルオートアンテナDACP-452

BS/CSアンテナ
♯231062 DIAMOND 自動追尾型BS/CS110° フルオートアンテナDACP-452
価格:216,000円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp