【第288回】今シーズンも100均グッズ大活躍の予感


昨シーズンから、100均ショップで取り扱われるキャンプグッズがかなりエグい。本格的に使うにはどうだろうかと個人的には疑問の残るものも多いが、ちょっと購入してみてキャンプサイトのテーブル上で遊んでみようと言う話なら、懐がそれほど痛む金額ではないので試してみる価値はある。実際 100円ではないものも多いが。 そもそも最近のキャンピングカーで旅をする人って、いわゆるコンパクトなキャンプグッズを持っていない人というか興味が無かった人も多い傾向があるし、今更高級なブランド品を買い揃えようということもなかろうから、 楽しみの1つだと思えば相当遊べる。

昨シーズン、キャンプやキャンピングカーとは無縁の世界で爆発的に広がったメスティンブーム。中には、お弁当箱にしてしまう女子も続出した、 アニメの影響だろうか…。商品としての火付け役は、Daisoの500円メスティンだった。今は同様品があちこちから売られている。そのメスティンサイズ にピッタリの蒸し用の網が発売されたと思えば、今度は内蔵できるまな板が登場、100円。

 切りっぱなしの集成材だが、そのままだと簡単に傷が付くだろうし、極めて濡れにもろそう。そこで使用前にオイルを染み込ませ保護してしまおう。木製品の場合植物性パラフィンなどを刷り込むと良いらしいが、そういったものが一般家庭においそれとあるとは思えない。しかしミンクオイルなら、革製品を持っている人ならお手入れ道具として所持している可能性は高い。色々調べてみても、ミンクオイルでも木製品の保護にはそこそこ使えるらしいのでこれで代用し、吸い込めるだけ吸い込ませてみる。

見ての通りさすが専用品だけありピッタリ。実はこのDaisoメスティンは 1合炊きとして売られている小型のもで、1.5合炊き800円の大きさのもの、 同サイズで表面がフッ素加工されている1000円の物があり、どちらも小さい方を入れスタッキングするのが簡単。 ここで問題になるのが、フッ素加工した製品。そのまま中にアルミメス ティンを入れガシャガシャと移動すると中は傷だらけ。そこでこのまな板を 緩衝材として挟むと、ピッタリガタつき少なく収納できフッ素加工も保護でき快適である。

数回前のこのコラムで、メスティンで蒸しパンなどをやるときはクッキン グシートを織り込んで使うと便利、といった記事を書いた。が、なんと Daisoの1合と1.5合サイズ用にその名もメスティン折りなるシートが発売された。1.5合用の方は、Daisoではなく本家トランギア・メスティンにもピッタリ、それが右写真。 ご飯を炊く時に使っても、張り付かないので洗浄が極めて楽になって便利 この上なし。どちらも10枚入りで100円。

                                                              トドメは、そこまでやるか? と思いがするアルコール燃料を使ったス トーブ、大きさは燃料が40mlと80mlの2種類、200円と300円。100円の3個入り固形燃料が安全性や使い勝手の良さで考えても十分に思えてしまうのは 私だけだろうか。 メスティンの友、エスビットの固形燃料用コンロに載せてみると、サイズ 感がいいのは40mlタイプの方。入る燃料の量からしてメスティンでの自動炊飯に良さそう。だが、アルコールストーブ好きとしてはちょっと疑問が残 る。 実はストーブの炎が噴き出す穴の大きさなのだが、どう見ても大き過ぎる のだ。もっと絞って勢いよく噴き出した方が、燃焼効率もいいだろうなとは 思う。また、燃焼を消火しようとして蓋を閉めると、間違いなく蓋のパッキ ンは熱でダメになるだろうな、とも。 アルコールストーブは、燃料を必要な量だけ投入し使い切るのが基本。蓋は冷めてから閉める。まあ、パッキンが付いて燃料保存したまま持ち歩けるのは、便利と言えば便利ではある。 さてこんな小物達があふれる100均ショップの春、今シーズンのネタとして手に入れてみてはいかがだろうか。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第285回】アルミメスティンでパンを焼く


通常、アルミ地肌のメスティンを使いパンを焼いたりすると、内側に油を塗っていてもとんでもなく張り付く。そのため以前、表面がテフロン加工されているメスティンが発売されたとき、このコラムでもそれを使って張り付かせずにパンを焼こうという話をした。

どうしても通常のアルミメスティンを使いたく、張り付き対策にはクッキングシートを使ってみた。たいした量は必要ないので、キャンプの時にあらかじめ必要分を折り畳んだものを用意しておくといいかも。今回は発酵なしの蒸しパン素材を、焚き火の熾火で焼くようなシチュエーションを想定。

見ての通り、焼き上がってもアッサリとメスティンから取り出せるので、パンと比較すると簡単に作れキャンプ中のオヤツ代わりにもなるかも。ちなみに今回、牛乳で柔らかくしたドライフルーツも投入している。

以前、発酵させたパン生地をクッキングシート無しのメスティンで焼いた状態。とにかく取り出すのにひと苦労するし、メスティンの掃除が大変。また、火力調節が難しく、商品のようなパンを作るのは至難の業だった。

出来上がったパンはトーストしてサンドイッチとして食べた。これはこれで美味しいのだが、完成までの手間が正直面倒であることは否めない。というわけで、蒸しパン生地やホットケーキミックスなどを利用した方が時間も手間も少なくて済むのだが、大事なのはクッキングシートなのだというお話である。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第284回】増殖拡大するモバイルデバイスを再構築


高輝度LEDが一般化し久しく、キャンプだけでなく日常でもその利用頻度は高まり、低消費電力化に伴い何日もという長時間使用できる懐中電灯など はカバンの中の常駐品となった。さらに時代は大容量モバイルバッテリーの必要性と小型化が顕著になり、それをも持ち歩いている人だって多いはず。 そのため、コレら常備材のせめて灯りの機能だけでももっと活用しよう。それだけでかなりキャンプ用のライトの数を軽減することが出来る、という事を最近相当実感している。

かくいう自分も、大容量充電式の普通の蛍光灯くらいと思うような大光量作業用ライト、単4型電池利用2~30mは届くズーム機能付き懐中電灯、本体 は防水でソーラーパネルに無接点充電機能に懐中電灯付き電池などがカバンの中に常駐している。実際モバイルバッテリーは40800Ahとなって重量もかなりだが、昨今の社会的生活スタイル激変により必需品と化した。

ランタンのような灯りとして使うのに用意するのは、仕事関連でよく手にするクリアファイルケース。クリアと言っても乳白色半透明なところがミソで、このちょうど良さそうな透過率がライトシェードとして適当で、目に直接入るとちょっと厳しいLEDの指向性をかなり和らげ拡散もしてくれるのである。 適当な大きさに切り出し輪ゴムなどで簡単に固定するだけで十分だし、筒状に丸めて光源部上に載せるだけでも効果はしっかり出る。この方法、写真を撮るときに強過ぎるストロボライトの光をデュフューザーで緩めたいとき、代わりにトレーシングペーパーやティッシュペーパーを利用したことに思考の原点があるが、お手軽なのでお試しあれ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第283回】峠の釡めしの器で効率よく キャンプでより美味しく炊く


 前回まで、小さな土鍋や釡めしの器で、固形燃料による流行りの自動炊飯の手法を考えてみたが、やっぱりキャンピングカーではどうなのかが気になる所。そんな実験をしてみた。 使うのは、キャンピングカーで上信越道を走っている時に手に入れることが出来る峠の釡めしの器。炊き方は私の前回の回を参考にしていただきたい。気を遣いたい点は、釡全体に上手く熱を与えられるようにすること。

 釡というのは、食材が入っている部分全体を温めることにより効率よく美 味しく調理できる道具だが、釡めしの器をコンロの五徳にそのまま載せただけではそれは実現できない。散々探してコレはっ!? と見つけ出したのがケーキの焼き型、いわゆる底が抜けるようになっているモノ。サイズは5号というらしく、底板を外して逆さまにした時ちょうど器がはまるのである。

 米の洗い方や量は普通に、今回はさらに内側にアルミホイルで皿を作って底の部分に数箇所穴を開け、惣菜に使いやすい材料を一緒に蒸してみることにした。炊き方も特別なことはなくいつも通りで大丈夫。

  写真では家庭用コンロだが、キャンピングカーのガスコンロでも五徳はあるのでその上に直接載せて大丈夫のようで、この辺りは何回か試した。また、最初は釡を支えるケーキ型の上部になる部分へ熱の抜ける穴を追加するなど加工が必要かと思われたが、それもしなくてよさそうだ。ステンレス製なので穴を開けるだけでも一苦労なのでこの点は嬉しかった。

  仕上がりは見ての通り。ご飯の上にアルミ箔の皿を載せていたため綺麗なカニ穴とはいかなかったが、根菜類もふっくら蒸し上がった。これらの野菜は、レトルトカレーやシチューのゴロゴロ素材として利用するなどすれば幸せになれる。さてなんで数回に渡って米の炊き方をやっていたかといえば、キャンプの時って調理道具や食器洗浄の数を最低限まで減らしたいと誰しもが思うだろうし、この丼型の器を使えば、調理と食器が1つでまかなえるから。 昨今、1人キャンプや夫婦だけで大して量は要らないというキャンピングカーユーザー層が多いと聞くので、こういった方法で快適で美味しいキャンプ旅をしてみてはいかがというわけである。

 

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第273回】カッコいい? ホットプレートを使おう


最近は何でもかんでも100均で手に入り、こんなことで世の中大丈夫なのかと心配にもなるが、便利なものはしょうがない、それはそれで使い倒すという性格。しかもコロナ禍で家飲みも増え大活躍しているのが、アルコール固形燃料を使って卓上調理できる道具たち。ただコレって燃料の都合で20分弱だし火力も強火みたいなもので、いま1つ活かしきれていないかなぁと感じていた。

そこで今回は手に入りやすい燃料を使い、長時間調理と保存に適した方法は無いかと実験してみた。用意したのは、これまた100均の木炭とジェル状アルコール着火材、そこらに有った豆炭である。

通常運転としては当然アルコール固形燃料で、プリンの型カップで消火出来る様にし使用していた。このセットだと火力はあるが屋外では風の影響を受けすぎ、キャンプではどうにも使いようが無いなぁと、完全に覆える風防を用意すればいいのだが、それじゃ見た目が・・・。

さて、まずは着火が簡単で火持ちもいい豆炭。着火時の臭ささえ除けば扱いは極めて簡単なのだが、火の位置から鍋や鉄板までの距離があるためかさすがに火力がイマイチ。 五徳はこれまた100均の鋳物製でメチャクチャ熱くなるので、テーブルに熱が伝わらない様今回はタイル貼りの鍋置きの上でやった。珪藻土コースターなどを敷いても良いのではないだろうか。下部の断熱は本気で大事。

次に試したのは木炭1片、着火はジェルの着火材。なんだかいい感じかもと思ったが、直接ジェルを塗りたくった状態ではなかなか炭自体が温まらず、着火剤が消えても炭本体にはほとんど火が回らない。

そこで今度はアルコール固形燃料を五徳の火床に置き、その上で炭に火を移してみることに。

この方法だと炭のかなりの部分に炎が起こり、かなり実用的になってきたので、ニンニクの油煮など作ってみた。この場合火力が弱い方がじわっと作業できて都合がいいのだが、結局この炭の塊はその後崩すことになった。

というわけで、結局着火剤はアルコール固形燃料で行ない、炭はある程度の大きさに割って着火して利用するのが一番良さそう。炭1片で1時間は楽勝、次々と温めやら調理ができる。空焚きでも鋳物鉄板なら御構い無し。この放置プレイが今回の醍醐味で肝かも。

もっと長時間に渡ってホットプレート化するなら、細かくした炭を適宜足せばいい。最初から最後まで仰ぐ必要もなければほとんど煙なども発生しない。火力調節に火吹き棒は合った方がいいかも。というわけで、味気ないカセットコンロの見た目とは違うご機嫌なホットプレートの完成である。屋外のキャンプでも十分活用できるテーブルコンロだよ。実は…、小型焚き火台やウッドストーブだと火が強すぎて、どうにもテーブル向きでは無いなぁと感じて試した方法だった。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com