【第2回】リヤラダーに取り付けできるコンパクトな地デジアンテナ


キャンピングカーで旅に出かけても家庭と同じようにテレビを見たいという人は多いはずだ。毎日欠かさずに見ている朝ドラや、バラエティー番組、ニュースもチェックしたいだろう。

テレビは家庭用のものを車に持ち込めばいいが、問題になるのが「アンテナ」だ。家庭用の地デジアンテナは魚の骨のような形をしていて、サイズも大きいものがほとんど。仮にこれを車に付けても、そもそも車載用に考えられていないので、衝撃や振動に弱い。

また家の屋根を見ると分かるが、テレビの電波が発信されている方角を指して、みんな同じ方向を向いている。いわゆる指向性のアンテナなのだ。

たとえば大きさと強度には目をつぶり、この指向性アンテナをキャンピングカーに取り付けるとどうなるか?

キャンプ場や車中泊場所に到着したら、まずはテレビ電波の方角を確認。そしてアンテナの向きを調整する。そうしないとテレビが視聴できない。これは面倒。そこで車載用としてはどの方向から電波がきてもキャッチできる無指向性のアンテナが便利だ。

さらにキャンピングカーの場合だとルーフ上に取り付ける場合が一般的だが、アンテナ固定のためにルーフに穴を開けることになり、雨水対策のコーキング作業も必要になる。

そこで気軽に取り付けたいのならば、2016年2月に発売になった無指向性の地デジアンテナDACP-115をお薦めしたい。

取り付けはルーフキャリヤやリヤラダーなどパイプ部分にU字ボルトで固定するだけ。パイプが縦でも横向きでも本体が上を向くように角度が調整ができる。小型軽量タイプで取り付け場所を選ばないというのがいい。

これまでフィルムアンテナなどを使っていて電波の入りが悪かった人の買い換えとしてもお薦めだ。

無指向性 地デジアンテナ DACP-115

・関連リンク

無指向性 地デジアンテナ DACP-115
価格:18,500円(税別)
※6mのケーブルを付属

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第1回】最新ZiL520で300km走った


一般的にキャンピングカーの試乗はなかなか機会に恵まれることがなく、気に入ったモデルがあってもいろんな意味での決断ができない人も多いに違いない。もちろん金額もそれなりなので、尻込みしてしまう気持ちは痛いほどわかる。

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突然の連絡を受け、夜に車両受け取り。そのまま乗り出してさて印象は…、うわぁ、パノラマビューモニターってすごい便利だな。オプションで俯瞰で見れるのだが、その正確さを確認できるまで面白くてまるでほかの事が頭に入らなかった。

このホームページを見て購入検討などをしているということは、すでにバンテックセールスの車両には相当見たり調べたりという状況の人が多いと思う、というかそう想像している。そこで、カタログや展示車で確認できる装備はひとまず置いておいて、端的に車としての走り具合に焦点を当てて話を進めてみよう。

そもそも自分は、これまでにジルがカムロードをベースとする前からのおそらく全モデル、シリーズを試乗してきている。一番長く乗ったのは、1年以上貸与されていたZiL480だろうか。この480は、ベース車両サイズと全体の大きさ、パワーがうまくバランスしていると感じていたのだが、正直それより一回り以上大きい520サイズではどうなのだろう、そこが判断において一番の注目点になる。

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すでにZiLシリーズではお馴染みになったバッテリー駆動もできるルームエアコンは、取り付けと見た目がますますスマートになり、コンロのガスはカセットガス、FF暖房の燃料は走行燃料タンクからと、通常使用時の利便性が極めて高い。

スタートはバンテックセールス埼玉展示場、そこから関越、圏央道、中央道と乗り継ぎ富士周辺までの往復。走った事がある人には分かりやすいが、国道139号線の西湖と本栖湖周辺はそれなりのコーナーが続く道。スタート直後感じたのは、ディーゼルエンジンの変更があったっけ? ということ。イヤそんなことは誰にも聞いていない。さらに、こんなに登坂車線がある所でスムーズだっけ? ロードノイズもどういうわけだか静かに思える。国道に入るともっと違いを感じたのが足周り。もしかしてコレはバンテックお得意のショックアブソーバーとか特製リヤスタビライザーの追加とか?

結果から言えば、エンジンも足回りもどノーマル。ではその現象はどこから生まれてきたのか、それはひとえにバランスである。前後左右重量配分、重心位置その他諸々。そもそも520フルサイズボディは480より当然重くなるのだが、それによる動力性能の落ち込みは思ったほど感じられない。それよりも、落ち着いた挙動と伝わってくる振動などは、明らかに乗りやすく疲れが少ないであろう事が理解できる。手荷物すらほぼ何もない1名乗車のため、実際のキャンプでの運行と違うところもありそうだが、現時点でのバランスの良さが崩れることはそうそうないだろう。リヤオーバーハングもそれなりにあるのに、挙動がロングホイールベースのモーターホームに近く、シリーズ中おそらく一番乗り心地が良い。コーナーでの減速加速もスムーズにこなせ、バランスの良さからその速度差も少なくかなり乗用車的。それが、300kmほど乗って理解できた最新ZiL520の姿である。

・関連リンク

ZiL520  http://www.vantech.jp/lineup/zil520/index.html

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com