【太田山神社】断崖絶壁に本殿がある “日本一危険な神社”


北海道には一度は訪れてみたい魅力的な観光スポットが数えきれないほどありますが、今回はガイドブックには載っていない「裏スポット」を紹介します。それが、道東エリアの日本海沿い、北海道久遠郡せたな町にある「太田山神社」です。嘉吉年間(1441~1443年)に創立された北海道最古の山岳霊場ですが、実はここは「日本一危険な神社」としても知られています。

日本一危険と言われるゆえんは、太田山の中腹、標高約330m付近にある本殿までの参拝ルートにあります。道道740号線沿いにクルマを止めて大きな鳥居をくぐると、斜度40度の急勾配の階段が空に向かって一直線に伸びています。足を踏み外したら大事故になるので、上から吊るされたロープを頼りに慎重に登っていきます。石段を登りきると、しばらくは山道が続きます。補助ロープが設置された急勾配の山道は、参拝ルートというよりは完全に「登山道」の領域です。ここを訪れるときは、登山装備を整えてくるのがマスト。サンダルなどの軽装のまま軽い気持ちで登るのは、絶対にNGです!

参拝コースのクライマックスは、断崖絶壁の岩穴にある本殿へのアプローチ。本殿のある絶壁に向かって幅1mの細い鉄橋を慎重に渡り、上からぶら下がった鉄の鎖を頼りに90度の絶壁を登りきると、ようやく小さな岩穴内の本殿にたどり着きます。本殿周辺からは、太田山の急峻な山肌と日本海、水平線に浮かぶ奥尻島が一望できるので、無事参拝を済ませた後は、目の前に広がる絶景をゆっくり堪能してください。

難ルートをクリアした人だけが、本殿を参拝できる太田山神社。鳥居から本殿までの一般的な所要時間は、登り80~100分、下り50~70分程度。軽い気持ちで登るのは決してお勧めしませんが、登山経験があり体力に自信のある人は、登山装備をしっかり整えてから自己責任でチャレンジしてみてください。

 

(データ)

住所 北海道久遠郡せたな町大成区太田17番地

電話 0137-84-5111(せたな町役場)

駐車場 鳥居周辺に駐車スペース有

https://www.town.setana.lg.jp/otajinja/

 

岩田 一成
著者:岩田 一成
キャンピングカーライフ研究家/キャンピングカーライター。累積1000泊以上のキャンプ・クルマ旅の経験を活かし、雑誌やWEBでコラムや記事を多数執筆。キャンピングカー専門誌やイベントのアドバイザー、講演会、テレビ・ラジオ番組出演など、幅広い分野でキャンピングカーの魅力を伝えるべく奮闘中。著書『人生を10倍豊かにする 至福のキャンピングカー入門』 http://www.iwata-kazunari.com/