【第196回】禁断の再充てんを試みる


ライターである。いわゆる通称チャッカマン。非常に便利で、ガスが無くなってしまってもそのしっかりとした造りは健在で、半永久的とも思えるほどの圧電着火、ピエゾ機構を持ち、キャンピングカーのコンロに火を点けるとき重宝この上なし。

ただガスが無くなってしまうと、ガスコンロはいいけどランタンとか焚き火の着火に使えないんですよね。普通のライターでもいいけれど、やっぱり柄が長い方が圧倒的に便利。

というわけでガスを再充てんして使えないだろうか、という考察。コレ、間違いなくメーカーさんに怒鳴られます。さらに安全性がひどく疑われます。そういうものなのかという参考程度に留めておいて頂きたい。知っていると、もしかの時に役に立つかもしれないので。


それはさておき早速分解。見ての通りである。それほど構造は難しくは無いが、製造年などで構造もだいぶ違うようなので、不安な人は写真などを撮っておくといいだろう。この商品の場合ネジ留めは1箇所のみで、あとははめ込み式だった。

それと、モノによっては再充てんできない構造だったりそもそも極端に貧弱で耐久性の無いコスト削減品も見られるので、もしお試しする場合はちょっと値の張るブランド品が良いかと思う。

問題となるのはガスタンク部分とバルブの塊。使い切っているので、当然液化ガスは空っぽの状態である。残念ながらタンクの底面などに充てん用バルブが付いていないので、別の方法で注入するしかない。

そこでバルブ周りのパーツを外し、バルブが外れない、ガスがダダ漏れしない程度に緩め、中のパイプを可能な限り引き出し市販のライター用ブタンガスを注入。正直言って、相当コツが必要です。初めてやる場合、なかなか上手くいかないかも。

海外に行くと、使い捨てライターの再充てん屋さんが露店でやっていたりするアレで、石を使うタイプもやる事は同じ。


必要なだけ充てんしたら、すかさずバルブを締め込む。そうしないと、せっかく充てんしたガスが外に逃げていってしまうので。充てん量は見た目6割程度だろうか、そこまで入れてケースに戻してみるとのぞき窓上一杯であった。

最後に、必要な火力が出るようバルブの締め込み量を調節し、本組みする。写真の状態だと、ちょっと出過ぎているだろうか。

何もここまでして再利用しなくてもいいと自分でも思うのだが、あくまで検証という事、どうやってガスに火が点くのかを理解するには一番の材料。以前カセットガスコンロの修理を本コラムで紹介したことがあるが、その時は点火装置の交換はしていなかった。

こうやって構造がわかれば、ライターのピエゾ部分を利用しそういったものの修理に活かせるという事なのだ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com