日本の本土最東端にあたるのが、北海道根室市にある「納沙布(のさっぷ)岬」です。岬までは、根室駅から約23km。根室市街を抜けて道道35号線を東に走り、クルマ通りが減って最果て感が最高潮に達したあたりで、日本最東端の納沙布岬にたどり着きます。
岬から望む海では、夏にはラッコ、春から冬にかけてはイルカやミンククジラなど、四季を通してさまざまな野生動物を観察できます。また、「日本でもっとも早く朝日を見ることができるスポット」としても知られ、毎年元旦には日本一早い初日の出を見ようと、全国から大勢の観光客が集まってきます。
「日本の灯台50選」にも選ばれた「納沙布岬灯台」など、大自然に囲まれた素晴らしい景観も魅力ですが、ほかの観光地と大きく異なるのは、海の向こうに北方領土の歯舞群島、国後島を望み、肉眼でも確認できるほど近い場所に貝殻島や水晶島があることです。
納沙布岬を訪問した際にぜひ訪れてほしいのが、「根室市北方領土資料館」と「北方館・望郷の家」。「根室市北方領土資料館」には北方四島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)に関する資料やパネルが展示され、戦前の歴史・事実、島の人々の当時の暮らしぶりなどを知ることができます。「北方館・望郷の家」では、北方領土問題の資料を閲覧できるほか、2階の展望室にある無料の望遠鏡では、貝殻島の灯台、水晶島に設置されたロシアの監視塔やレーダー施設まで確認することができます。
岬の周囲には、世界平和と北方領土返還を祈念するために作られた高さ13mのシンボル像「四島(しま)のかけ橋」や、北方領土の返還を願うモニュメント「きぼうの鐘」などもあり、ほかの観光地とは違う独特の雰囲気が漂っています。道東エリアを旅する際は、ぜひ根室まで足を伸ばして日本最東端の納沙布岬を訪れてみてください。
(データ)
住所 北海道根室市納沙布
電話 0153-24-3104(根室市観光協会)
駐車場 無料