【第281回】美味しいおこげが食べたい キャンプ中のアイデア


  どちらの皆様も、キャンプ中に突然御飯を美味しく炊きたいとか幸せなおこげが食べたいと思っているに違いない…という極めて勝手な話で進めていこう。

  キャンピング車には設置型のコンロが大抵あり、そうで無い場合はカセットコンロが搭載され固定できるシステムになっているはず。そのカセットコンロをタープ下で利用している人も多いと思うが、それらが加熱調理できる道具として、キャンピング車の構造要件とみなされている場合は間違いない。 最近では、電子レンジを加熱調理器具と分類し理解するのは構造上苦しいがそれも構造要件で認められる場合もある様だし、同じ流れでIHコンロも認められるはずだ。

  その様な硬い話は横に置いておいて、自分では当然車内のコンロも使うが、キャンプで多用しているのはトランギアのストームクッカー。横風にも影響受けにくい構造で外で使用するのに最適だし、熱交換率が極めて高い構造なのも素敵。何より、タープ下などでカセットコンロで調理しているより、はたから見た時に断然キャンプっぽくてカッコイイのがお気に入り。このあたりの感覚は個人次第ではあるが…、セットで高いし…。

  さてだいぶ以前になるが、みんな大好き100均で購入したおひとり様炊飯用土鍋、蓋がお茶碗という代物、これが家の調理器具類に埋没していた。 キャンプから帰ってきてキッチンでストームクッカーを丹念に洗っている時、ふと気付いてはめてみると…、オオオッ! ピッタリ!! そこでムクムク頭に湧いてくるイメージはお・こ・げ。私のストームクッカー付属の鍋類2枚はテフロン加工されているので、おこげが出来にくいのである。出来ないわけではない、作るのに苦労するという意味、アルミでも同じだろう。

 

  さらに、最近100均のダイソーにて330円で購入した縁の薄い直径16cmスキレット、’21年発売であっという間に店頭から消滅した人気商品、今見つけたら即買いではなかろうかと思っている。これも、ストームクッカーの五徳にギリギリだがとっても熱交換のよろしい感じでフィット。普段自宅で使用しているのですでにシーズニングは終わっており、試しに早速小さなお好み焼きを焼いてみたら上手くいって楽しい限り。車には、キャプテンスタッグ製直径20cmのスキレットがキッチリ五徳にはまって安定するのでそれを別売りの蓋も購入して利用しているが、とっても重いので軽量セットとしてこっちも追加はありだなと思えた。この際、ストームクッカー付属のフライパンの存在は忘れていただく。なにしろ、キャンプでやりがちなダラダラ火に掛けっぱなし状態に、テフロン 加工では到底耐え切れる物では無いので。

 

  さて話をおこげに戻して、土鍋を利用することでストームクッカーがその鍋部全体を温める羽釡同様の熱が入る構造ということをまずは理解出来るはず。さらに綺麗で美味しいおこげ作成するため用意したのが、出汁というか味付き塩。 新品パッケージでなくて申し訳ないが、これは西伊豆の田子港漁協さんが作っている味つき塩で、濃さを調節すると吸い物とか鍋の寄せ地とか多様に使える甘味料や醤油まで配合された代物。自分の中の味付き塩としては優勝である。

  炊き上がり火から下ろすというか火を消す時間を少し伸ばしてみると、鍋肌に触れているところはキレイな狐色、温度が上がって表面にもうっすら色が付き始めている。というわけで、米全体がほんのり燻され美味しいおこげ御飯が炊き上がった次第。小さな深めの土鍋と鍋を囲って熱が伝わる道具を用意するのが大変かもしれないが、上手く組み合わせられるものが見つかったらキャンプでお試ししてみてはいかがでしょう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com