【第111回】2台目格安スマホのススメ


今時の世の中、まだガラケーで頑張る! という猛者もいるのは分かっているが、ほとんどの人はスマホを持っているに違いない。その便利さから、ついついネットを楽しんで月末は速度制限がかけられ苦しむ人も少なからずいるに違いない。そんな時代のキャンピングカーユーザーに適した通信環境は何かを、最近自分で実践している方法を披露してみようと思う。もしかすると、ガラケー猛者には美味しい話かも。

最初の写真は、スマホのウェブブラウザでNHKニュースのページにアクセスし動画配信ニュースをかなり辺ぴな旅先で見ているところ。当たり前の画像に見えるだろうが、このスマホに挿してあるSIMはいわゆる格安のもので600kbps縛りの低速タイプであり、月額使用量制限がかかっていないものであ
る。もちろん音声通話ができないデータ通信タイプであり、ショートメール機能は付加しているものの月額で800円くらいだろうか。

最近では、1Mbps程度の低速回線で使用量制限のかかっていないタイプもちらほら出始め、場合によっては音声通話機能を追加オプションで足せるようになっているようなので、そういったものを利用するといいのではないかと思う。

そしてそのスマホをベースにしUSBでテザリングをかけ、手持ちのiPadMiniをマウントしネット放送のradikoでラジオを聴いているのがこの状況。

なぜこのような面倒なことをしているかといえば、テザリング親機は電波の送受信に専念してもらい再生をiPadに任せることにより、充電無しの長時間連続使用をしたいから。

テザリングをWi-Fi経由ではなく電力消費量のより少ないUSBで行なっているところがミソで、確かに通信速度は遅くなってしまうが、それでもUSBの通信速度はSIMに付帯された通信速度よりはよっぽど早いのである。そしてスマホ1つで何でもやらせてしまうと、電池の消耗が激しいのはスマホユーザーならよく知っているところだろう。

もちろん、この手の格安低速SIMでは、youtubeをバリバリ鑑賞するなどということは出来ないが、テレビ局やラジオ局から配信されるデータの圧縮技術が優れているのかサーバーが優れているのかは分からないものの、問題を感じることなく利用することができるのである。キャンプで大事な天気予報だってすごく普通に見ることができるはずだ。

そもそも旅の深夜をどうするか、これは自分の中で問題だった。なぜなら非日常を楽しみたいこともあり、自分のキャンピングカーにテレビを載せていないから。もちろん電気の消費量を抑えたいという大義名分は元々あり、装備が増え続けるのも避けたかったという理由はある。

そこで、劇的に進化したスマホ環境のあり方を考えてみたわけである。最近では、1~2万円台で充電用バッテリーかとも思える4000mAhを超える充電池を内蔵したSIMフリー機も発売され、メモリーも大きく音楽ソースのためにCD持ち歩く必要など皆無である。緊急時を考えたらガラケー・スマホに関わらず電話はまず絶対的に旅の時に必要であろうから、それ以外の遊びの部分に格安機種と格安SIMで済まそうという訳。

ただ問題も起こった。計画的に購入した機種が自分の思う通りなら問題ないのだが、充電するための端子形状がまちまち。そのため、様々な機種を充電できるよう装備を追加することになった。ただこちらもそれほど高額ではないので、キャンピングカーに専用として置きっ放し用として用意しておけばいいだろう。

もっとマニアックな話をすると、日本の通信環境ということに触れなければならなくなる。それはガラケーの時代のFOMA回線がまだ生きている地域がかなりあるということ。というより人が少ないところは大体こちら。この回線ではデータ通信の速度がそもそも上がらない3Gや2Gであるため、いくらリッチな通信速度が掴めるSIMだとしても物理的に無理なのである。

そう2台目スマホで大事なのは、以前主流だったFOMAやFOMAプラスを送受信でカバーしているという条件かもしれない。それと格安SIMの相性はかなりキャンプで役に立つと思われる。ちなみに筆者が選択したのは、ASUS Zenfone 4 Maxで、その辺りをクリアしているモデルだ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com