【第141回】クックウェアをスタッキングして高効率化Part3


スタッキングねたも佳境、今回はちょっと自慢というか今一番個人的に楽しんでいるパッケージを紹介。見ての通り、小さめのクーラーボックスのようなトートバックに、ϕ20cmのスキレットのフタ付きのセット。これらを、車中泊、キャンピングカーにかかわらず持ち歩いている。

主な機材はフランスのトランギア(あっちの人たちの発音だとトランジア?)というメーカーのストームクッカーというパッケージで、ヤカンまで内包していてそれだけで十分機能性とスタッキング性に優れたもの。東日本大震災の後、このパッケージを見たご近所の友人たちが、その機能と有効性に即座に気づき、こぞって購入していた代物。その中に、調理道具や箸、スプーン、ナイフなどを内包できるよう探し出してきたり加工したりしてスタッキングしている。

コンロの熱源は基本がアルコールストーブ。フタに見える消化用キャップにより弱火にも設定できるところが優れているところで、それをやりやすくするために簡単な取っ手を取り付けた。もちろんその燃料となるアルコールも、小分けにしてヤカンの中にライターと同時収納し、いつでも使えるようにしている。

標準ではフタがないので、オプションとして取り扱われているプラスチック製のフタも内包させ、それはまな板や水切りにも使える。さらに米を炊きたいという日本的な事情から、直径の合いそうな重めのガラスフタを用意し、取っ手を小型のものに付け替えフタの口に当たる部分を地道に絞って鍋の口に入るように細工した。

基本的にここまで用意できてあればほとんどの調理に対応でき、夜長のおつまみも作りたい放題。風防とごとく類がセットになっているため、屋外使用でも風の影響をほとんど受けないうえ、熱効率が抜群にいい構造でお湯を沸かすのも素早く重宝している。アルコールを燃料としているため、寒冷地でも威力を発揮するのが嬉しい。

ところが欲求というのは膨らむもので、製造メーカーの本国ではどうやらオプションとしてあるようなのだが日本には入ってこないアタッチメントを購入。これはもちろんサードパーティー製で、安全等の保証はあまり期待できないネット通販もの。

しかしそれは基本はOD缶のガスボンベを接続し、さらにCB缶へのアタッチメントも付属しているという代物。レギュレーターが無いダイレクトなところが、心配と言えば心配。

コンロ下部のバーナー取り付け部に、もとからアルコールストーブを取り付ける穴を利用し板状のバネで挟み込んでしっかり固定できるので、使用中の安定感は抜群。ガス供給ホースも、きちんと離れたところに取り回せるので安心だが、着火装置がないので柄の長いライターが実際には必要になる。

これまでのアルコールストーブを使っても、弱火から中火で30分以上の加熱が余裕でできたのだが、ガスカートリッジのガスボンベを利用することで、より簡単に熱源を長時間利用できるようになった。なので、付属の樹脂コーティングのフライパンではなく空焚きにも圧倒的な耐久力のスキレットを載せっ放し、火を消すこともなく延々と焼き物が楽しめるようになり、呑んべいにとっては幸せの極みである。

さらにこの状態だと、屋外でカセットガスコンロなどを使うよりもはるかに横風に強いというおまけ付きだし、液体や固形のアルコールも燃料に利用できるので、行った先で手に入るもので対応できる利便性の高さも手に入れた。

いかがでしょう、ごく一部の人たちには触手が動く魅力あるパッケージだとは思われないだろうか。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第140回】まめにチェックしてサブバッテリーを長持ちさせる


キャンピングカーと電気は切っても切れない仲といえます。車内には照明をはじめとしてテレビ、冷蔵庫、電子レンジなどなどさまざまな電気機器が装備されています。その電気の供給元となるのがサブバッテリーです。

 電気を使えばサブバッテリーの容量は減り、走行充電器などを介して充電されます。電気は見えないので、その容量を知るためにモニターが必要になります。

 バッテリー内の電気の残量が分からないと、いつなくなるか心配しながら使うことになり楽しさも半減。

 また過充電や過放電はサブバッテリーにダメージを与えることになるので、モニターでバッテリーを管理することは重要なことなのです。

キャンピングカーパーツ ♯172114 埋込デジタルボルトメーター12V

電圧計
♯172114 埋込デジタルボルトメーター12V
価格:1,080円

 こちらは埋込タイプのボルトメーターでデジタル表示。アイスブルーに光るので視認性がよく、ホールプレート(♯172112)を使うことで、USBソケット(♯172110)などと組み合わせることもできて、スマートに取り付けられます。

 電圧計だけではバッテリー容量を確認することはできませんが、電圧が低くなれば残容量も少なくなるという目安になります。価格が安いところがおすすめです。

キャンピングカーパーツ 電流・電圧計 ♯185022 AVモニター 110A

電流・電圧計
♯185022 AVモニター 110A
価格:23,760円

 AVモニターはロングセラーを続けている電流・電圧計です。最小電流0.1Aから計測ができるので、器具の電源切り忘れ確認にも役に立ちます。

 電圧は11.3Vと10.8Vになると残量警報ブザーが鳴る2段構えになっていて、バッテリー上がりにならないように知らせてくれます。サブバッテリーに直接接続して計測しており、電圧と電流の2つの数値をかけ算することで使っているワット数を計算できます。

バンテック車に装備されるもので、残念ながら非売品ですが、電圧、電流のほかにサブバッテリーの残容量も表示してくれます。残容量はデジタルでパーセント表示されるのでとても分かりやすいモニターです。

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第139回】クックウェアをスタッキングして高効率化Part2


前回に続きスタッキングの話だが、今回はよりオートキャンプっぽいセットを紹介してみよう。

それは、基本的にホームセンターで購入したケースに必要なものがまとまっている状態で、収納庫にも入れやすく車中泊の場合に簡易テーブルか作業台としても利用できるようにしたもの。

中身は燃料も含め調味料まで入っているので、あとは食材のクーラーボックスがあれば1~2人の車中泊なら余裕で対応できる。人数が多いファミリーキャンプの場合は、同サイズのケースをもう1つ用意してあり、その中には4人分の食器類や調理器具、カトラリーなどを収納しているので、状況に合わせそれを持ち出せばいいだけである。

スタッキングで一番苦労したのは、やはり調理器具の小型化とその中に入るカップやお玉、フライ返しを組み合わせで探すこと。さらにこのセットを用意した当時は今ほど超小型グッズが充実していたわけではないので、コンロとランタンの選定には相当迷った。もちろん燃料を何にするかも含めてだ。

今ならコンロは十分な火力の超小型が手に入るし、ランタンは折りたたみ式のソーラー充電タイプでもいいのではと感じている。

前写真は実は海外でのキャンプへ持ち出しすることを考えていたので、スタッキングで小さくなることも重要だったが、すべてがチタン製でまとめてある。持ち出しの時の手荷物重量を軽減したいのがその主な理由だ。もちろん現地での燃料確保のしやすさも重要な問題。

海外でキャンピングカーを借りる場合、寝具類やクックウェアはすべてレンタルできるのだが、クックウェアは最低でも4人分が基本のところが多く、道具のサイズも一般家庭のものなので1人分では使いにくいというのも理由の1つ。多少レンタル料金を抑えられるというのも頭にはあった。

ただしチタン製の場合熱の伝わり方が特殊なので、調理の方法が少し限られる。写真を見てもらえばわかるが、コンロの炎が当たった一部分だけが色が変色していることからも、なんとなくそのイメージがつかめてもらえるかと思う。また、コップに熱いものを入れておいても吸い口はまったく熱くならないので、猫舌にはかなりつらい状況がままあったことも付け加えておこう。

さて次回は、最近超お気に入りの持ち運びスタッキンググッズを紹介してみよう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第138回】エントランスの乗り降りのしづらさを改善


キャブコンなどエントランスステップの1段目が高いキャンピングカーの場合、乗り降りが面倒なことがあります。ドア幅も限られているので、とくに年配の人は不便に感じることがあるかも知れません。

 そんな乗り降りをサポートするパーツがステップです。必要なときだけ車外に引き出して使うもので、1段目の手前にもう1段追加するわけですから、格段に乗り降りがしやすくなります。電動と手動で引き出すタイプがあります。

 そのほかにはトレーラーで使われることの多い持ち運びできるステップもあります。価格も手ごろなので、収納できるスペースがあればおすすめです。もちろんバンコンやキャブコンでも使えます。

キャンピングカーパーツ ♯024041 エントランスドアステップ460×180

ステップ
♯024041 エントランスドアステップ460×180
価格:37,800円

キャンピングカーパーツ ♯024046 フィアマSTEPプラチナ

ステップ
♯024046 フィアマSTEPプラチナ
価格:1,512円

 日本の場合、車内では靴を脱いで過ごす人がほとんどでしょう。エントランスに置いてある靴が邪魔して乗り降りしづらいことも考えられますね。

 シューズボックスを装備しているキャンピングカーでも、乗車人数分の靴を入れるには容量が足りないこともあります。靴が散らかっているだけで、だらしない印象になりますから、靴の整理整頓は重要です。

 つり下げ式でいろいろな場所に設置できるシューズオーガナイザーは便利な車内アクセサリーです。靴だけでなく室内履きや小物の整理もできるので収納上手になれます。ファスナーで開閉でき、使わないときはカバーをかけて、中身を見えないように隠しておけます。

 スペースの限られた車でシューズボックスの設置が難しくても助手席の背面などを利用して取り付けができますから、バンコンや軽キャンパーなどで使うにもおすすめです。

キャンピングカーパーツ ♯919239 Camp-4シューズオーガナイザー

アクセサリー
♯919239 Camp-4シューズオーガナイザー
価格:6,480円

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第137回】クックウェアをスタッキングして高効率化 Part1


前回のコラムで、コンパクトにまとめたキャンプサイトのグッズ作りを紹介した。それは便利なものなので、ぜひ常備品として試してみてほしい。しかもコンパクトな道具は昨今ではかなり人気があり、各アウドドア用品メーカーが魅力的なものを発売しているのでそれで事足りることも多い。

ただ実際にのめり込み始めるとなかなかうまくいかない、というより市販品を買ってくるだけではどうにもサイズ的に収まりが悪いのである。そこで自分で試行錯誤し作り上げたパッケージが前回写真でも紹介したクックウェアのパック。なんとかして1パックにまとめようとした結果だ。

全部を1つにするのには、アウトドア用品だけでなく普通の道具屋さんや100均などをフル活用。例えば箸やスプーン、もんじゃ用のフライ返しといったものは100均、コップ代わりの計量カップはスタッキングできるよう取っ手を改造、アルコール燃料を入れるボトルはそもそも飲むためのアルコールが入っていた小瓶といった具合。

調理器具としてかなり重要だったのがしゃもじ。どうしてもご飯を炊いて食べたかったので、100均で売っていた手巻き寿司用のものをサイズと形状を加工しフライ返しになるようにもして収納できるようにした。一緒に付いていた巻き簾は、ゴトク替わりのウッドガスストーブをテーブル上で利用するときの下敷きにしてみた。

クックウェアで大事になるのは熱源。このセットは様々なキャンプでヘビィーな使い方を想定しているため、鍋類はフッ素加工などがされていないステンレス製にし、基本のストーブはアルミ缶で自作したもの。調理方法により火力を変更できるよう、大小2つのストーブをスタッキングできるようにし、空き瓶の蓋で消火できるようにした。着火用のライターと火打ち石も内蔵させている。

また、ホームセンターや100均などで固形燃料が手に入るものも使えるし、キャンプ場などでは薪を燃料とすることもできる、マルチフューエル化を果たしている。

このセットはバックパッキングやバイクツーリング、オートキャンプなどでマルチに使えるので、実は常備品からははずれ自宅に置いている。その心は、震災で持ち出すパッケージとしても優秀だと思われるからである。

さて次回は、オートキャンプに的を絞ったスタッキングをやってみようと思う。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com