【第140回】まめにチェックしてサブバッテリーを長持ちさせる


キャンピングカーと電気は切っても切れない仲といえます。車内には照明をはじめとしてテレビ、冷蔵庫、電子レンジなどなどさまざまな電気機器が装備されています。その電気の供給元となるのがサブバッテリーです。

 電気を使えばサブバッテリーの容量は減り、走行充電器などを介して充電されます。電気は見えないので、その容量を知るためにモニターが必要になります。

 バッテリー内の電気の残量が分からないと、いつなくなるか心配しながら使うことになり楽しさも半減。

 また過充電や過放電はサブバッテリーにダメージを与えることになるので、モニターでバッテリーを管理することは重要なことなのです。

キャンピングカーパーツ ♯172114 埋込デジタルボルトメーター12V

電圧計
♯172114 埋込デジタルボルトメーター12V
価格:1,080円

 こちらは埋込タイプのボルトメーターでデジタル表示。アイスブルーに光るので視認性がよく、ホールプレート(♯172112)を使うことで、USBソケット(♯172110)などと組み合わせることもできて、スマートに取り付けられます。

 電圧計だけではバッテリー容量を確認することはできませんが、電圧が低くなれば残容量も少なくなるという目安になります。価格が安いところがおすすめです。

キャンピングカーパーツ 電流・電圧計 ♯185022 AVモニター 110A

電流・電圧計
♯185022 AVモニター 110A
価格:23,760円

 AVモニターはロングセラーを続けている電流・電圧計です。最小電流0.1Aから計測ができるので、器具の電源切り忘れ確認にも役に立ちます。

 電圧は11.3Vと10.8Vになると残量警報ブザーが鳴る2段構えになっていて、バッテリー上がりにならないように知らせてくれます。サブバッテリーに直接接続して計測しており、電圧と電流の2つの数値をかけ算することで使っているワット数を計算できます。

バンテック車に装備されるもので、残念ながら非売品ですが、電圧、電流のほかにサブバッテリーの残容量も表示してくれます。残容量はデジタルでパーセント表示されるのでとても分かりやすいモニターです。

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第136回】インバーターは車内で家電を使うための必需品


キャンピングカーの場合、車内で家電製品を使うシーンがあります。とくに長期間旅に出かける人は、テレビ、ドライヤー、炊飯器、パソコンなど車の中を家と同じ環境にしたくなることが多いようです。

 車内のバッテリーは通常DC12Vで、それをAC100Vへ変換するためにはインバーターが必要になります。

キャンピングカーパーツ ♯192115 サイン波インバーターFI-SU1503A

 インバーターは容量によって種類がさまざまで、家電製品の電気消費量によって選びます。100W前後から3000Wを越えるものまで販売されていて、テレビを見るくらいならば250W程度で十分ですし、ドライヤーや電子レンジを使うのであれば、1500Wの容量があれば対応できます。

 容量が大きくなれば価格も高くなり、キャブコンなどに装備されることの多い1500Wのものは、12万円前後するので装備するのにはちょっと悩んでしまう金額ですね。

 しかもインバーターを装備するには、ツインバッテリー化したり、サブバッテリーの容量をプラスするなどの周辺装備も必要になってくる場合があるので単純にインバーターだけの出費では済まなくなる可能性も。大容量のインバーターさえあればすぐに電子レンジが使えるようになるわけではないので注意してください。 

 インバーターの容量が大きくなれば筐体のサイズも合わせて大きくなり、放熱対策も必要なので取り付け場所にも気を使います。

 キャブコンなど多くの場合は、シート下に装備することが多く、サブバッテリーやインバーターなど電装品が一か所にまとまっていることを確認できます。

 またインバーターにはサイン波(正弦波)と疑似サイン波(矩形波)の2種類があります。疑似サイン波のほうが価格は安いですが電子レンジや電子ポット、パソコンなどで使用できないものもありますから、サイン波タイプをおすすめします。

キャンピングカーパーツ ♯192115 サイン波インバーターFI-SU1503A

インバーター・コンバーター
♯192115 サイン波インバーターFI-SU1503A 12V1500W
価格:121,824円

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第118回】車内の電気をまかなうサブバッテリー


キャブコンなどのキャンピングカーにはメインバッテリーとサブバッテリーの2種類のバッテリーが搭載されています。

 メインバッテリーはいわゆる車のバッテリーのことで、エンジンを始動させ、ヘッドライトやパワーウインドウを動かすための電力供給源になっています。

 通常、バッテリーというとこのメインバッテリーのことを指します。エンジンが始動した後は、エンジンの力でオルタネーター(発電機)が回って電力を生み出し、メインバッテリーへの充電もおこなわれます。

キャンピングカーパーツ ♯201037 ディープサイクルバッテリー 100Ah

バッテリー
♯201037 ディープサイクルバッテリー 100Ah
価格:32,076円(税込)
サイズ:タテ332×ヨコ174×高さ213mm
重量:約28.5kg

そしてもうひとつ搭載しているサブバッテリーがキャンピングカーらしい装備品です。こちらは、キャンピングカー装備の電気をまかなうものです。

 車のエンジンをオフにした状態で、車内の照明器具、冷蔵庫、水道ポンプなどを動かすために必要です。

 バッテリー単体のままで装備されることは少なくて、通常は走行充電器、インバーターとセットで装備されます。

 走行充電器は車のオルタネーターで発電された電気をサブバッテリーに充電。インバーターはサブバッテリーのDC12V(DC24V)をAC100Vに変換して、家庭用電気製品を車内で使えるようにします。

 さてそのサブバッテリーですが、車内に装備するには、密閉式で充電時にガスが発生しないディープサイクルバッテリーを選びます。安定した電圧を維持して、頻繁な充放電と深放電に強いのが特徴です。使い方にもよりますが、3~5年で寿命がくるので交換が必要です。

 最近は家庭用エアコンを装備するキャンピングカーもあり、サブバッテリーを2本、3本と積んでいる車も増えてきました

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第95回】キャンピングカー生活が劇的に快適になる大容量インバーター


現代人の生活は、電化製品に囲まれている。スマホ、タブレット、電気炊飯器に湯沸しポット、その枚挙にいとまはないがそれらがどれくらい電気を使い、全体としてどの程度必要かをきちんと理解している人はほとんどいないだろう。

特に家庭の場合、大容量を使うエアコンやキッチン周りは、後から自分でコンセントをつなぐ回路と別に配電盤で分けられ、いっぺんに使っても通常の日常生活に支障をきたさないようにされている。

キャンピングカーの場合は流石にそこまで大容量の電力が必要になることは少ないので、通常の家庭用コンセントに流せる1500Wに合わせた大容量インバーターを装備することが多くなってきた。バンテック製キャブコンもそうである。

 

インバーターはその名が示すとおり反転を行う機械で、一方向にのみ流れる直流のバッテリー電力を家庭と同じ交流と呼ばれる電気へと変換する装置。このときに電圧や周波数を設定通りに調整する。

起動はモニタリング機能付きのリモートコントロールスイッチを入れるだけだが、多くのインバーターには専用のリモートコントロールスイッチでなくても、簡易的にオンオフできる回路を増設することができることになっているのがほとんど。

スイッチを入れれば、一般家庭同様さまざまな家電などが使える。一般家庭で使うセパレートタイプのルームエアコンが動くのもこうしたことが理由だ。

ただ注意点というかその特性は知っておいたほうがいい。ほぼすべてのインバーターにはさまざまな保護回路が組み込まれていて、その1つが入力電圧が下がった時のバッテリー保護回路だ。

スマホの充電やノートパソコンを動かす程度ではインバーター能力にとって余裕、バッテリーから引っ張る電力も少なめで入力電圧が下がることもほとんどなく長時間の利用が可能。

ところがヘアドライヤーや電子レンジといった1000W級の大消費電力ともなると、バッテリーから引き出す電力もそれなりに巨大になり入力電圧は急激に下がる。インバーター本体の設定にもよるが、比較的電力が残っている状態でも保護回路が働き出力電力がカットオフされるのだ。

そのため大電力でも長時間使いたい場合は、バッテリー容量を強化し、そういった電圧降下を極力避けるシステム構築が必要。最近のルームエアコンを装備したキャブコンなどが、300Ahほどの大容量サブバッテリー化しているのはそういった意味合いもあるのだ。

電気の使用で快適なキャンプ生活は得られるのだが、無尽蔵にそのエネルギーに頼り切らない自分のスタイルに合った無理のない設定を見つけ出すのも、キャンピングカー生活の楽しみなのかもしれない。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第87回】バッテリー上がりっ! 緊急時に役立つ特別付加装置


キャンピングカーのバッテリー関連話題を何回かにわたって触れてきたが、緊急時というか、もしかしたら最も助かることがある装備として考えられるのがエマージェンシースイッチ。いろいろな呼び方が欧米ではあるようだが、バンテック車においてはそう呼ばれている。

さてこのエマージェンシースイッチとは何か? 簡単に言ってしまえば、エンジンがかかっていない時に通常切り離されているサブバッテリーを、メインバッテリーに直結させる作動スイッチである。その機能は、メインバッテリーが上がってしまった、もしくは弱っていてエンジンスタートがままならないというときに、サブバッテリーの電力を利用しエンジンをスタートさせるというものだ。やっていることは、ブースターケーブルを救援車のバッテリーにつないでいることと基本的に変わりはない。

昔から、特に北米産モーターホームなどにはこの機能を付けたモデルがよく見られたが、それは大容量電流が流せる3ポストソレノイドバルブなどを利用し直結するもの。よほどメインバッテリーが弱っていない限り、このスイッチを入れサブバッテリーを並列接続すればエンジンスタートが可能。それでも少し足りないときは、発電機を回しながらより潤沢に電力をメインバッテリーに注入充電できるようにすれば、たいていの場合危機的状況を回避できる。

では何故バンテック車のコレが優れているかといえば、最近のバンテック車にはサブバッテリーが300Ahもの容量を積んでいることが多い。さらに並列装備されたそれは、走行充電できちんと満充電になる密閉型バッテリーがチョイスされていることが挙げられる。要するに、例えば前日まで走ってきて翌朝メインバッテリーが寿命で急遽性能を発揮しなくなっているような場合、たっぷりの電力をサブバッテリーが持っているので、サブバッテリーをメインバッテリーに並列接続して多少電圧が下がった状態でもスターターを起動できるだけの起電力を有していることなのである。

使い方はいたって簡単で、バンテック製のほとんどのモデルが電源系回路がまとめて収納されている、サブバッテリーのそばにある赤いスイッチを押す。そうするとスイッチが点灯しリレーが動いて並列接続状態になり、押し続けること5分ほどである程度の充電がメインバッテリーに行われ、スターターモーターを起動できるようになるという仕組みである。並列接続が行われているのは、スイッチを押している間だけで離すと回路は分離される。

一度でもバッテリーを上げてしまい、救援車のバッテリーをブースターケーブルで繋いだことがある人なら理解できると思うが、繋いだだけでは弱っている方のエンジンは大抵スタートできない。そのため救援車のエンジンをかけ、オルタネーターで発電して弱っている車に必要な電力を供給する、もしくは充電をするということが必要になるのだが、大容量サブバッテリーを有している環境がそれに近い状態を再現しているのである。

もちろんこれは、走行充電できちんと満充電にできるサブバッテリーの種類が取り付けられているからであり、走行充電で満充電にできないタイプのサブバッテリーを搭載しているモデルが多い中、相当なアドバンテージだと感じられる部分でもある。

旅先の誰もいないところで動けなくなってしまったら、あまりにも心細いけどこれなら安心。もちろんそういう事態になった場合のメインバッテリーは、きちんと性能が出るのかどうか検査して使い続けるか交換するかしよう。ただ大きな原因が見つからないような場合は、サッサと交換したほうがいいのは言うまでもない話。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com