【第118回】車内の電気をまかなうサブバッテリー


キャブコンなどのキャンピングカーにはメインバッテリーとサブバッテリーの2種類のバッテリーが搭載されています。

 メインバッテリーはいわゆる車のバッテリーのことで、エンジンを始動させ、ヘッドライトやパワーウインドウを動かすための電力供給源になっています。

 通常、バッテリーというとこのメインバッテリーのことを指します。エンジンが始動した後は、エンジンの力でオルタネーター(発電機)が回って電力を生み出し、メインバッテリーへの充電もおこなわれます。

キャンピングカーパーツ ♯201037 ディープサイクルバッテリー 100Ah

バッテリー
♯201037 ディープサイクルバッテリー 100Ah
価格:32,076円(税込)
サイズ:タテ332×ヨコ174×高さ213mm
重量:約28.5kg

そしてもうひとつ搭載しているサブバッテリーがキャンピングカーらしい装備品です。こちらは、キャンピングカー装備の電気をまかなうものです。

 車のエンジンをオフにした状態で、車内の照明器具、冷蔵庫、水道ポンプなどを動かすために必要です。

 バッテリー単体のままで装備されることは少なくて、通常は走行充電器、インバーターとセットで装備されます。

 走行充電器は車のオルタネーターで発電された電気をサブバッテリーに充電。インバーターはサブバッテリーのDC12V(DC24V)をAC100Vに変換して、家庭用電気製品を車内で使えるようにします。

 さてそのサブバッテリーですが、車内に装備するには、密閉式で充電時にガスが発生しないディープサイクルバッテリーを選びます。安定した電圧を維持して、頻繁な充放電と深放電に強いのが特徴です。使い方にもよりますが、3~5年で寿命がくるので交換が必要です。

 最近は家庭用エアコンを装備するキャンピングカーもあり、サブバッテリーを2本、3本と積んでいる車も増えてきました

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第95回】キャンピングカー生活が劇的に快適になる大容量インバーター


現代人の生活は、電化製品に囲まれている。スマホ、タブレット、電気炊飯器に湯沸しポット、その枚挙にいとまはないがそれらがどれくらい電気を使い、全体としてどの程度必要かをきちんと理解している人はほとんどいないだろう。

特に家庭の場合、大容量を使うエアコンやキッチン周りは、後から自分でコンセントをつなぐ回路と別に配電盤で分けられ、いっぺんに使っても通常の日常生活に支障をきたさないようにされている。

キャンピングカーの場合は流石にそこまで大容量の電力が必要になることは少ないので、通常の家庭用コンセントに流せる1500Wに合わせた大容量インバーターを装備することが多くなってきた。バンテック製キャブコンもそうである。

 

インバーターはその名が示すとおり反転を行う機械で、一方向にのみ流れる直流のバッテリー電力を家庭と同じ交流と呼ばれる電気へと変換する装置。このときに電圧や周波数を設定通りに調整する。

起動はモニタリング機能付きのリモートコントロールスイッチを入れるだけだが、多くのインバーターには専用のリモートコントロールスイッチでなくても、簡易的にオンオフできる回路を増設することができることになっているのがほとんど。

スイッチを入れれば、一般家庭同様さまざまな家電などが使える。一般家庭で使うセパレートタイプのルームエアコンが動くのもこうしたことが理由だ。

ただ注意点というかその特性は知っておいたほうがいい。ほぼすべてのインバーターにはさまざまな保護回路が組み込まれていて、その1つが入力電圧が下がった時のバッテリー保護回路だ。

スマホの充電やノートパソコンを動かす程度ではインバーター能力にとって余裕、バッテリーから引っ張る電力も少なめで入力電圧が下がることもほとんどなく長時間の利用が可能。

ところがヘアドライヤーや電子レンジといった1000W級の大消費電力ともなると、バッテリーから引き出す電力もそれなりに巨大になり入力電圧は急激に下がる。インバーター本体の設定にもよるが、比較的電力が残っている状態でも保護回路が働き出力電力がカットオフされるのだ。

そのため大電力でも長時間使いたい場合は、バッテリー容量を強化し、そういった電圧降下を極力避けるシステム構築が必要。最近のルームエアコンを装備したキャブコンなどが、300Ahほどの大容量サブバッテリー化しているのはそういった意味合いもあるのだ。

電気の使用で快適なキャンプ生活は得られるのだが、無尽蔵にそのエネルギーに頼り切らない自分のスタイルに合った無理のない設定を見つけ出すのも、キャンピングカー生活の楽しみなのかもしれない。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第87回】バッテリー上がりっ! 緊急時に役立つ特別付加装置


キャンピングカーのバッテリー関連話題を何回かにわたって触れてきたが、緊急時というか、もしかしたら最も助かることがある装備として考えられるのがエマージェンシースイッチ。いろいろな呼び方が欧米ではあるようだが、バンテック車においてはそう呼ばれている。

さてこのエマージェンシースイッチとは何か? 簡単に言ってしまえば、エンジンがかかっていない時に通常切り離されているサブバッテリーを、メインバッテリーに直結させる作動スイッチである。その機能は、メインバッテリーが上がってしまった、もしくは弱っていてエンジンスタートがままならないというときに、サブバッテリーの電力を利用しエンジンをスタートさせるというものだ。やっていることは、ブースターケーブルを救援車のバッテリーにつないでいることと基本的に変わりはない。

昔から、特に北米産モーターホームなどにはこの機能を付けたモデルがよく見られたが、それは大容量電流が流せる3ポストソレノイドバルブなどを利用し直結するもの。よほどメインバッテリーが弱っていない限り、このスイッチを入れサブバッテリーを並列接続すればエンジンスタートが可能。それでも少し足りないときは、発電機を回しながらより潤沢に電力をメインバッテリーに注入充電できるようにすれば、たいていの場合危機的状況を回避できる。

では何故バンテック車のコレが優れているかといえば、最近のバンテック車にはサブバッテリーが300Ahもの容量を積んでいることが多い。さらに並列装備されたそれは、走行充電できちんと満充電になる密閉型バッテリーがチョイスされていることが挙げられる。要するに、例えば前日まで走ってきて翌朝メインバッテリーが寿命で急遽性能を発揮しなくなっているような場合、たっぷりの電力をサブバッテリーが持っているので、サブバッテリーをメインバッテリーに並列接続して多少電圧が下がった状態でもスターターを起動できるだけの起電力を有していることなのである。

使い方はいたって簡単で、バンテック製のほとんどのモデルが電源系回路がまとめて収納されている、サブバッテリーのそばにある赤いスイッチを押す。そうするとスイッチが点灯しリレーが動いて並列接続状態になり、押し続けること5分ほどである程度の充電がメインバッテリーに行われ、スターターモーターを起動できるようになるという仕組みである。並列接続が行われているのは、スイッチを押している間だけで離すと回路は分離される。

一度でもバッテリーを上げてしまい、救援車のバッテリーをブースターケーブルで繋いだことがある人なら理解できると思うが、繋いだだけでは弱っている方のエンジンは大抵スタートできない。そのため救援車のエンジンをかけ、オルタネーターで発電して弱っている車に必要な電力を供給する、もしくは充電をするということが必要になるのだが、大容量サブバッテリーを有している環境がそれに近い状態を再現しているのである。

もちろんこれは、走行充電できちんと満充電にできるサブバッテリーの種類が取り付けられているからであり、走行充電で満充電にできないタイプのサブバッテリーを搭載しているモデルが多い中、相当なアドバンテージだと感じられる部分でもある。

旅先の誰もいないところで動けなくなってしまったら、あまりにも心細いけどこれなら安心。もちろんそういう事態になった場合のメインバッテリーは、きちんと性能が出るのかどうか検査して使い続けるか交換するかしよう。ただ大きな原因が見つからないような場合は、サッサと交換したほうがいいのは言うまでもない話。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第85回】外部電源利用で快適な生活環境を


多くのキャブコンなどには電子レンジが付いたり、最近ではルームエアコンを装備したりという時代になってきた。それらを利用するのに、サブバッテリーの電力を家庭と同じ交流にするためにインバーターを利用する。

そうすることにより、走行中、キャンプ中を問わず家庭用電源の利用が内部コンセントから行え、生活スタイルが豊かになる。もちろん、外部電源を接続することも可能だ。

ところがこの交流というのは曲者で、直流のように大雑把に電源ソースを並列化する事は基本的にできない。ウッカリつないでしまうと、火花が飛び散ったり接続している機器を破壊してしまったりする。

そこでキャンピングカーで外部電源接続時に、電源ソースが並列状態になって電気の衝突を起こさないようにする装置がオートセレクターの機能だ。

オートセレクター本体は、キャンピングカー内のコンセントへの家庭用電源供給は、通常時インバーター出力に接続。外部電源が入力されると、その電力でオートセレクター内の電磁石が作動してスイッチが切り替わり、外部電源からの供給となる。いわゆる、大容量リレーだ。

バンテックのキャブコンでは、発電機を搭載できる消音箱のアイボックスをオプションで装備すれば、その出力も外部電源同様に切り替えられる。

キャンプ場やRVパークなどでは電源を確保することが普通にできるが、そういった場でない時は発電機の存在はかなり心強いことは、経験的に筆者も理解している所。

こうして外部からの電力供給ができれば、サブバッテリーの電力容量を気にしての使用ではなく、気兼ねなくエアコンや電子レンジをたっぷり使うことが可能で、より日常の家庭生活と変わらない快適さが得られるのだ。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第83回】サブバッテリーの重要性を突っ込んで考える。その3


サブバッテリーについての3回目。今回はサブバッテリーというキャンピングカーならではの装備が、どういった感じでコントロールされているかを考えてみよう。この辺りが理解できると、キャンプ中に電力を自分なりにうまく使えることの手助けになるはずだ。

バンテックのキャブコンの場合、走行中キャンピングシェル内での家庭用電源供給は、エンジンについているオルタネーター発電から直接変換して利用できるようになっている。カムロードベースで130Aオルタネーターがついている場合などでは、サブバッテリーの充電を行いながらの連続使用も十分可能となっている。

また、サブバッテリーをメインバッテリーに接続するのはシグナルスタートチャージシステムという方法を採用。エンジンがオルタネーターで発電を開始するまで並列接続されるサブバッテリー回路を切り離しておくようになっていて、基本的にメインバッテリーを保護する回路の仕組みになっている。

インバーターを使う家庭用電源はともかく、キャンピングシェルに装備される電装品のそのほとんどが直流12V。いわゆる明かりやポンプ、音響設備などであるが、これらを点けっ放しにしておくと電気容量を際限なく吸い出してしまい、その後のサブバッテリー性能を著しく低下させかねない。

そこで、それら負荷との間にバッテリープロテクターという制御器を挿入することで、過放電を防止し性能劣化を最小限に抑えるようになっている。この機器は、電気の使用を続けサブバッテリー電圧が下がると負荷回路を切り離しサブバッテリーを保護。その後バッテリーが充電され電圧が上がると回路を再接続する。

もちろん回路が切り離されているときはキャンピングシェル内の電装品は使えなくなるのだが、サブバッテリーの再充電に適した下限の状態は維持されるので、結果的にはサブバッテリーの超寿命を実現できるものだ。

ただ、キャンプ中の夜中にいきなり電源が切れてもにっちもさっちもいかなくなるが、かなり正確に電力の残量が見える、パーセンテージでも表示できる残量計を用意しているのでそれを参考にすれば効率的な使い方ができるはずだ。

この残量計は単なる電圧による簡素なものではなく、一般的にはシャント抵抗と呼ばれる分流器を負荷回路に通し正確に流れている電流量をセンシングし、あらかじめ自分でセットしたサブバッテリー容量をベースに積算による計算を行っている。もちろん充放電のすべてが反映される。回路的にはそれなりに複雑にはなるが、使う側にしてみれば特に気にしないでもいつもと変わらない生活が送れる、それでいて最小限のパーツ構成で故障率を下げる。そういった試みがしっかり検証された上で組み込まれているのである。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com