【第167回】PVCコーティングでお手軽ブラッシュアップ


前回、古くなったスマホの再利用で老眼対策などを書いてみたが、よく見るとそのスマホは外観が塗装もはげてボロボロ。そこでバックカバーが外せることをいい事に、サクッと見た目をかっこよくしてしまう方法を紹介。

用意するのは市販のPVCシート、いわゆるビニール製のシート。最近のシートはすごく良くできていて、パッと見に印刷であることもわからなかったり質感が似せてあったりと都合がいい。

準備としては、母材に対して割とたっぷり目に切り出すことから始まる。その理由は、後で分かるが引っ張ることが必要だから。

この方法は、車のダッシュボードのパネルとかキャンピングカーのパーツコーティングにも使えるので、ぜひ試して見てほしい。

貼り付け作業は、母材の油分を除去しシールの裏紙を外してとごく一般的なのだが、ここからがPVCの面白いところ。その素材の耐熱温度は60~70度Cあたりで、80~100度Cでグニャーンと伸びる。110度Cを超えたあたりから今度は一気に縮め始めるのだ。

この辺りの温度感覚を見極めつつ、ドライヤーであぶりながら伸ばしたり縮めたりしてきっちりシワなく張り込んでいくのだ。スマホケースなどの小物で何度か練習すればコツがつかめ、ダッシュパネルなどの大物も出来るようになるはずだ。

写真の状態は、結構時間をかけ丁寧に内側にシートを織り込み完全にカバーしたところ。このあと余分な部分をカットし取り去る。必要とあらば、ちょっと強目に温め縮ませシワを消していく。スマホの場合、最終的にレンズなどの穴部分もカット処理した。

本来なら、温度設定できるヒートガンを110度Cくらいにすると都合がいいようなのだが、今回は誰でも出来る方法ということでドライヤーでチャレンジ。

どんなに上手にやっても、気泡は残る。それはそれほど気にしなくていい。すごく値段の高いシートだとそれを抜くための目に見えない小さい穴が無数に開いているのだが、手っ取り早くマチ針などでつついて抜いてしまうのが簡単。そのあとちょっとドライヤーで炙れば大丈夫。

いかがだろうか? イメージ一新である。右は数年前に本体をバラすことを禁じられている林檎産機種に両面PVCシートを貼り込んだスマホ。シートもDIYショップで買える安価なものだったため、四六時中ポケットに突っ込まれた結果角部分のプリントが擦れて消えかかっているが、保護という意味でも十分機能してくれている。

古いものでも気分一新! コストパフォーマンスと出来栄えにはきっと驚くと思われるので、チャレンジ精神いっぱいで楽しんで見てほしい。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com