【第238回】アウトドアコンロはTrangia


キャンピングカーで出かける時、タープ下でこれまで様々な道具を使って来た。そこで最後に残った道具はTrangiaで、ストームクッカーといわれるシリーズ。灯りが強烈な照度の高圧マントルタイプから穏やかなハリケーンランタンになったのと同時期だった。

このコンロと調理道具が一体になったギアは熱効率もよく、外で使っても横風の影響をほぼ受けず強風でも対応するので、カセットコンロなどより断然使いやすいのだ。今回はそんな道具を個人的趣味で自慢してみよう。

パッケージサイズは小さなバック程度。このサイズで驚くべき機能を展開できる。実は、これのほかに20センチの蓋付きスキレットを常備品として積載している。さらにこのパッケージに落ち着くまで、そこそこの年月と紆余曲折があった。

一番の自慢は、コンパクトにまとめあげた付属品を自分で用意し、収納サイズに変化なくパッケージできるようにした事。

ナイフはオピネルNo.6、シャモジは100均の手巻き寿司用の小型の竹のものを加工し調理のヘラにも使えるように、箸も小型、木製サジもサイズを切り詰め加工、この状態でオプションの水切りフタの切り欠き部分をうまく利用しきっちり本体内収納できるようにしてある。

そして一番苦労したのがガラス蓋。サイズは普通にあったのだが、取っ手を小型で使えそうなものに取り替え、延々ステンレスの縁取をペンチで絞り加工し、中に2つ収納されている鍋にはまるようにした。この蓋は重さもあるので、美味しくご飯が炊けるようになったのだ。

隙間という隙間を見逃さず、熱源であるアルコールストーブのほか、ヤカンの中には化粧水を小分けにする50㏄のボトルにアルコールを入れ3本、着火用にライターも収納している。

ここまで用意できれば、調理周りはこれだけで完結できる内容で、バックパッキングなどでも活躍する。まあ私の場合、バックパッキング用にはちょっと趣向を変えたセットを別に用意しているので、今はほとんどオートキャンプやキャンピングカーでの専用になっている。

長い使用歴の中、アルコールストーブに延長チューブを取り付け、外部から自動で給油されるシステムも作った事がある。それは収まりのいいぴったりサイズのスキレットとの出会いから、焼きっ放しにも強いその特性を生かしいつでも温めておいて、好きな時に焼き物がしたいという欲望からだった。

そして以前からオプションでの存在は知っていたが日本に輸入される事がなかったガスバーナー、これのレプリカ? がとんでもない格安価格で取引されている。早速購入してみると、自作のアルコール自動給油装置の出番は当然無くなった。しかもOD缶だけでなく、アタッチメントでCB缶も使えてしまうのだから。

セット状態も挟み込んでしっかり動かなくなるので安全だし、何しろアルコールストーブと比較し圧倒的に火力調節が簡単。夜長の調理道具として便利この上ないのだ。とろ火が簡単なのがめちゃくちゃ嬉しい。

というわけで、今一番自分で使用頻度が高く全体的に完成の域に達した調理道具を自慢して見た。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第236回】キャンピングカーでインターネット昨今


みなさんキャンプや旅に出かけた時、情報収集にスマホからのインターネット接続を活用していると思う。最近の自分の利用方法は、スマホに接続速度が低速ではあるが使用量制限のない契約のSIMを刺し、そこからテザリングという機能を使いパッドを接続し、キーボードやマウスも使って普通に原稿を書いている。

もちろん日常のニュースの類もネットから拾って来るので、テレビやチューナーといった装備を自分のトレーラーから外してしまったほどだ。ただ、BGM用というかながら族世代として、乾電池式トランジスターラジオはかたわらに残してある。なんともチープなスピーカーから鳴る音が心地よく…。

使い方としては、通常電話としてのSIMと先に述べたデータ通信専用SIMの2本刺し。Androidスマホだとこの手の事ができるものが増えたが、日本で人気のiPhoneだとほぼ最新機種でeSIMという物理的なカードが要らないものでないと2本の回線を同時に使うという機能、俗に言うDSDSやDSDVなるものが使えない。

まあお財布の中身が豊かな人なら、1枚のSIMでなんら問題なく解決してしまう話なのだが、私はそうはいかないのであった。世の中金で解決っ!ができないのがちょっと悔しい。

結果、利用しているのが低速回線であったため、動画の視聴やソフトやアプリのアップデートはままならず、結局テキストデータのやりとりが精一杯。とはいえ、原稿書きが仕事なのでそれでよしといえばそれまでなのだが、写真や動画のような大きなデータをやりとりするのにはさすがに無理があったのである。SNS系のビデオフォンや最近流行りのネット会議には参加できたけれども。

そこへ来て、内閣総理大臣も推す「ちょっと通信料高すぎるんじゃありませんかね」問題。試してみたいと思っていても、どうせ安くなんかならないんでしょという諦めからなかなか背中を押されなかった、格安高速接続を人柱で試してみることにした。だって1年間無料なんですもの、半年悩んだけどこの先のことも考えるとやってみてもいいのでは、と思ったのだ。

問題は、最新機種でいくつか対応しているスマホがあるが、自分が好きなものとか今まで使っているSIMフリー機などへの対応がまったくアナウンスされていないこと。というよりよほど詳しい人でない限り、接続させること自体が難しいだろうなぁ、というのが自分でやってみた率直な感想。

自分のインターネット利用の実情をいうと、毎日平均的に3Gbは接続しているようなので、利用量制限の無い有線接続が必須だったのだ。でもとある新規参入電話会社のアンテナで拾っている限り無制限…、本当だろうか。1日あたりに大量にデータのやり取りしたら速度制限はかかるでしょう、とは理解もしつつ自分の非対応スマホでは複雑怪奇な安定力もない接続方法を試しマウントすることに一応成功する。

そして測った、通信速度。4GもしくはLTEなるものだが、真昼間にこれはなかなか立派な数字。もちろんネット系データ通信でメチャクチャ重いYouTube見放題、アマプラ、フールー、ネットフリックスなんでもござれ。

かなり特殊な使い方になるが、私はSSH接続で自宅PCをVNCコントロールすることもあるのだがそれもなんら問題なし。もちろん暗号化通信でトンネル掘って自宅サーバーと接続し、写真や動画などのとてつもなく重いデータのやりとりも御構い無し。

というわけで、これまでは大きなデータのやりとりができないからと逃げていた、キャンプ取材での即入稿にも対応できてしまうという自分の首を絞めてしまう悲しい事態が発生…したことに気づく。本当にこれが日本全国で使えるようになったら、完全に逃げ道なし…。

というわけで、’20年年末を迎えるにあたり、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天と日本の4キャリア、それにSIM管理が自分で出来るiij、切り売りではあるが明らかに子会社のUQ Wimaxなどあたりが、ドカンと新価格の接続サービスを打ち出して来ると思われる。

キャンピングカー生活にとっては嬉しい状況になることは間違いないので、使用しているスマホやその対応、契約の切り替えも念頭に入れ目を光らしておくといいかもね。

それともう1つ、電話の無線による接続速度がリッチになったので、実は家に居ても家庭内のWi-Fiに接続する事が基本的に無くなった。というわけで GPSとWi-Fi通信をオフに出来ると劇的に電池の消費速度がゆっくりになり、充電充電と四六時中騒がなくていいのがものすごく嬉しかったりする。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第234回】ランタンを快適に使うために



前回磨いてピッカピカ、愉しい…という話を書いてみたが、ここ10年くらいだろうか、それまで使っていた高圧式ガソリンランタンをやめオイルランタンを愛用している。その後、ソーラー充電式のインフレータブルランタンを懐中電灯代わりに追加した。ついでに言うと、絶対的な明るさが必要な時もあるので、灯油の高圧型ランタンも手に入れた。

そんな自分が出会った、魅了されたのがペトロマッックスhl1という小型のオイルハリケーンランタン。ちょうど5年前の夏だ。もう手に入れてそのクロームメッキの輝き、ホヤの透き通るような透明度、それはもうキラキラしていて他のものとは別次元なのでは? と思ったほど。

その燃焼の美しさは最初のショートムービーで確認できるかなぁ? 一緒に点灯しているのは、次に紹介するランタン。ところがどういうわけか、これまで長い年月時代を超越し生き残ってきたランタンなのにもかかわらず、数年前に製造中止になり今は手に入らない。

それと同時に中古市場で高騰し始め、今ではとにかくホヤが割れていない使える状態のものなら当時の購入価格の10倍ほど、未使用新品ともなると20倍…。驚異的だ!

そんなペトロマックスを常夜灯に屋外にぶら下げていたのだが、寝入ってしまってから不届き者に持っていかれるのもしゃくなので、現行でいくらでも手に入るフェアハンド ベイビースペシャル276 のジンクメッキ仕様を手に入れた。塗装よりメッキが好きなのは個人的趣味。

想像よりちょっとサイズが大きいのが不満だが、機能には問題無くここ3年ほど屋外でも快適に点灯してくれている。ホヤの透明度が…ともマニアックに思うが、並べて見なければ絶対に分からない。

さてオイルランタンといえば芯を刺して燃料を入れ火をつけるだけと扱いが簡単で、メンテナンスもそれほど難しいものではない。

ただ多かれ少なかれ芯自体も燃えて短くなってくるので、必ず予備を用意しておくのが無難。その場合サイズを知っておく必要がある。1/2のようなインチ表示だったり、何分みたいな表記で分かりにくいが、10・12.5・20mmのようなサイズがあるので、穴の大きさを測ってから購入するといい。どうせなら長めのロールがオススメ。

芯=ウィックは燃焼していると上端に煤が溜まる。次回燃焼するときはそれを振り払えば事済むのだが、どうせなら上部を丸くするといい。そうすることにより、炎の形が綺麗な桃型になるのだ。

カットしたまま直角の角が2つ出ていると炎がハート形になり、不完全燃焼をおこしやすいのか煤がより溜まってしまうのだ。

気をつけるのはこの程度で、夜の団らんに目に優しい灯りが手に入るのだが、単純に歳を取った目になってしまったのかな? とも感じている。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第232回】道具をピッカピカに磨いて気分一新!


もう購入して5年は経っただろうか、最近では明るい圧力をかけるランタンではなく、ハリケーンランタンと呼ばれるランプタイプのものをテーブルランタンやメインの灯りとして常用している。

燃料の消費量も少なく眼にも優しく、何しろゴーゴーと音が出ないのが良い。もちろん明るさはそれなりに暗めなので、子供が走り回る環境ではちょっと心許ないと感じるかもしれないが、大人だけなら雰囲気重視である。

さてそんなハリケーンランタン、5年間使い続けた姿がコレ。かなり気にして使っているので汚れや錆はそれほどでも無いが、表面にこびりついた油膜というかヤニというか、スッカリ燻んでしまっている。

ただこの油膜も、ある意味錆防止にはなっているだろうなと感じてはいたが、流石に新品時の点灯した時のキラキラ感が無くなっているのが多少寂しかった。そこで購入後始めて洗浄とポリッシングをしてみようかと。

まずはバラせるだけバラし、換気扇クリーナーや中性洗剤をたっぷり使い油膜を徹底除去してみた。もうこれだけで十分キレイになっているので通常はこの程度でしっかり内部まで乾燥させれば特に問題はないだろう。

ただ今回は、底に錆が浮いていた。もちろん本体表面にもそこそこ細かい錆はあったのだが、普段あまり目にしない底は夜露なのか結露なのか、放っておくと今後に影響する気がするレベルだった。

そこで表面の細かい錆も含め、真鍮製ワイヤーブラシのサイズ違いをいくつか用意しルーターで磨き落としてみた。メッキなどの場合、鉄やアルミ、海綿だとなぜか傷が付きやすいのが不思議、真鍮がいいと思う。

おおかた錆を落とし表面が滑らかになったら、磨きの定番ピカールを持ち出しゴシゴシ。徹底して作業すれば鏡面仕上げも可能だろうが、フィールドでガシガシ使っているものだけに、自分でオオオッ⁉ と思うギラギラぬめぬめ反射するレベルでやめておいた。底面だけは、透明クリヤーラッカーだけでも吹いて防錆したい所だ。

そして綺麗になって組み上げたのが最初の写真。次回キャンプに連れて行き早速点灯したいのだが、いまだ新型コロナウイルス騒ぎでなかなかキャンプ場すら出掛けられない始末。そんな時は、普段の道具を磨いて愛でるのも良いのでは? という話。個人的超オススメは、スベア123Rという真鍮製コンロの完全バラシとメンテナンス&磨き。いかがでしょう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第230回】ネットでも注目される格安日用品の実力を探る


火起こしグッズ数ある中、実際に仕事柄かなりの種類を今まで試してきた。そして現在辿り着いたのが、超驚きの低価格路線、お手軽、実力確定の手法。着火だけでなく、きっちり炭の管理までできてしまうあたりがキャンプ道具として超強力。

利用するのは、みんな大好き100円ショップの油壺と、さすがに100円ではなかったステンレス製カトラリーラックというもの。カトラリーラックというだけ有り水切り錆防止のステンレス製で底面、側面に多数の穴が開いているというあたりがミソ。

この穴が、様々な経験値からするとどう見ても効率よく空気を通す様にしか開いていない、というより絶対火起こしを前提に設計されたのではすら勘ぐってしまうのは悲しい職業病。

そして100円ショップ内でも全く違うエリアの陳列棚にあるものなのだが、はめてみるとキッチリすっぽり収まる。誰がどう見てもセット商品なのでは? と思えるほどキッチリ。

正直言えば、油壺の油濾しが入らなくなってしまうが、この油濾しも灰のフルイなどの処理にも使えそうなので多分無駄にはならないと思う。

早速、コレもまた100円ショップで手に入れた着火剤をセットし、500g 100円の木炭の火起こしをやってみる。炭は200g程度カトラリー内に収めることが出来、BBQなどに使うにはちょっと少なめか。

ただし、15分もすると炭全体に火が周り真っ赤になり、炎が立ち上がってゴーゴーと燃える。途中煽ることもなく、風が吹き付けてもその状況は変わらない。こんなに簡単に日が起こせていいのだろうか? とすら思える。

そして極め付けは、火消しツボとして利用できること。もちろん消火した炭は次回の焚き付けに利用するのに十分だし、炭の無駄も少なくなり道具の後処理などを考えても相当有効なキャンプグッズとして成立する。

というわけで、3回にわたり火起こしについて、特に炭を取り上げてみたが、見ての通り道具が全てではなく身の回りにあるものがかなり有効に理由できる事が分かってもらえたのではないだろうか。普段から「あ、コレあれに使えるかも!?」と考えるだけで、日常が楽しくなってくるはずと思う。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com