【第117回】アルコールストーブの風防だけでなくきちんと薪を使うための準備


前回の続き実践編、紹介していた自分の道具は、バーゴというメーカーのウッドストーブでこれはそのパッケージ全体。わざわざステンレス製を選んでいるのは、火を起こしてひっくり返し、底面で焼肉ができるため。ソロキャンプなどでは大きさ的にピッタリなのだ。

付属のケースに、テーブル上に置いた時に遮熱する竹の巻き簾、先の曲がったラジオペンチ、自分で加工したロック兼用のクリップとチェーンにクリップをつないだものを入れている。

本体は一体型で簡単に組み立てられるが、ロック機構が甘く外れて大変なことになることがしばしばだったので、新たに外れないようロックを作った。また、無くしそうなのとラジオペンチなどがないときでもフタ部分を開閉できるよう、クリップをチェーンで繋いだのが主な改造点。

普段薪を使うことが少ないので、薪の場合爆発的に輻射熱で熱くなる底面保護の道具は入れていない。今回のように薪の場合は、石の上でやるとか燃えないものの上でやることが肝心。普通に、焚き火台の上などで利用するのが一番都合がいいだろう。

薪で調理をするにあたり1本もあれば余裕であるが、小割をするのにどうしてもナイフの類は必要。大きくなくてもいい、折りたたみので十分である。写真はロックのない古いタイプだが、ナイフに慣れていない人は、安全のためにも開いた時にきちんとロックの掛かる物を手に入れよう。と言うより、今時はロック無しの物は売っていないかもしれない。

ウッドストーブを使う時の薪の太さは見ての通りかなり細く、右下の白っぽいものは使い古しの割り箸である。使い古しの割り箸が大量にあるようなら、それが20膳分もあれば余裕で調理できる量だと思っていい。

ナイフでの薪を小割にする方法は、ナイフの刃の根元を薪に食い込ませ、少し押し込みちょっとコジる感じで刃を進める。決して力任せに叩き込み続けたりしない、ジワジワと切り割りする感じ。力任せに行なうと、間違いなく指をケガするだろう。よほどそのナイフに慣れていない限り、手袋をすることを絶対的にオススメする。

準備できたら、ティッシュなど燃えやすいものを丸めて入れ作った薪を放り込む。一度着火すると、小さいなりにも煙突効果で豪快に燃え始めるのがウッドストーブのいいところなのだが、火床の下が乾いた切り株だとどうなるか、それは次回のお楽しみということで。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第116回】キャンピングカー、夏の過ごし方


キャンピングカーの魅力のひとつが、その日の気分でいつでも好きな場所に出かけられること。寒ければ暖かいところへ、暑ければ涼しいところへ。

 夏になれば高原などを目指して車を走らせて車中泊すれば、涼しく過ごすことができます。とはいうものの、高原ばかりに出かけるわけにはいかないですよね。

 最近は家庭用エアコンを装備するキャンピングカーも増えてきたので、一年中快適に過ごすことができます。

 網戸や扇風機などを利用して涼しく過ごす方法もありますが、今回紹介するのはルーフベンチレーターです。

 ルーフベンチレーターはキャブコンやバンコンの天井に取り付けられている、いわゆる換気扇です。自然換気のものと電動ファン付きがあって、電動ファン付きは排気のみ、吸排気タイプに分かれます。

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♯034008 ルーフベントスタンダード 価格:10,800円」

自然換気のタイプはキャンピングトレーラーなどによく見られるもので、ベンチレーターのルーフ部分をハンドルを回して操作するなどして持ち上げて換気します。天井付近には熱気が溜まりやすいので、その熱気を逃がすことができます。

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 電動ファンはさらに換気能力の高い装備です。自然吸気タイプと同様にハンドル操作などでルーフ部分を持ち上げ、スイッチをいれてファンを回し換気します。

 基本的に使うときは排気にして使います。このときにルーフベンチレーターだけでなく、ダイネットのウインドウなどで少し離れた場所を網戸にしておくと空気の流れができてより快適に過ごすことができます。

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♯034085 ソーラーベントステンレス 価格:9,720円」

 またマルチルームなど夏季はとくに熱がこもりやすいところに使うのに適している常時換気ファンもあります。太陽光で発電するので配線いらずで取り付けできます。トイレルームなどの換気に使えば気になるニオイを排出してくれます。

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第115回】超小型ウッドストーブをキャビネットに!


キャンプに出かけて何をする? と聞かれ真っ先に帰ってくるのは“焚き火”という答えが多い。ゆらゆら揺らめく炎を眺めながらのナイトキャップなどは、確かに何とも言えないいい感じなのは多くの人が認めるところではないだろうか。

ただ現在キャンプで主流の焚き火台は大きく、重量もそれなりのもの。確かにコンパクトにできるマットタイプのものも最近では人気があるが、いずれにしても太い薪を燃やすのを主体としているので、現地での燃料調達もかなり大変。

そこで手に入れたいのが、コンパクトに折りたたみや分解のできる小型ウッドストーブの類。見ての通り、かなりコンパクトでキャンピングカーのキャビネットとか下駄箱の片隅に忍ばせておける大きさ。価格的にもそれほどのものではない。

カテゴリー的にストーブと名が付くだけあり、燃焼はものすごく効率よく行なわれる構造をしている。それは、小さいながらも煙突効果という現象を利用したもので、空気が下面から吸われるドラフト現象により自動で流れ扇がなくてもかなりの燃焼を起こす事ができる。

写真のように上下が同じ口径というか、上面が広い状態だとより焚き火感が味わえ、上にフライパンやコッフェルを載せても安定しているので、初めて使う人にはオススメかと思われる。もちろん、使用するときには地面を荒らさないよう底面の熱が伝わらなくする何らかの保護は必要だ。

自分で使っているのはバーゴというメーカーの製品で、煙突の口がすぼまっているタイプ。その形状の理由は話すと長くなるので割愛するが、中にアルコールを燃料とするコンロを自分で作って風防兼ゴトクとして利用している。そう、薪を燃やすだけではない使い方ができるのがミソなのだ。

どういうことかというと、カセットコンロなど風防のない熱器具は極めて外での利用に不利であること、そもそも個人的にはどんどん出てしまうガスの空き缶処理が面倒なのだ。そういった事が、キャンプサイトでストレスになってしまうのが嫌なのである。

タープの下でちょっとお湯を沸かすとか惣菜を温め直すなどは、アルコールコンロで十分以上の熱量だし、何しろキャンプしてる感が半端ない。夜になったら、薪を細かくして突っ込み焚き火気分をたっぷり味わう事だってできる。

実はこの使い方、身の回りで小型ウッドストーブを知らなかった人たちが見た途端というかその後、楽しくて自分でも買ってしまうグッズの筆頭とも言えるもの。何しろコンパクトで収納場所に困らず、分解できるものがほとんどなので手入れも簡単。極端に大量の薪がなくても火遊びが楽しめるとあって、キャンプや車中泊のお供にもってこいなのだ。

というわけで、次回は実践編をやってみようと思う。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第114回】キャンピングカーの洗車は大変!?


キャンピングカーは室内の居住空間が広い方が快適に過ごせますが、大きくなれば当然ボディも大きくなり、洗車にもその分だけ手間がかかります。

 九州南部はいつもよりも早く梅雨入りしたそうですが、雨が多くなるとキャブコンなどのボディ側面の汚れが気になります。

 いわゆるバーコード汚れというもので、ルーフ上に溜まった砂埃や、雨が空気中のゴミとともに降ってきて雨だれとともにボディにその跡を残していきます。

 そこで役立つのがボディに装着するドリップモールです。

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「♯56187 ドリップモールPVC80 価格:1,080円」

ルーフの縁などに合わせて両面テープで接着することで、雨が前後に流れるようになって、雨だれが付きにくくなります。これは汚れを付きにくくするための工夫です。

では汚れがついてしまった場合はどうしたらいいでしょうか? そんなときにはお薦めのカーシャンプーがあります。

キャンピングカーパーツ ♯103016 ビックリクリーナー
「♯103016 ビックリクリーナー 価格:2,700円」

その名前の通り、びっくりするほど水アカが落ちるというシャンプーです。実際に使ってみると分かりますが、面白いほど汚れが落ちます。普段は一般のカーシャンプーを使って、汚れがひどいときにビックリクリーナーを使うといいでしょう。

 さらに表面がガサガサでツヤのない状態のFRPやカビ汚れが付いたものには、FRP専用洗浄剤があります。

キャンピングカーパーツ ♯103014 FRP用リストアー&ワックス
「♯103014 FRP用リストアー&ワックス 価格:1,404円」

こちらは新車登録してから3~5年が経過した車用で、しつこい汚れを落としながら、表面にはツヤを取りもどすことができます。

 まずはボディに汚れが付かないように、ドリップモールを装着。洗車をするときにはビックリクリーナー、そしてしつこい汚れにはFRP用リストアー&ワックス。これだけ覚えておけば、洗車も面倒ではなくなります。

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第113回】トランジスターラジオを持ち出そう


手前味噌で恐縮だが、写真は自分のキャンピングカーでの枕元。ジェットストリームを聴きながら、ナイトキャップをするのが楽しみなのである。キャンプだからこそ、日常のテレビ生活から離れたいという希望もかなりある。今時はみな、スマホでラジオの配信を聴いている人がほとんどらしいのだが、自分的にはコッチ。ほぼ自分と同年齢の半世紀もの、何石ラジオと呼ばれていた頃の代物…のはずだ。

なぜこれをキャンピングカーに載せているかといえば、まずコーンスピーカーから流れる懐かしい音が大事。クリア過ぎる現代のスマホから流れる音だと、ラジオ感が無いような気がしてしょうがないから。もちろん昼間などは、表のテーブルに置いて利用している。スマホで電波エリアを外れているような場所でも、普通に聴けてしまうのもお気に入りの理由。

ただ問題があって、いくら消費電力が少ないからといっても乾電池で動かしている以上廃棄電池が出てしまう。音量を大きめにしていると、電池の消耗も激しくなってくるのが悩みのタネ。そこで、充電電池を利用しようとなるわけだ。

最近では100円ショップでも充電器が買えてしまう時代になり、当然充電電池も手に入るのだが、過去にカメラ用に大量に使っていた充電電池が余っているので、現在はそれを利用している。トランジスターラジオを鳴らす程度なら、高価で高性能な充電電池はさして必要ないだろう。

充電そのものは、インバーターで発生した電力をコンセントに流せるようにしているので、普通に車両内のコンセントに挿して行なっている。電源ソースとなるサブバッテリーは、ソーラーパネルによる充電を行なっているので、実質電気料金はタダ。このオフグリッド感がたまらない。

インバーターは小さなもので、ファンの無いものを利用している。なぜなら、冷却ファン付きだと作動音が気になってしょうがないから。

そして大問題が発生するのが、この手のお安いインバーターによるノイズの問題。ラジオはこのノイズに影響されやすく、特にAMなどでは受信ができなくなるほど。設置位置を考慮したり、アルミホイルで電波の遮蔽物を用意したりしないといけない。

自分のキャンピングカーは外装がアルミなので、室内にノイズの発生源があるとそれが室内で反射しまくるのか強烈なノイズ状態になる。そんなこともキャンピングカーでは考えなければならない問題になってくるのだ。インバーターを設置したら、色々電気機器が妙な動きをし始めたと思う人は、チェックすることをお勧めする。

もちろん、高価でノイズ発生の対策がされているようなインバーターなら、こういった現象は起こらないだろうとは思う。

さて充電完了した電池を入れる。昔のトランジスターラジオのいいところは、電圧に関して相当アバウトであること。単3乾電池では1.5Vだが、ニッケル水素などの充電電池は大抵1.2V、でも何の問題もなく使える。というより、1.0Vを割ったあたりでもまだまだ動作してくれるくらいなのだ。そして1度充電すると、ビックリするくらい長い時間利用できてしまう、これはスマホではまずできない。

確かにスマホやタブレットは便利だが、昔からのながら族に徹するのもキャンプでは面白い。というより、スマホやテレビで画面を見ているとほかの事が出来なくなってしまうし、せっかくの外生活がもったいない。ニュースや天気予報は十分ラジオだけでも対応できるよ。

というわけで、押入れの片隅で肥やしになっているトランジスターラジオを見つけたら、ぜひキャンピングカーに載せフィールドへ連れ出してあげよう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com