【第76回】ミニバンにも装備できる省スペースなシンクセット


車中泊は寝るだけでOKという人ならば、快適なフラットベッドがあればいい。ミニバンでも車中泊専用マットを使ったり、クッションなどを使ったりして、ベッドスペースの快適化ができる。そしてカーテンなどの目隠しがあれば車内はプライベート空間になる。

 そんな「寝るだけ車中泊」の人にさらにお薦めしたいのがシンクだ。ちょっと手を洗いたかったり、歯を磨いたりするためだけに車外へ出て洗面するのは面倒。キャブコンなどで使われているサイズの大きな本格的なものではなくて、小さなものでいい。

 そんな条件を満たしてくれるのが「ミニシンクセットステン」だ。角型のステンレスシンクに排水ホースと排水栓がセットになっているもので、実際に使うにあたってはこのほかに排水タンクが必要になる。

 さらに給水側の装備として「スイッチ付きフォーセット(#63003 3,120円)」、「インナーポンプ12V(#132004 2,484円)」、給水タンクなどがあるといいだろう。

 給水・排水タンクについては、キャンピングカーパーツセンターでは10Lから20Lまでのポータブルタンクがあるので、車のサイズや使用頻度を考えてサイズを選ぼう。

 実際に車内にシンクを装備するには、箱形に組んだ収納スペースの上板をくりぬいてシンクをセットし、下に給水・排水タンクを収納するのが一般的。

 軽自動車などでさらに省スペースが求められる場合は、「ミニミニシンクセットステン#141032 4536円)」を使うといいだろう。

 ちなみに、このミニシンクセットステンは、キャンピングカーパーツセンターでは車中泊用としてはもちろんのこと、移動販売車用としても注文が多いパーツである。

キャンピングカーパーツ シンク・コンロ ♯141008 ミニシンクセットステン

シンク・コンロ
♯141008 ミニシンクセットステン
価格:8,424円(税込)
サイズ:320×265×100㎜

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第75回】同乗者の安全を確保するリライアンスシート


キャンピングカーといえど、基本は車。走行時は通常前向きに着座し、その全員がシートベルトをしていることが求められている。もちろんこの場合、前向きシートは3点式シートベルトが基本であり、国交省発表でも非着用時の致死率は着用時と比べ14.5倍となっているので重要な項目である。

バンテックが採用するリライアンスシートは、平成28年に施行された新安全基準をクリアしたシートフレームをすべての前向き座席に標準装備。ISOFIXではないがチャイルドシートの装着も可能で、乗る人を守るという取り組みが平成24年からなされている。

キャンピングカーの場合、着座するシートはベッド展開することも多く、この安全基準とどう折り合いをつけるかは設計段階でかなりの苦労が強いられるところ。

新基準ができた後、乗用車では運転席だけではなく助手席、リヤシートにもシートベルトリマインダーという警報装置を付けることが義務化されているが、キャンピングカーのカテゴリーにおいてはトラックやバス同様にフロントシートのみで保安基準を満たす。さらに、後ろ向きシートや横向きの場合はシートベルトの構成も2点式でよかったりする。

このおかげで、なんとかベッド展開を含めキャンピングカーらしいシート構成が可能になっている。何しろ“らしい”シートが使えないと、キャンピングカー最大の利点である快適な寝心地を実現することができないので、どこのメーカーも頭を悩ませていたのである。

また平成28年の警視庁とJAFの調べによると、フロントシートのシートベルト着用状況は一般道路・高速道路を問わず94%を超えているものの、後部座席での一般道路でのシートベルト着用率はわずか38%前後と非常に低い水準。

キャンピングカーは大事な家族を乗せ楽しい時間を一緒に共有するための道具なので、激しい運転をすることはないとしても、やはり後部座席でもきっちり3点式シートベルトをする習慣を家族全員で身に付けたいものである。

関連リンク:後悔しないキャンピングカー選び

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第74回】外部AC電源接続すると自動切り替えできるインバーター


車のバッテリーは一部トラックなどをのぞいて電圧はDC12Vになっている。キャンピングカーの車内で使用するサブバッテリーも同様にDC12Vである。

 そのDC12VをAC100Vに変換して、車内でも家庭用電化製品を使えるようにするのがインバーターの役割だ。

 使用する電気製品のワット数によってインバーターの容量を選ぶことになり、消費電力が大きい電気製品を使うのならばインバーターも大容量タイプを選ぶことになる。

 車内で使うのがテレビくらいならば250W程度で十分だし、1500Wの容量があればドライヤーや電子レンジなども動かすことができてたいていの家電製品に対応する。

 1500Wインバーターというと以前「FI-S1503Aインバーター1500W(♯192115)」を紹介したことがあるが、今回紹介するのは転送スイッチ(リレー)付きのインバーターである。

 前述したとおり、DC12VをAC100Vに変換するのがインバーターの役目であるが、キャンプ場などで電源コードから車内に電気を供給する外部AC電源接続をしたときには、サブバッテリーからの電気ではなく、外部からのAC100Vを車内へ供給することになる。

 このときにサブバッテリーと外部AC電源との切り替えのための転送スイッチ(リレー)が必要で、今回紹介する「サイン波インバーターFI-SU1503C 12V1500W」にはその機能が内蔵されている。外部AC電源を接続すると自動で切り替わるので便利だ。

 また1500Wインバーターを装備して大きな電力を使うならば、サブバッテリーは最低でも2本積み以上必要になる。電気系統についてはトータルで考えることが重要だ。

※ちなみに以前紹介したインバーターにはコンタクタリレー110V-15A MUF10-4(♯181015 価格:4320円)などを使って、外部AC電源との切り替えをする。

キャンピングカーパーツ インバーター・コンバーター ♯192130 サイン波インバーターFI-SU1503C 12V1500W

インバーター・コンバーター
♯192130 サイン波インバーターFI-SU1503C 12V1500W
価格:139,212円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第73回】安全性と断熱性を兼ね備えるアクリル2重窓


キャンピングカー、特にキャブコンバージョンのようにほぼ全体的に架装されているモデルでは、ガラスとアクリルの2タイプのウインドウが既製品として存在する。大雑把にみると、北米系モデルはガラスで欧州系がアクリルと分けられる。

それぞれの特徴は、ガラスは透明度の高さと平滑性の高さからくる見た目の歪みがないこと、素材としての長期にわたる不変性だ。アクリルはその素材が持つ強度の高さと割れた場合飛散しないこと、断熱性そのものがガラスよりも高いことである。

近年のモデルでは、ガラスでも一般家庭のような2重ガラスタイプが増え、断熱性が高いものも増えてきているが、フレームはアルミなどのままでありいまだ結露しやすいと言える。バンテックのキャブコンにおいては、ほぼ全てのモデルがアクリル2重窓を採用している。

これまで長い間一般的だったタイプは、アクリル板がもなか状に2重で貼り合わされていて、素材そのものの断熱性の高さだけでなく断熱層を設けることにより、さらに熱の伝わり方を防止しほとんど結露しないよう工夫されている。

現在人気があるのはウインドウが裏表逆になった様な構造で、外表面がボディ面とフラットな構成になるタイプ。それだけでだいぶ車がスタイリッシュに見える。

通常の利用において、室内外温度差による結露はほぼしないといっていいが、経年変化により2枚のアクリル成型板の接着が弱くなってしまったような場合、内側が湿気で曇ってしまうことがある。こうなってしまった場合はほとんど対応策がない。

アクリル2重窓の最大手というか、そのほとんどのシェアを持っているのがドメティック傘下のザイツという専業メーカーであり、エントランスドアなども手掛けている。安全性は十分考慮されていて、欧州の自動車用パーツの規格に合致しEマークが付いていて、これは乗車する車のウインドウとして利用できることを意味している。

現地説明を受けてみると、アクリルという素材のためその性能が問題なく発揮されるのは10年ほどで、それ以上の期間では紫外線の影響などにより多少の変形や白濁などが起こるという。

ただしメンテナンス方法もしっかり確立していて、それを行うかどうかでかなり差が出るとも。もちろん、バンテックではウインドウのメンテナンスというか研磨剤や補修パーツなども用意されているので、長い期間使用することは十分に可能だ。

アクリルウインドウは取り付けフレームがプラスチックで作られていることもあり、窓全体が外気による熱の伝わる影響を室内に出しにくい。さらに内側のフレームはケース内にロールシェードと網戸が内装され、ロールシェードは裏側がアルミシートの蒸着により赤外線の遮断を行ないより断熱性が高いものになっている。

さらに最近の傾向では、ロールではなくブラインドに見えるデザインのものが欧州では増えてきて、より断熱性と防音がしっかりとしてきている。構造は折りたたみ式の筒が繋がった状態で、そのシートもアルミを挟んだ多層構造で空気層を作り出すことによりそれを実現している。

このように、アクリル2重窓は今後も安全性と機能性の向上がまだまだ続けられる、キャンピングカーに適したパーツであると言えそうだ。

関連リンク:後悔しないキャンピングカー選び

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第72回】電圧低下をチェック!サブバッテリーを保護する


サブバッテリーに外部AC電源などから充電するとき“過充電”にならないようにするためのパーツが前回紹介した「すぐれ者充電器」の役割。

 今回紹介するのは同じサブバッテリー関連でも“過放電”を防ぐための電源系パーツ「バッテリープロテクター12V40A用」だ。

 バッテリープロテクターはその名前の通りバッテリーを守るもので、鉛電池からの電力供給を制御する。バッテリーの電圧を検出して10.5Vまで下がると電力供給をオフしてサブバッテリーを守る。

 電圧低下してオフになった後は、再度充電がはじまって電圧が11.5V以上まで回復すると自動的にオンになってサブバッテリーからの電気が使えるようになる。

 ちなみに電圧が下がるときは、照明器具を使用中などには、明かりが数分間点滅した後に完全にオフになる。

 接続端子は①から⑧まであり、①②はバッテリープロテクター本体の作動スイッチに接続するもの。外部スイッチは必ずしも必要ではないが、車内の電気のメインスイッチとして使えるものでもあるので、取り付けておくと便利だ。

 外部スイッチとしては、「♯182023 LEDスイッチ アイスブルー(648円)」とともに「♯182024 スイッチパネル(648円)」がお薦め。

 ③はサブバッテリーのプラス端子に接続して、ここへの電圧が10.5V以下になると電力供給をオフにする仕組み。④はアース端子、サブバッテリーのマイナス端子に接続する。

 ⑤⑥は通常は使用しない予備端子。⑦は車内の電気製品に接続してからバッテリーのマイナス端子へ。⑧はサブバッテリーのプラス端子に接続する。

 バッテリープロテクターは12V対応商品のほかに24V用も用意している。「♯194004 バッテリープロテクター24V30A用(9,849円)

キャンピングカーパーツ ♯194005 バッテリープロテクター12V40A用

バッテリー・充電関連
♯194005 バッテリープロテクター12V40A用
価格:9,849円(税込)

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp