【第137回】クックウェアをスタッキングして高効率化 Part1


前回のコラムで、コンパクトにまとめたキャンプサイトのグッズ作りを紹介した。それは便利なものなので、ぜひ常備品として試してみてほしい。しかもコンパクトな道具は昨今ではかなり人気があり、各アウドドア用品メーカーが魅力的なものを発売しているのでそれで事足りることも多い。

ただ実際にのめり込み始めるとなかなかうまくいかない、というより市販品を買ってくるだけではどうにもサイズ的に収まりが悪いのである。そこで自分で試行錯誤し作り上げたパッケージが前回写真でも紹介したクックウェアのパック。なんとかして1パックにまとめようとした結果だ。

全部を1つにするのには、アウトドア用品だけでなく普通の道具屋さんや100均などをフル活用。例えば箸やスプーン、もんじゃ用のフライ返しといったものは100均、コップ代わりの計量カップはスタッキングできるよう取っ手を改造、アルコール燃料を入れるボトルはそもそも飲むためのアルコールが入っていた小瓶といった具合。

調理器具としてかなり重要だったのがしゃもじ。どうしてもご飯を炊いて食べたかったので、100均で売っていた手巻き寿司用のものをサイズと形状を加工しフライ返しになるようにもして収納できるようにした。一緒に付いていた巻き簾は、ゴトク替わりのウッドガスストーブをテーブル上で利用するときの下敷きにしてみた。

クックウェアで大事になるのは熱源。このセットは様々なキャンプでヘビィーな使い方を想定しているため、鍋類はフッ素加工などがされていないステンレス製にし、基本のストーブはアルミ缶で自作したもの。調理方法により火力を変更できるよう、大小2つのストーブをスタッキングできるようにし、空き瓶の蓋で消火できるようにした。着火用のライターと火打ち石も内蔵させている。

また、ホームセンターや100均などで固形燃料が手に入るものも使えるし、キャンプ場などでは薪を燃料とすることもできる、マルチフューエル化を果たしている。

このセットはバックパッキングやバイクツーリング、オートキャンプなどでマルチに使えるので、実は常備品からははずれ自宅に置いている。その心は、震災で持ち出すパッケージとしても優秀だと思われるからである。

さて次回は、オートキャンプに的を絞ったスタッキングをやってみようと思う。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第136回】インバーターは車内で家電を使うための必需品


キャンピングカーの場合、車内で家電製品を使うシーンがあります。とくに長期間旅に出かける人は、テレビ、ドライヤー、炊飯器、パソコンなど車の中を家と同じ環境にしたくなることが多いようです。

 車内のバッテリーは通常DC12Vで、それをAC100Vへ変換するためにはインバーターが必要になります。

キャンピングカーパーツ ♯192115 サイン波インバーターFI-SU1503A

 インバーターは容量によって種類がさまざまで、家電製品の電気消費量によって選びます。100W前後から3000Wを越えるものまで販売されていて、テレビを見るくらいならば250W程度で十分ですし、ドライヤーや電子レンジを使うのであれば、1500Wの容量があれば対応できます。

 容量が大きくなれば価格も高くなり、キャブコンなどに装備されることの多い1500Wのものは、12万円前後するので装備するのにはちょっと悩んでしまう金額ですね。

 しかもインバーターを装備するには、ツインバッテリー化したり、サブバッテリーの容量をプラスするなどの周辺装備も必要になってくる場合があるので単純にインバーターだけの出費では済まなくなる可能性も。大容量のインバーターさえあればすぐに電子レンジが使えるようになるわけではないので注意してください。 

 インバーターの容量が大きくなれば筐体のサイズも合わせて大きくなり、放熱対策も必要なので取り付け場所にも気を使います。

 キャブコンなど多くの場合は、シート下に装備することが多く、サブバッテリーやインバーターなど電装品が一か所にまとまっていることを確認できます。

 またインバーターにはサイン波(正弦波)と疑似サイン波(矩形波)の2種類があります。疑似サイン波のほうが価格は安いですが電子レンジや電子ポット、パソコンなどで使用できないものもありますから、サイン波タイプをおすすめします。

キャンピングカーパーツ ♯192115 サイン波インバーターFI-SU1503A

インバーター・コンバーター
♯192115 サイン波インバーターFI-SU1503A 12V1500W
価格:121,824円

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第135回】1人用のキャンプグッズを常備しよう


最近の自分でやっているキャンプの傾向なのだが、キャンピングカーや車中泊用の車の中に、1人用の旅に出られるだけのセットを詰め積載している。それはいわゆるバックパッキングでトレイルするような道具なのだが、これが結構フィールドでチョコっとおつまみを作ってみたり、好きな時にゴロッとなってみたりするのに実に都合がいいということに気付いた。

さらに、必要なものをバックパックにコンパクトにまとめておくと、現地でちょっと出歩いてみたいと思った時に、あれやこれやと悩まずサッと持ち出せるうえ収納庫内で取っ散らかることもなく重宝している。

確かにザックタイプのものだと出し入れに少し工夫がいるが、それをトートバッグのようなものに置き換えれば、収納庫にもポンと置いておけるうえフィールドに持ち出し歩き回るのも簡単、もちろん日常で1人用のグッズを気軽に取り出しいつでもフル活用できるようになることは間違いない。

そんな私の1人用キャンプグッズの中身はというと、左上から3×3mのタープと超小型ペグ、左は寝心地バツグンのコット、写真を撮るための一脚はタープをツェルトとして使うときの支柱にも使用、ローテーブル、調理やランタンに使う三脚、水玉の袋はバーナーやカトラリーも一緒にパックしたもの、その下は火にかけられる水筒で、鍋とウッドストーブも組み合わせてある。

実はザックの背面部にはチェアも折りたたまれ入っているので、あとは食料と小型のシュラフがあれば、相当な日数をトレッキングできるという代物である。

この中で、日常のキャンピングカーなどでもフル活用できそうなのが、水玉模様のポーチに入った調理・カトラリー類ではないだろうか。その内容は、基本的な鍋類にウッドストーブを調理のごとく&風防として使い、燃料にアルコールを使ったストーブを使用。箸やスプーンはいろいろな商品からサイズの合うものをチョイスしたり、自分で改造して使えるものにしたり。

これだけ揃っていると、タープ下のテーブルの上で必要なものが完備されている状態。通常車内で使っているものを持ち出すこともなく、道具がゴチャゴチャになったりしまう場所に苦労したりすることもない。

本当のことを言えば、こういった自分専用のセットを作る過程がものすごく楽しく、ある意味キャンプ生活の王道でもあると感じている。しかも、この手のセットがあると災害時に本当に役に立つのは、かなり以前から実体験ずみだったりもする。シンプルで、燃料が手に入れやすく、道具に頼り過ぎず、それでいて応用が効く道具類、それがコンセプト。

というわけで、自分のキャンプスタイルに合ったオリジナルのセットを作って常備してみてはいかがだろうか。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第134回】作業用? くつろぎ用? 車内の照明選び


キャンピングカーの車内にはさまざまな照明が必要です。たとえばキャブコンの場合ならば、ダイネットを照らす照明のほかに、キッチンの上、バンクベッド内、トイレルーム、リヤベッドなどに装備されています。

 新しいキャンピングカーにはLED照明が使われていて、丸型、四角型、スポットライトなどタイプがあり、明るさもいろいろありますから、好みのものが選べます。

 たとえばダイネット上のメイン照明ならば全体を明るく照らしたいでしょう。大型の照明で明るさ重視のものが適しています。

キャンピングカーパーツセンター #211102 LEDスリムライト角/白12V・24V

#211102
LEDスリムライト角/白12V・24V
価格:7,020円
サイズ:220×100×12mm

 かといってずっと明るいままではなく、くつろぐときには明るさを抑えたい場合もあります。照明の色も白系よりは、暖色系の照明がおすすめです。

 LED照明でも暖色系の照明が増えてきているので、ダイネットのメイン照明のほかにサブの照明を付けて使い分けるようにして、食事のときやお酒を飲んだりするときに適した明るさにできます。

キャンピングカーパーツセンター #211108 LED拡散照明 モビライト60×60タッチwarm white

#211108
LED拡散照明 モビライト60×60タッチwarm white
価格:5,400円
サイズ:60×60×10.3mm

 キャンピングカーの車内では家庭と比べて、照明器具と目の距離が近いために照明の影響を受けやすいので、より照明の重要度が高いといえます。人によって好みもあるでしょうから、色を確認して購入したいですよね。

 キャンピングカーパーツセンターが発行している「キャンピングカーパーツカタログ2018-2019」では2000点を越える厳選されたキャンピングカーパーツが掲載されていて、もちろん照明器具も紹介されています。

 明かりの点いた状態での写真も掲載されていますから、その色を参考に購入することができます。

キャンピングカーパーツセンター #264011 キャンピングカーパーツカタログ2018-2019

#264011
キャンピングカーパーツカタログ2018-2019
価格:1,620円

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第133回】身近なもので明かりをつくるスキルを手に入れるPart2


前回に続き灯りの話。今回は実際に普段のキャンプで使えるちょっとお洒落な部分にも気を遣って考えてみようと思う。写真はガラス製植木鉢に、特製の芯を作ってテーブルキャンドルとして作ってみたもの。ランタンほどではないものの、テーブル周辺は十分以上の明るさを確保できるもの。作り方は後ろで。


その前にもう1つ…災害などでセッパ詰まった最悪な状況の場合は、350mm缶などがあればかなり幸せ。ハサミ1つで反射鏡状態も作り出して組み合わせれば長時間燃焼が可能だし、オイルの継ぎ足しも簡単。こちらの芯はキッチンペーパーを利用している。反射鏡があることにより、より実践的な利用方法が考えられるはずだ。

話を冒頭の写真に戻して、日常のキャンプで使うという時間的余裕があれば、物凄く効率よく明るい炎を出す方法もあり、普段のキャンプ生活で活用しても十分な明るさだと思う。ともすれば強すぎるランタンの明かりと違い、雰囲気がありつつも十分な明るさは会話もお酒もすすむこと間違いなし。

作り方はムービーを見れば分かると思われるが、用意するのは細めのアルミ缶と工作用にカッターナイフ、ラジオペンチ、キリ、ハサミなど。芯はティッシュペーパー2枚重のもの1枚、燃料のサラダオイル等は適宜。

なぜこんなに手の込んだ細工をしているかと言うと、芯のホルダーになるアルミ缶の底をくり抜いただけでも十分火は点くのだが、どうやら空気の流れに沿って空気の取り入れ口を設けることで、より一層しっかりとした炎が得られるようだからである。

なぜ食用油なのか? それはどこの家庭でもあるだろうし当然普段のキャンプにも持ち込んでいるだろう。もしなくても、危機的状況下においても圧倒的に手にいれやすい燃料と言えるから。停電や災害の時に仏壇ロウソクを利用するより、結果的に安全に運用できるということも大事な話かも。

この夏に起きた災害においても、かなりキャンプ道具類はそれぞれに役立っていることは見て取れるのだが、現場ではホワイトガソリンやカセットガスなどが手に入りにくいのも事実。せめて灯りくらいは、身の回りのもので安全に確保できるスキルを身につけてみてはいかがだろうか? という提案なのでした。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com