【第173回】通常の石油ランタンを植物オイル添加で使う Part1


電気がいらない、音がしない、明かりが強すぎず目に優しい。それが石油ランタン。だが、石油、いわゆる白灯油を入れて利用すると、キャンピングカーやテント内での使用では匂いがキツすぎて使用に向かない。タープ下など表では何ら問題はないのだけれどね。

そこで利用するのがパラフィンオイル。こちらは燃焼時の匂いがほとんどなく、テントやキャンピングカーの中でも快適に利用できる。最近では防虫機能のあるパラフィンオイルもあり、それはそれで素敵なのだが価格が高い。

そこでふとキャンピングカーの中を見渡してみると、置きっ放しになって酸化の進んだ開封済みのサラダオイ
ルが積みっぱなしになっている。酸化しちゃったなぁと思い、さらに新しいものを購入しどんどん余っていく。いくら格安で手に入るタイプのものだとは言えもったいない。

そもそも植物系の油は、オリーブオイル、サラダオイル、天ぷら油などは、芯材がしっかりしていればかなりきっちり燃える。ただ、燃焼時に無臭というわけにはいかず、多少独特な匂いを発するのだが、白灯油のような鼻につく揮発油系のものとはまったく違いそれほど気にならない。そのため屋内やキャンピングカーなどでも使えるレベルと考えた。

今回は実験を踏まえてなので長くなるので、2回に分けてお伝えしたい。

そこで、購入したまっさらのフェアハンド石油ランタンにいきなりサラダオイルを投入し点灯してみると、最初はいい感じで燃え始めたのだが、そのうち炎が弱くなり芯を調節しているうちに芯を燃やし尽くしてしまった。

そこで替え芯を購入しそれに差し替えてテストしてみると、やはり最初はそこそこ燃えているようだが芯ごと燃えてしまい結局は失敗。

購入したのはネットで結構手に入れやすい1センチと2センチ幅のもの。吸い上げ自体は最初に付いていたものより良かったので期待が持てる。使えそうな事が分かってしまえばしめたもので、キャンピングカーに置きっぱなしで傷んでしまったサラダオイルが燃料になるので捨て場所にも困らない利点や災害時にいいかなと思う。

さて次回は、どうやって燃焼させるかの追加実験と結果をお届けしよう。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第149回】サイドオーニングの下にオイルランタンの灯りはいかがでしょう パート2


前回思わせぶりに終了した当コラム、その理由は見ての通りリフィルのオイルキャンドルのボトルを再利用したかったから。なにしろそのボトルの出来が実によく、使い捨てにするにはあまりにももったいなく感じたし、ほら今プラスチックの廃棄がいろいろ問題にもなっていて、分解して分別するのも結構大変そうだったから。

まずはオイルを注入するための穴を凹んだ所へ、それと既存の芯を取り付けてあった所も芯を抜くためもあり、ルーターを使って穴を開けた。

すかさずオリーブオイルを丁寧に注入し、ティッシュペーパーを捻って芯を作って刺し燃焼テスト。だいたい問題なさそうだが、まだ芯はボトルの底に沈んだままで見た目があまり良くない。オイルをオリーブオイルにしたのは、色付きが強いので残量が分かりやすいかなと思っただけ。

試してみると、注入用の穴が1つだとオイルの粘性が高くうまくボトルに入っていかない感じだったので、注入用に2つ穴を追加。芯部分の穴をほんの少し拡大、クリップの先を小さな鉤爪形状に加工したものが入るようにして、落ちた芯をボトルの中から掻き出せるよう加工。これで芯の出る量も調節できるようになった。

芯を出す量は5mm以下3mm程度が良いようだが、そのあたりはティッシュペーパーの捻り具合にもよると思うので、自分で工夫して見てほしい。

ランタンにセットして見た、いい感じです。実は植物性のオイルが、かなりうまく燃えることを多くの人は知らない。おそらくもっと可燃性の高いものでないといけないと思い込んでいるのではないかと思う。そんなにパラフィンオイルと可燃率は違わないと思われるし、価格もスーパーで激安品も出回るので、入手のしやすさや安全性からいったらもっと注目されてもよさそう。

ただ…、オリーブオイルだと寒い時期固まってしまい、点灯させることができないだろう。この辺りがパラフィンオイルや本来の蝋とは違うことだろうか。ただ、停電などでロウソクに火をつけ灯りとして使うより、点灯してぶら下げて使えるこの手のランタンの方が安全性は極めて高い。

キャンプ用としてだけでなく、災害対策用という意味も含め用意して見てはいかがだろうか。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第147回】サイドオーニングの下にオイルランタンの灯りはいかがでしょう(じつは・・・パート1)


キャンピングカー、ましてやそれがキャブコンだのモーターホームだったりしたら、ほとんどの場合サイドオーニングを装着していることだろう。そしてその下の灯りで昨今大人気なのは、低消費電力で強力に明るいLEDのリボンタイプ照明。

お手軽だし使いいいのは十分承知なのだが・・・”強力”という所にちょっとひっかかるものがある。これはあくまで個人的な意見ではあるのだが・・・。そう、明るすぎるかな? と感じてしまうのだ。あと、なんだか雰囲気ももっと欲しいよなぁ、と無い物ねだりもしてしまう。

そこで最近試したのが、昔ながらのキャンドルランタンをサイドオーニングに多数ぶら下げ使ってみること。いや、ハロウィンもクリスマスも通り越したのに、なんともいい雰囲気になります。

本来ならキャンドルランタンなのでろうそくがセットされるのだが、これが結構面倒なのだ、後始末が。揺れてこぼれてガラスのホヤにベットリ着いて・・・拭いてもビヨォ~んと延びるばかり。オレンジオイル系で拭いたらあっさり取れたのにはビックリしたが、それでも面倒であることは否めない。

そこでネットショッピングでポチッとしたのが径38mmのオイルキャンドル使い捨て品。価格にすると1つ100円以下ではあるが、キャンドルが3つ100円で普通に買える今時ではちょっと高めな気がする。

通常のキャンプ用キャンドルランタンは、径1と1/2インチなので、ほとんど既製品が無加工ですっぽり入るはず。写真のサイズで、1ボトルにつきおよそ6時間の燃焼が可能だった。

とまあキャンドルで気を良くしてお酒を飲んでいるかたわらに・・・「あら不思議!? こんなところに石油ランタンが!!」と、いわゆる灯油でも入れて点けるかと思うも、専用オイルってケロシン系じゃなくて低温でも固まらないロウ、いわゆるパラフィンオイルだよね・・・と気付く。前に紹介しているオイルキャンドルがまさにそれ。パラフィンオイルだって結構な値段だし、灯油は手につくと臭いし。

「んじゃさぁ~~~~、植物オイルでよくね?」「ヤバいんじゃないっすか??」「試すべ試すべ」と相方と話しつつ、ギャレー内にある1リットル300円のスーパー特売品サラダ油をコポコポ注入。

案の定、ちゃんと点きました。

ただこの方法、まったくメーカー保証はないし芯が早めにダメになることは間違いなさそう。試してもオイルタンクの厚さが相当なモデルである場合、吸い上げがうまくいかず点灯することができないかもしれない。でも芯の油をガッツリ中性洗剤で洗い流してキッチリ乾燥させればまた普通に使えるのでご安心を。

という結果を踏まえ、次回に続く・・・。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com

【第134回】作業用? くつろぎ用? 車内の照明選び


キャンピングカーの車内にはさまざまな照明が必要です。たとえばキャブコンの場合ならば、ダイネットを照らす照明のほかに、キッチンの上、バンクベッド内、トイレルーム、リヤベッドなどに装備されています。

 新しいキャンピングカーにはLED照明が使われていて、丸型、四角型、スポットライトなどタイプがあり、明るさもいろいろありますから、好みのものが選べます。

 たとえばダイネット上のメイン照明ならば全体を明るく照らしたいでしょう。大型の照明で明るさ重視のものが適しています。

キャンピングカーパーツセンター #211102 LEDスリムライト角/白12V・24V

#211102
LEDスリムライト角/白12V・24V
価格:7,020円
サイズ:220×100×12mm

 かといってずっと明るいままではなく、くつろぐときには明るさを抑えたい場合もあります。照明の色も白系よりは、暖色系の照明がおすすめです。

 LED照明でも暖色系の照明が増えてきているので、ダイネットのメイン照明のほかにサブの照明を付けて使い分けるようにして、食事のときやお酒を飲んだりするときに適した明るさにできます。

キャンピングカーパーツセンター #211108 LED拡散照明 モビライト60×60タッチwarm white

#211108
LED拡散照明 モビライト60×60タッチwarm white
価格:5,400円
サイズ:60×60×10.3mm

 キャンピングカーの車内では家庭と比べて、照明器具と目の距離が近いために照明の影響を受けやすいので、より照明の重要度が高いといえます。人によって好みもあるでしょうから、色を確認して購入したいですよね。

 キャンピングカーパーツセンターが発行している「キャンピングカーパーツカタログ2018-2019」では2000点を越える厳選されたキャンピングカーパーツが掲載されていて、もちろん照明器具も紹介されています。

 明かりの点いた状態での写真も掲載されていますから、その色を参考に購入することができます。

キャンピングカーパーツセンター #264011 キャンピングカーパーツカタログ2018-2019

#264011
キャンピングカーパーツカタログ2018-2019
価格:1,620円

浅井 佑一
著者:浅井 佑一
キャンピングカー専門誌「オートキャンパー」編集部を経て、現在は旅とキャンピングカーをテーマにしているフリーライター。キャンピングカーで車中泊しながら、全国の道の駅をまわっている。旅の様子は「オートキャンパー」にて連載中。 http://rvtravel.jp

【第133回】身近なもので明かりをつくるスキルを手に入れるPart2


前回に続き灯りの話。今回は実際に普段のキャンプで使えるちょっとお洒落な部分にも気を遣って考えてみようと思う。写真はガラス製植木鉢に、特製の芯を作ってテーブルキャンドルとして作ってみたもの。ランタンほどではないものの、テーブル周辺は十分以上の明るさを確保できるもの。作り方は後ろで。


その前にもう1つ…災害などでセッパ詰まった最悪な状況の場合は、350mm缶などがあればかなり幸せ。ハサミ1つで反射鏡状態も作り出して組み合わせれば長時間燃焼が可能だし、オイルの継ぎ足しも簡単。こちらの芯はキッチンペーパーを利用している。反射鏡があることにより、より実践的な利用方法が考えられるはずだ。

話を冒頭の写真に戻して、日常のキャンプで使うという時間的余裕があれば、物凄く効率よく明るい炎を出す方法もあり、普段のキャンプ生活で活用しても十分な明るさだと思う。ともすれば強すぎるランタンの明かりと違い、雰囲気がありつつも十分な明るさは会話もお酒もすすむこと間違いなし。

作り方はムービーを見れば分かると思われるが、用意するのは細めのアルミ缶と工作用にカッターナイフ、ラジオペンチ、キリ、ハサミなど。芯はティッシュペーパー2枚重のもの1枚、燃料のサラダオイル等は適宜。

なぜこんなに手の込んだ細工をしているかと言うと、芯のホルダーになるアルミ缶の底をくり抜いただけでも十分火は点くのだが、どうやら空気の流れに沿って空気の取り入れ口を設けることで、より一層しっかりとした炎が得られるようだからである。

なぜ食用油なのか? それはどこの家庭でもあるだろうし当然普段のキャンプにも持ち込んでいるだろう。もしなくても、危機的状況下においても圧倒的に手にいれやすい燃料と言えるから。停電や災害の時に仏壇ロウソクを利用するより、結果的に安全に運用できるということも大事な話かも。

この夏に起きた災害においても、かなりキャンプ道具類はそれぞれに役立っていることは見て取れるのだが、現場ではホワイトガソリンやカセットガスなどが手に入りにくいのも事実。せめて灯りくらいは、身の回りのもので安全に確保できるスキルを身につけてみてはいかがだろうか? という提案なのでした。

TAMA@MAC
著者:TAMA@MAC
主に月刊オートキャンパーに執筆し、超小型キャンピングトレーラーを引っ張って、キャンピングカーの可能性を甘受する日々を送る。クルマやキャンピングカーは相当好きだが、最近はフィールドワークにドップリはまり込んでいる。 http://www.tamamac.com